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養老孟司
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幽霊現象ではないが、科学を語るクリスマスの話に、新しい明るさをともしたただ、古さを知り尽くしてから、ふるさと日本らしい、輪を気にする先生だ宗教心理の集まりを憂い、若さを燃やす知性がちゃんと新しい社会へエネルギッシュに向かえます >> 続きを読む
2021/02/02 by touzyu
藤原正彦
数学の上達に必要なものは情緒力だという斬新な考え方が非常に面白かったです。イギリスに数学の天才が多いのもイギリスには美しい街並みや風景があるからだということが書いてあったので是非そこを訪れてみたいと思いました。 >> 続きを読む
2015/05/13 by super
橘玲
「努力してもできないものはできない」なぜなら、身体的特徴と同じように知能も遺伝するし、自分は変えられないからー・・・なんて、夢も希望もないことを、と思うが、それを証明するために様々な調査や文献を引用して、読者が納得せざるを得なくなっている。その量が多く、なかなか結論にたどり着かないが、様々な情報も楽しめた。その残酷な事実を目の当たりにして、さぁ、どう生きていこうか、というのが本書の目的。著者が提案する生き方は、「伽藍(会社などの閉鎖的な組織)を捨ててバザール(グローバルな世界)に向かえ!恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!(得意分野でニッチを見つけよう)」、ということと私は解釈した。これが提案できるのも、現代の「フリー経済」などの経済市場があるからこそで、時代に応じて臨機応変に生きることの必要性も感じた。結局、「好き」を仕事にできる人は生き延びられるということか。でも、当然だが、『「好き」を仕事にしたいのなら、ビジネスモデルを自分で設計しなくてはならない。』。やはり最後は自分で考え自分で行動しなければならない。当然といえば当然である。 >> 続きを読む
2020/05/20 by URIKO
P.F. ドラッカー , 上田惇生
今から約12年前、2002年初版発行。ネクスト・ソサイエティとは、人類が初めて直面する異質の次の社会。具体的な特徴として主に以下が挙げられる。-------------------------------------①雇用形態の変化:退職者やパートスタッフ等、正社員に限らない雇用関係が広がる②市場の変化:消費市場は若者中心から中高年中心に③高度な知識・競争社会の到来(1)知識は資金よりも容易に移動するため、世界に境界がなくなる(2)万人に教育の機会が与えられるため、上方への移動が自由になる(3)万人が生産手段としての知識を手に入れ、しかも万人が勝てるわけではないため、成功と失敗が併存する④主役の交代:製造業の肉体労働者ではなく、技能技術者(テクノロジスト)が社会と政治の中核を占めるようになる-------------------------------------今後、知識労働者として生きていくにあたり、以下に気を付けたい。①自らチェンジ・エージェント(変革機関)であること②会計システムとデータ処理システムを統合し、生きた情報(データ)から次のビジネスを模索すること③市場の外の声に耳を傾けること④知識労働の生産性を高めるべくチームをマネジメントすること読み物としてはつまらない。ただ、今まさに進行中の社会的変化が数多く描かれており、非常に勉強になった。 >> 続きを読む
2014/09/15 by こいこい
岡田斗司夫
悪の組織念願の野望である世界征服。しかし、いざ自分が世界征服をしようとしたらまず何をすればいいの?正義の味方による妨害行為のリスクマネジメントは?世界征服の先輩である様々なキャラクターたちの経験をもとに世界征服への入門を分かりやすく解説してくれています。世界征服を考えているそこのあなた!まずはこの一冊を! >> 続きを読む
2015/03/05 by ぽんた
大前研一
著者のアグレッシブな正論は健在。ただ、著者には、「消費は美徳」「金を使うことは楽しいはずである」という大前提があるようだ。老いてますます盛んなことはけっこうだし、うらやましいけれども、その前提はほんとかしら。 >> 続きを読む
2017/10/13 by Raven
柳田邦男
穏やかな口調、表情を思い出す。でも、述べられていることは、真摯で厳しいものもある。そこをどう受け取るか?生き方次第。 >> 続きを読む
2015/09/21 by けんとまん
内田樹
呪いとは徒ならぬタイトルで本を売り込む作戦かと思い、そっと立ち読みしてみれば、むべなるかな。現代はまさに呪いの時代と合点した。著者のいう呪いとは、さしずめ、自らを優位に置き、意見の異なる他者を蔑み、自分のテリトリーから葬り去ろうとして吐く台詞。といったところだろうか。昔は学者うちの間で呪いをかけて悦に入る高慢家が多かったと著者はおっしゃる。(ふーん)ところが現在は、一般社会にあって呪いをかけあっている光景が続出なのだ。(そうかなあ)その証左がネット上の言説。(ふむふむ)(以下引用) ネット上のやりとりにおいては、「批判に応えて、自説を撤回した人」や「自説と他者との理論をすり合わせて、落としどころで合意形成した対話」をほとんど見ることがありません。(なるほど)つまり、現代社会は善か悪か、正か邪か、の二者択一ばかりが横行しているのです。そして、多くは自分が善であり、他が悪なりと、独断的に結論づけていくのです。形勢不利になるのを避けるためには、自分の説に「いいね」といってくれる同朋を多く集めることが目的と化してしまうのです。ああ、気を付けねば。 >> 続きを読む
2015/03/01 by junyo
内田樹さんの本を読むと、大体70パーセントの同意と20パーセントの「何でそう言いきれるの?」と10パーセントの「嘘やん。」なんですが、多分それが彼の本の正しい読み方なんだと思います。「子どもは判ってくれない」に確か「俺の話を鵜呑みにすんなよ。」と言うようなことが書いてあったから。今回、一番の同意ポイントは「文化資産」のお話。求めるがために持つ者と持たざる者の違いが認識され(=生まれ)、求めるがために手に入らないという、神話に出てきそうな現実を生きている人たちがたくさんいる。肌で感じていた事なので、得心がいきました。あとの同意しきれないポイントは、主に若者の質問に内田さんが答える形式を取った後半からです。内田さんは「良く知らない分野の質問でも即座に答える」という特技があるのですが、これは彼の「膨大な思考実験の経験と、それっぽい答えを見つける嗅覚と、即座に次の足場を作る能力」によるものという気がします。三つ目の足場が云々というのは、話をどこに落とし込むかおおまかな目安をつけた後、喋りながらそっちの方へ理論を展開していく方法を見つける、ということです。友達になったら面白そうだな、と思う人の1人です。お試しにはブログを覗いてみる事をおすすめします。本に書いてある事は大抵書いてあるので。 >> 続きを読む
2016/12/13 by MaNaSo
内田樹 , 鷲田清一
大人も子供も成熟しない社会システム、か。矛盾と無秩序に満ちた社会を受け入れるしか無い。それでいて、その中で価値を求め、価値を創造し、前向きに生きるしかないのだ。この娑婆の矛盾性に抗って、自分なりの無矛盾を自己確立するのが大人になることに違いない。弱音を垂れ流し、クレームほ吐き出しつづけるだけの小児を卒業させるシステムを創るのも、大人の責任。 >> 続きを読む
2014/06/20 by junyo
苅谷剛彦
「大人」という言葉は、筆者には嫌な思い出しかない。「大人になれ」「大人じゃろうが」「大人ですから」 理不尽な要求に対しても我慢して従う。そんなイメージが筆者の中で思い出される。 それは筆者自身がダメ人間だったから、ということもあるが「大人」という言葉自体の曖昧さもあるからではないだろうか。 そもそも大人とは何か。 嫌いな連中と不味い飯を食べ、不味い酒を飲み、不毛な会話をして、余計な金を支払うことが大人なのだろうか。 不細工な嫁を抱いて出来の悪い息子を無理やり大学まで行かせることが大人なのだろうか。 本書には、編者を含めて16人の執筆者がそれぞれ大人について考察している。 それぞれの立場で、それぞれの考えを述べているので、本書に明確な一つの答えがあるわけではない。 ただ、自分自身の「大人とは何だろう」という疑問を解決するための助力にはなるだろう。 色々な人の意見を聞いてみることは悪いことではない。その中から、自分なりの答えを見つけだす。恐らく本書はそんな意図で書かれたのではないだろうか。 正直言うと、筆者も未だに大人というものが何なのかわからない。もしかしたら一生わからないかもしれない。尾崎豊は永遠の少年であったが、筆者は尾崎ほど才能もないし、シャブをキメる(覚せい剤を摂取する)勇気もないのでいつかは大人にならなければならないのだろうか。 とにかく、大人とは何か、それを問うことから始めよう。デカルトも言っていた。「われ思う、ゆえにわれあり」。 期待外れのレビューかもしれないけれど、この問題は人それぞれなので、筆者がどうこういう問題はない。今これを読んでいる読者(あなた)が見つけることなのだ。 >> 続きを読む
2014/10/22 by ぽんぽん
宮台真司
全部が全部そうだったのかと納得することはないけど、読んでて色々考えることのある本って大事。最近は子供について考えることが必然的に多くなっているので、その辺りの情報は常に入れておきたいと思う。 >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
養老先生の本を読んでいると、あの声が聴こえてきそうだ。確かに、自分の頭でもう一歩考えることの意義の大きいことは納得するし、それが難しいこともそうだと思う。また、そういう人たちが減少しているだろうことも。さて、ここで気づきがあったわかだから、あと、どうするかは自分次第(^^) >> 続きを読む
2015/06/11 by けんとまん
神田昌典
ブログで3回に渡って感想文を書きました。疲れた。 ■1[日々の哲学]「歴史に学んで未来を予測する」ということとは? http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151106/p1■2[憲法]神田昌典の名著をあえて“キャリアポルノ批判”という観点から批判してみる http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151112/p1■3[経済]これから10年、なくなるのは会社ではなく正社員ではないですか?! http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151120/p1 >> 続きを読む
2015/11/21 by 荒馬紹介
白井聡
全部において納得というわけではないですが、「なんで日本政府はアメリカに卑屈なの?」とか、「なんで近隣諸国との領土問題で歯切れが悪いの?」とか、「なんでいきなりTPP参加?」などの素朴な疑問の全体像がわかったような気がして良かったです。 >> 続きを読む
2017/08/24 by belami
名越康文 , 内田樹 , 橋口いくよ
やっぱりそう感じているんだなと納得。揚げ足を取る。この一言に尽きる。言葉尻を無理やり捉えて、そこだけを自分勝手な屁理屈で攻撃する。個人レベルでもそう感じることが多いし、メデイアでもそう思う。1対多となって、集中砲火。自分と近いもの、あるいは自分のほうから、それに合わせて安心するということだと思う。聴く前に喋るというが増えているからだと思う。話すではなく喋る。名越先生、内田先生、さすがです。 >> 続きを読む
2015/03/02 by けんとまん
荒井雅子 , George, Susan
実に胸糞悪くなる本である。 貧困と格差。それを生み出した張本人たちは無事に暮らし、何の罪もない現場の労働者たちが失業や収入減を余儀なくされる。 犠牲になるのは常に現場だ。 2008年9月。サブプライムローンの破綻に端を発したいわゆるリーマンショックによりバブルが崩壊し、世界的な不況に見舞われた。各国では失業者が続出し、当然ながら犯罪発生率も増加。世界中を大混乱に陥れた。 原因となったローンの中身はこうだ。少し長いが本文を紹介しよう。「債務無担保保証券(CDO)を作るために銀行が考え出した、まったく新しい手法はこうだった原料としてさまざまな債務を金融大釜に放り込み、よく混ぜてから注ぎ出汁、ソーセージ型に丸めて輪切りにし、その輪切りを、儲かる金融商品として売る。原料となる債務の性質は問わない。当初は質のいい(「プライム」)住宅抵当ローンだったが、後には学生ローン、クレジットカード債務、自動車などの高額消費財購入ローンなども含まれた。ソーセージの輪切りには、「シニア」さらには「スーパーシニア」(共産主義者がウォール街を乗っ取らない限り、払い戻し可能という意味)が最も優先度が高く、あとは段階的に下がっていく。払い戻しが確実そうに見えるほど、価格が高い」 早い話が、危険な借金も、(比較的)安全な借金も混ぜて、売ってしまおうという金融商品である。 あれもこれも詰め込んで、今思えばまったく正気の沙汰ではないようなこのような行為も、ハーバード大学とかを出た知識エリートが推し進め、政府もまた後押しした。 例えは悪いが、考えなし(としか思えないほど)戦線を拡大した、第二次大戦中の大日本帝国陸海軍のようである。戦争によって戦争を解決しようとした、いわゆる戦争バブルだ。当時、陸海軍や政府の上層部を指導したのも陸大や海大、それに帝国大学を主席で卒業したようなエリートたちである。 本書は別にエリートそのものを批判しているわけではない。ただ、バブルを膨らませるだけ膨らませて爆発した後の責任を自分では取らず、その後片付けを自国や各国の市民に圧しつけた連中に対する批判である。 社会が育てた従業員を使い潰して、その後始末を社会にゆだね、自分は利益だけを得ようとする、いわゆる「ブラック企業」にも通じるものがある。このような行為を許すわけにはいかない(ただし、リーマンショックはブラック企業よりもはるかに被害が大きかったが)。 利益は自分たちが独り占めにし、損失は社会全体に負担させる。これが卑怯と言わずに何と言おうか。 本書では、自分たちの社会を取り戻すために銀行の国有化まで主張している。さすがにそれはやり過ぎかもしれないけれど、富の偏在は必ず社会を不安定化させる。それは間違いのないことだ。 別に筆者は個人の儲けを否定するつもりはない。自己利益の追求は市場経済では無くてはならない原動力だ。しかし、「貨幣」という言葉にもあるように貨幣の貨は貸し借りの貨である。社会で共有するからこそ貨幣には価値があることを忘れてはいけない。 本当にお金が大好きなら、自分で「1リーマン」みたいに勝手に通貨を作り、そいつを部屋で満たしておけばいい。それで買い物ができるかどうかは、よく知らないけれど。 >> 続きを読む
2014/09/21 by ぽんぽん
筑紫哲也
とても良い本だった。 筑紫さんが生きていた時は、ときどき「スローライフ」ということをnew23で筑紫さんが取り上げているのを見ても、あんまりそこまで興味を持っていなかった。 何を寝ぼけたことを、ぐらいに思っていた記憶もある。 しかし、今回きちんと読んでみて、とても考えさせられた。 「スローライフ」ということは、とても大事なことだと思えた。 この本のサブタイトルは、「緩急自在のすすめ」。 筑紫さんは「自在」を「自(おの)れが在る」と読み下している。 つまり、世間の価値観や、とかく急かせる時間観に流されず操られず、緩急の中に己をしっかり持つこと、自分の価値基準や価値機軸をしっかり持つことを「スローライフ」と筑紫さんは呼んでいる。 グローバル化の中で、一元化される、一次元の価値観に対して、多元的な価値をめざし、価値を多様化し、自分にあった自分の価値観を築いていく、グローバル化への抵抗のすすめ。 独立自尊の現代ヴァージョンのひとつの表現が「スローライフ」ということらしい。 とても興味深く、考えさせられる提言だと思う。 そのための日本各地のいろんな地域や自治体の動きや、世界におけるいろんな動きについてもこの本の中でいろいろ言及してあって、とても面白かった。 「それで人は幸せになれるのか?」と、問うことが、本当に大事な時代や社会なのかもしれない。 アンゲロプロスの「時間を“奪う”か“味わう”か」という問いと表現はとても面白かった。 私も、時間をゆっくり味わえる人生を生きたいと思う。 「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」 という格言も、とても面白い、考えさせられるものだった。 ロハスやスローフードを、きちんとビジネスとしても採算がとれるように工夫している各地域や自治体の話が、なんとも生き生きしていて、興味を喚起させられた。 「大事なのは、私たちがどういう生き方を選択しようとするか、この地球のなかで生き続けるためにどこに価値を認めるのかなのである。」 (193頁) この筑紫さんの言葉は、とても大事なメッセージだと思う。 個人にできること、またすべきことを、二つの“P”、つまり、プロテスト(抗議、異議申し立て)とプロテクト(守る、自分の身を守り、自分の大切な人々や社会を守ること)、と表現していたのも面白かった。 プロテストとプロテクトのため、そして自分自身が本当に納得のいく楽しい人生を生きるため、「スローライフ」ということは、「スローフード」や「スローインダストリー」をひっくるめて、21世紀にとって最も考えるべき、実践すべきことかもしれない。 筑紫さんが、スローライフを実践していくうえで、大事だと思う七つのことを挙げていて、それもとても興味深かった。 1)自発性こそが全ての出発点であり、命である。上意下達、機関決定、労組型の「動員」「日当」などをルールとしない。 2)ゆるやかな結びつきを組織原則とする。参加者ができる範囲で、割ける時間を使ってやれることをやる。 3)「小さいことは良いことだ」-少数派であることを肩身が狭いとか、恥だとか思わず、むしろ誇りにする。 4)他の「同好」グループとの結びつきは、「水平型」「ネットワーク型」を目指し、上部組織―下部組織の「垂直型」を採らない。 5)「正統性」に固執しない。自分たちがやっていることが大事で、正しいことだと信じないことには運動の活力は出てこないのはたしかだが、それが他者、他グループを非難、排撃する理由になってはならない。「富士山の頂上に辿り着くには、いろんな登山口がある」と思ったほうがよい。 6)寛容とゆとりを持とう。 7)「快」「楽」を最優先にしよう。いくら正しいことをやっていても、それが苦しげに見えたら多くの人の共感を集めることはできない。(中略)真の「ゆたかさ」とは「心ゆたか」であることであり、金、時間、空間の「ゆとり」は「心のゆとり」を得るための手段であることを示すことができれば、真の勝ち組はこちらであると言うことができる。そのためには、やっている当人たちが、それを楽しみ、おもしろがり、快いと思わなくてはならない。つまり、黒澤さんの言うように「もっと幸せに」なって見せることである。 そのために何を考え、何をしたらよいか。あるいは、してはならないか。 (205~207頁) とても良い、また繰り返し思いだし、味わいたい一冊だった。 >> 続きを読む
2012/12/22 by atsushi
つつみみか
30ページ: 何かを売ろうとする時、効果的な広告モチーフは美人(Beauty)、赤ちゃん(Baby)、動物(Beast)という三つのBだといわれるが、戦争を作りだすステップは「凶悪な敵」「被害者意識」「愛国心」の三つだろう。 218ページ: いくつなっても、壁にあたった時自分を責めずに立ち止まれること。再び歩き出せる力を持っているかどうかで、人生は大きく違ってくる。 >> 続きを読む
2015/03/19 by Neo*
池上彰
わかりやすく今の日本のさまざまな状況や課題が解説されていて面白かった。ツイッター等々を見ていると、安易に政治や政策に善悪を決めて怒りや悪口雑言を書いている人をよく見かければ、せめてもこの本を読んでから論じて欲しい。消費税についても、単純に反対を言うだけでは、なかなか問題が解決しないこともわかりやすく整然と解説してある。アベノミクスについて、国債の金利が上昇するリスクがあることも、よくよく国民は理解しておくべきなのだろう。年金負担について、年齢別から能力別へということも、大事な論点だとあらためて思えた。興味深かったのは、日本は地熱発電について世界第三位ぐらいの潜在的な資源があるそうで、それを開発すれば、原発二十基分を地熱で賄えるそうである。温泉とは利用する地下水の層が違うので、温泉を気にする必要はなく、民主党政権時代にすでに開発のための法規制を緩める措置が行われているそうである。ただし、地熱は開発に十年かかるそうで、かなりの政策的なリーダーシップが必要な事柄なのかもしれない。あと、アメリカがシェールガスの開発に成功した結果、2030年代には中東から撤退するかもしれないという話も興味深かった。米軍が中東に関与しない方向になれば、イスラエルはもちろん、中東の油田に依存している日本も大きな影響を受けるだろう。それまでに、エネルギー政策や安全保障政策をどうするか、きちんと考えておくべきことなのかもしれない。あと、個人的に興味深かったのは、そういえば以前何か他のところで読んだ記憶もあったのだけれど、日本国憲法のGHQ草案は、衆議院の一院制だったのを、日本の側の修正で二院制になったということ。最近、参院を廃止した方が良いという意見もあるようだけれど、二院制は日本側の発議だということは考慮に入れておくべきことかもしれない。また、汚染水の問題や原発事故処理に関し、東電の破綻処理ないし解体が論じられているが、たしかに本来ならばもっと考慮されるべき事柄なのだろう。原発事故処理の現場の作業員の大変さや、彼らにこそもっと大きな名誉や報酬が与えられてしかるべきというのも、本当にそのとおりと思う。いろいろ、忘れかけていることや、あんまりクリアリイに考えてなかったことを、あらためて考えさせてくれる、良い一冊だった。 >> 続きを読む
2014/04/05 by atsushi
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