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緑の思想 経済成長なしで豊かな社会を手に入れる方法

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 足立 力也
定価: 1,028 円
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    「緑の思想 経済成長なしで豊かな社会を手に入れる方法」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      ローマクラブが1972年に発表した「成長の限界」というレポートをご存知でしょうか? 僕は恥ずかしながら本書を読んで初めて知りました.今から40年以上も前に,既に,「現代資本主義社会が『これまでと同じペースで(=幾何級数的に)』経済成長をし続けた場合,私たちは破局に直面するだろう」と指摘されていたのです.「幾何級数的」というのは,簡単に言えば「年額いくらずつ」という「定額」ではなく,「年率何%で」という「定率」で成長を見込むような場合です.

      こうした世界の破滅を回避するには,現代の幾何級数的経済成長構造を止めなければならない.このような考えに基づいているのが,本書で述べられている「緑の思想」です.右(資本主義)でもなく左(共産主義)でもなく,前へ.未来世代に持続可能な社会をバトンタッチするために,私たち現世代の人びとが何をなすべきか.世界中で活動が広がりつつある Greens と同調して日本でも立ち上がった「緑の党グリーンズジャパン」の根幹を成す考え方です.

      Greens は各国に広まり,ヨーロッパなどでは議席も確保しているそうです.世界各国の Greens が集まって定められた「グローバル・グリーンズ憲章」では,6つの原則を定めています:

      1. エコロジカルな知恵 (Ecological Wisdom)
      地球環境を維持するために,大量生産・大量消費・大量廃棄社会のベースとなる「一方通行」の経済から,「循環型」の経済に転換する.適切な「循環型」の社会を実現するためには,自然から学ばねばならない.そのために自然科学を用いる.

      2. 社会的公正 (Social Justice)
      限りある天然資源や社会資源を一部の少数者が独占すること無く,現世代にも,将来的にも,公正に分配する.声を出せない,出しにくい,あるいは声が小さい人たち(一般的には貧困層)の声をどのように,どれだけ社会に取り入れていくことができるか,を重視する.

      3. 参画型民主主義 (Participatory Democracy)
      全ての人が主体的にある物事の決定プロセスに参加することを目指す.そのための意思決定の構造(システム)は,ヒエラルキー的ピラミッド型ではなく,水平的なネットワーク型でなければならない.また,システムのみならず,「価値観としての民主主義(=一人ひとりの自己実現と,社会を構成する全員の合意(コンセンサス)という,一見すると相反する要素を同時に達成しようとする)」も重視する.

      4. 非暴力 (Nonviolence)
      戦争や殴り合いといった「物理的暴力」のみならず,権力や財力,軍事力などの強いものが世の中を支配するという現代社会の「ルール」そのものが,一般市民の「幸せな生活を追求する権利」を奪うという意味で,やはり暴力である(=構造的暴力)と認識し,その排除を目指す.

      5. 持続可能性 (Sustainability)
      有限の地球資源の上で生活する以上,持続可能な「成長」などあり得ない,という前提に立ち,現在の世代と後世の世代が同じ豊かさを享受できるよう,現代の社会や経済をコントロールしなければならない.経済をできるだけシンプルにローカル化し,各コミュニティにおける食糧や消費財を可能な限り自給するような方針転換が必要.

      6. 多様性の尊重 (Respect for diversity)
      エコシステム(生態系)は種の多様性が保たれてこそ初めて機能する.自然界のみならず,人間社会の多様性(民族,職業,文化の多様性)も同様.多様性の確保のためにも,大量生産・大量消費・大量廃棄社会から脱却せねばならない.

      僕はここ数年の選挙ではインターネット上で開設されているいくつかのボートマッチを利用していたのですが,2013年参院選のボートマッチで,僕の考えと一致度の高かったのが緑の党と,日本共産党を始めとする左派政党でした.内容的には緑の党のほうが一致度は高かったのですが,小さな政党に票を投じると「死に票」になって自民党が利するだけではないか,との恐れから,共産党に投票していました.しかし本書を読み,緑の党を育てなければならない,という気持ちが強まりました.子どもを持つ親として,「持続可能な社会を未来の世代にバトンタッチせねばならない」という考え方には強く共感しました.息子が中学生くらいになったら,本書を読ませたいと思います.

      最後に,本書で紹介されている,中村敦夫氏による「緑の流れ」の一部を引用させて頂きます:

      「経済とは,政府や企業,投資家などの従属物であってはならない.わたしたちは経済を,「人びとの生活の営み」と位置づけ,競争ではなく,協力による新たな経済社会の形を模索しなければならない.そして,経済成長に依存しなくとも,ゆったりとした生活を享受できる社会の仕組みを創りたいと思う.」
      >> 続きを読む

      2014/09/15 by

      緑の思想 経済成長なしで豊かな社会を手に入れる方法」のレビュー

    • 追伸.twitter の「緑の思想bot」(@midori_shs)では,本書のエッセンスを引用してツイートしており,本書を手にとってご覧になれない方におすすめです. >> 続きを読む

      2014/09/15 by medio

    • >競争ではなく,協力による新たな経済社会の形を模索しなければならない.
      この考え方に賛成です。
      資本主義はもう終わりですね。
      >> 続きを読む

      2014/09/16 by マカロニ


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