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カテゴリー"海軍"の書籍一覧

      マハン海軍戦略

      井伊順彦 , 戸高一成 , MahanAlfredThayer

      4.0
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      • 知っている人には有名なアルフレド・T・マハンの海軍戦略に関する学術書。古典です。でも、基本でもあると思います。緒論にもあるとおり、日露戦争の終盤の日本海海戦やネルソン提督に影響を受けていて、それらを踏まえつつ当時(日露戦争の少し後)における米国海軍戦略について論じています。内容としては史例と解説から始まり、理論に昇華し、応用(適用)を持って締めています。竹を割ったような明快な論理展開ですが、この論理展開とても重要な情報戦理論でもあります。現場の事例の収集と分析という枝葉(戦術)->抽象化を行って理論(戦略)という大木の幹に集約->実際の現場に適用して検証および修正。この流れなのですね。
        とはいえ、私も読みかけなのでまだ全てを理解したわけではないですが、海軍と言うものの本質とそこから導き出される運用の仕方が描かれています(海軍の本質とは攻勢の戦力であるとか(防衛時においても攻撃を持って防御する))。
        これは一種の組織論でもあり、個人にして応用すれば人の在り方論でもありえます。思想として、一つの考え方、一つの仮定に基づく活動のモデル(モデルベース開発とかのコンテキストでのモデル)として応用するという心持で読めば、ソフトウェア等の開発にも十分参考になるかと思います。
        軍事というと今の世の中煙たがられますが、諸問題への対処の仕方と視点を変えればこの手の兵法書には有益な事が書かれていると思います。要は力の行使(や力自体のIconとしての兵器や軍隊)やその結果(戦場写真等)へ偏らず、軍隊=やくざで思考停止するのでもなく(軍事を理解しない人に雇われると軍隊はやくざになっていってしまいますが)、問題の対処方法、問題への向き合い方と考えれば、右でも左でも極端に走らずに(力に飲まれることなく)、適切に役に立てることができると思います。たぶん、それがこの本を書いたマハン氏の本当の意図でもあると思います。
        やむを得ず軍事に関わらざるを得なくなった人、もしくは例え兵法書からでも自分のミッションに応用してみせるという柔軟な指向を持った人にお勧めです。
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        2013/01/06 by Shimada

      • コメント 4件
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      勝つ戦略負ける戦略 東郷平八郎と山本五十六

      生出寿

      4.0
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      • 歴史的勝利と敗北をした2人の海軍大将の比較。

        多少、著者の主張が強すぎる印象は有るものの手に汗握る面も有り、楽しめる。

        東郷平八郎と山本五十六。
        恥ずかしながら、興味は有りながらも、これまで名前程度しか知らなかった。

        本作は日本戦争史に名を残す2人の海軍大将の比較論だが、日露、太平洋、両戦争当時の世界情勢、経済情勢なども詳細に紹介され、単に、人物比較だけで無いところに意義を感じた。

        最終的にはフォローされるものの、東郷○山本×という明確な主張により、全てが展開されていくため、かなり偏った見方になっていることが気になった。

        しかし、評論等では、著者の考え方が明確に表現されていることが必要と考えており、そうされていない作品には何度もがっかりさせられたことからも、執筆姿勢としては、素直に受け入れることが出来た。

        著者の思想に引っ張られすぎないためにも、両大将を他の書籍で調べなおそうと思う。
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        2012/01/08 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      エムデンの戦い

      LochnerR. K , 難波清史

      4.0
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      • 第一次大戦で活躍したドイツの軽巡洋艦・エムデン号とその乗組員たちのことを描いた作品。
        さまざまな証言や回想録から、とてもわかりやすく、具体的にエムデン号の戦いとエムデン号が敗れたあとの乗組員たちの冒険が描いてあった。
        しばしば、心震え、本当に心躍るような気持ちで読むことができる、とても面白い本だった。

        エムデン号は、たった一隻で、ドイツが劣勢という圧倒的に不利なアジアの海の状況の中で、イギリス・フランス・ロシアなどの連合国の艦船を三十隻以上拿捕、あるいは撃沈し、インド洋や東南アジア近海の連合国に一大脅威と打撃を与え、しかも大胆不敵にもマラッカとペナンの二つの港湾にまで侵入し、石油タンカーを破壊したり、巡洋艦を撃沈するなど、まさに神出鬼没の活躍をした。

        多くの商船を拿捕したが、エムデン号の艦長のカール・フォン・ミュラーは、常に国際法を遵守し、拿捕した商船の乗組員たちの身柄は常に丁重に保護し、必ず生きて帰れるようにはからった。
        そのため、解放された拿捕船の乗組員たちから、エムデン号やミュラー艦長に万歳の声があがることも再三あったという。
        戦いにおいても非常にフェアだったという。

        エムデン号がたった一隻で敢然とインド洋での戦いに赴き、信じられない戦果を挙げたことは、本当に二十世紀初頭の奇跡というか、最後の英雄的な艦船の活躍だったような気もする。
        そして、このような任務を敢然と行える艦長以下の人材のすごさを見ていると、人間は本当にすごいとあらためて思った。

        また、この本は、活躍のみでなく、その裏側で、いかに艦長以下、補給の問題や日々の生活に頭を悩まし、苦労をしていたかもよく描かれていた。
        エムデン号も、華々しい活躍は表面で、いつも補給の問題に頭を悩ませ、地道に石炭の補給や食料補給、掃除や洗濯などがけっこう大変だったらしい。
        石炭の積み替えは特に重労働だったらしい。
        そういう具体的な地道な努力や苦労があったうえでの、あの赫々たる武勲だったのだろう。

        この本に描かれる、エムデン号のドイツ海軍軍人たち、および敵のイギリス海軍軍人たちは、非常にフェアで、互いに敬意を持ちあい、本当にすがすがしかった。
        二次大戦の仁義なき戦いと違い、一次の頃は、わずかながらこういう事もあったんだなぁと感心させられた。
        エムデン号は最後はイギリスに撃破され、艦長以下降伏するが、イギリスは非常に丁寧に礼節を尽くして迎え、コロンボに寄港した時も、恒例だと勝利を祝う万歳をあげるのを、エムデンに敬意を払い、万歳を自粛したという。

        あと、この本ですごいと思ったのは、エムデン号の後日談。
        エムデン号が敵艦船にやられて大破し降伏した時、乗組員の一部はディレクション島に上陸していた。
        このミュッケ大尉以下の五十名は、エムデン号が敵艦船に急襲を受けて海戦の末、大破し降伏したのを知ると、自分たちだけは島にあったボロボロの小舟に乗って中立国だったオランダ領まで渡り、そこでドイツ領事の協力のもと新たなドイツ商船に乗り込んでイエメンに渡航、イエメンから沙漠を駱駝に載って渡り、ベドウィンの襲撃を受けながら北上し、ついにドイツまで帰国したというのだからすごい。

        ミュラー艦長やミュッケ大尉を見ていると、人間は己の任務に忠実に、そして精魂を傾けて奮励努力すれば、普通では考えられないことをやり遂げることができるということを本当に思わされる。
        そして、その過程において、正々堂々とフェアであれば、敵味方を問わず敬意を持たれ、はるか後世の人にまで語り継がれるようになるということも、よくわかる気がする。

        とても良い一冊だった。
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        2012/12/22 by atsushi

    • 1人が本棚登録しています
      戦争を動かした30人の提督 指揮官の判断力と技量の優劣

      吉田俊雄

      2.0
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      • 多くの人類を死に至らしめた指揮官達の実態。

        興味の有る分野だが、何故かどうにも心に響いて来ない。

        昭和の最新装備を明治の頭で采配する。
        軍という閉鎖性の強い特殊な組織の中では、いかにも起こりそうな判断ミスだが、その性質上、人命に対する影響が強く、大惨事に直結してしまったのが痛ましい。

        類似の作品にも同様の記載が有るが、当時の軍では作戦が失敗した際に責任を取るのは必ずしも、その責任者では無かったという点が納得できない。

        責任者という立場は、成功しても失敗しても、その責任を甘んじて取るというもので有り、成功したら自分の手柄。失敗したらみんなの責任では、小規模組織でも成り立たないだろう。

        専用の学校からエリートコースを進んだ者同士の馴れ合い上層部では、あまりにも末端で生命を賭けた者達が哀れと言わざるを得ない。

        当時のパラダイムシフトだった軍艦から飛行機への転換。
        真珠湾でアメリカよりも先に、その効果を認識したにも関わらず、以降は逆にアメリカに思い知らされた辺りが、惜しかったと言わざるを得ない。

        潔くを腹を割いて果てた武士道は、既にこの時代には失われていたのだろうか。
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        2012/03/11 by ice

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      アメリカ海兵隊のドクトリン

      北村淳 , 北村愛子

      5.0
      いいね!
      • ジョンボイドのOODAループの勉強のために購入したが、結果、現代組織論として、目からウロコであった。ある意味究極の学習する組織として、アメリカ海兵隊がモデルたりうるのだと感じた。いわゆるマスコミから入ってくるアメリカ海兵隊の不良軍人のイメージが打ち崩された。



        OODAループの考え方は簡潔に述べられているが、John BoydのPattern of Conflict等の戦闘に対する考え方、特に劣勢勢力が勝利する場合は奇襲攻撃、相手の精神を攻撃目標にすることで戦意を挫き、よく考え、頭脳的により意識決定が早い軍隊が、結果として被害が少ない方法で、理想は戦わずして勝つ例がほとんどだったという、Boydの歴史的な研究から導き出されたドクトリンが海兵隊に叩き込まれている。そのためには統一された概念を持った軍隊が生き物のように行動し、お互いの兵士、士官等の間の信頼関係の構築、阿吽の呼吸の醸成にも似た活動が推奨されている。そのために、よく学び、勇敢なトライが推奨され、その途中の失敗が容認されるべきとされている。



        統一された概念を組織に与え、個々の組織が工夫学習をしながら目標を達成する、いわゆる現代の会社組織に本来必要とされるエッセンスが詰まっている。軍事モノとして色物として捉えると損をする。是非一読をお勧めする。



        どうも、日本の宮本武蔵の五輪書の影響があるようなのだが、こんなところで影響を感じることができるとは。



        今の所、John BoydのOODAループの考え方、効果を一番簡潔にまとめられた良書だと思う。
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        2017/04/22 by inkpod

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