こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


カテゴリー"戦争、戦略、戦術"の書籍一覧

      スパイのためのハンドブック (ハヤカワ文庫 NF 79)

      ウォルフガング・ロッツ

      3.4
      いいね!
      • 私の夢はスパイになる事だった。
        スパイというとスリルとか策略とかそういうイメージだ
        飽き性な私はスパイになればさぞかし人生が楽しいだろうと考えた。

        進路面談でもスパイになりたいのですがどのような進路に進めば良いのでしょうと真剣に先生に相談したが彼等は答えを知らなかった。
        しかし、この本にはあの頃私が探していた答えが書いてある。

        この本を読んで意外だったのはスパイの適齢期だ。
        25~35歳。
        つまり、私はまだまだスパイになるチャンスがあるということだ。
        もっと若いうちから訓練を積むのかと思っていた。
        しかし、この本を読んでスパイになりたいという気持ちは薄れた。
        当たり前だが過酷な世界だ。
        ミーハーな気持ちで飛び込むと命を落とすだろう。
        スパイになりたいという気持ちをようやく落ち着けてくれたという意味でも本著を読んで良かったと思う。
        >> 続きを読む

        2012/08/16 by Iris

      • コメント 3件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      戦争における「人殺し」の心理学

      GrossmanDave. , 安原和見

      4.0
      いいね!
      • ベトナム戦争のあと、PTSDになった
        兵士が大量にいたということは未だに
        知られていないことかもしれない。
        しかし戦争をしていた日本においても
        当時の大義名分があったはずであり
        今でいうならば「心身喪失」の状態で
        あったかもしれない。
        そうした視座によってアメリカ陸軍は
        こうしたテキストを残したのかもしれず
        実際に兵士として考えるときに
        生じる

        ──自分は人を殺してもいいのか?──

        というひとつの答えにはなっている。
        この本を書いた筆者自身が軍人であり
        心理学者であったので安価でこうした本を
        読むことができるのは良いと思う。
        ぜひ一読し、文献などを狩猟すべしと思う。
        >> 続きを読む

        2013/10/28 by frock05

      • コメント 4件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      補給戦 何が勝敗を決定するのか

      CreveldMartin van. , 佐藤佐三郎

      4.0
      いいね!
      • 【勝敗を決めるのは戦力の優劣ではないのだよ!】
         戦史家クレフェルトの古典的名著であり、兵站についての論述です。
         ナポレオンからノルマンディ上陸作戦までを通覧し、戦争における補給の重要性を説いた作品。

         兵站(武器、弾薬、食料等の物資の輸送)って地味ですよね~。
         ともすると戦争の行方を決するのは両陣営の戦力比によるように思われますが、くれフェルトはそんなことは無いと説きます。

         いかに優れた兵器を有していても、補給がおろそかでは決して勝利できないのだというのがその主張。
         実際の戦争を題材に何故この戦争では負けたのか等を具体的に論じます。
         確かに、どんなに優れた兵器を有していても、それらの兵器が有効に行動できなければ何にもなりません。

         しかも、それらの兵器が存在するのは、状況によっては自陣営から遙か離れた場所です。
         例えば、ロンドンからモスクワまでの距離は約2,500Km。この距離は札幌から沖縄までの距離に相当します。
         これだけの距離離れたところにいる自陣に対していかに必要な物資を輸送するか?
         その輸送手段は?
         もちろん、輸送する際に通る場所は札幌~沖縄間のように自国内ではありません。
         既に戦争によって荒廃している他国の領地であることも多いでしょう。

         この兵站輸送に失敗すれば、いかに優れた兵器を有していても十分な行動ができず敗北するのだと。
         他の戦争研究家によれば、戦争の三大理論は「戦略」、「戦術」、「兵站」であるとされます。

         戦争のことは余り詳しくないのですが、例えばゲームにおいて考えてみても、確かに十分な兵站が無ければ勝てそうもないなぁとは想像つきます。
         一見地味な兵站に焦点を当てた大変興味深い一冊です。
        >> 続きを読む

        2019/06/03 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      スパイの世界

      中薗英助

      3.0
      いいね!
      • 小さい頃からM:Iや007の影響でスパイには憧れがあった。程度の違いはあっても昔からスパイはいる訳で、日本人がどうしたらなれるのか知らんけど、未だに憧れの対象。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      国際スパイ都市バンコク

      村上吉男

      3.0
      いいね!
      • 1970年代半ばから1980年代半ばまでのタイの情勢。

        さすがは朝日新聞社だけあって、タイという国家を立体的に描いている。

        「国際スパイ都市バンコク」というタイトルから想像した内容は、世界各国から来たスパイが雑踏に紛れて暗躍するようなものだった。

        しかし、さすがは朝日新聞社。スパイというキーワードが関係するのは、ごくわずかな部分だけで、それも含めた様々な切り口を用意することで、極めて立体的にタイという国家を描いている。

        タイトルへの違和感には続きが有り、文庫に収録される前のタイトルは「バンコク秘密情報」だったという。
        このタイトルは、貧乏旅行でタイを訪れた際に楽しめるような穴場情報の紹介を想像させ、これにもやはり違和感は残る。

        印象的なエピソードは、タイ人の中で、白人に対しての気持ちと、日本人に対しての気持ちに差が有るという点。

        白人には、どこか優位性を認めつつ、同じアジア人で有る日本人に対しては、郷に入れば郷に従え的な感覚が有るそうである。
        日本人としては不快に感じるかもしれないが、ここ日本の中でも同様の感覚が存在しているように思えてならない。

        非常に残念で悔しいことでは有るが、もしかしたらどこかで白人のアジア人に対しての優位性を認めているのは、アジアの大部分における共通の価値観なのかもしれない。

        タイという国家や国民性を理解するのに役立つ教科書と言える。
        >> 続きを読む

        2012/05/03 by ice

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      日本はなぜ敗れるのか 敗因21カ条

      山本七平

      4.5
      いいね!
      • ・無改善の量的対応をしても意味がない
        「やるだけのことはやった」←単なる量的対応だけではダメ
        ・現状を正確に数字で把握することが大事
        数字での管理と振り返り
        ・周りを巻き込む。全員が我が事に感じられるように。
        関係者内での対立をつくらない
        ・思い込みを前提としない
        「自分が正しい」ことを前提としない。相対的判断
        ・標準化が大事
        属人的な芸・術 では意味がない。技術にしないとダメ
        ・思想を徹底させる
        +ルールの設定
        >> 続きを読む

        2014/12/11 by ksugiura

    • 2人が本棚登録しています
      野蛮人のテーブルマナー

      佐藤優

      いいね!
      • 今年(当時、2009年)、読んだ中で最悪の本。
        先週読み終えていたが、感想も書く気にならなくて、ほったらかしに。

        「国家の罠」などで、骨の有る作者と贔屓で、佐藤優の名前だけで、
        昼休みに、パラリと見ただけで購入したが、大反省。

        お小遣い稼ぎに、雑談程度に、ちょこちょこと書いた本か。
        中身は、いたって無い、ほんと、私にはそう感じましたな。

        血の色に黒字の装丁と、帯の、・・・・・酒、賭博、セックス、暗殺工作・
        野性と知性を兼ね備えた諜報活動の実践者が、
        ビジネス社会で生き残る「掟」を伝授・・・。に騙されて・・・。

        ああ、なんと、、過大広告に踊らされて、期待してしまった自分に、がっかり。
        夜の世界では、度々ある事だが、マサか、本でこれほど裏切られるとは・・・
        それやったら途中で止めて、捨てたら良いのに、一応は、最後まで読んで仕舞いましたで。

        本書きは、やはり一冊も、中途半端な、駄作は書いてはあきまへんな。
        全作品のクオリティの高さが、作者としての良心でおますな。

        たった670円の本で、文句言過ぎでっか。
        普段、本との出逢いでは、愉しい思いでいっぱいだけに、残念度お察しあれ。
        >> 続きを読む

        2013/05/19 by ごまめ

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      空の戦争史

      田中利幸

      4.0
      いいね!
      •  本書は航空機等からの「爆撃」に着目した書籍である。空戦に就いてはほぼ皆無と言って良いため、「爆撃」という攻撃方法に就いて知りたいという方にとっては有益な一冊であり、新たな一歩となると言える。

         本書を読み、ハッとさせられた点は主に二つである。
         一つは、一般的に言われている、「無差別爆撃」は行動に移されるとき、実際は一部の民族や国民に対する「差別」の意識を込めた無辜の民を含む人間に対する「無差別爆撃」だいうことである。
         二つは、如何に工場や基地などの軍事的拠点のみを攻撃する「精密」な「爆撃」を展開したとしても、それは言葉や意識の上だけであり、実際の被害は「無差別爆撃」と化してしまうということである。

         また、それ以外にも、空爆を進めていくに連れ暴走し、罪の意識が薄れていく空爆の恐怖、人間の心への恐怖というものもしっかりと書かれている。

         本書を読むことで、これらが作戦行動に表れ出るまでの過程や当時の時代背景を理解することも出来、そして、それぞれの思考に基づいて、新たな発見があると思う。是非、読んでいただきたい一冊であると思う。

         以下は、内容とはあまり関係ない話である。
         本の内容に触れた後であるが、外装、殊にカバーに就いても触れなくてはならないと私個人は思ったため、このように書く次第である。

         Amazon及び読書ログの本書にはカバーが付いているが、その上にもう一枚カバーが付いている。そのカバーに書かれている言葉は、「飛行機の誕生が戦場を変えた! 気球からの爆弾投下から絨毯爆撃、原爆投下まで」というものである。

         この『空の戦争史』は空爆を非としている書籍であるが、カバーの言葉だけを見ると、空爆を是とするか非とするか分からないのである。私自身、異論は無いのであるが、若し書店で見かけた場合は各人の思想にそぐわないにも関わらず購入ということも発生し得るかと思う。

         だが、それを踏まえた上でのカバーでもあるのだろうと思う。手に取り、読んでもらい、影響を与えるという点では本書は成功しているのではないかと思える。
        >> 続きを読む

        2015/03/04 by drone

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      あのロシアスパイ武官はこう接触してきた

      白水和憲

      4.0
      いいね!
      • 日本人スパイ獲得を使命とするロシア人諜報員からの接触。

        スパイのクセに接待経費に余裕が無く、店を選んでいる辺りが泣かせる。

        様々な諜報活動の先兵として日本でのエージェント獲得を目指すロシア諜報員。

        自国を裏切らせる人間を作り出すプロで有る彼らは、心理学などから導き出した下記要素を、その工作で重要視するらしい。

        ・金
        ・イデオロギー
        ・脅迫
        ・自尊心

        なるほど。恐ろしいことでは有るが、確かに人を動かせることは納得できる。

        ロシアの諜報員から、日本の公安は優秀だという評価を受けているらしい。
        公安が頑張っていることに水を差すつもりは無いのだが、少し考えてみるだけで、ほとんどが黄色人種で構成されている日本という国で、白人スパイがどれだけ動きにくいかは容易に想像が付く。
        彼らの立場に立ってみると、中々大変なのだろうと思い知らされた。

        また公安が優秀でも法制度が確立していない日本では、結局ロシア人諜報員の出国を止めることが出来なかった。

        言論の自由との兼ね合いに配慮が必要な繊細な問題で有るのは承知しているが、スパイ天国などと言われている現実について苦々しく思う。

        特別な理由も無く、自分が生まれ育った国を愛せない人は不幸だと思う。
        >> 続きを読む

        2011/11/25 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      奪還 引き裂かれた二十四年

      蓮池透

      5.0
      いいね!
      • 今年4月の南北首脳会談以降、朝鮮半島情勢に変化が見られるよう
        になったので日本人拉致の問題も前進するかなと注視しているの
        だが、我が国の首相は自ら「司令塔」と言う割にはアメリカや
        中国、韓国の首脳にお願いするだけなのだよな。

        少しでも進展すればいいとの願いを込めて、拉致問題のおさらいの
        為も含めていささか古くなった作品だが本書を手にした。

        北朝鮮による日本人拉致が公になったのは1988年。前年に起きた
        大韓航空機爆破事件の犯人・金賢姫の証言で日本語教育係だった
        「李恩恵」の存在が明らかになってからだ。

        著者の弟である蓮池薫さんが突然家族の前から姿を消してから10年目
        だった。

        家出なのか、恋人との駆け落ちなのか。なんの手がかりもない中で
        探し舞ったご家族の苦悩、北朝鮮による拉致が明らかになってから
        でも警察も外務省も当てに出来ない憤り。

        拉致被害者の家族のひとりとのしての率直な思いが綴られており、
        非常に重くて、痛い文章が続く。

        なかでも政治家はとことんダメすぎる。比較的に好意的に書かれて
        いるのは平沢勝栄氏くらいか。山本一太なんて家族会に「自分には
        国連とのパイプもあるから」と言っているのに言っただけ。

        拉致問題に関しても日本は本当に無策な国だと感じた。

        蓮池薫さんら5人の帰国以降、拉致問題はなんら進展を見せていない
        のではないだろうか。日本政府は最初の5人が帰国した時点で、この
        問題には距離を置いてやしないかと感じる。そうして、自分たちの
        都合のいい時だけ、拉致問題を持ち出して来てやしないか。

        拉致被害者家族という当事者であるからこその怒りや、哀しみが
        つまった1冊だった。
        >> 続きを読む

        2018/05/09 by sasha

    • 1人が本棚登録しています
      宰相のインテリジェンス 9・11から3・11へ

      手嶋竜一

      5.0
      いいね!
      • 本書は2011年5月1日から始まる。
        作戦名「ネプチューンの槍」
        最高指揮官は第44代アメリカ合衆国大統領、バラク・オバマ。
        狙いは2001年9月11日に起こった同時多発テロの首謀者「オサマ・ビンラディン」

        NHKの特派員「手嶋龍一」さんの取材をまとめた著書であると思われる。(まだ読み半端)

        帯には 同時多発テロ―アメリカ最大の失策
            メルトダウン―日本国首相の不決断

        とある。まだ東日本大震災の原発事故のところまでは読み進んでいないが、「同時多発テロ」はこの本を読む限り・・・完全に防げたテロだった。
        1996年には「オサマ・ビンラディン」をアメリカは拘束なり、逮捕なりできた・・・。そんな事実が。

        結構深くえぐった内容でぐっと引きつけられます。


        まだ途中ですが、買ってよかった~な「逸冊」です。
        >> 続きを読む

        2013/09/12 by naotarou

      • コメント 5件
    • 2人が本棚登録しています
      ブラック・スワン降臨 9.11-3.11インテリジェンス十年戦争

      手嶋竜一

      4.0
      いいね!
      • 9.11から3.11までを手嶋さんの視点で追ったドキュメント。自分の記憶を紐解きながら読みました。読みごたえあります。
        □ 敵の敵は味方だ
        □ アメリカ大統領に求められる資質は、単なる行政手腕などではない。自らの政権で誰に舵取りを委ねるべきか、誰を権力に近づけてはならないか、誤りなき判断を下さなければならない。
        □ 大切な情報源は安易に他人の目に曝してはならない。
        □ 衝撃と恐怖作戦
        □ もし、日本がアメリカに後ろ姿を見せれば、半世紀にわたって日本の安寧を委ねてきた太平洋同盟に深い亀裂が入ったことは否定できないだろう。
        □ マーケットとは、自由な市場を一方的に独占されることを本能的に嫌って、替わりの素材や新たなシステムを模索する生き物なのである。
        □ 日本で有事が持ち上がった時には、独断専行を恐れず出動の準備に入り、いざ要請を受けた時には現地に迎える用意を万全整えておけ
        □ 想定を超える事態にむきあおうとしなかった果てに起きたのである。
        □ かくして、総司令官は生々しい戦況を精緻に把握する一方で、適格に全体状況を掴んで、誤りなき命令を下すことができたとチャーチル卿は述べている。
        >> 続きを読む

        2016/12/06 by Minam

    • 1人が本棚登録しています
      戦場の指揮官

      柘植久慶

      4.0
      いいね!
      • 古今東西の戦場と、それを指揮した指揮官を仔細に解説。

        平和ボケした日本人を一喝するような現実感を伴った戦略戦術考。

        それぞれのケースで、当時の国際関係や戦場の地理的特徴など、様々な知識を動員して指揮官の決断を仔細に解説する。

        著者が驚くほど博識で、一瞬、軍事が専門なのに広範な知識を有しているのは凄いと考えたが、軍事こそ多くの情報を活用し、最短で正解に辿り着く必要が有るのだと気づいた。

        戦争反対から武力反対。この流れで軍事全般に対して否定的な人もいると思うが、実際に起こった戦争をケーススタディとして、戦争回避の方法を探るためにも、やはり軍事研究には大きな意味が有ると再認識した。

        また、現代日本人の一人として平和ボケしていることを認めざるを得ない。
        旧日本帝国軍を含む多くの戦場の描写は、その場に自分がいたらという考えに繋がり、同時に現在全くその可能性を感じていないことに気が付いた。
        憲法で軍隊を持たないことを宣言し、当然徴兵制も無い先進国で暮らしていては、危機意識など持ちようが無いことも事実では有るが、間違っても再び戦争への道を進まないよう、これ以上の平和ボケには気をつける必要が有ると感じた。

        とくに戦術に関しては非常に平易で良質な文献だと思う。
        >> 続きを読む

        2011/09/25 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      最終戦争論

      石原莞爾

      5.0
      いいね!
      • 最終戦争というステージで、日米決戦の到来、最終兵器の登場を的確に予言。
        その結論については聞き及んでいたものの、その推察が単なる予想ではなく、文化、軍学、兵器、宗教等の歴史的推移の中で見事に導かれている点に驚きを禁じ得ない。

        特に学ばされる点は、決して結果の歴史的トレンドを追うのではなく、どうしてそのような歴史的発展がなされたかの背景にまで言及されている点。
        そこにあるのは、単に山と谷にのみ注目する「トレンド理論」といった浅軽なものではない。
        しかも、幅広い教養に裏づけられた見識が、極めて平易に、僅か70P程の単行本にまとめられていることには言葉を失う。

        一つ一つの事象についてここまで私見を深められたらば、そして一つ一つの私見をこれほどまで単純化できたらば、どれほど自分に自信を持てるだろうか。自分の信じる道を見出すこともきっとその先にあるんだろうと感じる。



        一点、特に興味深く感じたのは、戦術の指導精神を統制に求めながらも、その統制とは、
        『強権をもって各兵の自由意思を押えて盲従させるものとは根本において相違し、各兵の自主的、積極的、独断的活動を可能にするために明確な目標を指示』するものであり、即ち、
        『自由を統制するための統制ではなく、自由活動を助長するため』のものだ、と述べている点である。

        どれほど見識が深かろうとも、どうせヒエラルキーの著しい軍国社会の体育会系的エリート軍人だろう、と思っていたが全く違う。

        自分の栄誉や賞賛や出世のために勉強したり働いているのではないということが一目瞭然に分かる発言だと感じる。いかにして個人個人がその全力を尽くして、全体を向上していくか、という目線で世の中を見ている。
        ドラッカーが、有能に働くために必要なものとしてまず第一に挙げる、「なされるべきことを考える」という、一個人の外の目線から考える発想が確実に彼にはある。

        うちの会社が、いや、この日本社会がこの目線を持てればどれ程世界が広がるだろう。
        坂の上の雲を目指して走っていた時代と、坂の上に来て止まってしまった時代では仕方ないのか。
        >> 続きを読む

        2017/08/18 by フッフール

    • 4人が本棚登録しています
      北朝鮮拉致工作員

      金燦 , 安明進

      4.0
      いいね!
      • 北朝鮮で対南工作員として育て上げられた過去を持つ著者からの告発。

        多くの国民を騙し虐げることで成立する独裁国家という犯罪を許してはならない。

        何やら意志を持たないマシーンのように感じる北朝鮮の工作員。
        その教育課程や考えていることなどが分かりやすく書かれているのに好感を持った。

        まず意外だったのが、優秀な人材を官僚ではなく、スパイにしてしまう考え方。

        家族毎に等級のようなものが有り、決して低い等級には属していないという著者だが、優秀な人材を国家運営に力を注ぐ官僚ではなく、対南スパイに割いてしまうところに、この国の問題の根深さを感じざるを得ない。

        日本人としては拉致被害者に焦点を向けがちだが、拉致被害はかなり多くの国に及ぶようだ。

        もちろん被害に合われた方は大変な苦しみを抱えておられることは理解しているが、北朝鮮による拉致などという可能性に気付くこともなく、大切な人がいきなり行方不明(まさに蒸発)となってしまったと感じている人々に比べれば、生存を信じる根拠が有るだけ、まだ幸せなのかもしれないと感じた。

        安氏はその後麻薬に手を染めて逮捕。これで同情や説得力は無くなってしまった。
        >> 続きを読む

        2011/12/27 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      撃墜王リヒトホ-フェン

      UlanoffStanley M. , 井上寿郎

      4.0
      いいね!
      • 第一次大戦でドイツの空軍のエースとして活躍し、八十機(一節には八十二機)の敵機を撃墜し、鮮やかな紅色の戦闘機に載っていたため「レッド・バロン」と呼ばれた伝説的な人物・リヒトホーフェンについての本である。

        てっきり、誰か他の人がリヒトホーフェンについて書いた本だとばかり思ってさほど期待せずに取り寄せて読み始めたら、なんと、リヒトホーフェン自身の手記だった。

        第一次大戦の激戦のさなか、リヒトホーフェン自身が折々に感じたことや考えたことを綴った手記や家族の手紙が収録してある。
        簡潔で、ユーモアのセンスがあって、しばしば手に汗にぎる躍動感がある。

        たとえば、

        「私は地上の景色を注意深く眺めた。人間は豆粒ぐらいで家は玩具のように小さく、すべてがきれいな箱庭の風景だった。教会の尖塔が際立つケルンの町並みが遠くに見える。どこを飛んでいようと、そんなことはどうでもよい。空を飛ぶということは素晴らしいことだ。誰も私に干渉できない!」
        (45頁)

        といった感じだ。

        本当に、とても興味深く、面白かった。

        「私は常に変化を求める男です。これは一つの新しい変化であり、私にとり、得るところがあると思います。」

        「戦闘には指揮者は部下を信頼し、勝利には味方の団結が必要なことは当然である。」

        「戦いに勝つのは、ただ戦いあるのみだ。」

        「敵機の撃墜は、単に小手先の技ではなく、人の気力、特に撃ちてしやまんの闘志にある」

        といった言葉には、リヒトホーフェンの精神がひしひしと感じられる。

        手記には、リヒトホーフェンの上官や同僚たちの生き生きとしたエピソードも綴られていて、とても面白かった。

        リヒトホーフェンが尊敬していた上官のボルケは、いつもただ短く、

        「強い信念をもて」

        とだけ言ったそうである。
        しびれるエピソードだ。

        しかし、多くの親友たちも、上官のボルケも、次々に戦死していったことが言及されているのには、なんとも胸が打たれた。

        リヒトホーフェン自身も、わずか二十五歳で戦死を遂げる。

        この本には、リヒトホーフェンの二人の弟による生前の兄の様子や思い出を綴った文章も収録されてあり、それも胸打たれるものがあった。

        また、リヒトホーフェンを撃墜したのが誰なのかは諸説あるそうだが、そのうちの一人とされるロイ・ブラウン英空軍大尉の手記も収録されていた。
        リヒトホーフェンの遺体を見た時、その穏やかな死に顔を見ていて、ブラウンは深い悔恨を覚え、勝利の喜びなど何もなくなり、戦争への怒りと呪いを思ったということを記述していた。
        そのことにも、胸を打たれた。

        この本には、なんと、戦前にこの本の原文がドイツで出版された時に付されたゲーリングの前書きも収録されている。
        なんだか、とても空疎な、いかにもナチスが書きそうな大言壮語ばかりの文章で読んでいるだけ嫌気がさした。
        結局、リヒトホーフェンのような本当の勇気や繊細な心を、何もゲーリングはわかっていなかったのだと思う。

        リヒトホーフェンのいとこは、のちにナチスの空軍元帥になり、ゲルニカ爆撃を指揮したそうだ。

        だが、仮にリヒトホーフェンが戦死せずに長生きしていたとしても、ゲーリングやいとこのように、ナチスにはいかなかったのではないかという気がする。
        リヒトホーフェンは、敵のために墓碑を建てたそうだ。
        そうした精神が、ナチには微塵もない。

        リヒトホーフェンは1918年四月に戦死し、リヒトホーフェンの葬儀は、イギリス軍によってきちんと行われ、「勇敢にして、好敵手たりしフォン・リヒトホーフェン大尉に捧ぐ」と書かれた花輪が供えられたらしい。
        ただ、1925年にドイツに改葬されるまで、フランスにつくられた墓地は荒れ果てたものだったらしい。
        リヒトホーフェンの遺体の入った棺が、死後七年経ってドイツに鉄道で運ばれて戻ってきた時、沿道の家々は半旗を掲げ、多くの人が花を供え、盛大な葬儀が営まれたそうだ。
        弟の手記によると、ドイツ人の諸団体も、ユダヤ人の諸団体も、みんな一致して協力してリヒトホーフェンの棺を迎え、葬儀を営んだそうである。

        結果としてドイツは一次大戦で負けたけれど、リヒトホーフェンや、あるいはエムデン号のミューラーや、東部アフリカ戦線で活躍したレットウらのドイツの軍人たちの事績が、はるか後世の人の心を奮起させたり、感動させるのは、どういうことなのだろう。
        たぶん人間はどのような立場であろうと、任務に忠実に、勇気を持って、正々堂々振る舞えば、後世の人の胸を打つということなのだろう。

        リヒトホーフェンは近年「レッド・バロン」という映画にとりあげられて、それで興味を持つ人がまた増えたようだけれど、この本もまた、リヒトホーフェンに興味を持つ人にはぜひ読んで欲しい、貴重な一冊と思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/22 by atsushi

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      名将たちの決定的戦術 世界の歴史を変えた

      松村劭

      4.0
      いいね!
      • 戦術史。過去に起こった戦闘における経過と状況の解説および設問。そして、その結果が記載されている本。
        理論は大事。でも物事、実際には理論だけでは賄えませんので、歴史を紐解いて、実際にその状況どのように判断する?という考察の積み重ねが大事。
        ナポレオンは読書で何とかせよという趣旨の言葉を残しておりますが、同世代のネルソン提督は経験が全てという趣旨の言葉を残しており、実際の所、全てを経験することは不可能なので合わせ技により補完するより他は無いのです。
        この本はその趣旨によって記載されています。
        様々な状況とその状況下における判断。案が幾つか用意されている中から一つの選択を行う。結果どうなったかを持って判断を補正される。その繰り返しですが、このようにしてのみ判断能力は養われる。
        ソフトウェアの設計も実は同じ事。色々設計してみないと設計能力は上がりません。なぜこのクラス図が出来上がったの?答えはこれですから。理論ではなくて、理論と経験と現状のバランスの結果としてデザイン木(デザインのためのデザインより)を下っていく。その結果です。
        理論だけなら、その通りのプログラムでも組めば全自動で最適解に辿り着きます。でも、実際にはこうですから。
        人がいないと設計はできず、設計結果は必ずその人だからその設計結果となる。
        好奇心に任せて様々な物を設計してみるのが、設計能力を高める一番の近道なのかもしれませんね。
        様々な局面において、柔軟に判断を下しながら、決定的な失敗を行わない事を要求される人にお勧めかもしれません。
        ちなみに、この本の設問3択ですが、私の正答率は3割以上5割未満ですが・・・。
        >> 続きを読む

        2013/05/12 by Shimada

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      スエズ運河を消せ トリックで戦った男たち

      FisherDavid , 杉田七重 , 金原瑞人

      4.0
      いいね!
      • 【ロンメルvs壮大なハッタリ!】
         ジャスパー・マスケリン。
         彼の一族は、代々『不思議なこと』を生業としてきました。
         古くは占星術や錬金術、はたまた天文学。
         最も有名だったのは第8代のジョン・ネヴィル・マスケリンでしょうか。
         彼は、稀代のマジシャンとして名を馳せていました。
         そして、本作の主人公、ジャスパーも卓越したマジシャンでした。

         そんなジャスパーは、激化する第二次世界大戦において、イギリス軍のために自分のマジックの腕を役立てることができるはずだと信じ、軍に志願します。

         当初は、「マジックでどうしようと言うのだ?」という至極真っ当な反応に迎えられ、既に30代後半という年齢もあり、丁重に軍隊入りを断られます。
         しかし、ジャスパーはめげませんでした。
         絶対に役に立ってみせるとの熱意を示し、何とか軍に入ることが許されました。

         しかし、マジシャンをどう使えというのだ?
         困惑したのは軍上層部の方です。
         それでも、一つのセクションを任されることになり、そこに集まったのは……
         動物の擬態を専門とする大学教授、材料の調達(まぁ、真っ当な方法じゃありませんが)なら任せてくれという不良軍人、何かを作るのならお手の物という大工、色の専門家である画家などなど、ある意味では軍では居場所が無いような『不良集団』でした。

         彼らが投入されたのは北アフリカ戦線。
         ドイツの『砂漠のキツネ』と呼ばれた名将ロンメル率いる戦車部隊と対峙することになったのです。

         ジャスパーは最初は半信半疑の軍のお偉方の目前で次々とマジックを実現させていくのです。
         確かに、それまでも偽装やダミーという手段は用いられていたのですが、ジャスパーがやって見せたのはそれらを格段に向上させ、さらにマジック特有の心理的な駆け引きも織り込んだ偽装だったのです。
         それは素晴らしい成果を上げたこともあり、ジャスパーのセクションは徐々に軍に認知され、遂には『マジックギャング』との異名を取るに至り、ジャスパーの元には次々と不可能とも言えるような要請が舞い込むようになりました。

         敵の標的となっている軍港を守って欲しい。
         ジャスパーはその軍港を『移動』させてしまいました。
         ドイツ軍は何もない砂浜に空爆を繰り返すだけで、大事な軍港はしっかりと守られたのです。

         じゃあ、次は、航路の要スエズ運河を守って欲しい。
         ジャスパーは、何と!スエズ運河を消してしまったのです!

         不可能とも言えるリクエストはひっきりなしに舞い込みます。
         折りたたみ式の持ち運べる潜水艦が欲しい。
         高速艇を2種類の船に変身させてくれ。
         パラシュートを使わずに物資を安全に投下できないか?
         敵を釘付けにするために戦艦を一隻作ってくれ。
         砂漠に安全に物資を保管したいのだが。

         ジャスパー率いる『マジックギャング』はこれらのとんでもないリクエストを次々と実現していったのでした。

         何とも痛快なノン・フィクションです。
         しかし、その過程で、仲間を失って悲嘆のどん底にたたき落とされるジャスパーや、前線では兵士達が死んでいっているのに、自分たちは安全な後方でおもちゃを作っているだけで貢献できていないと焦る『マジックギャング』の心情など、シリアスな部分も織り込まれていきます。

         でも、実話だけに、本当にやってくれた!との驚きと、すごい奴らだと溜飲を下げるようなシーンが満載です。
         ジャスパーは、一世一代のイリュージョンを発動させる度に、マジックのステージの決まり文句である「ヘイ! プレスト!」(意外や意外!)を唱えちゃうのですが、これがまた格好良いったらありゃしない。
         胸がスカッとする(そして少しだけ悲しい)楽しい作品ですよ。
        >> 続きを読む

        2019/06/06 by ef177

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      三重スパイ CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」

      黒原敏行 , WarrickJoby

      5.0
      いいね!
      • 映画ゼロ・ダーク・サーティを見たことをきっかけに読了。アフガニスタン基地で起きた自爆テロ事件の顛末をまとめた良書。アルカイダとの戦い、テロとの戦いの実情が伝わってくる。 >> 続きを読む

        2017/11/05 by 香菜子

    • 2人が本棚登録しています
      ロジスティクス 戦史に学ぶ物流戦略

      谷光太郎

      5.0
      いいね!
      • 「ロジスティクス」は、流通業界ではよく知られた言葉でしょう。でもこの言葉は本来戦争時に使われる言葉であり、ロジスティクス(logistics)という言葉が、英語の表現であり、日本では兵站(へいたん)と昔から言われています。

         ロジスティクスの概念は近代西欧で生まれました。簡単に言えば物資の補給活動のことです。

         参謀(staff)の職種には3種類あり、作戦、情報、ロジスティクスです。旧日本軍では幹部候補生はもとより華々しい「作戦」参謀になりたがったものですが、西欧では最優秀なものはロジスティクスを志したといいます。

         以前友人と電話で会話して、太平洋戦争時の、ガダルカナル島攻防戦を巡って紛糾しました。この島では、日本側の物資が届かず、直接の戦闘による戦死者より、餓死者、マラリア感染による病死者が多く出たので有名です。必要物資が届かなかったためです。友人は「輸送船団が沈んだ」と言っていましたが、私は「輸送船団は沈められた」と強調しました。このニュアンスの違いを、友人は最後まで理解できませんでした。それは、当時の日本陸・海軍も同様でした。

         自らの補給は万全にしておいて、敵の補給をズタズタにすることが勝利への近道なのです。そう、輸送船は「沈んだ」のではなく「沈められた」のです。ロジスティクスさえしっかりしていれば、作戦部門がちょっとばかりヘボでも、華々しい戦闘をせずとも、「真綿で首を絞めるように」必ず勝てるというのが西欧の戦争思想なのであり、ロジスティクスこそが戦争の根幹作業なのです。

         私は以前在籍していた環境化学分析の会社ではロジスティクスに相当する作業をやっていました。ダイオキシンの分析において、実験に必要とされる器具をぬかりなく洗浄・乾燥し、次の実験に備えたわけであり、私がそれをやる前は器具がおうおうにして間に合わず実験が滞っていたので、同僚には感謝されました。物資の補給という意味ではまさしくロジスティクスでしょう。

         現在、日本の自衛隊はイラクにおける海上ロジスティクスを分担しており、第二次世界大戦のころよりはこの分野の重要性が解ってきているかな、との感があります。なお、ロジスティクスについての理解に、「ロジスティクス」(谷光太郎:同文書院:1993)をお奨めします。


        最後に:ロジスティクスは戦争の最重要分野です。それを分担していた日本の自衛隊は現実的にイラク戦争に加わっていたと言ってもいいでしょう。そういえば、陸上自衛隊は引上げても航空自衛隊がロジスティクスに加っていました。「後方支援は戦闘行為ではない」という日本人の持つコンセンサスは、正しい戦争像ではありません。

            太平洋戦争での日本の敗因の、最大のものはロジスティクス軽視だと思います。
            インパール作戦、ガダルカナル島攻防戦、鍵を握ったのは、ロジスティクスです。
        >> 続きを読む

        2012/10/28 by iirei

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています

カテゴリー"戦争、戦略、戦術"の書籍一覧 | 読書ログ

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本