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上之郷利昭
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新興宗教の教祖14名を対象にベールに包まれた教祖の本来の人物像に迫る。教祖を裸にすることで新興宗教の仕組みに迫る。安易に新興宗教の存在を肯定するでも否定するでもなく、テーマとして掲げている教祖の素顔に迫ることに集中しているところが良い。14もの宗教を取り上げているため、一件ごとに割かれているページ数は決して多くないものの、テーマに特化しているため、書き込みが足りない印象は全く無い。最近は減って来たように感じるが、あちこちで目にする機会の有る。「世界人類が平和でありますように」と書かれた看板の謎も本書を手に取れば解決する。紹介される大多数の良識有る団体については問題が無いが、幾つかの問題が有りそうな団体は、教義/主張は異なるものの信者獲得/勢力拡大の手法が似ている。信教の自由を侵すつもりは全く無いが、これを認識しておくことは必要だと思う。 >> 続きを読む
2011/03/06 by ice
島田裕巳
かつて「幸福の科学」の総裁、大川隆法氏をけちょんけちょんにけなす「大川隆法の霊言:JICC出版」を共同で上梓して、私を散々笑わせてくれたのですが、一方で、危険な宗教団体「オウム真理教」に肩入れして、世の中を唖然とさせて株を下げた島田氏の近作です。 開祖がいて、人間がだんだん集まってくることから、すぐに新宗教のゼニ勘定が始まります。その宗教の教義についてはこの本では触れられず、もっぱらゼニ勘定のお話です。教義に関係なく、ビジネスとしての宗教を扱います。意外なことに、創価学会は健全なゼニ感覚を持っているためか、発展途上には「会員費は無料」でした。いまでも、たとえ池田大作の「人間革命」がいくら売れようと、それは会の金庫におさまるのだとか。結構ピュアーな感覚ですね。このあたりは好感を持ちます。でも池田大作という一個人を本尊とする創価学会には警戒心を持たざるを得ません。それでも、創価学会は、全権威と富が教祖に集中する麻原彰晃のオウム真理教よりはまともです。警察にがさ入れされた際、麻原はサティアンの屋上で、お金を必死に抱えていたというのには笑えます。 また、最近の新宗教で一番ヒットしているように見られる「真如苑:しんにょえん」の場合、お布施にあたる歓喜(かんぎ)の制度があって、だんだん「お金」が余ってきます。そのころに大神殿を建てて、宗派のシンボルとして会員のアイデンティティを喚起するわけです。創価学会も、日蓮正宗・大石寺(だいしゃくじ)の施設を建立することにしたのですが、ほんの短時日で必要な資金が集まりました。創価学会と大石寺が決別した今となっては、シンボルではなくなってしまいましたが、学会側はびくともしていません。ただ、熱狂的な信者だった父母の世代から見ると、息子・娘の世代になると、信仰が希薄になっていくという話もあり、維持には苦労するとか。なお、初代の会員は、地方から出てきた田舎者で、ちょうど共産党の党員になってもおかしくない感性を持っていました。(←この一文は私の私見です。) 「お金が余る」というのは新宗教が避けて通れない関門ですが、これがうまくクリアーできないと、新宗教は自滅に向かいます。そこをどうするかが、宗教運営者の腕の見せ所です。 以下、この本のめぼしい点を思いつくままに書いて見ましょう。たとえば、旧宗教の「佐野厄除け大師」は、モータリゼーションの普及を見越して、先代住職が環境整備したのです。(いわゆる「蓮密」の系統の寺院。) また、ダスキンの産みの親の発想は、「貴方の家のトイレ掃除をさせてください」といって見知らぬ人の家に上がりこんだ、一燈園(財団)がもとにあるとのこと。 生活一切を共同体に預けて農作業にはげむ「ヤマギシ会」についての記述もあります。これは、完全に自己完結したコミューンを目指したものであり、献金というよりは、生活基盤の共有を狙った活動です。私から見ても、結構魅力的な団体です。 この「新宗教ビジネス」の場合、島田氏はどんな宗派に対しても、公平な態度を持って解説しています。反省したのでしょうか?まあ、ゼニ勘定のお話なので、教義については書かなくても良かったのかもしれません。 なお、なぜ宗教法人に関する税率が安いか、ということについては、今回紹介した本の40Pに、以下のように書いてあります。・・・・・・・・・宗教法人の収益事業の税率が一般よりも低いのは、事業を行い、そこから上がる収入を得ることが主たる目的ではなく、あくまで宗教法人を支えるために営まれる事業だからである。宗教法人法の特徴の一つは、「性善説」の立場に立つところにある。国民の道徳基盤を支える宗教は、法に反するような行為に及ぶことはないということが前提になっている。しかし、収益事業の税率が低いことも、宗教法人が優遇されている証拠と見なされることがある。・・・・・・・・・・・「オウム真理教」には、宗教法人法が裏切られたのですね。この教団については「性悪説」が成り立ったのですから。 >> 続きを読む
2012/12/17 by iirei
辻由美
ヨーロッパで起こった宗教絡みの集団死についての考察。幾つものカルト教団を取り上げるB級テイストを想定していたが全く異なる。日本ではオウム事件のショックも有り、大々的には取り上げられなかったようだが、ほぼ同時期にヨーロッパではカルト教団による集団死が発生していた。完全に教団外部への攻撃を意図し武装したオウムとは危険度で雲泥の差は有るものの、数十名の生命を奪った集団死事件も、全員が覚悟の死では無かったとすると無差別殺人的な要素を帯びてくるため危険度が増して来る。空中浮遊やチベット仏教による権威付けなど、胡散臭い面が多かったオウムだが、太陽寺院でも神から授かった子やテンプル騎士団などが登場し、こちらも胡散臭さでは負けていない。教祖のカリスマ性と中核の親衛隊の作り方など、強い組織を作るための方法論としては、なかなか参考になるかもしれない。宗教は余剰資金と余剰時間でやれるくらいがベストな関わりではなかろうか。 >> 続きを読む
2012/06/15 by ice
名前だけは知ってても、どのように生まれたとかどういう信仰なのかとかまったく知らなかった。関心が高まったってことはないんだが、知識としてなるほどねぇと思うことは多い。個人的にはいかがわしさは拭えないのだが。 >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
島田裕巳 , 藤野美奈子
立ち読みした本。信じるモノは救われるって言うけどモノには限度があるよね…。許容範囲の問題。最初の項目の話は笑った!!私も昔『ちょっといいですか~5分間だけお話させて下さい。』と声を掛けられた事があったので…。ついて行くとそうゆう展開になるのね?(笑)カルト教団の定義って知らなかったのでちょっとビックリ。それとマインドコントロールのある教団は宗教じゃない。宗教を利用した詐欺集団。稼げない老人や障害者は勧誘しない。って……なるほど!!と、納得あと、宗教にドップリ嵌った家にお嫁に行くもんでないな、と思った。 >> 続きを読む
2013/12/10 by あんコ
藤倉善郎
「カルト宗教」取材したらこうだった。藤倉善郎先生の著書。数ある宗教の中で、自分が信じていないからといって他人が信仰している宗教を上から目線でカルト宗教と一刀両断してしまうのは傲慢なこと。それにその宗教に興味もないのに面白おかしく潜入取材するのは、その宗教を信仰している信者の皆さんに対して無礼千万、失礼千万だと思います。中には悪質なカルト宗教はあるだろうし、悪質なカルト宗教の存在を擁護するつもりはないけれど、日本では憲法で信教の自由が明確に認められているはずだから。とはいえ体を張った取材力には尊敬します。 >> 続きを読む
2019/10/23 by 香菜子
森達也
芹沢俊介
安丸良夫
西平直
芹沢 俊介
小杉英了
大川隆法
高橋信次
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