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カテゴリー"評論、エッセイ、随筆"の書籍一覧

      幸せへの扉 世界一小さなアドバイス

      QuindlenAnna , 相原真理子

      4.3
      いいね!
      • 「何か」のヒントを得ようと、この本を手に取りました。
        一行一行に目を凝らしていたのですが、やがて撫でるように視線を動かし、しまいにふっと笑顔になりそうな気分になりました。
        頭より、心を使って生きること。
        生きている自分を「生かしてあげる」こと。
        つまりつまりつまりは、そういうこと。
        >> 続きを読む

        2017/10/31 by deco

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      人間とは何か (岩波文庫)

      マーク トウェイン

      4.5
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      • とても面白かった。
        読みながら、漠然と考えていたことがしっかり書かれているような、また、ガツンと頭を一発やられたような、そして、たしかにこれは面白い意見だという、そんな感想を持ちながら読んだ。

        一般的にはよく、マーク・トウェインの晩年の悲観的な人間観を表現した作品だと言われるようである。

        しかし、私はこの本を読みながら、しばしばかなり笑わされた。
        特に、無神論からキリスト教の布教者になった若者の話や、バージェスとアダムズの話などは、抱腹絶倒したものである。

        マーク・トウェインとしては、別に自分は悲観的なつもりなどさらさらなく、むしろユーモラスでおかしな人間というものを笑い飛ばしながら、事実をあるがままに指摘しようというつもりだったのかもしれない。

        この本は、老人と青年の二人がプラトンの対話編のように対話する。

        老人は、人間とはしょせんは機械みたいなものであり、自分の心の満足を追求するだけに過ぎないと言う。
        そして、何を満足と感じるかは、結局、気質と教育の二つによるという。

        そして、老人は、人間の考えや思想などというのは、すべて外から与えられたもの、教育という外の力によって与えられたものだという。

        そんなことを言ったら元も子もないと青年は反論するのだが、老人はさまざまな事例をあげ、考察しながら、人間はしょせんは外から与えられた力によって動かされ、自動機械のように考え、行動するだけのものであり、自由選択はあっても自由意思など存在しないと述べる。

        さらには、「私」などというものは確たるものではなく、心の感情的な部分や知性的な部分や身体の集まりに過ぎないという、かなりすごい考察も示す。

        この本ではあんまり自己責任については論じられないが、自由意志が否定されるので、当然自己責任というのも、あんまり大した話ではなくなるのだろう。
        人間というのは、生まれた環境や周囲の人間関係や持って生まれた気質によって大きく左右されて、それほどその他に違った生き方ができるわけでもなく、あんまり本人の意志によって変化するものでもないとしたら、自由や自己責任というのは、実は大変不幸な、虚妄の考えなのかもしれない。

        とはいえ、この本で、本人が満足を求めるとしても、その満足がどれも同じ次元だと言っているわけではない。
        できれば、本人も周りも満足し幸せになるようなものややり方で満足を求めた方が良いと言っており、そのような教育は肯定されている。

        どう読むかでだいぶ評価や結論が変わってくる本だと思うが、私はかなりインパクトを受けたし、とても面白く読んだ。
        凡百の人間論や人生論よりは、よっぽど面白いだろう。

        たぶん、マーク・トウェインは、このように考えた方が人間はラクだし、あんまり自由や自己責任ということで悩み過ぎなくてもいいのではないか、かくも滑稽なのが人間なのだ、と言いたかったのではないかと私は思う。

        マーク・トウェインの晩年はけっこう苦労が多かったそうで、そのためにペシミスティックになったという解釈があるようだが、そうではなく、人間がどうしようもないものだからこそあるがままに肯定し、そして笑い飛ばそうとしたという風に、私には思える。


        (追記:批判的な考察)

        マーク・トウェインの『人間とは何か』は、人間とは自動機械のようなもので、外から与えられる力つまり教育と、もって生まれた気質の、二つによって何を自らの満足として求めるかが決まる。
        そして、自分なりの精神的な満足をひたすら追求して生きるものだと述べる。

        それはそれで面白い傾聴に値する意見だし、実際はけっこうこの本の中でなかなか深い議論や微妙な議論がなされていて、単純な利己主義や機械論というわけではないのだけれど、とりあえずそのことを踏まえた上で、疑問がある。

        マーク・トウェインの意見だと、教育によって基本的に人は思想や感情や価値観が決められてしまう。
        それらの外部入力だけが、人間の思想や感情や価値観を決める。
        多少の個人差は、単に個々人の持って生まれた気質の違いという話になる。

        しかし、ここ最近、たまたまマーク・トウェインと大体同時代の同じ国の出来事である、奴隷制の歴史についての本をいろいろ読んでいたので、マーク・トウェインの意見には以下の点で大きな疑問を持たざるを得ない。

        というのは、黒人奴隷は、徹底して洗脳と暴力による恐怖によって、精神的にも身体的にも奴隷となるように外部から教育され、いわば入力され続けていた。
        そして実際、不幸なことだが、奴隷であることを自ら喜び受け入れるような、そういう奴隷もいたようである。

        しかし、中にはそうではなく、自由を求め、大変な苦労によって逃亡したり、自由を勝ち取った人々もいた。

        また、教会などによってなされる、奴隷として主人に忠実であることが神に忠実であるといった洗脳がなされる中で、その価値観を受け入れてしまったものがいる一方、巧みにキリスト教を換骨奪胎して、かえって自分たちの心の支えとし、解放を希求する心の糧としていった人々がいた。

        同じ外部入力の状態にあっても、その人の受けとめ方や換骨奪胎の仕方によって、外部入力のその人における使い方はかなり異なってくる。

        つまり、人間は何らかの外部入力に常にさらされているのは事実だが、その受けとめ方や解釈や換骨奪胎の仕方において、その人の自由な選択の余地がありえるのではないかと私は思う。

        たしかに、人間は環境や条件によって大きな制約を受ける。
        その人の発想や思想の多くが、外部からの入力に大きく規定されるのは事実と思う。
        しかし、それらに対して、どのような態度で接するか、どう受けとめるのか、どのように応答するかは、やはり人間の自由な選択がそこにありえるのではないだろうか。

        全くの自由意志が成り立たないのと同時に、全くの自動機械説も成り立たないように思える。

        それに、気質というのは、ある程度、自分自身によって変えていくことができるものではないだろうか。

        マーク・トウェインにおいて、必ずしも否定されているわけではないと思うが、あまり重視されていないのが、自己教育ということだと思う。

        人はある程度の年齢に達せば、自らを教育していくことができる。
        好んで何かの書物を読んだり、徳性を心がけたり、誰か自分の成長に助けとなるような人々との付き合いを選択することにより、自らを教育することができる。

        なので、気質と外部からの教育という入力だけによるのではなく、自己教育という自分自身による入力もまた、自分を形作っていくものになると思う。

        もっとも、このように言うと、マーク・トウェインは、そのように自己教育を好むようになったのは、あなたの気質がそうであり、また周囲の教育がそうだったから、という議論になるのかもしれない。
        それはそれで別にかまわないが、要はどの時点からであろうと、自己教育をその人が心がけるようになることができれば、しめたものだということではないか。

        人間の自由意志や自己責任などは、たいしたことがないものかもしれず、かなり環境や条件に制約されるものだ。
        しかし、それらに対する応答には、単なる自動機械ではない、個々人の自由な選択の余地があると思う。
        その積み重ねが、自己教育として、自分を形作っていくことになるのではないか。

        もっとも、よく読むと、マーク・トウェインも、自由意志は否定するが、自由選択は肯定するということを言っている。
        案外と、上記のようなことを言いたかったのかもしれない。

        自由意志も自動機械も否定して、環境や条件に対する応答における自由選択にのみ、自らの責任を絞っていけば、際限のない責任感に苦しめられることも、全くの無責任になることも免れることができる気がする。

        今思えば、ルターもペラギウスも批判したエラスムスは、そのことを言っていたように思うし、もっと言えば、自力作善も造悪無礙も両方批判した法然・親鸞も、そのようなことを言いたかったのではないかと思う。
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        2013/03/25 by atsushi

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      たいした問題じゃないが イギリス・コラム傑作選

      行方昭夫

      4.5
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      • 見事な推理を披露するホームズに対してワトソンが推理のコツを聞くと、ホームズは観察力が大切だと答える。ホームズいわく多くの人間は目の前にある様々な情報を見落としているらしい。ホームズとワトソンは同じものを見ながら、それぞれ別のものを見ているのだ。

        この本は20世紀初頭に名エッセイストとして活躍した、A.G.ガードナー、E.V.ルーカス、ロバート・リンド、A.A.ミルンのコラム集である。彼らのコラムは大した問題じゃないことを扱っているのにもかかわらず興味深く、すらすら読み進めてしまった。劇的な出来事などない日常に面白いことを見つける彼らの観察力は名探偵のようだ。

        リンドは「時間厳守は悪風だ」という記事では時間を守らない人間より時間厳守をする人間のほうが怠惰であると言ったり、「忘れる技術」では忘却のプラスの効用を説いたりと、逆説的なところがイギリスらしい。

        ミルンの記事は子供時代のことを書いていたり、自然への愛情あふれるコラムがあったりと「くまのプーさん」の作家らしさを感じることができた。また、4人の中で一番想像力が豊かなのもミルンではなかろうか。

        「パット、あなたがいらした時、私ひとりでした。私が犬に話しているのをお聞きになったのよ。お願いだから日時を指定なさって。デイジー」
        朝刊の私事広告欄で見たこの二行の文章を元にして、ミルンはデイジーとその恋人との間に起こった出来事を記事で再現するのだ。彼は童話作家ではなく推理作家にもなれたかもしれない。

        余談だが私事広告はシャーロック・ホームズにもちょいちょいでてきたので、にやりとしたポイントでもある。僕も二行の私事広告から恋物語を読み取る名探偵になりたい。
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        2016/09/11 by けやきー

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      孤独の愉しみ方 森の生活者ソローの叡智

      ThoreauHenry David , 服部千佳子

      5.0
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      • 孤独そのものについて書いたものではなく、孤独な生活の中で醸成された人生観を集めた箴言集。さくさく読める。

        自らの意志で世間から降りた人だからこその言葉。ただし、厭世的に世を退いた訳ではなく、例えば労働観など真剣そのもの。
        生き方を模索して究極的にたどり着いた結果が森の生活であって、孤独感を埋めきれずに自己肯定のすべとしてこの本を開いた私は、ちょっと居住まいを正したくなる気持ちがした。

        本来は生きる手段であるはずの労働や物質的豊かさに絡めとられて余裕がなくなっている人に、真剣に人生を生きるひとつのあり方をつきつける。

        野性味への憧憬と自然の描写が繰り返され、社会に順応する過程で失ってしまった力があることを思い起こさせる。

        最後に気に入った部分の引用。
        「僕も以前、繊細な編み目のかごを編んだことがある。だが、人が買いたくなるような価値を持つものにはしなかった。しかし、かごを編むことには価値があると思えたので、人が買いたくなるようなかごのつくり方を研究する代わりに、かごを売らなくても生活できる方法を考えた。」
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        2015/10/25 by かえる

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      読書案内 世界文学

      西川正身 , サマセット・モーム

      3.0
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      • 文豪モームによる本の案内書です。

        文はそこまで難解なものではなく、海外文学に詳しくない自分がそれを知るための一助になってくれた良書だと思います。

        特にイギリス文学の章のジョージ・エリオットの文が印象に残ってます。

        紹介文にもある「読書は楽しみのためでなければならぬ」というモームの言葉を見て、丸谷才一さんの「本の読み方の最大のコツは、その本をおもしろがること、その快楽をエネルギーに進むこと。」という言葉を思い出しました。

        「楽しむ」ことはすごく重要なことなんだな、と改めて思います。
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        2015/11/30 by けんいち

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      サミング・アップ

      サマセット・モーム , 行方昭夫

      4.0
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      •  とてもお世話になった名エッセイ集の一つに、サマセット・モームの『サミング・アップ』がある。
         学生の時分、アルファベットの羅列が目に入るだけで目眩を起こしていた私は、懸命になって外国語から逃げていた。が、いよいよ崖のふちまで追い込まれ、「困ったなあ~」とだらだら勉強をはじめる。挿入文の多いものや、語句のつながりに割り込みが入る文章が不得手だったので、英国の作家のエッセイで慣れることにした。とりわけ、オルダス・ハクスリーの難解な言い回しについて行けたとき、すこし自信を深めたものだ。そういう学びの事始め、俗にいう英学事始の第一歩が『サミング・アップ』だったのである。
         正直に白状すると、南雲堂が出している現代作家シリーズに『対訳モーム4』という本があって、この本のように日本語付きでないと不安だったのだ。しかし、さすがかつての東大入試によく顔を出したモームの英文。モームとこのシリーズのオーウェルの本を何冊か読むと、辞書さえあれば原書でもおおよそ大丈夫になった。(この「おおよそ」の解釈はむずかしいが、もちろん全てには程遠い)
         最後に、内容を紹介せねばならないが、いかんせんサミング・アップ。題名のように上手くは要約できない。今では、モームの小説をたくさん訳した行方さんの翻訳があるので、この翻訳本を一つ、英語の学習が必須の方は原書でも一つどうでしょうか。
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        2015/03/03 by 素頓狂

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      光は東方より

      平川祐弘 , HearnLafcadio

      5.0
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      • 小泉八雲の名作選集だ。

        日本人の持つ霊的なるものに対する小泉八雲の哲学的な思いがじんわりと伝わってくる。日本人以上に日本に詳しい彼が、西洋人としてどのように感じているのか書き綴っている。西田幾太郎氏の解釈によれば、ハーン氏の見方にしたがえば、われわれは幾千年来の人格の複合体ということになるとか。繊細な描写を読むと、ハーン氏が暮らした松江の家を訪問したときのことを思いだす。味わい深い作品だった。 >> 続きを読む

        2017/04/22 by KameiKoji

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      トゥルー・ストーリーズ

      AusterPaul , 柴田元幸

      4.5
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      • ありえないような本当の話をまとめたポール・オースターのエッセイ集。読みながら仰天(^^♪ 彼は偶然の一致に遭遇しやすいのかな? でも、日々のニュースや私たちのまわりには、えっ~~なにそれ!? というようなことがけっこう起こっていますね。そんな<事実は小説より奇なり>というオースター体験を、軽やかなタッチで描いています。

        もちろん、屈指のストーリーテラーは、そんな数々の偶然をしっかりとらえて作品に取り込んでいます。ある日、オースターの叔父は高所から落ちてしまうのですが、なんとか一命をとりとめたのは偶然にも落ちた場所に張り巡らせていた洗濯ロープのおかげ。そんな出来事を、彼は「リヴァイアサン」の準主人公サックスに担わせています。
        また、無名時代のオースターは金がなくて食べる物にもことかいていたよう。自ら命を絶つことなく、なんとか生き延びてこられたのは、いろんな人の助けと偶然の連続……そんな塗炭の苦しみを、彼は「ムーン・パレス」の主人公マーコに担わせました。

        大都会ニューヨークの公園、ホームレスに陥ってしまった孤独な学生マーコ。現実社会の中で無情に降りそそぐ不条理の雨あられ。この物語ではあまりの滑稽さに笑えるのですが(この笑いというものに昇華させたところが凄いのですけどね)、そこへ出くわした一文に絶句。だいぶ前、ふっと人生の崖から飛び降りてしまった友人を空中でつかまえられなかった私は思わず涙してしまったのですが、この一文には、間違いなくオースターが塗りこめた言葉の力というものがあるのです。

        「……僕を愛してくれる人たちがいることを、僕は知ったのだ。そんな風に愛されることで、すべてはいっぺんに変わってくる。落下の恐ろしさが減るわけではない。でもその恐ろしさの意味を新しい視点から見ることはできるようになる。僕は崖から飛び降りた。そして最後の最後の瞬間に、何かの手がすっと伸びて、僕を空中でつかまえてくれた。その何かを、僕はいま、愛と定義する。それだけが唯一、人の落下を止めてくれるのだ。それだけが唯一、引力の法則を無化する力を持っているのだ」(「ムーン・パレス」)

        彼の作品群を通して眺めていると、人は迷宮のようなハチャメチャな現実世界に屈服して千々に漂いながら、それでもイカロスのように大空に飛び出して底なしの虚無と対峙しようとする、ある種の静かな力というものを感じることができます。この軽やかなエッセイにもそこここに散りばめられていて、オースターの精神性を垣間見ることができます。

        「あなたに世界を再創造してくれとは言わない。単に世界に目を向けて欲しいだけであり、自分のことを考える以上に自分の周りのことを考えて欲しいだけである。少なくとも街に出て、どこかからどこかへ向かって歩いているあいだは。
        ……みじめな人たちを無視しないでほしい。彼らはいたるところにいるから、つい見慣れてしまって、そこにいることを忘れてしまいがちだ……」(「トゥルー・ストーリーズ」)

        繊細な感受性と想像。オースターという人は、物語をとおして厳しい現実や金が人におよぼす栄枯盛衰を、じつに淡々とクールな目で見つめています。そして、ときに迷宮世界に屈服しながらも、秘めた宇宙と静かに対話を続けるしなやかさ。思えば、豊かな想像力と感情移入(共感)の力は、それぞれ愛の変形でもあります。それを見事な物語で紡いでくれるオースターの才気にほとほと感心し、世界で次々に起こる惨事や、この時代、この国、この場所に自分が存在している偶然につらつら想いを馳せながら街を歩いていると、いきおいマンホール蓋の小さな穴にヒールがハマって抜けない。う~ん、現実は油断ならない(-_-;)

        素敵な青春時代のオースター作品はもとより、しだいに円熟味を増していく数々のそれにも注目したい作家です。このエッセイ集は上手い文章でさくさくと読めますので、オースターファンもそうでない方も図書館あたりでちょっとのぞいてみてください♪

        「物語は魂に欠かせない糧だと思う。我々は物語なしでは生きられない。……我々は物語を通して世界を理解しようと努める。そう思えるから、私も書きつづけられる……私がこの先一冊も書かなくたって世界は崩れやしない。だが最終的に、まったくの無駄骨とも思っていない。我々が世界でしていることの意味をつかもうと努める、人類の大仕事の一翼を私も担っているんだ」          
                              (「空腹の技法」インタビュー・書評集)
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        2016/09/28 by アテナイエ

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      国のない男

      カート・ヴォネガット , 金原瑞人

      5.0
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      • この方の名前だけは知っていた。
        未読の「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を持っている。
        題名にひかれて買ったけどそのままの本。
        こんな顔をしてたのね、カートヴォネガットさん。

        何かたくらむ表情で目をキラキラさせるおじいちゃん。

        「自由の国アメリカ」は、自由でもなく寛大でもなく傲慢で恥知らずな国だ!
        こんな事を言っているから私は「国のない男」なのだそうだ。

        誰かを笑わせる事ができればこんなステキな事はない。
        誰にも縛られる事なく言いたい事を言い、笑うのだ。

        こんな、ステキなおじいちゃんを知らなかった事が悔しい。
        今夜、私はDVD「スローターハウス5」を観るぞ!
        (本は読まンのかい!)

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        2017/10/02 by たたみ

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      アルジャーノン、チャーリイ、そして私

      ダニエル・キイス , 小尾芙佐

      3.0
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      • 凄く良かった。

        アルジャーノンに花束をの小説ができる過程から世に送り出されるまでの過程を知れた。

        小説ができてからというものの、世に送ることにダニエルキイスは苦労したんだなぁと感じた。

        今と昔では作家の求められるレベルが違うだろうし、大人の事情がこんなにも一つの小説に介入しているんだと大変だなぁと感じた。

        小説は作家のすべてが映し出されているものだと思ったが、こんなにも編集者や出版社から、この物語はこう変えた方がいいとか口出しされるもんだと知って、小説家は芸術家ではないんだと自分の勘違いを認めた。

        それにしても出版社が最初に提案した「アルジャーノンに花束をは、チャーリイの知力を後退させるのはやめて、天才のままキニアン先生と無事結婚、めでたしめでたしで、小説を書き直してくれ。読者はハッピーエンドを好むんだ。」とダニエルキイスに提案したシーンは、あほか!と思った。

        そのように書き直してくれたら、この小説をうちから出版しよう!なんてダニエルに提案するが…やれやれ。

        出版社は売れるものを世に出したい。
        作家は自分が良いと思ったものを世に出したい。

        それを私たちは読んで何を感じる。

        そういうことも考えさせられた本だった。

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        2015/10/03 by snoopo

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      人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ

      FulghumRobert , 池央耿

      3.0
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      • どうふるまい、どうあるべきかという、本当に必要な事の全てを、私は幼稚園で学んだ。
        智恵は大学院の山頂高くにあるのではなく、学校の砂場に埋まっていたのである。

        『××に必要なことはすべて○○で学んだ』というタイトル、良く見かけませんか?
        「人生で大切なことはいつも超一流の人たちから学んだ」って本が最近の売れ筋らしいですね。
        「学んだ」といえば聞こえはいいけど「超一流の人たちをパクれ」としたほうがより正直ですね。
        こういうカッコつけたビジネス本って信用できますか?
        私は手に取りたくないですけどね。

        さて、その大元こそはこの本なのです。
        原題:All I Really Need to Know I Learned in Kindergarten

        著者は当時牧師で、毎年「クレド」を作成していました。
        「クレド」という言葉は近年企業理念という限定された観念として用いられているようですが、
        もっと普通に「新年の抱負」みたいなものと思えばいいでしょう。
        それは年々シンプルになり、ついにこの本に紹介されているクレドになりました。
        それは、きらめきを放つ感動の言葉という「形」ではなく
        本質だけを掬い取った「真実」を表していました。
        まずそれに深い感銘を得た人々が、このクレドを広めていったのです。

        箇条書きの最初の一つは 『何でもみんなで分け合うこと』

        当たり前?大人は子供に何度平然とこの言葉を口にしたことでしょうか?
        自分はできもしないことを?
        いえ、できるのに、やらないのですよね。本当は。

        私はこの「クレド」だけで充分価値があると思います。
        この本が出版されたのは偶然、編集者の目にとまったから。
        そして「運よく」ベストセラーになりました。
        けれどこれがロングセラーになったのは、著者のユニークな人柄によるでしょう。
        ビジネス書ではなくりエッセイとして。
        彼の話術の巧さによって、充分な面白みを味わわせてくれます。
        驚くことに、著者紹介を読むと
        「これまでにカウボーイ、フォーク・シンガー、IBMのセールスマン、画家、牧師、バーテンダー、画塾の教師などの職業を体験し」
        とあります。
        日本人的に牧師って一時的に勤められる職業なのか??ってことが非常に謎なんですが。
        また、天国を信じていない等、いろいろ「牧師らしくない」ことを言ってくれちゃっています。
        まあ、そんな人間的な、いわばお隣の人的な一人の人間の言葉なわけです。
        でもだからこそ素直に読めるのかもしれません。

        「金魚も、ハムスターも、二十日鼠も、発泡スチロールのカップにまいた小さな種さえも、
         いつかは死ぬ。」

        ここに人類共通の痛みがありそして救いがあります。
        いずれ消えゆく命ならなぜもっと今を愛おしく思えないのか。
        他人も自分も同じ命だと理解できないのか?

        何よりも大切な意味をもつ言葉。「見てごらん」

        彼の「クレド」をぜひ知っていただきたいので英語の原文のほうを載せておきます。
        日本語のほうは本で読んでね。

        Here’s my Credo:

        ALL I REALLY NEED TO KNOW about how to live and what to do and how to be I learned in kindergarten. Wisdom was not at the top of the graduate-school mountain, but there in the sand pile at school. These are the things I learned:

        Share everything.
        Play fair.
        Don’t hit people.
        Put things back where you found them.
        Clean up your own mess.
        Don’t take things that aren’t yours.
        Say you’re sorry when you hurt somebody.
        Wash your hands before you eat.
        Flush.
        Warm cookies and cold milk are good for you.

        Live a balanced life -learn some and think some and draw and paint and sing and dance and play and work every day some.

        Take a nap every afternoon.

        When you go out into the world, watch out for traffic, hold hands, and stick together.

        Wonder. Remember the little seed in the Styrofoam cup: The roots go down and plants foes up and nobody really knows how or why, but we are all like that.

        Goldfish and hamsters and white mice and even the little seed in the Styrofoam cup – they all die. So do we.

        And then remember the Dick-and-Jane books and the first word you learned – the biggest word of all – LOOK.


        【おまけ】
        クレドとは、ラテン語で「志」「信条」「約束」を意味する言葉です。

        ところで今の今まで幼稚園のスペルをKindergarden だとばかり思っていました。
        語源がドイツ語なんだそうです(^_^;)
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        2015/10/14 by 月うさぎ

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      文士厨房に入る

      堤けいこ , BarnesJulian

      5.0
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      • めっちゃ面白いんですよ、これ!ツボでした。

        元はと言えば、先日神戸に旅行に行った際に、三宮駅前でぶらぶらしていたらジュンク堂を見つけて、ついふらふらと入ってみたんです。旅先でわざわざジュンク堂、と思わなくもなかったのですが、どんな雰囲気になっているのか興味があって。そうしたら品ぞろえもよく、外文コーナーも充実していて、そこで出会ったのです、この本に。

        とはいえ私は旅人、荷物が増えるのも困りますし、安月給の身の上なので、帰宅してから図書館で借りました。でも面白かったので、いずれ自分の本棚に加えることも検討しています。

        内容はといえば、作家の料理にまつわるエッセイ集です。
        訳も上手いんですよね。原書は「the pedant in the kitchen」となっていて、ググったところ pedantというのは学者ぶる人、衒学者、という意味合いのようなので、それを「文士」と訳したのはなかなか。作中でも「文士」は多用されていて、おそらく原書でもそうなのだと思うのですが、著者自身を「文士」と三人称で呼ぶことが多々あるのです。その「文士」は、レシピに忠実であろうとしようとする分、頭を悩ませます。(ひとかたまりの「かたまり」って、それくらいの大きさのこと?等)文士が英国男性というのが、また!どうしても英国=ご飯がおいしくない、のイメージが抜けなくて、朝食とティータイムはともかく、あとはまぁ、うん…という印象です。すみません、行ったこともないのに。でもイギリスって、やっぱり外国人シェフを連れているイメージです…北の大地ですし…

        そういえば文士がイギリスの料理本の話をよく出していましたが、あちらのレシピは著者語りが多く入るのでしょうか。日本でいうところの、栗原はるみや高山なおみ、泉麻人あたりのエッセイ風レシピみたいな雰囲気かなと想像していますが、実際どうなんでしょうね、あちらの料理本は。訳者あとがきによれば昔のレシピ本には写真がほとんどなかったとのことですが、今はだいぶ変わってきたのだとか。
        そうそう、訳も、自然で適切で読みやすくて好きでした。

        さて、著者の文士ことジュリアン・バーンズ氏のことは存じませんでした。でも面白かったので、彼の小説についても近いうちに読んでみるつもりでいます。
        まぁ結局どこの国でも同じような疑問や悩みを抱えているんだなぁ、としみじみ思いました。新しいレシピ本が欲しくなる…
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        2016/03/21 by ワルツ

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      minimalism 〜30歳からはじめるミニマル・ライフ

      ライアン・ニコデマスジョシュア・フィールズ・ミルバーン

      3.0
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      • アメリカの30歳男性ふたりによるミニマリスト本。
        ミニマリズムは、目的ではなくツールである、と説いている。不要なものを排除して、本当に大切なものにフォーカスし、自分の人生をコントロールするための、ツール。
        私は筆者たちのように高給取りではないけれど、不要なものはたくさんある。この少ない給料を、もっとうまく、充実した人生のために使えるようになりたい。
        お金のない人こそ、ミニマリズムは参考になる気がする。
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        2017/01/11 by カルシウム

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      誇り高き日本人でいたい

      千葉隆章 , 松田銑 , NicolC.W , 鈴木扶佐子

      3.0
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      • 日本人について、根っからの日本人はちっとも解っていないんだ。というか、グローバルとか騒ぐ時代だからこそ、もっと日本人である値打ちを大事にしたい。

        著者はいま、森の生態系の調査や保全のために生きている日本人だ。間違いなく日本人だ。
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        2014/11/03 by junyo

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