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太田光 , 中沢新一
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当時の日本人の状態、アメリカの状態と世界の状況に関しての詳しい知識はまだないので政治的にというか第9条に対しての自分なりの見解というものは他人に披露するには及ばない。2人のお話はいろいろ参考になった。現在からみると第9条のこの発想と実現はユニークで時代の変貌とともにこのタイミングでしか決して、なしえなかった憲法なんだなとそう理解した。国家というものはいざという時は戦ってでも国民を守るというのが普通というか、それでこそ国家というふうな成り立ちをするものなんだと思うがそこに非戦を掲げて、国民も賛同してさらにそこに誇りを持っている国はユニークというか異常というか正常というか正解なのか。答えは恐らく1つにはならない事だと思うが、この結果には興味を持っても良いものであろう。他国の話ではなく、自分の生活をしている国であるから。 >> 続きを読む
2014/11/23 by KMHT
長谷部恭男
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」著書の加藤陽子さんが「目からうろこが落ちる」内容だと推挙していたので読んでみたところ、本当に目からうろこが落ちました。しかも面白かった。そういえば、学生時代は憲法論とか憲法の授業がとっても面白かった記憶があるな~。成績も(たぶん)よかったはず >> 続きを読む
2011/07/15 by taitoshuu
井上ひさし , 岩崎ちひろ
この絵本は、井上ひさしさんが、日本国憲法の前文と第九条を、とてもわかりやすい言葉で子供向けに書き直した文章に、いわさきちひろさんが絵をつけたものである。たとえば、前文の意訳の中では、「今度の戦でつらく悲しくみじめな目にあった私たちは子どもや孫たちとのびのびとおだやかに生きることがほかのなによりも大切であると信じるようになった」ということが述べられる。たしかに、このような思いや願いで戦後は始まったんだろうなぁと、あらためてしみじみと思った。この井上ひさしさんの憲法前文と九条の意訳は、以下のサイトにも載っている。http://www.toyamav.net/~fc9/sPDF/29-6.pdf最近は、憲法をとりあえず変えようという主張が政治家にも国民にも浸透しつつあるようである。その是非は別にして、護憲派だろうと改憲派だろうと、どちらであっても、子どものみならず、ぜひ大人も、この本を一読すべきだと、読んで思った。というのは、変える前に何が本当に書かれていて、どのような願いに基づいてこの憲法がつくられ維持されてきたか、今の日本の場合、子どものみならず、大人にもどれだけきちんと知っている人がいるか甚だ疑問だからである。私自身、どこまでわかっていたか、わかっているか。井上さんのように、身をもってあの時代を生きた人の言葉には、まずは耳を傾けるべきだろう。著者の井上さんは、この本で、昭和二十年の日本人の男性の平均寿命は23.9歳だったということを述べる。そして、戦地での戦死者の三分の二は餓死者だったことも述べる。憲法とは「この国のかたち」。個人の尊重とは、「この世に生れたひとりひとりが自分であることを尊んで、自分が自分でなくなることをおそれること」。私たちは、あの時にどのような「この国のかたち」を願ったのか。そして、今、願っているのか。そのことをきちんと考えるためには、まずは本当に憲法に何が書かれているのか、わかりやすい言葉に置き換え、明晰に把握することこそが、変えるにしろ変えないにしろ、大切なのだと思う。井上さん自身は明確に護憲の立場に立つ人であり、そのことはこの本でも包み隠さず率直に語ってある。そして、なぜそう思うのかも、自身の体験や思いを語っている。それをそのとおりと思うかどうかは、もちろん各自の自由である。しかし、賛同するにしろ、拒絶にしろ、部分的に賛成し部分的に修正するにしろ、まずは耳を傾けることが、何事も大切なのだと思う。ぜひ大人も子どももすぐに読めるので、一度は読んで欲しい本だと思う。 >> 続きを読む
2013/04/07 by atsushi
小学館
選挙の前に1度きちんど読んでおこうと思って読んだ。525円という価格だからか、周りの友人も何人か持っていた。字の大きさといい、ひらがな付きで読みやすいところといい、ちょうど良い。今から全文を理解することは難しいが、メディアの思惑通りに流されるのではなく、自分の意見は持ちたい。今回の選挙、どうなるのかな。 >> 続きを読む
2013/07/17 by mahalo
岡部史信 , 竹前栄治
▶「BOOK」データベースより2000年、日本国憲法を論議するための調査会が国会に設置された。護憲か、改憲か。日本の進路を考え直す絶好の機会に遭遇しつつある。いまや戦争や占領を知らぬ世代が過半数を占める。本シリーズは、議論のための前提、日本国憲法の法的、歴史的な基礎知識の普及を目標としている。 >> 続きを読む
2018/05/25 by rikugyo33
古関彰一 , 竹前栄治
護憲・改憲論の最大争点は「九条」だ。九条はなぜ日本国憲法の規定となり、いかにして作られたか。日米安保条約、変化した自衛隊、改憲論争史、冷戦後のあるべき安全保障論を含め、斬新な視点で検証し、見直しを迫る。冷戦後の新たな「戦争」の時代に、日本の選択はどうあるべきか。議論をする前に必読の書。 >> 続きを読む
大原穣子
日本国憲法の前文や九条を、いろんな地域の方言で語りなおしていて、なかなか面白かった。特に福岡弁は、よく知っているだけに、かなり笑えた。名古屋弁や京都弁や広島弁も面白かった。青森や岩手の方言だと、なんだか非常に迫力を感じた。このように、さまざまな御国言葉で憲法を語りなおしてみるのも、思考をほぐすために、とても良いことかもしれない。面白い試みと思う。 >> 続きを読む
2013/09/04 by atsushi
平川克美 , 内田樹 , 小田嶋隆
ここ数年、憲法についての話題になる事が多い。そのため、毎年、この時期、憲法に関する本を読む事が恒例となりつつある。今年、読んだのは内田樹と、彼が選んだ3人が語る憲法9条を中心とした憲法論である本書。「虎の尾を踏むのを恐れない」という触れ込みだが、主に踏んでいるのは改憲派の「尾」4人に共通しているのは「なにがなんでも憲法を守れ」と言っているわけではない、と言う点。「変えてもいいけど、なぜ今、変えなければならないのか?」という点が根底で共通している。自分が分からない点もまさにそこだった。結局のところ、改憲派の人は「変える事」が自己目的化しているような気がする。突き詰めると「自主憲法を制定した」という事実を作って、自分のプライドを満たそうとしているだけでは?今の憲法を根本的に変えたとして、何を目指すのか?なんだかんだ理屈はこねても、「平和国家」という看板は降ろさない(まさか憲法で「侵略国家」を掲げよう、という人はいないだろう)から、結局、9条がジャマなのだろう。9条を無くす事で「普通の国」になる、と言う人もいる。が、「普通の国」とは他国と戦争する事もできる、という意味になる。そういう覚悟を持った上で主張しているのかは、はなはだ疑問。自分だけは安全な所にいる、という前提でモノを言っている気がしてならない。(特に政治家は安全な場所にいる充分な理由があるから)本書の中では、町山智浩氏が最後にこう語っていたのが印象に残る。「そんなに軍隊を持ちたいなら持てばいいが、その場合は自分もちゃんと兵隊やれ」(外国では職業軍人に軍隊を独占させるのは危険なので、国民皆兵制を敷いている国もあるらしい)改憲派の人たちは、どう答えるだろうか。 >> 続きを読む
2014/05/05 by Tucker
伊藤真
「自民党憲法草案」を見て不安になったため本書を手に取りました。法律というと無味乾燥なイメージを持っていましたが、この本は憲法が身近なものであることを実感させてくれるので親しみやすいと思います。内容としては憲法の三大原理、立憲主義、三権分立等の基本的なものの解説になっています。僕は読後に「自民党憲法草案の条文解説」という条文比較+解説しているサイトを読んだのですが、この草案のどこが問題かというのが大雑把ながら分かるようになりました。憲法というと9条ばかりが争点にされますが、僕が危機感をもったのは他の点です。一番の問題点は立憲主義に反しているという点だと思います。立憲主義とは憲法で国家権力を制限することで国民の権利を守るという考え方です。現行憲法は立憲主義に基いて制定されています。だから、国家権力に対して、国民の思想や表現の自由等の基本的人権を侵害しちゃだめよときちんと明文化することで、おいそれと国家権力を濫用できないようになっているんですね。つまり、現行憲法は国家を縛るためのものですから、「国家」が尊重しなければならないものとなっており、国民が守れとは明記されていません(第99条)。一方自民党憲法草案では「国民」が尊重しなければならないものとなっています。さらに国民が負う義務の条文も追加されています(新前文、新第9条の3(領土等の保全等)、新第24条、他多数)。現在の憲法では個人の尊重という価値観が根底にあります。ですから、個人の権利が制限されるというのは他の個人の権利を侵害した時、つまり公共の福祉に反した時(個人の権利の衝突)なんですね。個人の権利が制限されるのは他の個人の権利によってしかありえないと一応憲法上ではそういうことになっているらしいです。しかし、自民党憲法草案では公益及び公共の秩序に反しない限りと変更されています。ですから、僕達の発言や創作などの表現行為も「公益や公共の秩序」に反すると判断された場合それを取り締まる法律ができる可能性があります。国にとって不利益なことは制限するよと解釈できるんですね。そして、その匙加減も政府が決めるわけです。つまり、恣意的に国家権力を行使できるようになりえます。そして、なによりの問題は表現の自由などの精神的自由権が規制されうるということです。なぜこれが重大かというと、時の政権にNoを突きつけられなくなるからです。前述したように「公益や公共の国にとって不利益なことも制限できるという前提にたつと、政権批判をする発言は取り締まられる可能性があります。ですから、政治についての議論や世論で国家を動かすことはできなくなります。つまり、独裁が始まる恐れがあるんです。現代日本でそんなこと起こらないだろうと思う人もいるし、僕もそう思いたいですが「そうなりえる条文」だということです。無辜の民が強大な力を持つ国家を縛る条文としては少々ゆるいのではないかなとそう思うんですね。また、その時にはあらゆる創作物の表現も規制されるでしょう。まとめると立憲主義に反していること(憲法を遵守する対象が国家から国民に)、基本的人権の制限、義務の増大、恣意的に権力を行使できてしまうこと、表現の自由の規制により国民主権が失われてしまうことが問題点ですね。個人主義から全体主義へなんて問題もあるようです(第13条)。この草案で得するのって直接、あるいは間接的に国家権力を行使できる極一部の上層の人間だけでは……と思ってしまいました。それと注意したいのが、これは「護憲派」か「改憲派」かという二項対立ではないというところです(右か左かでもないです)。なぜなら一部改憲の必要を感じるけれど、この草案は却下という人間もいるからです。ですから、参議院選挙にしても、もし改憲の国民投票が行われることになったとしても「自民党憲法草案」に賛成か反対かということを冷静に考える必要があると思います。なぜこんなことを言うのかというと、この草案の反対派に対して、周辺国の脅威が高まっている状況下で9条を変更しなくて大丈夫だと思っているのか?という意見があったからです。9条については今自衛隊が憲法の下で微妙な立場に置かれていること、周辺国の脅威、外交問題などを考慮し、現行の9条の問題点はなにか、変更する必要があるか否か、あるいは変更するならばどの点をどのように変更するのか等慎重に議論する必要のある問題でしょう。9条を堅持すれば平和を守れるわけでもなければ、改憲すれば国民が守られるわけでもないと思います。そして、「自民党憲法草案」では前述した意外にも9条の他に多数改定された条文があり(例えば第96条や緊急事態の要項ほか多数)、憲法のあり方が劇的に変更されています。それは間違いなく僕達一般市民に大きく関わってくる問題なので、9条以外の変更点も含めて、慎重に考える必要があると思います。〈雑記〉・自民党サイトのQ&AのQ4で立憲主義に反するものではないという返答をしています。なぜなら、憲法に国民の義務を定めることは立憲主義違反でないからだとあります。確かに現行憲法でも国民の三大義務はあります。しかし、本来国を縛るための憲法を国民が義務を負う憲法へと変え、義務を負う条文を多く追加し、国家権力を恣意的に利用できる憲法はもはや立憲主義に基づいてるとは言えないのではないでしょうか。また、Q15では「公共の福祉」を「公益及び公共の秩序」といいかえたのは、曖昧さを解消するためであり、「反国家的な行動を取り締まる」ことを意図したものではありませんとありますが、憲法改正後にはこのQ&Aはなんら効力を発揮しないものとなってしまうことには注意したいところです。国家が気に入らない表現を取り締まる、あるいは規制することができると解釈可能な条文であるという点が、なにより問題なのですから。・私見ですが、国民の三大義務が定められているのは「最低限」これらがないと「国家が成立しないから」ではないでしょうか。また教育を受けさせる義務については、子供という個人の権利を守るための義務であるとも考えられます。勤労の義務については無職でも罰則を受けることはほとんどないという事実があります(弁護士ドットコムによると奈良県警が住居を持たない無職の人間を軽犯罪法で摘発した事案があるらしいが、超レアケースだと思われる)。ですから、必要以上に国民に義務を課すのはやはり立憲主義に反するのではないでしょうか。 >> 続きを読む
2016/06/30 by けやきー
近藤三津枝
会社関係で送られてきた本。業界のお年賀会にもいつも来られる、近藤三津枝さん。憲法を一緒に考えようと、若い女の子目線で紹介。子供の教育には、お金がかかるでは、「日本国憲法」第26条と「学校教育法」の第6条が参考に上げられている。道州制では憲法改正が必要では、「日本国憲法」の第93条と「地方自治法」第3条の3ヲ参考に。まあ、「日本国憲法」など目にすることのない日常生活。この本で、ちょっと身近に感じられるようになりましたかな・・・・。でも、近藤三津枝さんのご挨拶、お話はキャスター出身だけに、おじさん達に好評で大変お上手ですよ。 >> 続きを読む
2013/12/08 by ごまめ
大島義則
素晴らしい本です!久しぶりに再読しています。本書は、新司法試験の憲法の平成18年から24年までの過去問を題材としたストーリー仕立ての本です。憲法を学んでいる法学部生・法科大学院生、司法試験受験生だけでなく、特に憲法に関わりのない方にこそおすすめしたい一冊です٩(๑❛ᴗ❛๑)۶まず、題材である司法試験の憲法の過去問とは、平たく言えば、何らかの権利を制約されている人(原告)が、それが憲法違反だからやめてと言うために行うべき主張と、それに対する被告の主張を考えた上で、私見を書くことが求められるものです。社会的に注目されているテーマが多いため、司法試験の科目の中では、比較的なじみやすいように思われます。本書では、K大学法学部2年生の「僕」や周りの素敵な女性たちが、一緒に各年度の過去問を検討していく過程が描かれています。勉強中の方にとっては、登場人物たちの頭がキレキレなことと、簡潔でわかりやすい説明に、感動されるのではないかと思います(⑅˃◡˂⑅)解答例がついているので、目指すべき最終形がわかるのも嬉しいです。しかし、本書は、単にわかりやすいだけの参考書ではなく、素敵な挿絵があり、ストーリーが面白く、勉強しているはずなのに小説を読んでいるような気持ちにしてくれるところが素晴らしいと思います!「憲法」は、中学高校の社会科の授業で暗記等させられたり、9条や一票の格差といった堅苦しいイメージがある方、司法試験と関わりのない方に、本書を読み、意外と面白いと思っていただけたらいいなぁと思います! >> 続きを読む
2014/12/17 by chuff
【「改憲論議」の閉塞状態を打ち破るには、「虎の尾を踏むのを恐れない」言葉の力が必要である。四人の書き手によるユニークな洞察が満載の憲法論!】ウチダ先生が書いてらっしゃるってことと、今アベさん達が盛んに「改憲」をしたがっている(前々からですが)ということで、読んでみました・・・ら、これがもう一気に読んでしまいました。お願いだから、アベさん達これ読んで、きちんとした改憲への説明なり、反論なりをしてください。でなければ、アベさん達(きちんとした説明ができない方)に改憲されるのは怖いんですけど。というのは、この本に書かれていることが実に納得いくのです。以下、いっぱい引用。( )以外。>憲法は(…)主権者である国民が、「法」によって権力の暴走や侵犯を防ぐという意味をもつ。その意味で、憲法はまさに権力者の自由を制限するために存在している。これが、権力者の都合に合わなくなったので陳腐化したというのでは、そもそも話の筋目が通らない。しかし、不思議なことに、現実にはひとりひとりが、乖離や陳腐化が何処に(何故に、ではない)生じているかというふうには、考えなかったのである。(←平山さん。 与党の傲りじゃない?それって私欲じゃないの?)>改憲派の掲げる改憲の目的①有事の際に迅速に対処するため②海外に出兵できるようにするため。集団的自衛、国際貢献に必要である。③現実に対応するため。憲法は時代に合わせて書き換えられていくべきである。④自衛隊は「戦力」であり、憲法九条と矛盾しているので、「ねじれ」が生じている。その「ねじれ」を正すため。⑤「普通の国」になるため。「普通の国」には自国を守る権利があり、軍隊を持っている。⑥アメリカから押し付けられた憲法なので、日本人の意志で書き換えるため。⑦日本人の誇りを取り戻すため。改憲を支持する人々の多くのメンタリティには⑥が必ずあるし、突き詰めれば⑦がある。僕はそれが恐ろしい。(←町山さん。 私も恐ろしいです。日本人は絶対に戦争をしないぞ、という誇りならいいんですが…)>憲法に謳われた、「国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的」(憲法前文)を実現するという理想主義的な原則を捨てて、現実的に対応するという現実主義へのシフトを意味しているのである。(理想をすてて、現実に迎合するの?「普通の国」を目指すの?成り下がる?)>政治家がすべきは、憲法が示した理想を現実化する仕事だ (←平川さん)>「普通の国」であるための論理的条件とは、アメリカを含むすべての国と戦争をしたいときには戦争することができる権利を留保することである。(←内田さん )(これこれの場合は武力を行使することができる、という条文を入れるということは、)>「戦争をしてもよい条件」を実定的に定めるということである。どれほど合理的で厳密な規定であろうとも、「戦争するためにクリアーすべき条件」を定めた法律は「戦争をしないための法律」ではなく、「戦争をするための法律」である。(←内田さん。そっちへの可能性を開いちゃうってことだもんね)>「人を殺してもよい条件」を確定した瞬間に、「人を殺してはならない」という禁戒は無効化されてしまうからだ。「人を殺してもよい条件」を確定してしまったら、あとは「人を殺したい」場合に「そのためにクリアーすべき条件」を探し出すことだけに人間は頭を使うようになるだろう。人間がそういう度し難い生き物である、ということを忘れてはならない。(私は、戦争も殺人や暴力も(同じ事だけど)全否定したい。みんなそうじゃないの?) >「武装国家」か「非武装中立国家」かの二者択一しかないというのは「子ども」の論理である。9条を変えなければ、日本は他国に侵略されて戦争に巻き込まれて死んでしまうのでしょうか?武力行使されて、多くの命が犠牲になるのでしょうか?それよりも何よりも、戦争にならないようにする努力、戦争そのものをなくす努力、他国と平和に生きる努力はできないものなのでしょうか?そのための憲法なんじゃないのかな。武器による平和? 平和をもたらすための戦争? 軍事的なパワーバランスの均衡による両すくみの平和? ピースメーカーという名前の戦略爆撃機? 殺されるのはいやだけど殺すのはよい???仕方がない場合もあるけど、回避できるものは回避しようよ。憲法ではなくて外交で。(戦争をしないという基本を変えないで)ウチダ先生は、憲法九条と自衛隊は、矛盾していないと言います。アメリカから見れば、何も矛盾してない。そして、日本は「矛盾として受け取るという病態を選択した」。それで60年以上、少なくとも戦争に巻き込まれ殺人を犯すことは免れてこられた。何故、今あえて変える必要があるのか?「ねじれ」たままでいいじゃんないの?私も、今ある現実をあるがまま受け入れ、理想に向かって出来ることを出来るように(二者択一でなく)、少しずつ、苦しみながらも折り合いをつけてやっていくしかないと思うのですが。何で、憲法を変えなきゃいけないかが、分かりません。少なくとも、戦争や殺人や暴力という方向へは、変えないでもらいたいものです。 >> 続きを読む
2014/02/19 by バカボン
FritzJean , 阿川尚之 , 冨永星 , De PaolaTomie
子供むけに書かれた本なのだけれど、とても面白かった。 独立戦争後、十三の「邦」(state)をひとつの国にどうまとめるか。 そのために、四か月も夏の暑い盛りを挟んで延々と激しく、深刻な、深い議論をした55人(からだんだん人数は減って42人になったが)の人々の様子が、ユーモラスに、生き生きと描かれていた。 会議が難航すると、議長のワシントンは、独立戦争の時の最も苦しい戦場と同じ厳しい表情でただ黙っていたらしい。 一方、マディソンは、終始しゃべり続け、他の発言のメモを取り続け、憲法制定のために八面六臂の活躍をしたようである。 フランクリンが馬車だと体が痛むと言って駕籠に乗ってやってきたというエピソードと、つまらない発言者の発言の時はすやすやと眠っていたというエピソードと、 そして、憲法ができあがった時に、この憲法は不完全だが、私も不完全な人間であり、ここにいる誰がもが不完全な人間です、どうかこの憲法を無駄にせず、我々のここでなされた議論を無駄にしないようにお願いしたい、という感動的な(?)演説をしたというエピソードが、なんだかとても心惹かれて、面白かった。 憲法ができあがった時の、フィラデルフィアのお祭りの様子も興味深かった。 さまざまな反対意見や困難を調整して、無事に議論によって憲法をつくり、建国に持っていったという点で、アメリカ建国の父たちの力量というのは、本当にたいしたものだと思う。 「建国」と言った時に、おそらく、日本のような自然発生的な国とはぜんぜん違う、制度への工夫や人間の人為的な努力へのイメージが、こういう本を小さいころから読んで育つアメリカ人にはおそらく強くあるのだろうなあと感じた。 アメリカのような人工国家がいいのか、日本のような長い歴史を持つ国がいいのか、というのは、一概には言えない話で、べつにその点ではアメリカをうらやましがる必要はさらさらないのだけれど、 ただ、「建国」という起点が明確で、人間の人為と創意工夫の歴史的イメージがはっきりし、政治への作為や努力の契機が国家の物語の中にビルトインされているという点では、どうしてもアメリカの方が日本よりも政治やデモクラシーには自覚的になりやすいような気はする。 日本は日本の歴史で良いと思うけれど、時にはアメリカの建国の父たちの物語を参照にして、国制への自覚的な態度というものを養ったりするのも良いのかもしれない。 日本も、伊藤博文らはかなりそうした意識はあったとは思うのだけれど、なかなか今もって、必ずしも日本人一般が、国制や憲法について自覚的な高い意識を持っているとは言えないのではないかと思える。 日本の子どもや大人こそ、読んでみたら面白いのではないかと思う一冊である。 >> 続きを読む
2012/12/22 by atsushi
市民意見広告運動
安倍総理、景気回復はいいんだけど、この人はどうしても日本の「軍隊」を自由に動かしたいらしい。前から「憲法改正」「国防軍」と言い続けている。何だか、初めから戦争、軍事ありきなんだなあ・・・何で、こんなに改憲改憲っていうのか、国防軍が本当に必要なのか、そうなったら将来どうなるのか、それでほんとうに世界の平和が実現するのか・・・知りたい。「国を守るために軍事力は必要。何かあった時にないと困る。より強い軍事力があれば安心」どの国もがそう思ったら、軍事力は際限なく必要になってくる。どちらかの国が滅びるまで。かつての東西冷戦のように。力で相手を押さえるって、限界があると思うんだけど。押さえられた国は反発する。世界の平和をめざすなら、それって矛盾してないかな?それじゃ、いつまでたっても、世界に平和はやってこないと思うんだけど。 みんなが仲よく助け合う世界をめざせないものかな? ・・・などと、普段何とな~く思っているだけじゃ、どうしたらいいのか分からない。世界の平和(それが日本の平和にもつながる)を心から願う者として、この本は勉強になりました。 1 非武装のままで、侵略されたらどうするのか?2 北朝鮮や中国の軍拡に備えるのは当然ではないか?3 戦後の日本の平和は、憲法9条ではなく、安保体制のおかげではないのか?4 テロが頻発しているのだからテロ対策は必要ではないか?5 押しつけられた憲法を変えるのはあたりまえではないか?6 家庭同様、国を守るためには戸締まりが必要ではないか?7 子どもたちに「愛国心」を教えるのはあたりまえではないか?8 国が戦死者を祀るのはあたりまえではないか?9 非武装ということは、自衛隊の役割を認めないことか?10 米軍再編は沖縄県民の負担を軽減するのではないか?11 国民投票法案は「立法の不作為」を解消するために必要ではないか?12 専守防衛を堅持するためにも、自衛隊の海外派兵禁止を憲法にも明記すべきではないか?13 領土は最大の国益問題だ。ロシア・中国・韓国の横暴を制裁すべきではないか?14 北朝鮮は内政・外交ともに「悪の帝国」。徹底的な制裁が必要ではないか? この14の質問に対して、ていねいに分かりやすく解説、反論している。そして世界の平和に九条が必要な理由を説明している。 安保条約はアメリカから押しつけられた軍事条約であり、安保体制のおかげで、アメリカの軍事に巻き込まれる恐れがあるとか、テロを引き起こしてる原因は弱肉強食の弱い者いじめ(絶対的貧困と非人間的な状況に生きる人々の抵抗が、「富めるもの」や「占領・支配する国」への憎悪としてテロが存在する)だとか、確かにそうだろうと思える。憲法は、アメリカの指導がなければ、当時の上層部が古い価値観のまま作ってしまいかねなかったので、結果オーライだったということ。平和憲法は世界の平和をめざすためにも、やはり守るべきだということ。そして、戦後、アメリカという国がどう日本を利用してきたか、しようとしているか、アメリカのやって来たことを冷静にみて、アメリカの言いなりではなく、「世界」をきちんと見なければと思った。 『各国との間に、軍事条約ではない、「平和と友好」の条約が結ばれてゆくことこそ、世界から敵視と対立をなくし、平和と安全を築いてゆくための基本』 『国家、政府がもしほんとうに国民の利益を願うならば、もっとも力を入れるべきなのは平和外交の推進や貧困の根絶、教育の普及などのための国際援助・協力であって、軍拡競争や他国への軍事介入ではない』 自衛隊を国防軍ではなく、「救命・救助の専門集団」にすることを提案している。 武力で平和はつくれない ・・・本当にそうだと思う。 この世から武力がなくなり、みんなが助け合って、おだやかに暮らせるようになるといいなあ。 >> 続きを読む
2013/03/09 by バカボン
LummisDouglas , 池田香代子
日本国憲法の英文から、あらたにわかりやすい言葉で現代日本語訳に訳出したもの。とてもわかりやすく、あらためてなるほどと思った。特に、前文の、「自由のめぐみをこの国にくまなくいきわたらせよう」という一節は、日本語の正文とは違った新鮮な響きが印象的だった。執筆者が述べているように、訳を変えてみるというのは、「思考をほぐす」ことなのだと思う。どの古典や作品も、訳を変えて読んでみると新たな発見があり、思考をほぐす効果があるが、中でも憲法は、いろんな訳で読んでみると、決まりきった思考パターンから解放されて、新たな発見があるのかもしれない。 >> 続きを読む
童話屋
薄く安く文字が大きく読みやすい。 しかも中身の素晴らしいこと。 平易な語りかける口調で書かれた憲法の解説書、昭和22年中学1年生用の社会の教科書の復刻版。 私たちは日本の国民で、憲法の下で暮らしているのだけれど、そんなことを常日頃気にかけている人はいないだろう。 しかし、国がどのような考え方で何を大切にしているのか…というのは、やはり理解していなければいけないのだな…と、これを読んで思い知らされた。 昭和22年、これを読んだ中学生はきっと日本の国を誇りに思ったのじゃないかしら… そして、あのような驚異的経済成長をなしとげたのではないかしら… そんなことを感じました。 居眠りとヤジと怒号の国会中継にうんざりして、選挙に行かなくなって数年が経過しましたが…次の選挙は投票にいこう。と思わせられました。 >> 続きを読む
2015/06/24 by nekoya
小室直樹
井上達夫 , 長谷部恭男 , 土井真一
なだいなだ , 内橋克人 , 大江健三郎
憲法再生フォーラム
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