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近藤誠
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日本人はとかく医者に行きたがる。それは国際的に見ても明らかなようだ。国民皆保険は素晴らしい制度だと思うが、それが病院には行かなきゃもったいないという心理を働かせて医療・製薬業界を潤わせていると見るのはあまりにもひねくれすぎなのだろうか。医療技術が飛躍的に進歩したのを否定するつもりはないが、その進歩を支えてきたのは実験台になってきた我々人間だということも忘れてはならないのではないか。また、日本人は権力や肩書で人を判断しがちであるとも思う。その結果、医者という肩書がある人がいうのだから間違いないと信用してしまい過度な手術や薬でかえって寿命を縮めているのは残念なことである。逸見さんの壮絶なまでの治療生活を思い出すと、世間にやせ細った姿をさらしてまでも結果あっという間に逝ってしまったことを考えると、医療にできることというのは実は限られているのかもしれない。我々ができることはまず正しい情報をしっかり得て病気と向き合うこと。抗うのではなく受け入れること。これはそれぞれの死生観にも関わってくると思うが、一番自然な生き方なのではと感じる。ちなみに私は自営業なので久しく健診には行っていない。世話になっているのは歯医者くらいか。しかし、問題なく生きられているし、おそらくこの先もそういうものとは離れて生きるのだろうと思う。いわんや、普段の規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事、適度な運動、非喫煙を心がけているのは言うまでもない。 >> 続きを読む
2015/11/15 by PEZ
赤根洋子 , NortonTrevor
本屋でブラブラしていると、POPで面白そうに紹介されてたので購入。先人達に感謝の念しかない……!というのがシンプルな感想。特に出だしの方に載っている、「麻酔がなかった時代の手術」描写。これは(手元に本がないのでうろ覚えだが)当時の女流小説家が、乳房の摘出手術をした時のことを書いた文章らしいが、超痛そう!もうただただ乳房を抉られているだけで、こんなの手術とちゃうわ!ふざけるな!とか思ったり。そういえば最近経済発展の目覚ましい東南アジア諸国の歯医者では、未だに麻酔なしで抜歯をするのが普通らしい。古典的なやり方は今尚続いている。そんな麻酔の話を始め、毒や放射能、ヤバイ病気やサメと戦ったり、とにかく先人達の努力がウイットに富んだ文章で書き連ねてある。しかし最後まで読むと、如何せん大きな目標があるような話でないため、すごく疲れる。例えば過去から現代までの、膨大な学者たちの人生を賭けた挑戦……とくるとサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」なんかが思い浮かぶが、あちらがフェルマーの最終定理を証明するという何ともドラマチックなオチがあるのと比べると、オムニバスにマッドサイエンティスト達の実験がダラダラ続く今作は、読むのは起伏がある意味ない為に、ちょっと気合がいる。元々、真面目に内容というよりかは面白く関心を持ってもらおう!というような内容なので仕方ないが。ひとまず重ねて言いたいのは、私たちがこうやってのうのうと生きたいられるのも、ここに出てくる彼らの努力の賜物。重ねて感謝申し上げます…!! >> 続きを読む
2017/01/02 by れのお
大棟耕介
笑いの力、それは、生きる希望。プロの道化師(クラウン)として、無償で病院訪問する著者の苦悩日記。闘病の子どもたちに、一瞬でもいいから日常を忘れさせたい。しかし、亡くなった子どもたちの情報やたった数分しか会えないときの非力感に、悩む日々。しかし、悲しみ、落ち込んではいられない。笑いのプロだから。そんな著者の苦悩する気持ちが痛いほど伝わってくる。子どもたちが笑う。その親たちが笑う。その親たちを見て、子どもたちが笑う。笑いの連鎖。「自分の子供の笑顔を見るのは久しぶりです」憂鬱な顔をした親たちを見て、子どもたちは、元気をなくしているかもしれない。引っ込み思案だった著者が、趣味で始めた道化師で、自分をさらけ出すことに目覚める。一流の道化師として、高度な技もこなせる著者が、ホスピタルクラウンに一番必要なことに気づく。「そこにいるだけで優しい気持ちにさせること」気負いはしない。病気を治すことはできない。病気に立ち向かうきっかけになればいい。そんな著者の気持ちが綴られた本著に、自分は、せめて、自分の家族や周りの人へ笑顔を見せたいと感じた。 >> 続きを読む
2014/09/06 by てるゆき!
大津秀一
一言で言うと期待外れであった。死ぬときに後悔すること、というタイトルから向き合った患者の体験談や考え方を紹介するのを期待していた。が、内容としては患者の愚痴をかみ砕いた筆者のエッセイのような中身だった。内容の一つに、患者ですらない酒の席での発言が取り上げられていたのを見ると、ただ書きたいことを書いているだけのように感じを受ける。ハッとするエピソードも無かったし、あまりオススメは出来ない。 >> 続きを読む
2019/09/05 by ショック
鎌田実
タイトルに囚われすぎると、この本の本質を見誤ることになる。厳しい状況かもしれないが、自分自身の思いを大事にして、少しでも踏み出す勇気を持つこと。それは、空気に従うのではなく、空気を作り出すことになりうる。やがて、周囲の理解、協力、評価につながる。 >> 続きを読む
2020/03/25 by けんとまん
竹内久美子
血液型で性格が変わるのはホントウ?!美しさは寄生虫に強い証?!動物行動学者の竹内久美子さんのエッセイ。20年以上前の原稿らしいので科学データとしては古いのでしょうが、文章が面白いので読んじゃいました。テレビで「ホンマでっかTV」という明石家さんまさんの番組がありますが、この本もおんなじ路線かな、と思います。科学バラエティ。美しさは寄生虫に強い証、だなんて、美学を科学で物語る竹内節がすきなんですよねー。最新科学ではどうなんでしょうね、気になります〜。 >> 続きを読む
2016/12/15 by botan
1000人以上の死を見届けてきた緩和医療専門医が、患者たちが死を前にして語った後悔を25の項目にまとめた本。人は死ぬ前に何を後悔するのか気になって読んでみましたが、予想を裏切るような突飛なものはありませんでした。人生は人それぞれ、人の数だけ人生がありますが、人生で大切なことというのは意外にシンプルで、多くの人に共通しているのかもしれません。ということで、内容的に驚きは少なかったのですが、緩和医療専門医である著者ならではの記述には興味深い箇所がいくつもありました。最も印象に残った項目は、「23 生と死の問題を乗り越えられなかったこと」です。生と死の意味について自分なりの考えを持っていれば、死を前にしたときの後悔や恐怖が少ないということです。生と死の意味について考えることは、死の前に限らず人生の全てを充実させてくれるものと思いますので、私も考えてみたいと思いました。 >> 続きを読む
2017/12/09 by kaoru
岩田健太郎
患者中心の医療というのは耳に心地良い響きをもつが、表面的なコトバに欺されてはいけない。まわりから与えられた視点を鵜呑みにしない、賢い患者にならなくては。著者は「お医者さんごっこ」をキーワードにしているが、その中味は読んでのおたのしみ。 >> 続きを読む
2014/06/28 by junyo
小林力 , MeyersMorton A
セレンディピティとは偶然を意味する言葉である。ペルシアのおとぎ話『セレンディップの3人の王子』に登場する主人公の王子たちが旅の途中で偶然、思わぬ出来事に遭遇したことから生まれた言葉だと言われている。本書では、医療分野においてセレンディピティによる革命的な発見、発明についての事例が紹介されている。医療に限らず、世界を変えた発明品のほとんどはセレンディピティによるものではないかという気がしてならない。 >> 続きを読む
2019/06/23 by hiroki-s
山崎章郎
読書ログでは表題が「病院で死ぬということ」となっていますが、本作はその続編「続・病院で死ぬということ - そして今、僕はホスピスに」です。 こうやって書くと著者はこれから死に瀕していく患者のようですが、そうではありません。むしろ真逆。回復がほぼ難しい末期がん患者たちの治療 というか最後の期間をいかにその人らしく過ごしてもらうかということに心を砕いて向き合う医師が、実際にホスピスでケアにあたった経験をもとに書き綴ったものです。 前作を読み終わってから7年。いつか読もうと思って本棚の肥やしになっていたものをこのたび手にとって開いてみたら、なんだかあれよあれよという間に読み終わってしまいました。 誰もが避けては通れない親しい人たちの、そして自分自身の「死」ついて、とても考えさせられる本です。 必ずしも悲惨な話ばかりではありません。だからといって美談でもありません。飾られない「死」と向き合った人たちの物語とそれらに対した著者の想いが収められています。 楽しかったり面白かったりする読書ばかりではなく、たまにはこういった作品を読んでちょっと命などについて考えてみることも必要ではないでしょうか。本書はそういった契機になる一冊だと思います。そういう期待もこめて★5つとさせていただきます。 ちなみに著者には本作以降の経験をふまえて書かれたほかの作品もあるようなので、いずれ手にとってみたいと思います。 >> 続きを読む
2015/07/25 by kengo
森実敏夫
Rを使って、この本の内容の例題を解析してみます。
2012/07/09 by nagaetty
加藤尚武
哲学の授業の課題「健康であることは美しいことか?」という遺伝子工学、堕胎、障害についての小論文の参考文献として読んだ。以下に、気になった部分を書き記す。・医療とは異常な状態を正常な状態にして初めて正当なものとされるが、果たして正常とは何なのか?―p.25・異常とは、変動するものである。ミシェル・フーコーの記述に近いものがある―p.98・「正常と異常の差異は客観的ではない」。たとえ異常だとしてもそれは生存権の否定にはならない。必要なのは、正常でないなら排除しても良いという偏見である。―p.99・ハンス・ヨナスの影響でドイツ憲法は「人間性に背く行為をしてはならないとして」遺伝子操作を禁じていた。・ヒトゲノム解析によって―p.198 ①治療法のない遺伝病の保因者であると告知される悲劇が起こる ②人種的に優秀であるものとそうでないものが区別され、人種差別が正当化される ③雇用、就職、結婚、保険の加入について新たな差別の問題が発生する ④優生主義を加速させるといった問題が起こる。―p.204 >> 続きを読む
2017/07/05 by shinshi
百島祐貴
タイトルだけで手にとった割には面白かったかなと。今では当たり前に恩恵を受け過ぎていて、大発見の凄さが実感しにくかったが、その陰の人間模様はなかなかドロドロしてたりして興味深い。いつの世も新しい発見は認められ難いようだが、そういう認識はだんだん変化していくのだろうか。 >> 続きを読む
2013/06/27 by freaks004
香山リカ
何かためになるかと言われたら、そうでもないと僕は答えるでしょう。けれども、香山さんの考えや働き方がエッセイとして載せられていることで、香山さんの本が好きな私は楽しめました。こんな生き方もあるんだと思えて心が少し楽になりました。 >> 続きを読む
2015/01/27 by REOPALD
小川康
チベット医学を修めた日本人のお話。東北大薬学部から紆余曲折があって、チベット。スゴイ人がいるな〜と思い、本を読む事にした。標高3000mで命がけで薬草を採取してくる授業。う〜ん。何を読んでもスゴイ。日本でも薬草の知識がきちんと伝承されて欲しいものです。 >> 続きを読む
2019/01/21 by kucoma
川嶋朗
著者は、治療の手始めとして、患者さんたちがどのように生きてきたのかを伺うそうです。 そのなかで、患者さんが口にする後悔こそ、病気になった原因である可能性が高いことに気づいたとのこと。 著者は、「自分の理想な死とは何か」を考えることを、QOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)の充実であると提案しています。 詳細なレビューはこちらです↓http://maemuki-blog.com/shohyou/health/kawashima-koukai/ >> 続きを読む
2013/11/16 by ヨッシィー
SandelMichael J. , 伊吹友秀 , 林芳紀
大学の倫理学の課題レポートのために読んだ。ただ、もともと興味のあった本で、数年前に話題になったハーバード大学のマイケル・J・サンデルによる生命倫理についての小論文をまとめたものである。短い内容ながら示唆に富んだ内容で、この類の本の中でもかなり明晰な議論がなされていた。以下に、参考になった部分を示す。・優生学には批判の多い旧優生学とリベラル優生学がある。ニコラス・アガーによると「昔ながらの権威主義的な優生主義者が、中央集権的に設計された単一の枠組みを通じて国民を創り出す方法を模索していたのに対して、新たなリベラル優生学は国家の中立性をその顕著な特徴としている。」・ハーバーマスの言葉「われわれには手の届かない生の原初の偶然性と、自らの生に倫理的な容貌を与える自由との結びつき」。これは我々の生命の非贈与性の観念を想起させる。たとえ優生主義的な子育てが子供を害したり子供の自律を損なったりすることはないにしても、批判の余地が残されている。優生主義的な子育ては、世界に対するある種の姿勢―人間の能力や優秀さが持つ非贈与性的性格を見失わせ、所与との絶え間なき交渉に存在するはずの自由の一部を喪失させるような、支配と統御の姿勢―を表しており、またそうした姿勢をはびこらせてしまう。・第5章全編。 >> 続きを読む
2017/07/07 by shinshi
中原和彦
以前、夕方のニュース情報番組で、中原先生が出てらして…お手玉でうつ病治療にあたられているという内容でした。先生のお話がとても印象的で、福岡じゃなかったら、東京とかだったら、絶対、直接お会いしたいくらいでしたが。。ネットで調べたら本を出されているので即買い。でも、なかなか読めず。。(すみません)読むと、とっておきたい言葉や実践がたくさんありました。こちらのすばらしいメモ機能を利用して、書き込みさせていただいています。 >> 続きを読む
2013/09/26 by ともぞう
207ページ: 私も、人生には意味があると思う。しかし、考えても考えてもわからないのではないかと思う。意味を求める限り、それは出会わないものではないか。人生で遭遇すること、それらに真剣に向き合うことで、おのずとその人の人生とその意味が浮かび上がってくるのではないかと思う。探して見つかるものではけしてなく、今を一生懸命生きる中、「そこにある」ことを見つけるのが、その人にとっての人生の意味なのではないかと思う。「Not doing but being(何かをするのではなく、ただそこにあること)」であるのだろう。 >> 続きを読む
2015/03/19 by Neo*
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