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カテゴリー"宗教"の書籍一覧

      宗教とはなにか とくに日本人にとって

      中村雄二郎

      4.0
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      •  ヨーロッパ人と日本人の感性における相違について、予てから疑問を持っている自分にとって、なるほどと思える観点をいくつも提示してくれる興味深い1冊だった。

         ヨーロッパ人、とひとくくりにしてしまうのも問題だとは承知のうえでざっくり言わせてもらうと、ヨーロッパ人って、日本人に比べて自己主張が強かったり、空気を読むとかよりも自分の意見を言いながら議論を戦わせて行くようなイメージがある。


         宗教の観点から言って、ヨーロッパ人と日本人には大きな違いがあって、だから上記のような、自己主張を善とするか好ましくないものとするかの違いがでてくるんだ、というのがひとつ、本書から気づいた見方だった。
         これもまたかなりざっくり言えば、ヨーロッパといえばキリスト教。そして、キリスト教の「神」って、イコ-ル「存在そのもの」、そして「善そのもの」。キリスト教では、無から神が「光あれ」と言って、世界を創造してゆく。つまり、「存在」するものはすべて、神がおつくりになった貴いもの。

         自分という存在も、神がつくったものとして貴い。自分の存在を主張することはもちろん素晴らしいことなはず。だから、周りとの和を考えて、自分の輪郭をわざわざぼやけさせるなんてこと、そもそも発想にない。

         他方、日本人はちょっとちがう。仏教において、どこまでも自分を無化することで、悟りはひらける。日本人にはどこか、皆おんなじ人間なのだ、という「共通認識」がある。(人間はもちろん、動植物にいたるまで、おんなじという見方もあります)みんなの「同じ」部分を協和しあうことに価値が見いだされる。そこで、「ちがう」部分をことさら強調するのは、「恥」ということになる。
         
         ヨーロッパ人にとって、基本的に「存在」が「善」であるのに対し、日本人にとっては「存在」が「悪」だという見方は、なるほどと思った。会社でもどこでも、自分の存在をことさらアピールする行為は、時代が変わったとはいえいまだに、あいつ空気読めてないよ感を出すことは間違いない。
        (ただ、ヨーロッパのキリスト教でも時代や流派によりかなり違いますし、西洋中世はむしろ日本人に近い精神性だという阿部勤也氏の見方には賛同します。それに、神秘主義的キリスト教と日本の禅などとの類似性もあります。それはいったんここではおいておきます。)

         いまひとつ自分にはわからなかったのが、「誠」の哲学への批判の箇所である。「誠」のためならば、一家無理心中さえ「善」となってしまう、「誠」のためならば、戦争さえ肯定してしまう。その問題点を指摘しているようですが。
         今、私たちが生きている日本は、だんだん変わってきていて、そういう「誠」もおそらく、だんだん、薄れているのではないか?だから私は読んでいて実感が持てなかったのかもしれない。
         ある意味で「誠」は問題だけど、でも、日本人らしさとして、べつに、捨てるべきものではないと私は思う。そういう「誠」のもとに、映画『シン・ゴジラ』で、日本の研究者たちはあの薬の開発を実現できたのではなかったか?

         また、日本人には、他者を他者として意識する能力が欠けており、それは、また、自己を自己として意識する能力の低さも同時にあらわす、というのは、なんとなくわかった。
         ほかの人との共通部分、調和しあえる部分に注目があつまり、また、そこをあわせることが、空気を読むことだと世間が示すあまり、自意識とか、自己主張といったものがうまく育たない。むろん、個人差や業界差はあるが。四-ロッパ人と比べればかなりその傾向は顕著である。

         日本的かヨーロッパ的か、の二通りしかないわけではないし、どちらかが優れているというわけでもない。

         ざっくり言い過ぎとはいえ、ざっくりとでも、やはり、彼らと日本人はあきらかにどこかちがう。

         そういうことについて、じっくり考えてみるのも、暇つぶしとしての人生の使い方としては悪くないものだと思う。

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        2016/12/10 by 理子*

    • 2人が本棚登録しています
      原理主義とは何か アメリカ、中東から日本まで

      小川忠

      3.0
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      • 宗教ですらよくわかっていないので、原理主義となると理解のハードルはさらに高い。読んでみてやっといくらか理解できた程度かと。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

    • 1人が本棚登録しています
      池上彰の宗教がわかれば世界が見える

      池上彰

      3.3
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      • あまりにも知らなすぎるイスラム教について、おおまかでもいいから分かりやすく解説されたものを、と思い購入。
        最低限の知識なための本のつもりだったので、さらりと読めると思っていたのだけれど…。対談されていた住職さんの宗教家として目覚めた体験談に、ふいをつかれて涙が出て来て困った。スタバで読んでいたので。
        いつかまた、近いうちにもう一度読むと思う。
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        2012/02/06 by oka-azu

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      サバイバル宗教論

      佐藤優

      5.0
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      • 佐藤優氏は異色の人物だと思う。神学部から外務省に入り、ソビエト崩壊時に外部官僚としてモスクワにおり、政治にも深く関わって、獄中生活もしました。本書は臨済宗の相国寺で行われた佐藤氏の連続講義をもとに書かれたものです。宗教のプロを相手にしかも禅僧たちを相手に宗教を語るというのは普通の研究者なら物怖じしてしまいそうです。佐藤氏の語りは経験と学識に基づいた、非常に論理的且つ実践的な宗教論です。いったいどんな勉強をしたらこんなに知識を集められるのかと圧倒されます。結構新しい若い人が書いた小説なんかも読んでいるし、実は「佐藤優」は何人もいるのではないかと疑いたくなるくらいです。

         世界の情勢をすべて金銭だけで説明しようとする考えもあるが、やはり民族の対立や独立運動などには経済だけでは説明しきれない宗教も問題が絡んでいることを実感します。

         世の中で片面からしか宣伝されていないことの裏側も語ってくれていて面白いです。今回衝撃的だったのは、スウェーデンのような北欧の高福祉国家は、監視国家であるという事実です。スウェーデンでは国民総背番号制が1947年に導入され、氏名、出生地、国籍、教区名、両親の名前、現住所、結婚歴、離婚歴、所有不動産などの情報が一元管理されており、生活のほぼすべてが国家(税務署)に把握されているそうで、銀行の預金残高が不自然に増えていたりしたら、それだけで脱税を疑われたりするそうです。こういう面は日本では全然報道されていないと思います。
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        2014/05/28 by nekotaka

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      完全教祖マニュアル

      辰巳一世 , 架神恭介

      4.0
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      •  私はまだ、今すぐ就活をしなければいけない学生ではありませんが、就職できるか不安に思っていました。教祖になるという選択肢は一切考えていませんでした。しかし、教祖になるという道もあるのだとこの本は示してくださいました。教祖とは人をハッピーにする素敵なお仕事だったのですね!

         信者の獲得はどうしたらよいの?文章力に自信がないから教義を作成できない!迫害されたらどうしよう?等々、新米教祖の悩みや不安に対処法を教えてくれます。『完全教祖マニュアル』というタイトル通り、この本を実践すればきっと教祖になれるはずです。

         この本を読んで「教祖になるのも良いかもしれない教」に入信してしまいました。

         教祖になってみたいという方のみならず、特定の宗教を信仰していない(クリスマスもお正月もやるような人)にもこの本をお勧めします。既存の宗教をより深く理解できることでしょう。深く信仰している方には眉をひそめたくなるような、そうでない人には身近に感じられる例えがたくさん載っています。

        たとえば、釈迦が修業中のエピソードについて
        p38 釈迦が瞑想中に悪魔の誘惑を受けたことは有名ですが、その誘惑には『おまえ、家帰って王位継げよ。お父さん心配してるよ?』というものまでありました。悪魔の誘惑というか、単に実家からの手紙のような気もしますが、とにかく釈迦はこういった悪魔の誘惑に打ち勝って反社会的生活を貫いたのです。

         悪魔の誘惑を実家からの手紙にたとえるとは!作者は恐れを知りません。

         また、本気で人々の救済を目指す教祖志望の方もこの本を読まないでください。作者は教祖になって、人々をハッピーにしよう!甘い汁を吸おうともいっています。実際に実践編の第七章のタイトルは甘い汁を吸おうです。人々の救済を本当に望む人に、不要な壺はどうして売れるのか?という疑問に対する答えなど、必要ないのです。
         
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        2015/04/29 by hiyoko

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      新祈りのみち 至高の対話のために

      高橋佳子

      4.0
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      • 著者の言葉は、どれもストレートに心に訴えかけてきてくれる。余計な言葉は一切はぶかれ、研ぎ澄まされた言葉のように感じる。 >> 続きを読む

        2013/07/15 by みるめ☆彡

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      魂の発見 時代の限界を突破する力

      高橋佳子

      4.0
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      • 因縁果報の中心は自分である。そこに人生のテーマ、魂の願いを見出す種がある・・・。無駄な言葉が一切なく、ストレートに心に入ってくる内容でした。 >> 続きを読む

        2013/07/15 by みるめ☆彡

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      真っ赤なウソ

      養老孟司

      4.0
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      • 【「宗教とはウソから出た真実(マコト)である」。仏教の大学の講座で養老博士が語る、本気で生きることとは…。】

        (全知全能の神を信じる宗教(信仰)と違ってお釈迦様の話は人間科学である)

        上座仏教のアルボムッレ長老の本がとても分かりやすいので、養老さんの本はちょっと分かりにくいというかスッと頭に入りにくいところもあったけど、仏教の考えと養老さんの考えが同じだったということかな。で仏教のような宗教?が必要だということかな。

        脳科学とお釈迦様の教えは共通する。だから(脳科学者)茂木さんの言うことにもすごく共感できる。

        私も、お寺のお坊さんは葬式や法事のことばかり言ってないで(お釈迦様はそんなことはどうでもいいと言ってる)悩み事の相談に乗ったり、お釈迦様の教え(どう生きるかということ)をしっかり伝えたりもっともっと表にでるべきではないかと思う。

        養老さんのいうことには共感するところが多かった。 

        けど個人的にちょっと読みにくかったので星4つ 。
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        2013/01/14 by バカボン

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