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カテゴリー"外交、国際問題"の書籍一覧

      希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想

      古市憲寿

      4.0
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      • 希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想。古市憲寿先生と本田由紀先生の著書。古市憲寿先生が慶應義塾大学環境情報学部卒業後に東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍時に書かれたもの。人間が持つ自己実現欲求や承認欲求について改めて考えさせられるきっかけになりました。だれもが何かを成し遂げたい、周りから承認された賞賛されたいと気持ちは持っているけれど、実際に自己実現欲求や承認欲求が満たされている人は多くないのが現実。古市憲寿先生と行動力と人間観察力、そして文才が感じられる一冊です。 >> 続きを読む

        2018/11/11 by 香菜子

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      リー・クアンユー、世界を語る

      倉田真木 , AllisonGraham T , LeeKuan Yew , WyneAli , BlackwillRobert D

      3.0
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      • 読書しながら世界一周!

        シンガポールの本屋さんに行くと、ある白髪のおじいさんが表紙の本がずらりと平積みされています。
        その方の名はリー・クアンユー、昨年亡くなったシンガポール初代首相です。
        資源も水もなかったシンガポールを一代で先進国に発展させた敏腕指導者。
        彼は地政学に基づく先見性と卓越したリーダーシップを持つ人物で、オバマ大統領を含めた各国の首脳や経営者が教えを請うほどでした。
        どうやらシンガポールを知るには彼について知る必要があるようです。

        本書は生前のリー・クアンユーへのインタビューをまとめたもので、世界各国の未来と国際情勢さらには彼自身の戦略的思考の根底について言及した内容となってます。
        中国が目指す未来とは?
        アメリカがとるべき行動とは?
        日本に必要なものとは?

        私は彼の話のほとんどに賛同しましたが、中にはこのような書物に懐疑的な方もいらっしゃるでしょう。
        ですが、世界の重要人物が師と仰ぐ方の話に耳を傾けることも大切だと思います。
        何もなかったシンガポールを先進国へと発展させた敏腕指導者が見る世界の未来とは?
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        2016/04/30 by 旅する葦

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      職業は武装解除

      瀬谷ルミ子

      4.0
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      • いとしか言いようがない。
        しかも、決断の時は退路を断ってというのが。
        武装解除という言葉からイメージするものと、実際の内容はこんなにも違って、かつ、幅が広いものあとは思わなかった。
        それにもまして、安易な気持ちで臨むことの危うさというも鮮烈な印象。
        被害者という視点、加害者という視点、歴史・文化という視点など、複雑でもあり時とともに変化していくということ。
        それだけ、同じであるということがないということだと思った。
        現在進行形の話であることは間違いない。
        こういう役目の人が必要なくなるのが理想だが。
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        2014/12/18 by けんとまん

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      北方領土・竹島・尖閣、これが解決策

      岩下明裕

      4.0
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      • 筆者は領土問題に対する考えは明確で、地元の意見を聞くこと、領「土」だけでなく海の利用に目を向けることを提言しています。筆者はボーダースタディーズ(国境地域・境界問題研究)の専門家であり、中露の国境問題について研究をしていた経験から、具体的に日本の国境政策の問題を指摘しています。

         竹島・尖閣の問題は長年交渉をしてきた北方領土問題での経験が生きるはずだとしています。筆者の一貫した主張は歴史問題と領土問題は切り離して考えるべきだとというものです。切り離すとは歴史問題について議論しないというのではなく、徹底的に歴史問題を話し合う別のテーブルを用意すべきだという意味です。その議論は果てしなく、仮に国境の問題に一応のけりがついても終わらないだろうとしていますが、それでもお互いに言いたいことをすべて出し合う場を作るべきだという案です。

         北方領土の問題について筆者は「日米関係の従属変数」と化していると批判しています。戦後、ソ連と日本の間に二島返還の動きがありましたが、アメリカの意向によりストップしてしまったり、四島返還に日本側が急に切り替えたりといった政治的駆け引きの道具として使われてきたのです。地元の人間にとってどうなのかということを筆者は実際に現地に行ってアンケートを採り、生の声を聞いています。現地の人にとってみれば、漁をするにあたっての安全確保、町の発展のために二島返還でも確実に進めてほしいようです。さもありなんと思ったのは、地元から離れれば離れるほど、意見は強硬に抽象的になってきて、北方領土は日本固有の領土だ、四島一括返還以外ありえないといった意見になってくるそうです。自分の日々の生活から遠いほど原則論になってしまうのはどういう場面においてもそうだと思います。脱原発ひとつとっても地元の人が実際にどう思っているかは無関係に、原則論で即時停止・廃炉にせよという人もいますが、地元の有力な就職先として原発があり、歳入の大部分を原発関連の交付金に頼り、原発が地元の生命線になっている地域もあるわけです。それは沖縄の基地問題にしてもそうです。これらの問題もいつも歴史的な経緯が取りざたされていつまでも話が進展しないという状況に陥っています。

         領土の問題を地上の土地だけの問題と考えるべきではないと筆者はくり返し訴えています。また海の利用者にとってみれば大切なのは島までの距離や漁場の良し悪しなどで、必ずしも島ひとつが問題なのではありません。実際に現地を取材して書いている筆者の意見には聞くべきものがあります。尖閣の問題も中国と日本だけの問題ではなく、台湾の漁民との関係もあります。それらの状況を無視して国が地元の頭越しに国同士で協定を結んでしまい、昨日まで使えた漁場が使えなくなったり、地元同士の暗黙の了解が通用しなくなったりということが起きてくるのです。

         筆者は言います。日本は国境に対する意識が希薄であると。隣国ときちんと交渉をして国境を(海域を)確定し、「くにのかたち」を明確にしていく努力をしなければならないと。自国の国境問題を日米同盟の従属変数にしてはいけないと。

         私は筆者の意見に賛成です。現場の人たちの利益・国民の利益を追求して現地を発展させなければ、真の国民国家とはいえません。都市生活者・中央生活者の目線だけで政治を進めていては本当のことが見えなくなってしまいます。
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        2013/11/01 by nekotaka

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      知らないと恥をかく世界の大問題

      池上彰

      4.0
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      • 池上さんの本は初めて読んだかも。人気があるからなかなか借りれないので。正直テレビでは見飽きてしまったのだが、本なら読めるな、内容も読みやすいし。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

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      知らないと恥をかく世界の大問題

      池上彰

      4.0
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      •  2011年3月に発行された本をようやく読了した。当時から現在(2015年7月)に至る過程が良く分かる。

         民主党政権下で池上さんが懸念していた2012年問題は、オバマ大統領の再選、習近平総書記の選出、プーチン大統領の当選という結果で、世界の風景は、池上さんの危惧されていた通り、協調からナショナリズムへと変化しているように見える。自民党に戻った政権は、国民の56%が反対のまま、安保法案を採決した。日本は、関与したくない世界の勢力争いや、民族/宗教/資源に起因する問題に、目を逸らすことが許されなくなっているのだ。
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        2015/07/24 by カカポ

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      戦場の掟

      伏見威蕃 , スティーヴ・ファイナル

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      • イラク戦争後、活動していた「民間警備会社」の社員のノンフィクション小説。軍隊の代わりに、クェートからイラクに出勤して民間人の警備・物資の運搬を主な業務としていたが、アメリカの政策の理由もあり現地では良い感情では見られていない。勤務中に誘拐されて殺害されてしまったが、国のために働いていたのに「戦死者」としてカウントされないことは知っていたが、改めて読むとやるせない感じが一杯になった。 >> 続きを読む

        2012/04/01 by 6kawa

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      ふたつの嘘 沖縄密約「1972-2010」

      諸永裕司

      5.0
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      •  たまたまですが、
        安全保障関連法案が国民無視の姿勢で成立される
        このタイミングで読了しました。
         
         沖縄返還に際した
        資金拠出にまつわる国家間の密約問題をベースに
        「国民の知る権利」実現をめざして戦った人々の
        実際にあった物語です。

         本書は劇的なエンディング(一審 勝訴)となり
        この時点では国民の「知る権利」は守られたように思えますが、
        原告団は国側による上告審で負けており、
        不服を最高裁へ訴えたものの上告棄却され
        最終的には国側が勝った形となってしまっています。

         そして、この間には
        政府が特定機密指定した事項について最長60年の開示保護を行い、
        内容を探知し公表した者を処罰する
        「特定秘密の保護に関する法律」(特定秘密保護法)が制定されています。


         これらの流れではっきりとわかることは、
        国は、というより政権は、
        国民に嘘をつくということ。
        都合の悪い情報は何としても覆い隠し、
        自分達に都合のいいように物事を押し進めてしまう。
        国民主権はこの国のどこにあるのでしょうか?
         
         ひるがえって今回の安保法案の一件。
        憲法が禁止していると思われる事項を
        十分な議論や説明、国民の理解も無いままに
        性急に成立させてしまった姿は、
        国民だけではなく憲法主義をも無視したように写ります。

         日本の民主主義は
        どこへ向かうのでしょうか?
        本当に「この道しかない」のでしょうか?
        私達の子ども達の時代に
        この国はかわらず平和な国でいられるのでしょうか?

         ときの政権の一存で
        「解釈変更」とかいう一言をもって
        憲法すら骨抜きにし やりたい放題。
        きわめて危険な流れになってきている気がしてなりません。

         「進めたいこと、進めていきたい方向 が合っているかどうか」も
        もちろん大切ですが、
        それ以前に「正しい手続き、やり方で決められているか」が
        民主主義を標榜する以上とても重要なように思うのですが、
        現政権は聞く耳を持たないようです。

         それでも国民は小さな力を結集して
        自分達の意見をえらい人たちに伝えていく努力をしないといけません。
        あきらめないで。
        そうしないと、国の形を知らない間に
        どんどんゆがめられてしまう結果となります。
        その先には自発的な戦争すら見え隠れします。
         
         
         政治家まかせで興味をもとうとしない人が多そうな
        こういったことを考えさせられる契機としては
        非常に良い一冊ではないかと思います。
        期待をこめて★5つとさせていただきます。
        >> 続きを読む

        2015/09/20 by kengo

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      戦争を取材する 子どもたちは何を体験したのか

      山本美香

      5.0
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      • 子どもたちを巻き添えにしてしまう戦争という現実。
        一方で直接関わる人たち(指導層)の現実との距離が大きくなってもいる。
        端的なのがピンポイント爆撃という嘘。
        それでも、戦争を是とする輩の何と多いことか。
        この本は、小学生向けに書かれているようではあるが、大人も読むべきだ。
        それにしても、人間とは愚かな面も持っているものだと再認識せざるを得ない。
        そして、この中に登場する地雷探知犬の凄さ。
        人は、他の動物達の力を借りないとやっていけないのだということ。
        そして、著者のジャーナリストとしての存在意義。
        深い本だ。
        >> 続きを読む

        2015/01/21 by けんとまん

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      人間の安全保障

      SenAmartya Kumar , 東郷えりか

      4.0
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      •  本書は、1998年にノーベル平和賞を受賞したアマルティア・セン氏によって書かれたものである。受賞から数年経った今日、「人間の安全保障」という言葉は、かなり一般化しつつあると思う今日この頃。

         同名の著書は多々あるけれど、本書がその基本であり、最もわかりやすい本であると筆者は思う。

         改めて人間の安全保障とは何かを考えると、セン氏は識字率の向上や民主主義の発展、それに公共の論理、人権の尊重など今日の社会では当たり前のことを大事にすることを主張する。決して難しいことではない。恵まれた先進国に生きている人には感じ辛いかもしれないけれど、当たり前のことが何より重要なのだ。

         日本では長らく戦争をしないことが平和だと教えられてきたけれども、世界では戦争をしていなくても人間の安全が脅かされる事態が少なくない。女性や子供の人権が蹂躙されるような社会がはたして平和と呼べるだろうか。

         権威主義で不満分子を抑え込み、見た目は平穏を保っていても、その不満の種は少しずつ育っていくものである。現在も進行している一部の国々での混乱も、そんな抑え込みが上手くいかなくなった例ではないだろうか。

         国内外の混乱を避けるためには、暴力以外での権利の主張を浸透させることが重要であることは言うまでもない。暴力に訴えることは、最も簡単な権利主張ではあるけれども、暴力が蔓延する社会が平和と言えるわけがないだろう。

         本書の注目点はいくつかあるけれど、筆者が注目したのは民主主義についてである。元来民主主義は西洋の発明品であり、アジアや中東、アフリカなど別地域ではなかなか根付かない、という主張がなされる場合がある。これは非民主的で権威主義的な政治体制を正当化する場合に用いられる論法だが、氏は南アフリカやインド、それに日本の例などを引き、伝統的な社会においても人々の意見を平等に聞いて物事を決定する、民主主義に近い政治も存在すると主張する。

         確かに政治体制は文化に大きく依存するものである。権威主義的な体制というものを伝統的な文化と結びつけることは可能であろう。しかし、民主的でリベラルな思想も伝統的な文化の中には見出すことができる。例えば日本で言えば、聖徳太子の十七条憲法などは、権威主義的ではあるけれど、一方で「人と仲良くしなさい」とか「仕事は真面目にやりなさい」とか「賄賂はいけません」など、現代でも十分通用する当たり前の考え方が書かれている。

         そういった考え方を浸透させるためには、何よりも教育が必要である。誰もが読み書きや計算ができ、複雑で抽象的な思考ができるようになれば、平和的な手段で自らの権利を訴える社会も実現できる。その結果、政権担当者は政権の座から引きずり降ろされるかもしれないけれど、それが選挙など平和的な手段であるならば、むしろそれは国のためになると素直に受け入れる必要があるだろう。それが何より人間の安全保障であると、筆者は思うのである。
        >> 続きを読む

        2015/05/05 by ぽんぽん

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      すばらしきアメリカ帝国

      岡崎玲子 , ChomskyNoam

      4.0
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      • 【「国際法違反、侵略行為、凶悪犯罪、人権侵害といった、どのような原則によって『ならず者国家』を定義づけたとしても、アメリカは完全に該当します」―皮肉とユーモアにみちた独特の「チョムスキー節」全開。
        アメリカの不当な介入が国際社会にもたらしている脅威とは? 隠されてきたその非道の歴史とは? 20世紀最高の知識人の一人とされる著者が、帝国への野望を抱いて暴走する米国を大胆に解剖。】

        日本もアメリカも、本当の民主主義の国ではないということだ。

        アメリカ政府は世界をコントロールしようとする。戦後日本政府はそのアメリカにコントロールされ、アメリカに都合のよい子分のような国になった。日本政府は、さらにすべての国民をコントロールしようとしている。

        アメリカ政府にコントロールされている日本がアメリカのようになってくるのは当たり前。それが今のこの世の中の現実。(ただ、日本はアメリカのように世界をコントロールなどできない。アメリカに都合の悪い国はつぶされるから。中東のあの国や中南米のあの国や・・・のように。まあ、世界もそろそろ分かってきているみたいだけど)

        全くアメリカ帝国というのはすばらしい。(政府の犠牲になるのは弱い一般市民)

        しかし、国を作っているのは国民(市民)だから、いくら政府が独裁政治をしようとも、市民の力が結集して大きな力となれば、方向を変えたり最悪の事態を食い止めることは不可能ではない。

        チョムスキー氏は、操作と支配から身を守るために市民は、「知的自己防衛」の道を歩むべきだと言う。

        目先の利益だけに囚われず、真実(真理)を見ること(疑問を持つこと)。
        本物の民主主義とは何かを知ること。 (デンマークの市民のように)

        メディアも企業も大きな組織になると、組織の一人ひとりは市民(ただの人間)であるということを忘れてしまうのか。(大きな力にいつまでも守られていたいと思うのか)

        私たちは弱い市民である。一人ひとりは大きな力をもたない。けれど自由であることを望む。
        だから、助け合うのだ。支配されない。

        力をもつものはその力を永遠に守ろうという欲に負けて、他を支配しようとする。
        だから私は力をもたない。けれど助け合う。支配されない。自由でありたい。

        力をもつと自由がなくなってしまうよ。日本政府ももっと自由になっていいんじゃないかな。
        (つまり、弱い者同士助け合う、ということを本気で考えること)

        強い日本なんて要らない。力ではなくて、助け合って自立したしっかりした日本にしようよ。アメリカもね。



        な~~~~~んてことを、この本を読んで思いました。
        アメリカのことがよ~く分かります。
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        2013/12/22 by バカボン

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      尖閣を獲りに来る中国海軍の実力 自衛隊はいかに立ち向かうか

      川村純彦

      4.0
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      • 元統合幕僚長副校長である川村純彦氏による中国海軍の実力とそれに対抗する自衛隊の実力の考察が書かれています。
        尖閣諸島を「核心的利益」と称し、実効支配に乗り出そうとする中国の動きが活発になっている今、目を通しておいて損はない一冊です。

        筆者の観点から、中国がそのような動きをする背景から実際に関与するであろう中国軍の実態、冷戦時などの過去の歴史から考える中国の行動・本音、そしてそれに対抗する我が国の自衛隊の実力が記されています。
        そして、最後に書かれている経験・知識共に豊富な筆者による実際に中国軍が尖閣諸島への行動を開始した際、日本とその国土を守る自衛隊はどのように行動するか、そして結果どうなるかというシミュレーションはリアリティもあり必見の内容です。
        >> 続きを読む

        2014/04/22 by tak_198

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      北方領土交渉秘録 失われた五度の機会

      東郷和彦

      3.5
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      • 鈴木宗男事件から発展した外務省の不祥事に関連して、退官を
        余儀なくされた元外交官の筆になるソ連・ロシアとの北方領土
        返還交渉の近代史。

        なのだけれど、やっぱり冒頭は自身が関与したと言われる外務省
        不祥事の記述からになっている。

        これを冒頭に持って来たのは「事件とも言えない宗男先生の事件
        に関連して、佐藤優氏等、外務省のロシア・スクールを排除した
        のが交渉が進展しない原因」とほのめかしたいからか?と感じた
        のは私の深読みのし過ぎか。

        著者自身がソ連・ロシアとの交渉に深く関わっていたので、秘録と
        言うよりも「あの時、こんなことがあった」との回想録と言った方
        がいいかも。

        日本でも「もしかして、返してくれるんじゃないか」との期待が
        高まったのは酔いどれ・エリツィン大統領の時だが、あの頃の
        エリツィン大統領って健康不安や縁故政治への批判もあったので、
        一国のトップとしての寿命は尽きかけていいたんじゃないのか?

        外務省としてはその辺りの情報をどれくらい掴んでいたのか、本書
        からは不明である。ソ連の8月クーデターの時には著者曰く「情報は
        掴んでいた」とは言うものの、十分に活用出来てはいないんだよな。

        だから、今現在、プーチン閣下のロシアに振り回されているのでは
        ないだろうかと思うのだ。「まずは経済協力をしよう」と言われる
        ままに金だけ持って行かれてないか?

        だって、ロシア軍は択捉島と国後島で最新鋭のミサイル発射演習ま
        でしているのだから。これ、返す気なんてさらさらないって証しだ。
        まぁ、日本に米軍基地がある限り、返したくないのだろうけどな。

        本書では橋龍こと橋本龍太郎とサメの脳みそ・森喜朗は役に立った
        が、小泉純一郎は引っ掻き回しただけとの印象を受ける。それを更に
        交代させたのが当時の民主党政権って感じか。

        前原誠司が外務大臣だった時、ロシアのラブロフ外相に相手にされて
        いなかったものなぁ。余談だが、ラブロ不外相の声は渋くて素敵なの
        であ~る。

        著者が築いたロシア側とのパイプ、外交の裏舞台などの描写もあって
        文章も上手く読ませる構成になっており、日露外交史の一面としては
        参考になる。

        だが、「真剣に」「必死に」との表現がかなりの頻度で出てくるので
        「外交はそういうもんだろう。特に北方領土返還交渉なんて真剣に
        必死にやるのは当たり前だろう」と突っ込みたくなった。

        尚、つい最近、酔っぱらった上で戦争によって北方領土を取り返すこと
        について言及した頭のイカレタ国会議員がいたが、こういう輩が民間の
        交流を台無しにするんだよな。
        >> 続きを読む

        2019/06/17 by sasha

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      知の武装 救国のインテリジェンス

      手嶋竜一 , 佐藤優

      5.0
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      • 世界の「解読法」教えます。の帯通り
        非常に読み応えのある新書でした。

        東京五輪は「尖閣防衛の盾」となる
        安倍首相は「美しき誤解」で得をした
        プーチンがオバマに対して行ったスピーチの真意とは。

        出版日が2013/12/14なので
        ソチ・オリンピックが終わった後
        読み終え、若干のタイムラグがありますが
        それにしても、面白く。
        すべて首肯することはできませんが
        非常に興味深く読むことができました。

        政治家はどうあるべきなのか。

        この本が出版されてからも
        世界は凄まじい勢いで動いています。
        ロシアはウクライナという新たな課題が生じ
        日本も同盟国であるアメリカとの間に間隙が生まれつつあります。
        北朝鮮・韓国・中国
        近隣諸国とどう相対するのか。

        一枚の写真からどういう風に
        どういう意図が秘められているかを読み解く

        「灰皿の位置」でわかる飯島訪朝の重さ

        アメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報収集を
        暴露したスノーデン事件の衝撃と今後。

        あとは、『未亡旅団』でも登場したチェチェン人の問題
        日本人では考えられないような掟。

        チェチェンの男性は七代前までの祖先と
        出身地・死亡した土地も含め憶えること。
        そして、その中で殺された祖先が居た場合その復讐を
        果たさなければならない。

        その他、諸々の事象の読み解き方。

        そして、直接的にはかかれていませんが
        佐藤優・手嶋龍一という人間たちの生まれた土地・風土
        そして血が。如何に、その人の基礎を形作るかという点でも非常に興味深く読むことができました。

        興味をもたれた方は
        前対談の『動乱のインテリジェンス』も併せて読むこと
        をお勧めします。
        >> 続きを読む

        2014/03/05 by きみやす

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      入門人間の安全保障 恐怖と欠乏からの自由を求めて

      長有紀枝

      3.0
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      •  筆者はそれほど入門者ではないので(別に嫌味ではない)、この書が入門書として妥当かはよくわからない。

         それから女性特有の湿り気のある文章は好き嫌いが分かれるかもしれない。イデオロギー的な主張が微かに臭うのも気になる人は気になるかもしれない。

         入門書という性質上、それから新書という枚数に限りがあることもあって、やや言葉足らずな面があるだろう。

         難しい本ではないので、基本的なポイントを押さえたいという人にはちょうど良いかもしれない。
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        2015/05/09 by ぽんぽん

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      裏切りの同盟 アメリカとサウジアラビアの危険な友好関係

      Baer, Robert, 1953- , 柴田裕之

      5.0
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      • 裏切りの同盟~アメリカとサウジアラビアの危険な友好関係。ロバート・ベア先生の著書。アメリカとサウジアラビアの関係は表と裏がある。国と国の関係も、人と人の関係も、複雑な時代なのかも。裏切り、裏切られ、気が休まらない時代です。 >> 続きを読む

        2018/10/24 by 香菜子

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      「感情」の地政学 恐怖・屈辱・希望はいかにして世界を創り変えるか

      MoïsiDominique , 櫻井祐子

      3.0
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      •  世界は感情で動いている。

         そう言われてもそれほど違和感はない。感情の反対は合理性とか効率なのだが、人間は百パーセント効率的に動くことはできない。ましてや多数の人間の利害が絡む政治になると、感情の複雑な絡み合いが結果を大きく作用する。

         それは世界政治にしても同じだ。日本をはじめ、先進国の外交担当者は外国語に通じ、留学経験もあり広い知見を有していると思う。だが彼らの思惑通りに事が運ぶことは滅多にない。

         それは各国の国民感情が大きく影響されるからである。我が国においても、古くは明治時代のポーツマス条約の締結に反対して、住民が日比谷で暴動をおこしたことがある。

         現在でも感情の爆発といえば、東アジアでは韓国や中国の反日感情があるだろう。また、西に目を転じてみればイスラム諸国とキリスト教との感情的な対立がある。パレスチナでの「闘争」は感情の爆発以外の何物でもない。

         人は感情によって動く。それは国も変わらない。

         民主化された国々にとって国民感情は無視できないし、中国のような非民主国家であっても、人民の感情を完全に無視して政治を進めることはできなくなっている。

         感情の衝突は、戦争にまでならなくても暴動に発展することは十分にある。実際、欧米や中国では多数の暴動が発生している。政治形態は関係ない。

         感情とはまことに厄介なものである。けれども、それが無くなると国として、また個人としての活力が無くなってしまう。

         かつての日本の高度経済成長も、今の中国やインドの発展も、自信や誇りといった感情で突き動かされていることは間違いない。

         感情は無くならない。しかしそれを理解し、乗り越えたとき、本当の信頼が生まれるのかもしれない。だがそれが一番難しいのである。
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        2014/12/30 by ぽんぽん

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      中国はなぜ「反日」になったか

      清水美和

      3.0
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      • 個人的には、ここ数年で日本人の自己肯定感は相当変わってきたように思える。良い点を挙げれば、かつての卑屈な感じは無くなってきたように思う。しかし、一方でやたら威勢のいい意見が目立つようになってきた感じもする。こうした変化に中国や韓国の態度が関わっていることは言うに及ばないだろう。

        本書は2003年、胡錦濤政権がスタートした頃に書かれた。毛沢東・周恩来・鄧小平・胡耀邦・江沢民らの対日観と外交を時系列順にまとめている。鄧小平の改革開放路線が六四天安門事件を引き起こし、その結果戦前の日本を否定する形で愛国主義教育が盛んに推し進められて反日に結実している、ということが豊富な資料とともに淡々と論証されてゆく。中国側の資料も読み込み、著者ができるだけ客観的に両国を記述していることが本書の端々から伺えて好印象だ。特に、中曽根康弘の靖国神社参拝と胡耀邦失脚を描いた一節は読みごたえがある。

        終章では、〈中国が「反日」の気運を高めたことは、日本側に開き直りに似た反応を生み出すようになり、中国の「歴史カード」はかえって威力を失っていった〉(p210、一部略)と指摘しているのはいかにも鋭い。

        かなり古めの書籍だが、今読んでみると日本人の「嫌中」温度差が新鮮だ。当時も中国に関する好感度が下がりつつあった時代のようだが、毒ギョーザ事件も尖閣デモも発生した現在とは比べようもないだろう。そうした時代に比較的フェアな視点で書かれた本書は、中国の「反日」メカニズムの実態をコンパクトにまとめた好著だ。難点を挙げるとすれば、記述が教科書的で読みにくいところか。私は、池上彰『そうだったのか!中国』や石平『私はなぜ「中国」を捨てたのか』あたりと併読していた。

        永遠といっても過言ではないレベルでこれからも中国との歴史問題は続くだろう。過去の歴史を鑑みて、一般的な日本人としては、決して「開き直りすぎない」ように心がけたい。
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        2016/08/23 by 飛車香落ち

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      交渉術

      佐藤優

      4.0
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      • 主にロシアに対してインテリジェンス活動を行っていた、佐藤優さんの本です。今問題になっている陸上選手のドーピングについても、読めば納得する部分もあります。
        □ 交渉術は、善でも悪でもない、価値中立的な技法なのである。
        □ 敵の倫理を深く知ることは、交渉術の要諦のひとつである。
        □ 相手が好意的誤解をしているときには、それを放置しておくこともインテリジェンス交渉の要諦だ
        □ 何も見返りを求めず、相手の懐に入ることによって、自己の利益を極大化するのが交渉の弁証法だ
        □ 過去の歴史をよく勉強しろ。現在起きていること、また、近未来に起こることは必ず過去によく似た歴史のひな型がある。それを押さえておけば、情報分析に誤ることはない
        □ 人間研究を怠るな。その人間の心理をよく観察せよ。特に嫉妬、私怨についての調査を怠るな
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        2016/08/06 by Minam

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      戦後史の正体 1945-2012

      孫崎享

      5.0
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      • 昔、「吉田学校」という映画がありました。「優れた」政治家・吉田茂のもとに集まった政治家志望の若者を描いた映画であると、私は思っていますが(違ったらごめん)、その吉田を主人公にした渡辺謙主演のNHKのTVドラマ「負けて、勝つ」が、実は「負けて、負ける」という題名のほうが相応しいと思わされるのが、この本です。

         「戦後史の正体 1945-2012」は元外交官の孫崎享(まごさき・うける)さんの著作です。ことに、日本の外交とは、9割が対アメリカに精力が割かれるなかに於いて、アメリカが日本に押し付けてくる無理難題について、時の総理大臣がどう関わるかで、その総理の命運が左右されるという視点が斬新です。

         三つの反応があります。また、そのような反応を取った総理大臣を挙げますと(本P366-P368)

        @対米自主派・・・積極的に現状を変えようと米国に働きかけた者
               重光葵(まもる)(この人は外務大臣)、石橋湛山、岸信介、佐藤栄作、田中角栄、細川護熙、鳩山由紀夫など

        @対米追随派・・・米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした者
               吉田茂、池田勇人、三木武夫、中曽根康弘、小泉純一郎など

        @一部抵抗派・・・特定の問題について米国からの圧力に抵抗した者
               鈴木善幸、竹下登、橋本龍太郎、福田康夫など

        このリストを眺めるに、対米追随派の首相は、長期政権になることが多く、対米自主派の
        首相は、短命政権になることが多いですね。佐藤栄作は、対米自主派でも長期政権でしたが、アメリカの要求・・・繊維問題に対応しなかったために当時のニクソン政権から、円の為替相場を1ドル=360円とする従来の相場を変動相場にされ、その他意地悪を沢山され、退陣となりました。

         吉田茂の場合、アメリカの言うがままに振舞わないと、首が飛ぶということが怖かったのでしょうが、重光葵は、軍備についても、アメリカにリーズナブルな発言をしています。:降伏直後の軍事植民地化政策を阻止。のちに米軍完全撤退案を米国に示す

        これに対して吉田茂:安全保障と経済の両面で、きわめて強い対米従属路線を取ります。1951年のサンフランシスコ講和条約の際、ひっそりとした下士官会館の一室で、安全保障条約(安保)のサインを、日本側からは吉田だけ、アメリカ側からは4人がしています。屈辱的な内容の条文でした。「米軍は、日本で、望むだけの軍隊を、思う期間、思う場所で展開できる」ということです。

        私は吉田の言葉として「軍事はアメリカに任せて、日本は経済に専念すればよい」というのを聞いたことがありますが、これは、負け犬根性のなせる発言だと思いますね。「負けて、負ける」です。

         岸信介(きし・のぶすけ:安倍晋三の祖父)は、安保改定をしたので従属派であると思われがちですが、安保に「ちゃんと米軍が日本を守ること」を明記した点は優れています。(それまでの条文では「・・・することができる」と、日本を守らなくてもよいとなっていたのです。):従属色の強い旧安保条約を改定。さらに米軍基地の治外法権を認めた行政協定(=地位協定)の見直しも行おうと試みる。安保闘争の記述にも多くページが割かれていますがそこはお読みください。(複雑で込み入った話なので、うまく整理できませんでした。)

        ひとつ、日本がやってはならない活動をアメリカは設定していました。それはアメリカを出し抜いて中国と国交を結ぶ行為です。その禁忌を破ったのが田中角栄の訪中でした。一時は権勢を振るった田中でしたが、立花隆の金脈・人脈レポート、またロッキード事件で裁判に掛けられたのは有名ですが、田中が行った中国との国交回復に、キッシンジャー・アメリカ国務長官は激怒したらしく、なんとしても田中を蹴落としたいので、親アメリカの三木武夫に音頭を取らせて、通常の司法措置ではない手法を使って田中をはめたということです。かの岸信介も中国との関係改善を摸索していたらしいです。

         最後に:いわゆる北方領土問題、これをソ連と日本の国際問題にさせたのは、アメリカだという話もこの本には掲載されています。ヤルタ協定で、アメリカ大統領は、ソ連に日本の北方領土を掠め取ることを提案=容認しています。潜在的に自国にとって敵になりそうな国家同士に火種を残すことによってアメリカが安泰だという戦略で、実際、ロシアと日本の和平の障害になっているところを見ると、じつにクレバーです。この策略は、アメリカの先輩のイギリスが良くやった手法だそうです。(たとえばインドVSパキスタン)

        TPPも、いかに日本にとって危険か、ということも最後に触れられています。アメリカ人の本音:「鎖国の壁の中に宝物を隠す権利はない」・・・これがTPPの本心です。

         ええーー、まさか!!といった話がてんこ盛りであるこの本、おススメです。

        ・・・・・・・・・・・・・・・・
        なお、日本サイテーの首相であった森喜朗の逸話に面白いものがあります。アメリカにわたり、クリントン大統領と会った際、英語でつぎのようなやり取りを想定して、予め外務省はレクチャーしたそうです。

        How are you?
        I’m fine. And you?
        Me,too.
        お元気ですか。
        ええ、あなたは?
        私もです。
        このような会話になることを想定していたのですが、森は

        Who are you?
        (あなたは誰ですか?)
        とやってしまい、クリントンはとっさに
        I’m Hillary Clinton‘s husband.
        (私はヒラリー・クリントンの夫です)
        と答えたのですが、森は
        Me,too.
        (私もそうなんです)←!!
        と返したそうです。ヒラリーは重婚しているのか?・・・お粗末な首相で、クリントン夫婦は、日本の首脳とは知的会話ができないと言っていたそうです。(以上のエピソードは、ホントにあったかは不明ですが、外務省ではまことしやかに語られたそうです。)
        ・・・・・・・・・・・・・・
        >> 続きを読む

        2012/11/30 by iirei

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