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カテゴリー"社会学"の書籍一覧

      聞く力 心をひらく35のヒント

      阿川佐和子

      3.2
      いいね!
      • 思った以上に読むのに時間がかかってしまった。
        読みやすい文章だったのに、わかりやす過ぎるというか。
        自分のことを「アガワは~」とカタカナ表記するところなど、私自身が好きではないので、いちいち引っかかってしまうこともある。
        また「私なんて」という自虐的な書き方も多すぎて、逆にわざとらしく感じてしまったり。
        テレビで拝見すると何とも思わいのだが、文章を読むと鼻につく。

        とはいえ人から話を聞くことについて、経験を元にわかりやすく網羅されており、参考になることが多々あった。

        また後半部分にあった遠藤周作さんのエピソードは阿川さんならでは、インタビュー内容は実際に読んでみたいし、岸田今日子さんの「ラーメンをフランス料理のごとく優雅に食べる」食事姿は是非とも見てみたいと思いました。
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        2021/03/28 by 寺嶋文

    • 他9人がレビュー登録、 36人が本棚登録しています
      伝え方が9割

      佐々木圭一

      3.8
      いいね!
      • 元博報堂のコピーライターである著者。55万部の大ヒット作である。
        「心を動かすコトバには法則がある」
        料理レシピのように、その手順通り作ればプロに近い味を出せるコトバの作り方。
        個々発信力を求められている時代。
        理由は「組織への疑い」「情報の洪水」
        ・「イエス」に変わる3つのステップ
        step1自分の頭をそのままコトバにしない
        なんでもかんでもストレートに言うのはバクチと一緒。
        step2相手の頭の中を想像する。
        step3相手のメリットを一致するお願いを作る。
        ・「イエス」に変わる「7つの切り口」step2のとっておき切り口
        1「相手のすきなこと」
        「できたてをご用意します。4分ほどお待ちいただけますか?」
        2「嫌いなこと回避」
        「芝生に入らないでださい」→「芝生に入ると、農薬の臭いがつきますよ」
        3「選択の自由」
        人は決断が得意ではない、人は2つの選択肢があるときの比較が得意。
        4「認められたい欲」
        5「あなた限定」人は「あなた限定」に弱い。
        6「チムワーク化」「いっしょに勉強しよう」
        7「感謝」「ありがとう」と感謝を伝えられると「ノー」とは言いにくい。
        ・「強いコトバ」
        1サプライズ話法
        1番簡単なのは「!」をつける。
        「そうだ、京都にいこう」
        2ギャップ法
        「これは私の勝利ではない、あなたの勝利だ」オバマ前大統領
        3赤裸裸法
        あなたのコトバに体温を感じさせ、ときに詩人のようなニュアンスを作り出す。
        4リピート話法
        5クライマックス法
        1時間ちょっとで簡単に読めます。
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        2020/05/25 by わくさん

    • 他9人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      銃・病原菌・鉄

      DiamondJared M. , 倉骨彰

      4.0
      いいね! Tsukiusagi tomato ybook
      • 3月の課題図書。

        現代世界における各社会間の不均衡についての疑問から、プロローグとして展開されていきます。
        世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか?
        なぜほかの形で分配されなかったのか?
        1万3000年にわたる人類史の謎を、進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など、複数の環境的要因から解き明かされます。

        スペイン人とインカ帝国の激突について、食料生産について、家畜化できた動物について。
        人類が辿ってきた歴史を足元から知っていくようで、わくわくしながら読みました。
        ただ繰り返し述べていたり、無駄に長く感じたりする場面も多々あり、冗長さを感じながらですが。
        例えば将軍ピサロが皇帝アタワルパを捕虜にしたエピソードですが、なぜピサロが勝利したのか、おそらくほとんどの読者は簡単に想像できると思います。しかしその説明に多くのページ数をつぎ込んおり、内容のおもしろさよりも説明の不必要さにうんざりさせられました。
        それぞれの長々とした説明も、第3部「銃・病原菌・鉄の謎」で感染症の話になるとがらっと変わりました。今までの説明がこのためにあったのかとおもしろくなって!私たちは感染症対策で、自粛で我慢を経て、敵の情報収集を今まさにしているところです。ウイルスがどのようにやってきて、どれだけの人を殺したのか。病原菌の歴史を知ることがこんなに身近なことになるなんて、思ってもみませんでした。
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        2020/12/09 by あすか

    • 他7人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義

      IyengarSheena. , 櫻井祐子

      4.4
      いいね!
      • 集団主義が重視されていた日本で育った自分には、「選択」こそ力であるというアメリカ的個人主義を子供に教えることは多分できない。でも自由に選択する権利が重要なのはよく分かるし、選択ができない子にはしたくない。色々考えさせられる。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

      • コメント 5件
    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      銃・病原菌・鉄

      DiamondJared M. , 倉骨彰

      4.2
      いいね!
      • 3月の課題図書、下巻です。

        冒頭で書かれていた疑問、「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」。
        このアンサーである作者の持論が描かれています。
        人間社会の歴史の変遷の因果関係を地域ごとに展開していくには、いくらページがあっても足りない作業だと思います。しかし読んでいる方は繰り返し語られている部分も多く、上巻と同じ感想になってしまいますが冗長的と感じました。

        大陸ごとに異なる環境だったから、という視点はおもしろかったです。人間社会の歴史について学ぶなんて、いつ以来かな。課題図書でなければ出会わなかった本でした。上巻の「なぜシマウマは家畜にならなかったのか」と下巻のエピローグが特に興味深く、読ませてもらいました。
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        2020/12/12 by あすか

    • 他3人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      日本辺境論

      内田樹

      3.5
      いいね!
      • 一番苦手な部類の本か。

        ビジネスの本とか、この本の様に考えさせられるのは、
        あちらこちらで、躓くように読む手が止まってしまうので、
        いらちな私とすれば、終着駅がみえぬ各停に乗った様で、いらいらと。

        中身は、“日本人”とは、

        書かれていることは耳の痛いことばかりであるが、
        まさに日々仕事をしていて根底に流れる考えそのものである。

        「私たちは、たえず外を向いてきょろきょろして新しいものを外の世界に
        求めながら、そういうきょろきょろしている自分自身は一向に変わらない」
        (辛い、痛っ)

        「現実主義者は既成事実しか見ない。状況をおのれの発意によって変えることを
        彼らはしない。既に起きてしまって、趨勢が決したことに同意する。
        彼らにとっての「現実」には、「これから起きること」は含まれません。
        「既に起きたことだけが、現実なのです」
        我国の現実主義者は、過去への繋縛の中に生きている」
        (辛い、痛っ、一歩先へなかなか進めない)


        日本人同士で、あうんの呼吸で商売できた時代は良かったけれど、
        グローバルとか云われて、世界に向かってお商売しだすと、
        今迄の常識、ルールがまるっきり通用しない事にぶち当たる・・・・

        揉まれる内にだんだんこの日本人気質が変化を成し遂げるのか、
        30年、50年、100年スパンで見てみないとあきませんな。

        でも、大昔から外敵と交わりながら、
        変わらない日本人の基本的気質は普遍なのでしょうか。


        昭和生まれの私は気を揉みながらも、変わらぬまま死んでいくのでしょうな。
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        2015/06/08 by ごまめ

      • コメント 3件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      キラークエスチョン 会話は「何を聞くか」で決まる

      山田玲司

      3.7
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      • キラークエスチョン~会話は「何を聞くか」で決まる~。山田玲司先生の著書。会話のコツ、コミュニケーションのコツは何を話すかではなくて、何を聞くかということ。質問力、キラークエスチョンができる力が円滑な人間関係につながることが学べる良書です。自分自身の反省になってしまうけれど、私は一方的に話しがちで人の話を聞かない馬耳東風になりがち。聞く力が足りないし、場違いでデリカシーにのない違う意味での「キラークエスチョン」をしてしまっていことも頻繁にあるかもと反省。 >> 続きを読む

        2018/10/09 by 香菜子

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      100%好かれる1%の習慣 500万人のお客様から学んだ人間関係の法則

      松澤萬紀

      4.0
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      • 毎日の行動を1%変えれば人生が変わる。CAとして12年、500万人のお客様の対応で気づいたこと... >> 続きを読む

        2018/08/17 by motti

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      自由からの逃走

      日高六郎 , エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム

      4.0
      いいね!
      • タイトルから連想されるとおり本書は、自由が近代人にとって何を意味し、そして近代人がどのようにして自由から逃れるかをテーマにしている。

        中世世界にあった疑う余地のない帰属感と安定性を奪われた人々の多くは自由によって、力と自信よりも孤独と個人の無意味さを痛感させられた。絶対的な安定を奪われた人間が新たな絆を求める努力の多くは、「サド・マゾヒズム的性格」として表れる。サディズムとマゾヒズムの根底にみられる目的は共棲であり、「権威主義的性格」と言い換えられる。この性格はただ支配と服従だけを経験し、連帯は経験せず、平等と自由に基礎づけられる「愛」と対立する。

        1941年の著書である本書は、第二次世界大戦のさなかにあったドイツ・ナチスによるファシズムを具体的な問題としている。「ナチズムの心理」と題された第六章ではヒトラーの分析に多くを割き、彼のパーソナリティーが、前述のように自由がもたらす孤独や無力さに怯える人々のサド・マゾヒズム的な衝動を受け入れる土壌になったと指摘する。

        安定を求めて「自動人形」となった人々は自分自身の思考や決断を失う。このように自らが本当に欲するものを知らない人々がファシズムの土壌を育む。そしてこのような人びとは、人間を巨大な経済的機械の歯車として組み込む資本主義下においてありふれている。著者は、自由が導く新たな権威主義的な依存を回避するために必要なのは個々の自発性だとし、その主な構成要素として「愛」と「(自発的で自らの意志による)仕事」を挙げる。同時に、自分が本当になにを欲しているかを知ることは困難な課題であることを説いている。

        最近読んだ『カルトはすぐ隣に』において、犯罪に加担した元オウム真理教信者たちの多くが、「自分の感受性を信じ、自分で考えるべきだった」と悔いた事実が、本書において著者がファシズムに侵されないのは自発的な思考であるとする結論と同様の着地点であることに説得力を感じた。また、「ナチズムは純粋な政治的ないし経済的な原理はなにももっていなかった」「ナチズムの原理といえばまさにそのはなはだしい日和見主義である」という指摘についても、有権者が為政者のありようを監視する際のポイントとして有用な知見だと思える。

        自由によってもたらされる孤独と無力感によって陥る「権威主義的性格」による状況は、上記のように今日的な多くの問題をも想起させられ、1951年に刊行された邦訳版の本書が版を重ね続け、購入時点で127版を数えている事実にも納得する(そのこともあって、やや古めかしい語彙も使用されている)。終章には勇気づけられる。
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        2021/05/08 by ikawaArise

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      誰とでも心を通わせることができる7つの法則 DaiGoメンタリズム

      DaiGo

      4.7
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      • 心を通わせるために必要な7つの要素
        場面把握、観察、アセンブリ、条件付け、マッチング、マーキング、話法
        それぞれについて詳しく書かれています。

        読んでいて、すぐにでも実践したくなりました。
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        2016/04/28 by kanetaku

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      「認められたい」の正体 承認不安の時代

      山竹伸二

      4.5
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      • 今読むべき本と思った。この本のテーマは「いかに空虚な承認ゲームから脱し、自由の意識を取り戻すか」

        人間の欲求に関するモデルの多くは自己実現を最上位の欲求に置いているが、著者は承認欲求こそが人間の根幹にあると指摘する。人は権力に抑圧されやりたくないことをやっていると考えている。しかしそうではなく人々は権力に自分を認められたくてやりたくないことをやるのだ。

        現代は普遍的な価値観が崩壊し自由が蔓延った。これをやれば人に認められるという行いが失われた。なにかをすればどこからか批判が起きる。その中で私達が生きていくには一般的他者の視点を養うことである。
        自分の信念と反することを行うべき場面、一般的他者の視点と照らし合わせる。この行為は認められることなのか?
        それは認められない行為で自分は絶対にしたくないならばやらなければよい。いつかわかってもらえるさ・・・


        大事なのは自分で決めることである。自分の中に選択権を携えること。その自由を手放さないこと。


        承認を求め続ける自分には強く響く本だった。
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        2016/04/10 by ryochan333

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法

      平木典子

      3.5
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      • 言い方一つで仲良くなることもあれば悪くなることもある。自分の思惑と違う方向へコトが進んでしまうのはなぜか。ビジネスにおいて、見えない相手に対しても思いやる表現はどうすればよいか。そんな疑問の解決の糸口になればと思いこの本を読んだ。アサーションという言葉は知らなかったが、勉強になった。ドラえもんの静香ちゃんの言い方の例えが面白い。自分も相手も大切にする自己表現のヒントをもらったので少しずつ習慣化していきたいと思う。 >> 続きを読む

        2019/03/09 by KameiKoji

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か

      平田オリザ

      4.7
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      • コミュ力って何?コミュ力つけたいってどうすれば良い?みたいなことを考えている自分には素晴らしく面白かった。

        それから、なぜ自分がここまで「演劇」に惹かれるのか、そのへんがわかった気がした。

        結局僕らは何者かを演じているわけで、ペルソナの総体が本質だったりするので、その辺をむしろ楽しんでしまおう、と。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by lafie

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      「闇学」入門

      中野純

      4.0
      いいね!
      • 日本から闇が消えていくことへの警鐘。

        昨今の、暗闇における殺人や性犯罪多発から、われわれは闇を追放しようと考えがち。けれども悪いのは「闇」そのものではない。

        今更、昔の古き良き時代には戻れないとしたら、闇とどう向き合えばよいか、考えさせられる。
        >> 続きを読む

        2014/06/09 by junyo

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    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国

      JoyceColin. , 森田浩之

      4.0
      いいね!
      • イギリスに行ったことのある方には面白く読める本。
        スコットランドの食べ物を揚げる文化など面白い内容もあり、読みやすい一冊だと思います。 >> 続きを読む

        2015/04/20 by nepal

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    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ

      谷岡一郎

      5.0
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      • 実際に行われた、いい加減であるとしか考えられないような社会調査の結果に対しての批判がなかなかにスカッとするものでした。

        社会調査全てが信憑性がないものとは思いませんが、これだけの杜撰な調査例を見ると、マスメディア各社は何か満足な結果を追い求めているように思えてしまいます。

        読了後は、「頼むから何も考えずに中立的な調査結果を示してくださいお願いします。」と言いたくなりました…


        本書で紹介されている、軸がどう考えてもおかしいグラフとイラストが組み合わされた図は必見です。
        >> 続きを読む

        2014/05/07 by moon_light

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      服従の心理

      山形浩生 , MilgramStanley

      4.0
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      • 最近読んだ『カルトはすぐ隣に』をはじめ、いくつかの著書等で何度か触れられていた有名な社会心理学実験である「ミルグラム実験」が記録された本書に興味を持った。本書内の実験に参加する関係者の属性は三者に分かれている。

        「実験者」…被検者に指示する立場
        「被検者」…実験者に指示されて学習者に電流を流す
        「学習者」…不正解の場合に被検者によって電流を受ける(※しかし実際には電流は流れておらず、痛みを受ける反応は演技である)。

        実験の対象となっているのは「被検者」で、実験者の指示に従って学習者に反応を流すかどうかが実験のポイントである。本文内には、実験中の三者の会話も多く記されている。実験内容について知らなかった詳細で意外だったのは、実験を取り仕切る実験者が被検者に対して積極的に電流を流すことを催促している点だった。読書前には、もっと被検者が学習者の痛み(の演技)に対して無反応に実験を継続するものだと考えていた。それだけに実際の試験の経過は、想像していたよりリアルだったともいえる。実験のテーマが歴史上の悲惨な結果として現れた実例として、ナチス・ドイツの蛮行に関連付ける記述が多い。そして、「服従=悪」とするミルグラムによる実験への解釈に疑義を呈する訳者あとがきはユニークで、本文を通して与えられた実験に対する見方を覆される。
        >> 続きを読む

        2021/03/27 by ikawaArise

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      街場のメディア論

      内田樹

      3.5
      いいね!
      • 街場のシリーズは大学の授業を素材にしているそうです。なので、19才の女子大生になったつもりで読んでみました。( ←想像してはいけません)

        ウチダ先生の話は好きだし、構造主義の本も読んだからか、とても面白かった。

        >どのような事態も、それを「贈り物」だと考える人間の前では脅威的なものにはなりえません。みずからを被贈与者であると思いなす人間の前では、どのような「わけのわからない状況」も、そこから最大限の「価値」を引き出そうとする人間的努力を起動することができるからです。

        今遭遇している前代未聞の事態を、「自分宛の贈り物」だと思いなして、にこやかに、かつあふれるほどの好奇心を以てそれを迎え入れることのできる人間だけが、危機を生きのびることができる。現実から眼をそらしたり、くよくよ後悔したり、「誰のせいだ」と他責的な言葉づかいで現状を語ったり、まだ起きていないことについてあれこれ取り越し苦労したりしている人間には、残念ながら、この激動の時期を生き延びるチャンスはあまりないと思います。(本文より)


        医療や教育の荒廃は、行政とその存在理由を忘れた(ビジネス化した)メディアによって市場原理がそこに入ってきたことに大きな原因があると言います。


        「批判すればするほど、医療(教育)の水準は上がり、医療(教育)の質はよくなる」と行政とメディアは考える。
        病院に患者を「お客様」と呼ぶよう行政指導がされているという。
        つまり患者は「消費者」であり、病院は「店舗」であり、そこで医療サービスという「商品」が売り買いされている。患者は消費者なので、最低限の代価を以て、最大限の医療サービスを要求することを義務づけられる。メディアは常に消費者(患者や生徒)側に立った報道をする。こういう鋳型にはめてしまう。(結果クレイマーが増える。教育も同じ構造)

        しかし、「他人に仮借なく批判されればされるほど、知性の働きがよくなり、人格が円満になる」というようなことはありえない。(私も違うと思う。)



        社会的共通資本(人間が共同的に生きてゆく上で不可欠のもの)つまり、
        自然環境、道路電気水道ガスなど、教育・医療・金融・司法・行政などの制度は、政治にも市場にも委ねられてはならない。
        教育や医療に市場の原理を入れてはいけない。教育や医療は商品ではないし、政権が代わる度に教育や医療のシステムが代わっては困るのです。子どもを成熟に導くという人類学的機能と、政権や株価とは関係がない。


        社会的共通資本は、職業的専門家によって、専門的知見にもとづき、職業的規範にしたがって管理・維持されなければならない。
        変化することは「無条件によい」ことではないのです。しかし、メディアは常に(ビジネス的に)変化、つまり新しいこと(ニュース)を求める。変化への異常なまでの固執がある。(平和で何もありません、よかったね、では売れないからね)

        そもそも、メディアの使命は何か。
        それは「その情報を得ることによって、世界の成り立ちについての理解が深まるかどうか」「命がけの知を発信すること」。それが、ビジネスに成り下がっている・・・。


        他に、
        著作権、電子書籍、ミドルメディア、「読者」とは、「価値」とは、贈与経済・・・

        商売、金儲けと言えば言うほど、本当の価値や本当に大切なものが安くなってしまうような気がする。
        「取ろう取ろうは取られのもと」「欲しいと思ったらなくなる」「布施の心」・・・だね。
        コミュニケーションの基本は「ありがとう」の気持ち。

        >子どもたちの能力を上げようとしたら、とにかく苛烈な競争の中に叩き込めばいいと教育行政の人たちは考えている。・・・・そういう「弱肉強食」型のストレスをかければ、子どもたちは生き残りをかけてめちゃめちゃ勉強するようになるだろうと、・・・・なるはずがないんです。人間がその才能を爆発的に開花させるのは「他人のため」に働くときだからです。人の役に立ちたいと願うときにこそ、人間の能力は伸びる。(本文より)

        「世のため、人のため」自己中じゃダメってことね。しかも、競争のストレスなんてかけられて、力が出るわけない。

        とても勉強になりました。
        >> 続きを読む

        2014/03/20 by バカボン

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      〈日本人〉

      橘玲

      4.2
      いいね!
      • 従前の日本人論をすべて覆す、まったく新しい日本人論。
        3・11以後、マスメディアやインターネット上でさまざまなひとたちが「日本」や「日本人」について論じた。
        その論旨は、次の一文で要約できる。
        「日本の被災者は世界を感動させ、日本の政治は国民を絶望させた」。
        過剰な「日本」に溺れて、私たちは自分が何者で、世界がどんなところなのかを見失っている。
        はたして「日本人」とは何なのか。
        これまでの「日本人」のイメージは、すべて西欧社会がつくったものだった。
        それでも「日本人的なもの」があるとすれば、それはむしろ世間(ムラ社会)ではなく、世俗(神を信じずに功利的に生きる)の方にある。
        〝日本人性〟の謎を解くカギは、巷間いわれているような「空気=世間」ではなく、「水=世俗」にこそあるのだ。

        話題の本という事で、普段、本作のような評論文は読まないのですが、手に取ってみました。
        文章が平易で読みやすく、書いておられる持論にも目立った破綻なく、むしろ共感できる部分が多かったので、スイスイ読み進められました。
        著者が参考文献にしている多くの書物も、本来であれば一読必須と思われる書籍ばかり。
        様々な見識から、自らの「日本人論」を導き出し、文章化している技術は瞠目すべきものです。
        気になった記述をいくつか抜粋します。

        …「日本では人間関係は“場”から生まれる。“場”を失ってしまえば、私たちは孤独に戻っていくしかない。日本は本質的に「無縁社会」だった。“孤独死”が増えたのは高齢化のためで、グローバル資本主義やリーマンショック後の不況の為に、最近になって「社会の無縁化」が進んだわけではない。
        良いか悪いかとかではなく、これが日本人の運命なのだ。

        …日本の政治家が「正義」を語れないのは「国を愛せ」とか「家族を大事にしろ」というような情緒的な道徳しか持っていないからだ。
        政治哲学が不在で、政治評論しかない国では「正義」を巡る議論はもともと成立しないのだ。

        …だが、その一方で普天間基地移設や、原発事故問題で明らかになったのは、これまでの「ムラ社会」型全員一致方式ではもはや重要なことはなにひとつ決められないということだった。
        その仕組みを変えなくてはならないとするなら、私たちに残された選択肢は原理的にふたつしかない。
        ルール優先で決めるか、そうでなければ「独裁者」が決めるのだ。

        …オリンパスは統治なき日本の“素晴らしき伝統”そのものだ。その伝統は日本を破滅に追いやった陸軍や海軍の無責任体質と同じもので、戦後の官僚制度や政治制度にもそのまま引き継がれている。

        そもそも日本人の本質とは、権威を憎み、過度の自主性を好み、社会性が欠如している…とも読み取れました。
        僕も激しく同感しました。
        核心をつきつつ巻末では未来志向を記すあたりは、いささかあきたりないものがありましたが、良著でしょう。
        >> 続きを読む

        2014/12/16 by 課長代理

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      17歳のための世界と日本の見方 セイゴオ先生の人間文化講義

      松岡正剛

      4.0
      いいね!
      • どうやら人間の脳は、残忍なワニの脳と狡猾なネズミの脳を内包していてそれを大脳の理性でくるんでいる。
        だからふとした時にワニの残忍さやネズミの狡猾さが出てしまうのでそれをどうにかしなくてはいけない。
        その抑制のツールとして生まれてきたのが宗教だそうだ。

        「ばちがあたる」というのがそれに近しい感覚だと思う。
        人につらく当たったり不道徳なことをすると神罰がくだる。
        社会がこれだけ発展して人間関係も複雑になってきているのに
        原始宗教の名残が今でも息づいているのはすごいと思う。
        「アナタハカミヲシンジマスカ?」と面と向かって問われると
        「いいえ」と言うけれど、心のどこかに善の規範として神様を感じている。
        それを担保しているのが都市の中にひっそりと佇む神社だったりするのかもしれない。

        ゾロアスター教の二元論の考え方がユダヤ教などアブラハムの宗教の深いところに息づいていたり、インドで起こった仏教の考えが中国に入ると儒教と融合したり、ルネサンス期にキリスト教が科学をまえにして神をどう解釈していったか、というような営みを「編集」と呼んでいる。
        町の中にある初詣と厄払いにだけいく神社も、近代化された社会の中に編集されて息づく神様なんだろう。

        なるほど人間の文化の中で純粋に普遍のものとして受け継がれていくものなどないのだろう。
        一世代の継承を経るだけで大幅な編集が加えられてしまうことだってある。

        この本の中では人類の歴史の中で宗教や文化、学問がどのように編集されていったかをダイジェストではあるがドラマチックに描いてくれている。

        どのぐらいドラマチックかというと中学や高校で習って腑に落ちなかったものが全部すんなりと納得できてしまうのだ。

        文化や思想の「編集者」たる人物の感情や置かれていた社会状況をしっかり説明しているので物語としても面白く、それぞれの時代や地域でどのようなことが起こっていたのかさらに深く知りたくなる。

        17歳のために最適な本であるだけでなく、17歳の二倍の34歳の僕が読んでも知識欲をさらに書き立ててくれる本だった。
        >> 続きを読む

        2018/02/28 by Nagatarock

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