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アバラット

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: クライヴ バーカー池 央耿
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    「アバラット」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      「指輪物語」で有名なトールキンは、ファンタジーの三つの機能として、勇気ある"逃避"、慣習によって曇った目を浄化する"回復"、幸福な結末が生み出す"慰め"を挙げています。

      モダン・ホラーの鬼才・クライヴ・バーカーのハイ・ファンタジー「アバラット」のヒロインもまた、今、此処から勇気ある"逃避"を試み、この世界とはまるで違う因果律で動く異世界で、数々の試練を乗り越え、自己を"回復"するんですね。

      ミネソタ州最大の鶏肉の生産地ということくらいしか見るべき点のない小さな町、チキンタウン。
      退屈で保守的な田舎町での生活に息を詰まらせていた少女キャンディが、ある日、町はずれの草原で八つの頭を持つ異形の人、ジョン・ミスチーフと出会う。

      気味の悪い凶暴な蜘蛛男に追われていた彼を助けた末に出現したのは「ミネソタの大地と草を洗って照り輝く怒濤の海」。

      ジョンと共に大海原に飛び込んだキャンディは、異世界アバラットへと流されていく。
      竜巻にさらわれ、オズの世界に飛んでいったドロシーのように-----。

      でも、ミネソタの大草原に荒波が押し寄せるこのシーンがもたらす感動は、かの名作の名場面をも超えて、実に鮮やかだ。
      ディズニーが即映画化を申し込んだのも頷けるほど、素晴らしいオープニング・シーンなのだ。

      アバラットとは、イザベラ海に浮かぶ正午から午前11時までを示す24の島と、過去・未来・現在すべての時間が溶け合う25時の島からなる群島世界。
      そこでは、人間と同じ風貌の者と見たこともない様々な顔かたちの者が共生している。

      ようやく辿り着いた、夜8時の島イェバ・ディム・デイから始まる、キャンディの様々な出会いと冒険。
      その過程で少しずつ明らかにされる、アバラットで繰り広げられている光と闇の戦いの歴史と、キャンディが果たすべき役割-------。

      四部作の第一作に当たるこの本は、主要登場人物と伏線が出揃ったところで幕を閉じる。
      陰影に富んだキャラクターの造型、グイグイ読ませる比類なきストーリー、時に哄笑を、時に悲しみを誘う、音域豊かな語り口、そして何よりもアバラットという異界の蠱惑。

      その魅力をよく伝える、著者クライヴ・バーカー本人の手からなる挿絵の数々がまた絶品だ。
      光と闇、善と悪、美と醜など、様々な対立項が単純な勧善懲悪には流されない形で提出されている点も、凡百のファンタジーとは一線を画した成熟度の高さを感じます。

      これほど面白くて、ワクワクさせてくれるこの本は、全ての本好きを魅了する、ファンタジーの中のファンタジーだと思いますね。

      >> 続きを読む

      2019/04/15 by

      アバラット」のレビュー

    • 全くのノーマークなうえに、私の趣味的に「アバラット」というタイトルだと手に取らない自信があります。なぜか?と聞かないでね。自分でもわからないの。
      四部作というところも、4冊も読まないといけないのか…と気が引けます。
       ↑
      とても読書好きな人の発言ではないですね(^^;)

      >ファンタジーの中のファンタジーだと思いますね。
      ここまで言われたらスルーできません。ましてdreamerさんのお勧めならば!
      >> 続きを読む

      2019/04/16 by 月うさぎ


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