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カテゴリー"小説、物語"の書籍一覧

      星の王子さま

      サン・テグジュペリ , 河野万里子

      4.1
      いいね! tadahiko makoto chao kuuta Minnie sunflower Romance caramel sox tamo Magic_Hour FiRST kissy1986 c1111 mee SAI Fragment keyaki- mariak1994 Kiiro_7
      • いやあ、面白かった!
        夢中になって一気読みしてしまった・・・!

        児童文学侮ることなかれ・・・。
        子供が読んでも大人が読んでも楽しめると思うし大人になってから読むとその背景や色合いなどが全く別のものに変容していくような気さえする。

        惜しいのは自分はこの作品を子供の頃に読んでいなかったこと。
        大人になってはじめて読んだのでもし感性や感受性が豊かだった子供の頃に読んでいたら今大人になって読んだ時との対比などがわかったと思うので非常に残念。だけれども今読んで(再読して)わかったことというか感じたことは生涯忘れることはないだろうと思う。

        王子さまと僕の交流。
        王子さまと花の恋。
        王子さまとキツネの友情。
        王子さまと星々の権力者たちとの問答。
        そして、王子さまと僕の別れ。


        それぞれに深くあたたかい、でも、一筋縄ではいかない大人と子供のやり取りが時に激しく時に哀しく描かれていて「ああ、現実も人生もこういうことだよなぁ。。。」と思わせてくれました。


        実際王子さまのように諦めずに何度も聞き返せればどれだけ良いか、僕のように大事なことをやっている時に何度も聞き返されたら嫌だなぁとか自分の日々の生活に置き換えて考えてみるとなんにも王子さまがやっていることは不思議でも不自然でもなく本来は人間同士がやらなければいけないことで、人間同士がやりたくない、やってほしくないことなんだなぁとも読み終えて思いました。


        この作品は童話的ですが書いてあることは人間の営み、日々の生活なんですよね。王子さまのようにはできないけれど努力することはできる。だから、もうちょっと図々しくでも尊敬や感謝の気持ちを持っていろんな人達と交流していき、僕のように、王子さまのように豊かな心を持ちたいなとも思いました!


        今回chaoさんの「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」のレビューを拝見させていただいてこの「星の王子さま」を読みたい、読もうと思い結果楽しく読めたので改めて機会を与えてくださったchaoさんに感謝致します。ありがとうございました!


        ちょっと読んでいる最中に心配事があって何度か読むのやめようかと思ったのですが読んでいくうちにその心配事が紛れ気づけば物語の中に耽溺できていたのでやはり読書って凄いなぁ、良いもんだなぁと思いました。これからも、常に本と、読書と共に人生を謳歌していければいいなぁとも強く、強く思います!!


        今回も良い読書が出来ました!
        >> 続きを読む

        2019/07/16 by 澄美空

      • コメント 6件
    • 他34人がレビュー登録、 118人が本棚登録しています
      異邦人

      カミュ

      4.1
      いいね! Minnie chao Pettonton Outsider Tukiwami
      • 【総括】
        アルベール・カミュの小説。1942年刊。
        著者がノーベル文学賞を受賞した要因ともなった代表作。
        長年読まれ続けていた名著でもあったので今回初めて読んでみました。
        殺人を犯してしまう心理は理解ができませんが、母親が死んでしまって泣けない、とか、裁判中の答弁についてしらけてしまい声に出すのをやめてしまうような心境は理解できるような気がします。
        色々考えた結果、口に出すのが面倒になってしまうことありますよね。
        この作品のテーマが「不条理」となっていますが、不条理の意味が自分には今一つ理解ができませんでした。
        みなさん一回目は理解できず複数回読んでいるようなので、自分の成長や心理状態で物語を捉える感覚が変わるのかと思います。
        また、一番理解ができなかったのが最後の独房で死刑執行を待つ中、自分が幸福であると悟った意味が分かりませんでした。
        深い、のか、狂気じみているのか、次回読むときにはこの感覚が変わってまた違う理解となることを望みます。
        物語としては最初情景描写が丁寧でゆっくりペースで話が進んでいき、途中から緊迫感のあるシーンの連続で読みやすく、退屈せず一気に読めました。
        >> 続きを読む

        2019/03/13 by べるさん

    • 他15人がレビュー登録、 52人が本棚登録しています
      悪童日記

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.2
      いいね! karamomo Fragment asuka2819 Shizu
      • 【良い子なの? 悪い子なの?】
         以前から読みたかった本をようやく読みました。
         戦時中、「大きな町」に母親と一緒に住んでいた2人の兄弟が、戦火を逃れるため祖母が住んでいる「小さな町」にやってくるところから物語は始まります。

         祖母は、野卑で不潔で吝嗇家で、以前、自分の夫を毒殺した疑いがかけられており、近所の住民からは「魔女」呼ばわりされているような人でした。
         母親は、「お金は定期的に送りますからよろしくお願いします。」と頭を下げ、兄弟を残して「大きな町」に帰って行きました。

         さて、この2人の兄弟が風変わりで、この年頃の子供達のように遊んだり泣いたりなどしません。
         自分たちで計画を立て、「勉強」をし、様々な「訓練」をします(例えば、飢えに耐える訓練、暴行に耐える訓練、動かない訓練などなど)。
         聡い子供達であることは間違いありませんが、やることすべてがどうにも子供らしくないのです。

         他人の話をこっそり立ち聞きするまでは、まぁ、子供らしいと言えばそうも言えるのですが、2人は、立ち聞きした話をネタにして上品な口調で強請を働いたり、なかば強要のようにして商店から欲しい商品をせしめたり(勉強に使うためのノートや鉛筆なんですけれどね)、「訓練」の一環として身につけた曲芸などを披露して酒場で小銭を稼いだり……。

         2人の行動は徐々にエスカレートしていきます。
         戦争により、「大きな町」が陥落し、間もなく敵軍が「小さな町」までやってきそうな気配の時、ようやく母親が2人を迎えに来るのですが、母親は男連れで、赤ん坊まで抱いていました。
         2人の兄弟は、母親と一緒に行かない、ここに残ると言い出します。
         母親は必死に2人を連れて行こうとするのですが……その結果……。
         そして、最後には……。

         この2人の兄弟が戦争の犠牲であることは間違いないし、こういう子供らしくない、ある意味では歪んだ人間になっていくのもその影響があることはそのとおりなのですが、「だから戦争はダメでしょ?」って言う単純な反戦文学ではないのです。
         それはそうかもしれないけれど、それにしたって……ということです。
         この兄弟は、良い子なのか悪い子なのか段々分からなくなっていきます。

         本作には、「ふたりの証拠」、「第三の嘘」という続編があり、全体で「悪童日記」三部作と呼ばれているそうです。
         これは続編も読まなければ。
        >> 続きを読む

        2019/05/28 by ef177

    • 他15人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      悲しみよこんにちは

      フランソワーズ・サガン , 河野万里子

      3.6
      いいね!
      • 【やるせない残酷さ】
         久し振りにサガンを読んでみました。
         学生時代に読んだきりでしたが、たまにはということで。

         17歳のセシルと、彼女の40代の父親であるレイモンは、南仏の別荘に夏のバカンスに出かけました。
         父はまだまだ若々しいプレイボーイです。
         これまでにも多くの女性と交際してきましたが、今度は20代の(半ば玄人と表現されている)恋人エルザを伴ってのバカンスです。

         セシルからすれば、仕方ない父親だとは思うものの、確かに父親には魅力があり、無軌道とも言える生活はセシルも気に入っていました。
         しばらくは3人で自由気ままに夏を満喫していたのですが、ある夜、父が「客が来る」と言い出したのです。

         その客とは父と同年代ながら、父のように浮ついたところはない、美貌のアンヌという女性でした。
         セシルは、女性としてアンヌは大変魅力がある人だと思っており、また、女性としての比較ならばエルザなんかよりもアンヌの方が数段素晴らしい女性だとも思っていました。
         父はアンヌなんか別荘に呼んでどうするつもりだろう?
         エルザのことはどうするの?

         案の定、しばらく後にエルザは別荘から出て行ってしまい、あろうことか父とアンヌはバカンスが終わったらパリで結婚すると言い出したのです。
         父は、家庭に入って真面目な夫を務めることなんてできないと、セシルは思いました。
         また、しっかりしたアンヌが父と自分だけの奔放な生活に立ち入ってくるならば、自分にも大きな影響が及ぶだろうし、これまでのように好き勝手な生活をしていくことは許されないだろうとも思いました。

         セシルは、この別荘地で、既に年上のシリルという素敵な男性と知り合っており、シリルは熱烈にセシルを愛するようになっていました。
         しかし、アンヌはそんな二人の関係にも良い顔をしません。
         「そういう関係は最後は病院で終わることになるの。」と言い、シリルに対してセシルから離れるように言い渡します。

         セシルは、自分もシリルを愛していると、その時は思っていました。
         勝手に二人の仲を裂くなんて、と。

         しばらく後、エルザが別荘に置きっぱなしにしてあった荷物を取りに来ました。
         エルザは、既に新しい恋人ができたのだと話します。
        セシルは一計を案じます。
         このままでは父とアンヌが結婚してしまう。
         何とかアンヌを追い出して父と二人だけの生活を取り戻したいと。

         そこで、セシルは、エルザとシリルが交際しているふりをして父に見せつけるようにそそのかし始めたのです。
         そうすれば父は必ずエルザのところに戻ってくると焚きつけて。
         シリルに対しても、アンヌがいる以上、あなたとおつきあいはできないのだから、何としてでも協力してもらってアンヌを追い出すのと迫ります。
         さて、セシルの計略はうまく行くのでしょうか?

         本作は、ご存知の通りサガンのデビュー作です。
         この作品を書いたのはサガンが18歳の時だというのですから恐れ入ります。
         壊れやすい感情、まだ若いセシルの不安定な気持ち、南仏の夏の美しい描写。
         サガンがいかに早熟だったかがうかがい知れます。
         サガンが書いたのは18歳の時だったにせよ、どうやら18歳の私にはあまりよく読み切れていなかった作品だったようです。
        >> 続きを読む

        2019/09/14 by ef177

    • 他13人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      ふたりの証拠

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.0
      いいね! asuka2819
      • 【誰もが悲しみを抱えている】
         「悪童日記」の続編です。
         読もう、読もうと思いながら先延ばしになっていたのですが、ようやく読めました。
         大変衝撃的な内容でした。
         一つひとつのエピソードもさることながら、全体の構成に打ちのめされました。

         本作は、「悪童日記」の主人公であった、「ぼくら」と表記されていた二人の幼い兄弟のうちの一人の「その後」を描いたものです。
         「悪童日記」をまだお読みになっていない方のために、詳しいことははしょりますが、兄弟のうち一人は外国に行ってしまい、もう一人はそれまで住み続けた家に残りました。
         その残った方の名前は「リュカ」。
         本作は、基本的に「リュカ」のその後を描いています。

         「リュカ」は周囲の人々から「白痴」と呼ばれていましたが、実は大変聡く、やさしい男性なのです。
         彼のまわりには様々な人々が現れ、彼と関わりをもっていきます。

         本作は、第二次世界大戦終結間もない、混沌とした世界を舞台にしていますが、戦争の傷跡は深く、様々な形で、すべての人が傷を負い、悲しみを抱えているのでした。
         それはもちろん、「リュカ」だって同じ事なのですが。

         「リュカ」は、しばらくはこれまで兄弟、そしてその前は祖母とも一緒に暮らしていた国境近くの小屋のような家で一人で生活していました。
         自給自足の生活で、夜になると酒場に出かけ、ハーモニカを演奏し、酒をおごってもらい(12歳の頃から酒を覚えたと言っています)、いくばくかのお金を稼いでいました。
         「リュカ」は、いつか帰ってくると信じている兄弟に宛てて、日記のような文章をノートに書いては削りを繰り返し、書きためていました。

         そんな「リュカ」は、ある日、川に赤ん坊を投げ捨てようとしているヤスミーヌという女性を見かけます。
         「リュカ」は、ヤスミーヌと赤ん坊を家に連れて帰り、以後、二人の面倒を見ることにしました。
         ヤスミーヌは、赤ん坊を川に投げ捨てた後、国境を越えてどこかへ行ってしまおうと考えていたというのですが、国境付近は地雷原であり、そんなことをすれば確実に爆死したことでしょう。
         それでも構わないのだと言うのです。
         何故そうなのかは……ご自身でお読み下さい。

         その他にも、「悪童日記」にも登場した、「ぼくら」がノートや鉛筆を手に入れていた書店兼文具店の店主、この店の向かいの家に住む不眠症の男、一時は「ぼくら」に強請られていた神父、終戦後この町を支配することになった共産党の幹部などの登場人物が「リュカ」との関わりの中で描かれていくのですが、あぁ、何てみんな悲しいのでしょう。

         「悪童日記」のシリーズは三部作です。
         最終巻の「第三の嘘」も近いうちに読んでレビューしたいと思います。
        >> 続きを読む

        2019/05/28 by ef177

    • 他10人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      第三の嘘

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.3
      いいね! karamomo asuka2819
      • 【これは一体どう解釈すればいいのだろうか……】
         「悪童日記」三部作の最終巻です。
         第一部「悪童日記」では、「ぼくら」と表記されている双子の兄弟の物語だったのですが、弟二部「ふたりの証拠」では、主としてその兄弟の片方、「リュカ」のその後の生活が描かれました。
         ですが……。もしかしたらもう一人の兄弟の「クラウス」などという者は存在せず、ただ一人の頭の中だけで生み出されたものではないのかという強烈な疑いが色濃く描かれていました。

         ところが、第三部の本作に入り、またもや大きくひっくり返されてしまうのです。
         これまで語られてきた「リュカ」と「クラウス」の物語は一体何だったのでしょう?

         双子の兄弟は、それぞれがノートに日記風(?)の文章を大量に綴っていたわけですが、それは事実なのか虚構なのかと問われると、「事実を書いているのだけれど、ある程度のところまで行くと、事実を書いているだけに書き続けられなくなり、話に変更を加えざるを得ないのだ」と答えます。
         では、どこまでが事実でどこからが虚構なのでしょうか?

         いやいや、そんなレベルの話ではないのです。
         弟二部までは、辻褄が合わない点が多々見られ、あるいは「リュカ」と「クラウス」は結局同一人物(というかそもそも一人しかいない)のではないかという「虚構」だったわけですが、それでも根本的なところではそれほど大きくは食い違っていなかったのです。
         ところが、本作に入り、根底からこれまでとは全く違う話になっているではありませんか。
         しかも、ところどころ、「リュカ」と「クラウス」が入れ替わっているのではないのか?と思わせるようなところもあったりします。

         これは一体どう解釈すれば良いのでしょうか?

         いずれにしても、この作品は三部作全てを順番に読む必要があります。
         そして、その混沌の中から何をくみ出すかは、それはおそらく読者それぞれに委ねられていることではないだろうかと感じました。
         おそらく、「正解」というものは無いのではないでしょうか?

         読む前にはこんな作品だとは思ってもみませんでした。
         意表を突かれただけに、大変強いインパクトを受けました。
         恐れ入りました。
        >> 続きを読む

        2019/05/28 by ef177

    • 他9人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      星の王子さま

      池沢夏樹 , サン・テグジュペリ

      4.2
      いいね! skr35_ Moffy
      • 良い本です。

        池澤夏樹さんの訳も読みやすくて良いです。
        ちょっとだけワードセンスが自分にはハマらない部分もありましたが、
        文体は好きでした。

        「大切なことは、目に見えない」

        本当にその通りです。
        そういうことを大事にしたいです。
        >> 続きを読む

        2018/12/02 by lafie

    • 他8人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      十五少年漂流記 (新潮文庫)

      ジュール・ヴェルヌ

      4.2
      いいね! Minnie pont el-j
      • こんにちは。
        全国的酷暑!
        自分もクーラー病?!やら熱中症初期やらてんやわんやな日々ですが、こちらちびちびと読んでおりました!

        ネタバレもあるかもです。

        とにかく面白かった!!!!!!!!!

        冒険ロマン!

        男性はスキだろうし、夏に読む方が真冬よりより良いと個人的には思い、また読書感想文にも使えるし、また沈んな気持ちの方にも良い薬にもなるし、おススメだな~

        名前は聞いた事あったけど、意外に読んだ事なくて・・・

        で、

        読んだ訳です。

        登場人物の個性とか描写からの人格などをメモに書き留めていた方が、これだれだったか?と迷わず混乱せずに良いかも!地図は本についているのでかなり役にたつと思います。私は新潮文庫で読んでます。

        かなり脳裏に自分の描く景色が広大に広がり、紙に鉛筆で軽くイメージをイラストにしたりもしましたよ!

        再読もありだし、とにかく希望というか勇気をいただく書物!


        大好きです。


        自分もこの16人目の仲間でいられるように日々をすごしていきたいと読書後思いました!

        とても良い読書が出来ました!

        笑顔!
        >> 続きを読む

        2019/08/17 by ジュディス

      • コメント 2件
    • 他8人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      星の王子さま オリジナル版

      内藤濯 , サン・テグジュペリ

      4.6
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなったのでてにとってみました。こんな内容だったかと驚いたのですがすごく心が洗われ考え込んでしまいました。薔薇の部分を忘れていたのでふわふわしていたけどこれはれっきとした純愛の物語。純愛と友情とこどものきれいな心の物語。離れて分かる愛、王子様が色んな人に聞いたからこそ知る事ができた愛に少し薔薇がうらやましくなったり。大人というのは皆見にくい。自分がきれいな心を見失わないように常に手元に置いておきたいと思いました。飼います。
        >> 続きを読む

        2018/02/28 by kaoru-yuzu

    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ペスト

      アルベール・カミュ , 宮崎嶺雄

      3.6
      いいね! Minnie
      • 「われわれはみんなペストの中にいるのだ」
        「僕はヒロイズムというものを信用しません。僕はそれが容易であることを知っていますし、それが人殺しを行うものであったことを知ったのです」

        思いきり久々の再読。大好きなカミュの大好きな一冊。
        普遍性を意図した文章は作者の真意を理解するためにはしっかり読み込む必要があって、思いのほか時間をとってしまいました。あれ?こんなに回りくどい文章だったっけ?と感じたほど。
        けれど記憶にたがうことなくこの名作は完全に私好みの小説でした。
        ラスト近くのタルーの告白以後のスピード感はそれまでの手さぐりで夕闇を歩いているような中間部に比して、快感ですらあります。
        「異邦人」でも感じましたが、いよいよ大詰めを迎えての爆発的な感動はその前のつまらない部分を耐えてこそ(失礼)という気すらしてきます。
        結びの見事な事は指摘するまでもないでしょう。
        深い感動と共感。
        ああ、再読できてよかった。

        何よりもカミュの人間や人生や社会に対する姿勢や思想が好きです。
        「人は神によらずして聖者になりうるか」
        彼こそは真のヒューマニストではないでしょうか。

        ペストは過去の出来事ではありません。人を死に至らしめる病毒はいろいろな形で現代社会を覆っています。
        新しい感染症も出現し、交通の利便化で風土病も輸出されてしまっており、パンデミックの危機は一向に減っていません。
        細菌兵器や放射能汚染などの新たな厄災も加わりました。
        当然ながらより普遍的なのは地震などの天災でしょう。
        天災は、命の危険は一時で終わるかもしれませんが、地域社会の崩壊や生活の復興の困難はペスト以上の長期に渡る不幸であることを私たち日本人は既に知っています。
        そして最大の悲劇はなんといっても戦争です。

        社会的に隔離され個人の自由が束縛され未来もなく死刑宣告を背負って生きること。
        それはペストと何ら変わることはないのです。
        そしてこういった厄災が起きていなくても社会の中に「人を殺すシステム」が存在するという事実があります。
        それを放置している人間達の無関心と妥協の罪。
        むしろ彼はその現実にたいする無知をこそ問題視し罪であると言っています。

        カミュは外的、物理的な疎外だけではなく人間社会のシステムに組み込まれた人間性の疎外を直視し、堂々と疑問を突き付けます。
        社会を糾弾して快感を得る事は誰にでもできますが、カミュは個々人が人間としてどう生きるかを真面目にストレートに問いかけ、かつ答えているのです。

        「天災を受けいれることを拒みながら、医者となろうと努める」人々が必ずいること。
        「人間のなかには軽蔑すべきものよりも賛美すべきもののほうが多くある」


        彼の誠実さと明晰な頭脳と哲学的良心的な心を私は愛します。

        名作とはかようにいつの時代も息づき決して錆びつきません。
        それは素晴らしい事であると同時に悲しいことです。
        彼らが問題にした人間社会の脆弱さがまったく改善されていないことの証拠であるからです。

        せめて個人が自分の善行を果たす決意をすることです。
        彼が否定したヒロイズムに決して溺れることなく。
        >> 続きを読む

        2017/06/30 by 月うさぎ

      • コメント 4件
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      ちいさな王子

      サン・テグジュペリ , 野崎歓

      4.3
      いいね! Fragment mariak1994
      • 再読。
        「ちいさな王子」というより「星の王子さま」というタイトルの方がピンとくるだろう。
        「星の王子さま」の新訳であるが、原題は「Le Petit Prince」であるため「ちいさな王子」の方が明らかに言語的には正しい。
        これは子どもが読んでもいいのだが、大人が読んだ方が感銘の度合いが大きい作品である。
        砂漠に不時着した飛行士とちいさな星からやってきた王子との対話が主な作品であるが、もう名言のオンパレードである。
        大人になって摩滅した感性にビンビン刺激を与えてくれる作品であろう。
        王子は7つの星を訪れるが、「虚勢を張る王」「うぬぼれや」「のんべえ」「ビジネスマン」「点灯夫」「地理学者」「地球」という様々なタイプの人たちがいる星である。
        僕は、もうこの中のクラスタでは完全に「のんべえ」である。
        酒を飲むことを恥ずかしく思いつつ、ひたすら酒を飲み続けている、という感じである。
        この本は今まで200カ国以上の国で翻訳され、総販売部数1億5千万冊を突破したらしいが、世界中の人口70億人に読んでもらうのにふさわしい傑作である。
        このように数字の事ばかり書くのも「ちいさな王子」の中で人間の不思議な習性として指摘されている。


        >> 続きを読む

        2019/09/18 by tygkun

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      星の王子さま 新訳

      池沢夏樹 , サン・テグジュペリ

      4.2
      いいね!
      • 綺麗なカバーに見とれて別の訳もと購入。
        私は河野万里子さんのかわいい王子さまのほうが好きでした。 >> 続きを読む

        2015/03/09 by 405.

      • コメント 1件
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      悪童日記

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      3.2
      いいね!
      • 久しぶりの小説は読書ログの課題図書(1月)。映画化もされたらしいですね。

        これは、、、おそろしい、、、。
        たしかに、衝撃でしょうね。

        でも、やっぱり、人間には本来慈悲の心というのは備わってない(育てるしかない)、ということかな、と思いました。生存欲だけで生きれば、こうなるということでしょうね。

        したたかに生き抜く、とはそういうことなのでしょう。

        戦時下、無慈悲な?祖母、偏見、などの環境で双子だけで生きる術を見つけていけば、こうなることはありうるでしょう。いくら”知能”が優れていようが、聖書を暗記していようが、双子の目に映る現実と生存欲の前ではどうしようもない。慈悲の心は育てられず、・・・それが自分に悪果となって返ってくるなどとは知らない。自分たちだけの世界に心を閉ざす二人には信じられるものはなにもない。

        現実の世界を見れば神様など信じられないし(何もしてくれない)、大人たちは汚いし。生き抜くには、自分たちの目と頭だけが頼りなんだから、この世の真理はいつまでも見えないし、慈悲の心も生まれない。

        幼い子どもがテロリストに洗脳されて、テロ要員として使われているらしいけど、この双子の場合は自分たちだけで学んだ結果、、、慈悲の心が学べなかったということかな。

        これは二人が書いた日記(作文)という形になっています。彼らは、

        >作文の内容は真実でなければならない。感情を定義する言葉は非常に漠然としている。その種の言葉の使用は避け、物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうがよい。

        と、感情(主観)はあてにならないのだから、事実だけしか書いてはいけない、というきまりで書いているのです(知能の高さが伺えるね)。それはそのとおりかも知れないけど、ありのままの人間の世界には慈悲の心はないとも言える(彼らの場合は慈悲の心の存在価値がわからない?)。だからこそ、どうにかして慈悲の心は育てなければいけないのだけど・・・。

        まだ二人の人生は終わっていないんだから、これからどうなるかはわかりません。「ふたりの証拠」「第三の嘘」と三部作になってるみたいなので、続きも読んでみたいと思います。

        ドキドキしながら、1日で読めます。

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        2017/02/21 by バカボン

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      地底旅行

      ジュール・ヴェルヌ

      3.2
      いいね! Tukiwami
      • 7月の課題図書。

        古本のあいだから一片の羊皮紙が出てきて、床に滑り落ちた。
        そこに書かれていたのはルーン文字。
        これらの文字に導かれ、鉱物学の世界的権威リデンブロック教授と甥のアクセル、アイスランドの漁師ハンスは、十九世紀におけるもっとも奇妙な遠征をおこなうことになった。
        アイスランドの死火山の噴火口から地球の中心部に達する道を降りていく。

        蛇頸竜、マストドンの群れ、地底人・・・
        想像力のない私には辛い旅行でした。
        現実感のないお話が、「大発見だ!」と進んでいくことに違和感を感じてしまって。

        アクセルが叔父さんたちとはぐれてしまったところが一番盛り上がったかもしれません。
        暗い回廊が続く中、4日間もひとりでさまよう心細さ。
        叔父さんの愛情を感じるシーンもありました。

        キャラクター的にも、ちょっと感情移入しにくい。
        熱中したら食事や睡眠を忘れるくらい変人の叔父と、危険な旅にも関わらず、叔父に引きずられてしまう甥。
        ハンスのような、原因や結果などはあれこれ詮索しないで運命に従う人はかっこいいと思うけど、感情を入れる隙がない。

        久々に辛い読書となってしまいました。
        訳が違えば変わってくるのでしょうか。
        有名作品に☆2はちょっと勇気を出しましたが、私が上手くイメージできなかっただけということで。
        >> 続きを読む

        2016/08/08 by あすか

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      狭き門

      ジッド

      4.0
      いいね!
      • 【内容紹介】
        早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、
        そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。
        しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、
        ジェロームへの思慕を絶ち切れず彼を愛しながらも、
        地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。
        残された日記には彼を思う気持ちと〝狭き門〟を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた……。
        (裏表紙より)


        【著者紹介】
        アンドレ・ジッド Andre Gide

        フランスの作家。
        厳格なプロテスタントの家庭に生れる。
        1891年、従姉マドレーヌと恋に落ち、結婚するが、
        この恋愛体験と結婚生活が後に創作のテーマとなる。
        道徳の遵守、反逆などを悲劇的に描いた『背徳者』『狭き門』
        『田園交響楽』、喜劇的に扱った『法王庁の抜け穴』、
        視点や構成を複雑化した大作『贋金つかい』等、
        多数の著書がある。
        1947年ノーベル賞受賞。


        【感想】
        星評価5の名作評価ではありますが、おすすめはしないです……。
        おそらく、翻訳が私には合わなかったのだろう。
        岩波文庫版を読んでリベンジを計りたい。
        >> 続きを読む

        2018/09/17 by 日陰者

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      悲しみよこんにちは

      朝吹 登水子フランソワーズ サガンFrancoise Sagan

      3.5
      いいね!
      • 思春期の少女の心境が繊細に描かれていて、ああ10代の若い子ってこういう残酷なこと平気でしてしまう節があるなあと考えさせられました。
        良心の呵責や、間違った愛の解釈による困惑や悩み、気まぐれな心情の変化…

        決定的にこの小説の親子には人としてのモラル?常識のようなものが足りないような気がします。
        日本人の感性とあまりに違いすぎて、読んでいるうちに少し戸惑ってしまいましたが
        それでも読み応えはありました。

        とても女性的な小説です。しかし当時18歳の一少女が書いたものとは思えないほどの完成度の高さ。

        私はあまり心打たれるような場面はありませんでしたが、とても読みやすいので軽い気持ちで短時間で読める小説ではあると思います。
        >> 続きを読む

        2015/04/22 by mokoko

      • コメント 3件
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      椿姫

      西永良成 , アレクサンドル・デュマ・フィス

      5.0
      いいね!
      • あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるから


        久々に、時間を忘れて一気読み。
        あとがきまで入れると500頁弱ありましたが、集中すると短時間で読めてしまうのですね。
        合間に自分の感想をメモする余裕もありませんでした。
        それほどおもしろかったです!
        作者はアレクサンドル・デュマの息子(フィス)さんで、自身の経験に基づいた作品。
        「体験の辛さをそのまま語ればいい」と言っていますが、二十四歳で、しかも1ヶ月でこんな素敵な作品を完成させるってすごい。
        やはり才能ですね。

        マルグリット・ゴーティエは、パリの社交界で金持ち貴族を相手にする高級娼婦。
        奔放で、豪遊しながら生きていたのは、病気で自分は長くないことを確信していたから。
        自分は商品であることをわかっていたから。
        人を愛することができなかったマルグリットを、アルマンは娼婦としてではなく、一人の女性として誠実に愛します。

        マルグリットは気高く美しい。
        同性として、彼女は理想の女性像でした。
        愛する人のためにいさぎよく身を引き、病苦の末に亡くなります。
        彼女は日記や手紙をアルマンに残しましたが、私なら真実を胸に秘めたまま、愛情があることを伝えないままひっそり終わらすと思います。
        伝える勇気がない、と言った方が正しいかも。
        そんなところも含めて、彼女に女性としての魅力を感じます。
        アルマンのひどい行動も、マルグリットの美しさをより高めているの私はOKです。
        実際あんなことをされると辛いけれど、何も反応がないより遥かに嬉しいと思う。
        後半は涙ボロボロでした。
        二人の愛に、ではないです。
        マルグリットの誇り高い生き方に感動しました。

        「ムーラン・ルージュ」に似ているなぁと思っていたら、「ムーラン・ルージュ」は「椿姫」と「ラ・ボエーム」を元に創作した、と書かれていました。
        この手のストーリーが好きなのかも。
        私も清らかな誇りを持って、強く生きていきたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/07 by あすか

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      嘔吐 新訳

      ジャン=ポール・サルトル , 鈴木道彦

      4.0
      いいね!
      • あれはたしか、今から7年ほど前のことです。

        芸術(音楽や絵など)にアイデンティティを見出し、「表現すること」に「私」という存在を垣間見て、喜びを得ていた私は、強迫性障害の悪化、また社会活動が皆無だったことにより、ある精神病院附属のデイケアに通うことになります。

        不安定で、独りよがりで、購買力のない、職歴も学歴も無い上、強迫性障害に悩まされていた私は、自分が「在ること」とはどういうことなのか、考えるようになりました。
        「ぼやけた真理」を探し求めて、書店をさまよっては、画集だの、心理学の本だの、アダム・スミスの「国富論」だのを買っては開きますが、どれもろくに読まずに挫折してしまいます。
        その折、サルトルの「存在と無」と出くわし、その題を見て、「俺が考えているのはこのことだ、確信を得た!」と思い読み始めますが、「“あらわれ”があらわれる”ことにより、”あらわれ”は、、、」という様な文章に、案の定敗れ去ります。

        それから1年くらいして、このカバー絵の、デューラー「メランコリア」に惹かれたのか、「嘔吐」という魅惑的なタイトルと、「サルトル」ということで、人文書院から出版されている本書「嘔吐」を手に取りますが、またもや読まずに放置していました。

        そして7年経った最近になって、やっとのこと読破しました。
        私はサルトルが影響を受けたフッサールや哲学についての体系的知識はないので定かではありませんが、主人公、ロカンタンの「嘔吐感」とは、彼の孤独で厭世的な生涯や思想の内に走る「吐き気」とは、私が折に感じる「あの心情」なのでしょうか。

        ただただ己も含めた「対象」が「在ること」、「在ることを嘆く」先に、その「考え、思考」が「在ること」を思って、また嘆き、、、さながら「合わせ鏡」のように「存在」は「存在」を反芻し、螺旋状に連なった諸々の「存在」が、ただの「存在」に過ぎぬ事を、ロカンタンは嘆いているように思います。

        しかし、最後の1、2ページで、彼は「自己」という「嘆かわしい存在」を、「小説」という「作品」に託して、明るい希望を見出す「決意表明」をしているようにも取れます。

        難解な小説なので、間違った読み方をしているかもしれませんし、読後感は混濁した思いが渦巻いていますが、私にとってはこの本の質感も含めた「存在」自体が、「思想・哲学」への興味・関心の萌芽の時分を思わせる作品のひとつであります。
        >> 続きを読む

        2018/02/22 by KAZZ

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      シンデレラの罠

      JaprisotSébastien , 平岡敦

      4.0
      いいね!
      •  このミステリは、読み手を謎につきつけてきます。
        「わたし」は病院で目覚める。火事で、顔と手にやけどを負い、頭に傷を受け、記憶喪失になっている。

         そして、ミシェル(ミ)である、と周りから告げられる。裕福な伯母の金で働く必要のない優雅な暮らしをしていた20歳の娘。

         火事の時、もう一人いた娘は焼死してしまった。ドムニカ(ド)を助けようとしてミシェルは危ないところ助かった。ドムニカは同じ年の幼馴染。

         記憶を失ったまま、後見人であるジャンヌに引き取られるが、ミシェルは20歳になったら亡くなった伯母の遺産を相続することになっているが、ふとしたときにミシェルは「ドムニカ」と自分が無意識にサインしていて、戸惑う。「わたし」はもしかしたら、ドムニカなのではないか?

         顔の皮膚は移植し、指の指紋はなくなってしまい「わたし」は一体何者で、誰が誰に何をしたのか。

        「わたし」同様、読み手も「わたし」が誰だかわからなくなってしまい迷宮の中に迷い込んでしまうのです。
        「わたし」はミなのか、ドなのか?一人称の形をとりながら、内容は一人称ではない。

         冒頭に裕福な伯母、通称、ミドラ伯母さんが、姪であるミばかり可愛がり、幼馴染みの同じ年のドとラにははっきりと愛情の区別をはっきりつけていたことがわかります。

          同じ人というのはいないけれど、「ミ」と「ド」は親しいのか、主従関係なのか、憎み合っているのか曖昧です。名前が「ミ」「ド」「ラ」など楽譜音符音楽を思わせるようになっています。協和音(安定)と不協和音(不安定)だったら、不協和音なミステリ。

         一番の問題は「わたし」は誰?という自分がわからない、という謎でしょう。

         金よりもなによりも、自分が誰だかわからない、というのはしかも、自分が加害者なのか、被害者なのか・・・それすらわからない、心の中の焦り。

         読者は物語と一緒になって頭をフル回転させて、運動する、そんな印象が残った物語でした。
        >> 続きを読む

        2018/07/22 by 夕暮れ

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      星の王子さま

      サン=テグジュペリ

      3.5
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなり、以前購入した本書を探したところ見つからない。
        あれれ、おかしいなと思いながらも仕方なく諦めて書店で別の本を購入した。
        見つかった。
        ということで、思わず翻訳違いで楽しむことになった。

        こちらは内藤濯さん。
        少し古い翻訳なためか、言い回しが古めかしい印象だったり、現在だと不適切かとも思われる表現が見られたりする。
        そこも時代を感じさせるとともに、近頃の何かと差別表現だと排斥しがちな風潮に大切なことは言葉それ自体よりも、使う側の気持ちの問題ではないかと思っているため、これはこれでいいかなとも思う。
        王子を『あんた』と呼ぶところも若干乱暴に感じないでもないが、最後には『きみ』と呼び方が変わっていくところで、王子に対するぼくの気持ちの変化が表れているとも思える。

        子供のためというよりも、子供とともに大人が読む一冊だと思う。
        >> 続きを読む

        2015/09/10 by jhm

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