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InnocentiRoberto , ZeeRuth Vander , 柳田邦男
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これが実話だとは凄いことだ。人間とは、本当に両面を持っているものだ。個としての存在、組織としての存在、それがいろんな現れ方をする。そして、いのちとは・・その根源的な選択を迫られた時、人はどう動くのか。物語だけでなく、絵もまた素晴らしく、その空気を伝えている。 >> 続きを読む
2014/08/06 by けんとまん
佐々木昭夫 , McNeillWilliam Hardy , 増田義郎
世界史を学ぼう!ということで入門書で詳しく質の高くて評判なこの本を読んでみた。私が世界史初心者だからというのもあるのか、本書の構造をわかっていないまま読んだら読みづらく感じた。それに1500年以前の大昔の時代を扱っているから、現代より遠く、想像がつかないこともあった。とにかく、この時代は文明の始まり。農業に始まり戦争に続く戦争。古代ギリシャの最盛期は技術等は現代に及ばないものの、その知的・精神的活動の活発さは現代よりも優るだろうな、と思った。取り扱っている時代は王や宗教が大きく国や文化を動かしていると見受けられた。王や宗教のもとに人々がいるって感じ?一通り読んだが、一回読んだだけではあまりに複雑で広範で到底覚えきれない。こういう本は何度も読み返す必要があると思った。 >> 続きを読む
2015/03/02 by Nanna
BlackEdwin , 宇京頼三 , 小川京子
IBMの創立時の歴史からはじまる。核心に迫るところまではかなり説明が長く感じる。序のところで次のようにある。本書は覚悟して読まなければならない。途中で止めたり、斜め読みしたり、章を飛ばして読んではいけない。とある。もし、自分がユダヤ人だったとしたら、おぞましいまでのナチスとIBMの戦略に恐怖を覚えることでしょう。ユダヤ人を特定しなければならない。それはユダヤ教を信仰している人ではなく血統なのである。今更、カトリック教に改宗しても意味はなかった。ナチス政権はその血統を調べるのに膨大な数の戸籍を調べてユダヤ人を特定する必要があった。そのテクノロジーを提供したのがIBMという世界最大のメーカーであった。目的はユダヤ人を特定し、財産を没収し、ありとあらゆる権利を剥奪し、迫害して、最後は殲滅する。これがナチス政権の摂るべく政策であった。本書を読むとドイツ人の気質を感じます。日本人との共通点を感じます。しかし、更にその上をいく理屈ぽさを感じます。精密に正確にユダヤ人を特定して例外を認めないまでの緻密さでユダヤ人を特定した。適当じゃないんですね。恐ろしく理路整然としたユダヤ人を迫害する論理が展開されています。確かに法律を制定するための理屈ですから、矛盾があってはならないのでしょう。完膚なきまでにユダヤ人を特定してそのアーリア人の血統を守る妄想に取り憑かれたナチス政権。そのユダヤ人を特定する目的のために戸籍を登録し膨大な費用と労力をかけて行った行為は、現代の感覚からすれば、まさに狂気に満ちていると感じざるを得ません。本書は単なる歴史文献というものではなく、小説風に詳細が描かれているので読み応えがあります。とても臨場感に溢れ目の前にIBMのパンチカード登録システムが現れるようです。よくこれだけの文章を書き上げたと思います。その証拠に多くの参考文献や証言などから本書が出来上がっていることが分かります。日本語訳も相当に大変だったと思います。先はまだ長いのだが、読了してみたい。 >> 続きを読む
2017/08/29 by パスカル
企画自体は面白いと思ったのだが、取り上げられている話がもうちょっと興味が惹かれると良かったかなぁ。日本史の方も読もうと思っていたのだが、とりあえず保留で。 >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
こういうの子供の頃から大好きだった(*´ω`*)
2018/08/30 by motti
藤島啓章
世界の古代文明を広く浅く紹介。紹介件数が多いという点では類似の作品に勝っている。疲れているときなどに、これ系の作品を手に取ることが多い。ギリギリの線でトンデモ本ではなく、古代科学の世界に位置する作品。何と言っても学研文庫なのだから、ある程度の根拠が有る内容は期待できよう。内容は、世界の古代文明を浅く広く紹介するもので、浅くとは言いつつも特定の文明に大きくページを割いている部分も有る。カテゴライズすると、大きく下記の2つに分かれる・エジプトや中国などの遺跡が存在する文明・ムーやアトランティスなどの伝説的文明これに加えて日本の仁徳天皇陵なども紹介されている。当時の工法を用いる前提で、現代に行った見積金額は興味深かった。古代や空想の世界に思いを馳せるのは、意外とリフレッシュ効果は高い。 >> 続きを読む
2012/04/29 by ice
池上彰
現代のニュース日もつながる史実がわかりやすいように書かれています。近い歴史の方が想像できるし、自分の生まれた時代背景もを思い出して楽しめます。何となくニュースで聞いた、言葉や興味はあるけど難しいくてどういう風にして調べれば良いかわからず放置していたものも、全部まとめてある感じです。他のシリーズも読みます。 >> 続きを読む
2020/08/10 by ryoji
日本のベストセラー世界史の下巻。上巻は本書の構造を掴むまで慣れず読みにく感じたが、さすがに下巻では慣れ、そしてより現代に近い時代を扱っているので理解しやすかった。多少難しいところもあるが。本書は1500年から現代までの世界の歴史を書いている。後半とは言ってもあまりに広範なので全ての感想を書き切ることはできない。現代の都会化、情報化された時代の私から見たら、古代からずっと農業が基盤であったというか基本であったということに意外さを感じた。同じく16世紀頃からすでに“工業・商業”という概念があることも。まだこの時代は中世まっただ中かと思っていたけど、すでに貿易はじめ商業が出回り始めていた。それは大航海時代があったから当然なのかも。世界史後半でも戦争に次ぐ戦争。戦争を経験していない私達には想像がつかない。戦争はある意味“ビジネス”でやっていたとわりと世界史に詳しい友人が言っていた。時代が下るにつれこれまでの社会構造、価値観が大きくすさまじい速度で変わっていく。それにうまく合わせるにはこれまでの価値観と新しい価値観を上手く調合していく必要があると述べたところには大きく同意した。それにどんなに新しいものが生まれても、それは古いものが形を変えながら生まれてきたものだから、古いもの、すなわち過去、世界の歴史は全く無視することができない重要なものだと改めて気付かされた(当然のことだが…) >> 続きを読む
GombrichErnst Hans Josef , 中山典夫
あっ、文庫になっている、と心の声を漏らすことがある。 一、二年くらい前、中公文庫の書棚で視線を泳がせていると、浮きが沈んだときの釣人にわたしはなった。獲物が掛かったのだ。急いでリールを巻いてみる。すると、上下を有する双子の書物が釣り上がった。と、冗談はこれくらいにして、本の紹介めいたことをやってみるか。 作者はエルンスト・H・ゴンブリッチ。この人には二つの顔があって、一つは美術史の研究者として一家をなした人。『楽園のカンヴァス』を書いた原田マハさんも、この先生の著作から勉強をはじめたらしい(「作家の読書道」というWEBサイトより。このサイトとても為になりますよ)。そしてもう一つの顔は、誠実な歴史学者として、若い読者に世界史を語るお兄さん。お兄さんというのは、この大先生、なんと25歳でこの本を書いたらしい。驚きの一言です。 しかし、もっとも読者の心を打つのは、「50年後のあとがき」という小文である。我々が歴史学者に求めるものは、学界の権威でもなければ、その学者の多芸さでもなくて、誠実な人間性ではないだろうか。この書物を片手に、一人こんなことを考えた。 >> 続きを読む
2015/01/15 by 素頓狂
樺山紘一 , 山崎元一
古代インドに関する歴史書。仕事で東インド(インド亜大陸の人)の人と接する機会がこれまで割とあり、前の職場では呑みニケーション対応(+秋葉原案内)で大体対応できていた為気にしていなかったのだけれど、今の職場で一時期常駐していた人との交渉に手こずっていた時期に、やはり文化背景をしっかり理解しておかないとコミュニケーションしきれないかもと思い購入。学生時代、東インドの人(インディアンというと米大陸の原住民を指す場合があるため、彼らは自身をeast indianと称していました)とはクラスメートだったりしたため、ある程度は理解しているつもりだったのですが、あるソフトの仕様に関する対応で対立した際、コミュニケーションに限界を感じてしまいまして読んだ本ですね。共通の言葉喋れればコミュニケーション取れるという人は割といますが、それは異文化に接したことがない人です。異文化を理解している人、もしくは異文化を許容できる人は実は言葉通じなくてもコミュニケーション取れます。なので、実践的言語教育においてはそれぞれの地域の文化や歴史も一通り教えるのですが、これの蒸留した先に行き着くのは今では人種差別的として教えられることのなくなった地政学です。ある特徴を持つ地域に住む人にはある一定の思考の傾向がみられることがあります(むろん個々人を見た場合に異なることは十分以上にあり得ます。というか個人を見た場合は傾向に当てはめると偏見となるので注意が必要です)。上記を動機として、人を理解するために読んだ本ですが、結構興味深いです。先住民の文明から始まり、アーリア人による征服とバラモン教の発生、それへの抵抗としての仏教の発生と伝搬、そしてヒンドゥー教への流れが、インドという土地での地理的位置関係等を含めながら説明されています。近代において受難の時期があった国ですが、古代からの流れを見ていても面白いです。ローマ帝国からも金貨がインドに向けて流れてその代りに織物とか香辛料が大量に流れていたようですし。でも一つ腑に落ちないのは、イスラムからの流れでのシク教とかマニ教の説明が少ないのはなぜ(古代だから出てこない?)?インドの歴史に興味を持った人にお勧めです。 >> 続きを読む
2013/03/10 by Shimada
佐々木俊尚
インターネットによる情報技術の革新を「第三の産業革命」と命名、中世、近代の世界観と未来の姿を対比させて説いてあります。国や会社といった単一の世界から、インターネットによって構築された「場」への転換、そして「場」の中でグローバルなレイヤーによる繋がりが大きな社会変革を生み出してくると予感させてくれる一冊です。「地球人」として様々な人たちと繋がり、仕事や楽しみを共有する世界がいままさに広がろうとしています。 >> 続きを読む
2014/09/01 by Newyorker
野中香方子 , LloydChristopher
25cm×18.5cmのやや大判、506ページで厚さ3.5cm。かなりボリュームがあるが、ハードカバーでないし環境を意識してか、金額や重量を意識してか紙質もやや粗め。そこがいいと思う。ボリュームの割に軽くて持ちやすい。柔らかくてページが繰りやすい。分厚い教科書のような本だ。イラストや写真もたくさん使っているが、字が多い。一見難しそうだが、文章はそれほど難しくない。かなり読み応えのある読み物だ。読み始めると「!」「ほお~」「なるほど」「へえ~」「そうか~!」てことが次々と。天文学、生物、政治・・・というような分野で分かれてないのもいい。こんな面白い教科書だったら、中学高校の生物・地理・世界史(日本史)の勉強ももっともっと楽しかったかも。(テスト無し、覚えなくてもいいという前提で・・;)137億年前(最新のデータでは138億年とも)にどのようにして宇宙ができ、136億年前に天の川銀河が、46億年前に太陽(太陽系)がそして地球がどのようにして生まれ、生命(単細胞生物~)がいつどのように生まれたか。地球環境はどのように変化してきたのか。それぞれの生命(種)はそれぞれの時代でどのようにくらし、どのように進化し、なぜ絶滅したのか。学校で習ったことはすっかり忘れてるけど、人類の歴史を振り返るのは面白いし、そこから学ぶことがたくさんある。そして、現代社会について考え、人類の未来を思ってしまう。人類もまた、地球上に住む「種」のひとつでしかない。そして、一度絶滅しかけて千~数千人にまでなった。生き残った人類は、どのように文明を作りどのように生きてきたのか・・・・・・。今まだ、175ページ。5500年前~3500年前のあたり(ミノア文明 紀元前3300年~1700年頃)だが、地球の歴史からするとほんの極々最近の話になる。地球誕生から現在までを24時間とすると、23時59分59秒。つまりのこりたったの1秒のあたりなのだ。現生人類ホモ・サピエンスが誕生してから、このモノサシでいうとたった3秒。戦後、現代文明ができてからはほんの0.001秒。現代の人類は、地球が長い長い気の遠くなるほど長い年月をかけて(23時間59分59秒)作り貯えてきた自然(化石燃料など)を、あっという間に使い果たし、何億年もの間、互いに共生してきた自然界の関係を壊し、環境を壊し、多くの種を絶滅へと追い込んでいる。残念なことに、人間のやることなすこと全てが生態系へ大きな影響を及ぼし続けている。人間も生きていかなければならない。でも、その生き方が問題なのだろう。人類も又絶滅への道を進んでいる(人類も永遠ではない)が、その速度を速めているのは人類自身であることを自覚した方がいいと思う。文明の中で快適便利に暮らしている私だが、人類の未来、地球のことを考えると、少なくとも、絶滅へのスピードを速めるようなことだけはしたくない。できるかぎり・・・。というようなことを、思ったりして・・・。これに映像があるといいなあと思ったら、テレビ東京で日曜6時半から番組が放送されてるらしいです。また、ゆるゆる読んでいきます。 >> 続きを読む
2013/07/20 by バカボン
石岡史子 , 大塚信 , LawtonClive A
ナチスによるユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストがなぜ起こったのかについて、数多くの写真とともに、とてもわかりやすくまとめてある。あまりにも悲惨な写真と、不条理な出来事の数々に、しばし絶句せざるを得なかった。銃で撃たれる前に祈りをささげるユダヤ人男性の後ろに立っているナチスの兵隊たちの、せせら笑うような残酷なへらへらとした顔が映っている写真を見た時に、どうして人間がこんなに残虐になれるのか、ただただ血が逆流するような思いがしてならなかった。と同時に、当時、ユダヤ人の救出に力を尽くした人々のうちの数名について紹介されていて、杉原千畝ももちろん載っていた。また、私は恥ずかしながら知らなかったのだけれど、当時のデンマークの国王のクリスチャン10世も、ドイツに占領されながらもドイツの圧力に屈することなく、断固としてユダヤ人差別の法律をつくることを拒否し、ユダヤ人を守り続け、ナチスが強制的にユダヤ人を捕まえようとすると、全員事前に中立国だったスウェーデンに脱出させたそうである。また、スウェーデンの外交官だったラウル・ワレンバーグは、ハンガリーでユダヤ人の救出に尽力し、十万人ものユダヤ人の命を救ったそうである。当時の歴史を読むと、人間に深い絶望を感じさせるナチスの歴史とともに、希望を感じさせてくれる人々や歴史もいる。後世の私たちは、歴史をよく知って、前者のような人々ではなく、後者のような人々にあやかりたいと思って努力した時に、きっと絶望ではなく、希望が残っていくのだと思う。 >> 続きを読む
2013/04/19 by atsushi
齋藤孝
苦手な世界史を勉強しようかと思い、まずはじめに読む入門書として手に取りました。読み物としては、良く出来ています。著者・斎藤孝の平明でユニークな解説は、どんどん読み進めます。 >> 続きを読む
2016/06/05 by とーます
KaplanMichel , 松田廸子 , 田辺希久子
西ローマ帝国滅亡からさらに千年以上にわたり存続した東ローマ帝国。しかし、それは次第にローマ帝国とは異なる国家へと変貌していた。後世の人々はこれをビザンティン帝国と呼んだ。そのビザンティン帝国の歴史とその魅力を教えてくれるのが本書である。ほぼ全ての紙面が古い写本からの美しい挿絵、モザイク、金貨や美術品の豊富な写真で埋め尽くされている。特にビザンティン帝国の主製品であった絹織物の図案の美しさは、目をみはるものがある。中世の人々は、世界の富の2/3は、コンスタンティノープルにあると信じていたとのことだが、それが納得できるような気がした。内容としては、ビザンティン帝国史の概要に始まり、皇帝やその魅力あふれる首都コンスタンティノープル、都市部や農村部の人々の暮らしぶりそしてビザンティン帝国を語る上では欠かせない神と聖人について書かれており、多面的な角度からこの帝国の姿を浮き彫りにしている。資料篇では、同時代人たちの残したコンスタンティノープルや皇帝等の証言がコンパクトにまとめられており、当時の雰囲気をリアルに感じさせる。ビザンティン帝国は、過去において硬直した組織典型として不当に低い評価を与えられてきていたが、近代に入ってからは、研究が進み、ギリシャ・ローマ文明の継承・保護者として、またその文化をキリスト教と融合させ、他の文化に伝搬した役割が評価されている。本社は、この人々を魅了してやまない華やかな帝国の歴史を知る格好の一冊だと思う。 >> 続きを読む
2017/12/28 by くにやん
祝田秀全
世界史の全体感が分かる。なお、読後は、より広い目線で物事(マーケット)を捉えられるようになる。紀元前100年くらいのローマで、属州から穀物が安価でローマ市場に入ってくるようになった結果、国内の平民(農民)が没落していったという件があった。旧社会主義国から安価な生産物が国内に流入する現代と通じるものがあり、ローマ国内の平民が、その後どうなったのか気になった。塩野先生の「ローマ人の物語」を読んでみようかな? >> 続きを読む
2017/05/02 by こいこい
MacGregorNeil , 東郷えりか
・最高の書・大英博物館館長によるラジオ番組(流石BBC)の書籍化で、「100のモノ」それぞれのカラー写真も掲載され楽しい >> 続きを読む
2018/02/11 by michi2011
岡田英弘
異色の歴史学者・岡田英弘の「世界史の誕生」を読了しましたが、この書から、ある種の衝撃を受けました。今までいかに狭いスケールでしか「世界史」を見てこなかったか、痛打される思いがしましたね。この書で論考されている、1206年、モンゴル帝国の建国の瞬間こそ、世界史の誕生であったということです。中央ユーラシアの草原こそ世界史が始まったと、著者の岡田英弘は論破する。これをモンゴル史家によるアクロバティックな解釈と読むのは正当ではないと思う。中央ユーラシア草原に発する力が、中国世界と地中海世界とを創り出し、その結果、世界が現在の形をとるに至ったという"単一の世界史"をこの書では、実際に記述しおおせていると思う。この"単一の世界史"とは、水と油のような東洋史と西洋史とを統合する試みのことなのだ。そして、それらがなぜ水と油なのか-------?まず、東洋史を生んだ中国世界、西洋史を生んだ地中海世界、それぞれの文化の特有性を説くのは、この書の中ではウォーミングアップなんですね。ハードなストレッチはその直後にくる。歴代の中国の王朝が、ほとんど非中国人の王朝であったこと、中央ユーラシア世界の力が常にそこに働いていたことを明かして、中国型の歴史、つまり東洋史を解体していくさまなど、歴史学会における剛腕の学者の投げる鮮やかなボールを見る思いがします。他方、モンゴル文明が西ヨーロッパ文明の内側に入り込み、地中海型の歴史、つまり西洋史の枠組みを崩していくプロセスをも見届けているんですね。まさに剛腕による連投、また連投。そうして「実にモンゴル帝国は、世界を創ったのである」と結ぶまでの記述は、歴史の烈風の音を聞かせるようである。その風が痛い。モンゴルという外的な力を知ることで、内的で自律的な文明という「幻想」が、無惨に砕かれるのだ。そして、その無惨さが、あまりに痛いのだ。 >> 続きを読む
2018/05/20 by dreamer
桐生操
世界史に名を残す著名人達に秘められた謎を紹介。22件ものエピソードを収録しているため深みは無いが楽しめる。ナポレオン、ヒトラー、ジャンヌダルク・・・。世界の著名人達の死の真相などを中心に、22件もの興味深い謎が示される。それぞれに割かれているページ数の関係で、正直深みには欠けるが、逆に想像力を掻き立てられるような効果も感じる。扱う内容も、ケネディ大統領暗殺事件から、ツタンカーメンの呪いまで、何でもござれという趣だが、馬鹿馬鹿しいような話と、真実と思われる話のバランス感がちょうど良く、飽きずに読み進められる。中世のヨーロッパ貴族などは、ソフィスティケートされているイメージを持っていたが、貴族どころか王自身の周囲にもスキャンダルが絶えなかったというのが人間らしく感じた。どれも信憑性は低いのだが、ロマンが有って良い。 >> 続きを読む
2011/12/03 by ice
山川出版社
今は世界史の方が興味が強いようだ。カタカナ名前にも強い方だと思うので読んでて楽しい。学生時代は歴史マニアな連れが結構居たのだが今なにしてるだろうか? >> 続きを読む
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