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夜と霧

ドイツ強制収容所の体験記録
4.2 4.2 (レビュー4件)
定価: 1,890 円
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    「夜と霧」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      ナチスの強制収容所に収容されたユダヤ系心理学者の体験記。
      敢えて悲惨さを強調せず、心理学者視点で収容所内での人間心理と、解放された後に来る精神不安について書かれている。夜と霧に紛れて連れ去られる人々を表した題名とのこと。
      以下、備忘録。
      被収容者から選ばれるカポー、良い人は帰ってこなかった、タバコを吸い始める収容者はまもなく死ぬ、恩赦妄想、ヤケクソのユーモアと好奇心、人はどこまでも慣れる、鉄条網に走る=高圧電気で自殺する事
      ・栄養不足で一度も歯も磨かず泥だらけの傷が出来ても病気にならなかった、アパシー感動の消滅、殴られても何ともなくなる不感無覚、飢餓浮腫
      ・幼児性への退行、胃袋オナニー、性欲が全くなくなる、政治と宗教・降霊術への関心、繊細な人の方が収容所生活によく対応した?収容所演芸会と芸術への関心、悲惨な環境で求める孤独な時間、脱走を試みた際の残していく仲間へのやましさ、諦めた際の心安らかさ、脱走直前の赤十字医療団到着で命を落とさなかった、テヘランの死神の逸話
      ・感情の消滅、振る舞いをするか決める精神的内なる自由がある意味がある苦悩なのか?
      ・被収容者が最も辛かったのはいつまで入っているか分からない事、無期限の暫定的存在、失業者も同じ心理。ごく少数が内面的勝利を勝ち取った
      ・研究対象として収容所生活を講演している様を想像して超然としていた、夢で見た開放日に死んでいった音楽家、苦しむ事は何かをやり遂げる事、言葉よりも模範、犠牲に意味はる
      ・収容所監視者の心理、収容所の下位からの選抜はサディストの選抜、2つの種族が混在している、解放後の精神の弛緩、開放の日に嬉しさは感じなかった、何時間も貪り食う、話し続ける、解放後の苦悩、等。
      >> 続きを読む

      2018/03/14 by

      夜と霧」のレビュー

    • 評価: 3.0

      こんなにも壮絶な世界が、この世に存在していたという事実にただ驚くばかり。何より、あの中にいてもなお、人間としての尊厳を失わなかった人々に、ただただ驚嘆するのみ。

      2015/07/19 by

      夜と霧」のレビュー

    • 課題図書になった時に読みましたが、また読み返したくなりました。色々考えさせられますよね。 >> 続きを読む

      2015/07/19 by sunflower

    • 評価: 評価なし

      こんな目にあわされても、人はユーモアを持つし、夢を持つ。生きて解放されて、さぞ素晴らしい気分だろうと想像したが、その状態に生き残った人々が慣れるのにこんなにも困難を要するとは。心理学者といえども、思い出して分析するのは辛かったと思うが、著者は凄い人だ。巻頭の長い解説、巻末の写真資料集は、イメージ通りの収容所の残虐さに溢れているので、体調の悪い時などに読まないように忠告したい。

      2014/12/03 by

      夜と霧」のレビュー

    • purpleeoさんは旧訳版でお読みになったんですね。
      写真資料、解説、辛いですよね。
      私は眼鏡が山と積まれた写真を見て涙がこぼれました。
      >> 続きを読む

      2014/12/04 by 月うさぎ

    • 絶句する程の写真の資料でした。図書館の翻訳小説のコーナーに誤って紛れていて、思わず手に取ってしまう内容でした。
      メガネの写真は、私も非常に胸が痛みました。使用していた人達は、かけがえのないニンゲンであったのに…
      >> 続きを読む

      2014/12/09 by 紫指導官

    • 評価: 5.0

      われわれを救うことのできる唯一の考え。絶望せしめない唯一の思想。
        それは「かけがえのない」ということ

      『夜と霧』―ドイツ強制収容所の体験記録 旧版 
      心理学を勉強する者の必読書でありベストセラーにもなった名著です。

      新版を読み、かつて旧版で読んだ時の違いに衝撃を受けました。
      旧版にあった70ページにわたる「解説」と「写真図版」という資料がまるまる削られていたのです。

      「解説」では資料による具体的な数字や、裁判記録や証言を用い、強制収容所の過酷な虐待や殺戮の実体が詳細に説明されていました。
      アウシュヴィッツ、ベルゼン、ブッビェンワルト、
      ダッハウ、ノイエンガム、ラヴェンスブリュック…
      これらの収容所で起きた実際の虐待、殺戮の証拠と証言の数々は、
      目を逸らしたくなるような記述の連続です。

      それでも実際の悲劇のほんの一例でしかないのです。
      アウシュビッツでは300万人以上の人が虐殺され、
      250万人はガス室で殺されたそうです。

      この資料の全面削除には残念な気がしました。
      捕虜となった人々から奪ったものが何だったのか。
      それは、写真のほうが多くを語っていたように思えたから。
      ガス室の写真に添えられたコメントの重み。
      私はといえば、累々たる屍よりも、打ち捨てられた大量の眼鏡にリアリティを感じてしまいました。

      フランクルの理性的で抑制の効いた言葉を読むだけでは、
      この極限状況は想像しきれないのではないでしょうか?

      奪われたのは自由なんかじゃない。
      人間の尊厳そのものだということが。

      そして人間はどこまで残酷なことを思いつけるのかということが。

      この度の簡略化は、みすゞ書房の意図かもしれません。
      出版者の序を読み直すと、解説と写真はみすゞ書房の意図によって編集されたものであったらしいのです。
      とすれば、新版ではいわば「本来の形」に戻したことになりますね。

      みすゞ書房の旧版冒頭には「出版者の序」という言葉が掲載されています。
      「人間であることを恥じずにはおられないような二つの出来事。」として
      「南京事件とナチズムの強制収容所の組織的集団虐殺」を
      国家の内政と国民性による共通の罪であるととらえ、
      「人間性の本質についての深刻な反省」を促す文面です。

      戦争だけが特殊要因である過去の他人の話ではなく、同じ人間の罪であったこと。

      二度と同じ過ちを犯さないためには、それを「知ること」が必要です。

      出版当時、この「夜と霧」を心理学の専門書としてだけではなく、
      戦争を顧みる資料として世に広めたいというのは、
      出版社の意図であったと、そう思えました。

      新版には(初めて読んだ方はそう思われなかったと思いますが)
      戦争の色が随分薄くなったなと思いました。

      一般書として読まれた方が、本は売れます。
      新版では、心理学の専門書という扱いではなく、ノンフィクションの人生哲学書であるかのような扱いです。
      事実、関連本の多くはほぼ「名言集」的扱いをしているようですね。

      一般書としても読まれるこの本に、戦争の重しをつけて売る必要はない。
      そういうこと?
      もしくは、南京大虐殺を初め、戦争の真実を伝える資料を
      掲載することに「問題」でも出て自主規制したのだろうか?
      なんて、うがった考えもちらりと浮かんだのは事実です。
      そういえば最近は、新聞などで戦争を報道するにあたって
      死体の写真は載せないというのが暗黙のルールだそうですよ。

      新訳も読んでみて、両書共に価値があると思われました。
      霜山訳は固いですが、その分、文章を精読するので意味が解りやすい。
      読み物としては池田氏の訳が絶対的にやさしくてこなれている。
      これから読む方にぐっと敷居が低くなりました。

      しかし、実際に何が起こりどういう状況を指すのかは、
      やはり霜山氏訳によったほうが正確です。

      「心理的なケーソン病(潜函病)」 霜山訳
      「精神的な潜水病」 池田訳
        潜水病って医学的には意味が違うぞ。とちょっと思ったり。

      時代性、翻訳者と出版社からのメッセージの強さ。
      この本を長くベストセラーにしてきた業績、
      特に「夜と霧」というタイトルの翻訳の文学的表現による成功。
      その点で旧版に、より大きい賛辞を送りたいと思うのです。


      (内容のメモ)
      第一の段階  アウシュビッツ到着 収容ショック
      第二の段階 無感動の段階
        内面的な死滅が徐々に始まる
        無感覚、感情の鈍麻、内的な冷淡と無関心
        唯一の課題 ただ生存を維持するということに集中する。食欲。

      第三期  収容所から解放された時の心理学
        著しい離人症

      *心理的保護を必要とする。
      *(被害者が)権力や暴力・恣意、不正の客体から主体になる。
        この二つの視点を強調していることにも意味があると思う。

      「存在形式の終りを見極めることのできない人間は、
      また目的に向かって生きることもできないのである。」
      「拠り所(未来、目的、愛)を失った人々はやがて仆れて行く」
      存在の意味、苦悩の意味

      存在の「何故」を知っているならば、「如何に」にも耐え得る。

      夜と霧 もくじ
      出版者の序
      解説
      1 プロローグ
      2 アウシュヴィッツ到着
      3 死の蔭の谷にて
      4 非情の世界に抗して
      5 発疹チブスの中へ
      6 運命と死のたわむれ
      7 苦悩の冠
      8 絶望との戦い
      9 深き淵より
      訳者あとがき
      写真図版

      「訳者あとがき」は名文で、新版にも敬意をこめて収録されている。以下抜粋

      この本は冷静な心理学者の眼でみられた限界状況における人間の姿の記録である。
      そしてそこには人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。
      だがまたそれはまだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。
      そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう。

      もしわれわれが 蛇と闘わないならば……。
          1959年7月
      >> 続きを読む

      2013/08/31 by

      夜と霧」のレビュー

    • 大学の授業でユダヤ文学を少しかじりました。
      映像で見る収容所の様子には、授業中にもかかわらず
      涙が止まらなくなりました。
      非人道的という言葉では、言い表せない衝撃です。

      確かに、旧約版の資料も悲惨なものでした。
      が、あれは氷山の一角だったのではと思います。

      著者の淡々とした文体と内容は文学としては素晴らしい。
      でも、事実を後世に残す意味では、資料はつけておくべきと
      思うのです。
      新訳版に省かれていたなんて知りませんでした…。

      >> 続きを読む

      2015/01/19 by moonchild

    • moonchildさん。月つながりですね。どうぞよろしくお願いいたします。
      >事実を後世に残す意味では、資料はつけておくべきと思うのです。
      私も日本人としてそう思うのです。
      迫害の資料は他にいくらでもあるから、と言ってもそれはヨーロッパの事情です。
      日々疎しとなる戦争の恐ろしさを伝えることには今なお意義があると思います。

      新訳はとても薄くて軽い本になっています。手に取りやすいですし読み易いです。
      なんだか哲学や人生学の本という扱いにみえます。
      フランクルさんってなんて立派な方なんでしょう。ウルウル。って感動本?
      しかし旧版では獲得できない読者を得ることができると思います。
      読まないよりは読むべきですよね。
      それでも旧版を知っている者として、この本の存在を知っていてほしかったので
      レビューは2つ書きました。
      日本がドイツの同盟国として戦争していたことを忘れてはいけない。
      二度と戦争はしない。旧版に宣言されたその思いを捨てないでほしい。
      >> 続きを読む

      2015/01/21 by 月うさぎ

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      みすず書房 (2002/10)

      著者: FranklViktor Emil , 池田香代子

      他のレビューもみる (全19件)

      • 評価: 5.0

        読書ログの課題図書にならなかったら、
        きっと一生読むことのなかった本だと思います。

        内容を全く知らないまま読み始め、
        ドイツの強制収容所を体験した精神科医の著作だという事に驚きました。

        読み進めるうちに、子供の頃に連れられていった「アウシュビッツ展」で
        非常に大きなショックを受けた事が鮮明に思い出されました。

        あまりにも残酷な状況を被害者として語るのではなく、
        冷静に分析している著者の強さははかり知れません。

        戦争、虐殺、差別、その他様々な歴史を経験しつつも、
        いまだに地球上からなくなることのない人間同士の殺し合い。
        根絶される時代はくるのでしょうか。

        8月、日本人として特に過去を振り返るべき月に
        この本を読めたことはとても有意義だったと思います。
        >> 続きを読む

        2013/08/19 by

        夜と霧」のレビュー

      • >caramelさん

        レビュー待ってます♪

        >◆空太◆さん

        慣れって恐ろしいです、本当に。

        >iceさん

        人間の残虐性を知ると恐ろしくなります。

        >makotoさん

        気付きませんでした(笑)

        >emiさん

        emiさんがmakotoさんにノッてきちゃうとは(笑)
        >> 続きを読む

        2013/08/20 by アスラン

      • 私も読みました! 巻頭の解説、巻末の写真資料、これが私の知る収容所そのものだったのですが、著者の、経験した心理学者として書かれた本編は、非常に興味深い内容でした。初版は1961年ですから、もっと早くこの本に出会いたかったなあと思いました。 >> 続きを読む

        2014/12/03 by 紫指導官


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