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カテゴリー"河海工学、河川工学"の書籍一覧

      水が世界を支配する

      矢野真千子 , SolomonSteven

      4.0
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      •  久しぶりに読み応えのある本であった。水をめぐる、人類の歴史を古代から現代にかけて俯瞰している。

         水は人にとってなくてはならない代物である。水が無ければ、人は三日と生きていけないのだ。

         水が無ければビールを飲めばいいじゃない、などとマリー・アントワネットもびっくりなことを言う人はいないと思う。だいたい、ビールで洗濯やお風呂掃除はできないだろう。

         それはともかく、古代から人類は水の問題に悩まされてきた。そして今もそれは続く。

         水に関しては色々な問題があるけれど、その中でも特に重要なのは供給の問題である。農業にしても工業にしても、水なしでは、それも海水ではなく淡水なしには成り立たない。

         地球は水の惑星と言われているけれど、地球上のすべての水のうち、淡水はわずか2.5%と言われている。しかもそのほとんどは、永久凍土など固体(氷)の形になっており、飲用を含む人が利用できる淡水は1%にも満たないのである。

         そんな貴重なお水であるけれど、古代文明はその水のおかげで成立した。インダス、エジプト、メソポタミア、黄河と言った世界四大文明はいずれも大河、つまり大量の淡水を供給できる地域で発展した。

         つまり、たくさんの人口を養い、文明を育てるにはたくさんの水が必要ということである。それは今も変わらない。アメリカの工業化が成功した背景には、アメリカ大陸における比較的大量の水が使用できたことが大きい。

         そう、水は資源なのだ。

         資源と言えば、化石燃料や鉱物を想像するかもしれないけれど、発電にしろ製鉄にしろ、水なしには成り立たない。

         もう一つ、排水の問題がある。近代ロンドンなど急速に都市化した場所では、工場や家庭で汚染された水が問題となっている。

         汚染された水は飲むこともできないし、疫病を広める原因になる。このため欧米では、浄水技術を開発させざるを得なかった。

         ここで重要なのは、水は効率的に使わなければならないということだ。例えば地下水を使い過ぎると地盤沈下を起こしてしまう。川の水が減れば水産資源にも影響が出る。

         そしてもう一つ、水はきれいに使わなければならない。汚れた水は、それだけで人類の脅威だ。鉱工業での水質汚染は有名だが、農業でも化学肥料や農薬の使用によって水が汚れてしまうことがある。

         現在、発展途上国において水の問題は深刻である。水不足により農業生産高が上がらなければ飢餓が発生するし、水質汚染による環境破壊も問題だ。

         日本は比較的水に恵まれた地域なので、普段あまり意識することは無いかもしれないけれど(水という点で日本は資源大国である)、水は無くてはならない大切な資源ということを今一度、考えて欲しい。

         とりあえず、歯磨きする時に水を出しっぱなしにするのは止めよう。
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        2014/09/25 by ぽんぽん

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      水危機ほんとうの話

      沖大幹

      4.0
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      •  皆さんは伝言ゲームというものをやったことがあるだろうか。一つの文章を数人で順々に伝えて行くというチームで競うゲームだ。多くの場合、話した内容が段々と変わって行く。特にチームの人数が多ければそれだけ変わる可能性も高くなる。もちろん、一番内容が変えず、正確に情報を伝えたチームが勝利者となる。

         現代社会は情報化が著しいので、そんな伝言ゲームのような情報変質が起こり易いのではないか、と筆者は懸念する。というのも、ブログや掲示板など誰でも安易に情報発信ができてしまうため、不確かな情報でも拡散してしまう危険性がある。

         なぜ冒頭にこんな話をするかというと、この世界に広まっている水に関する話には、そんな変質した情報が多いからである。二十数年前までは考えられなかったことだが、近年は水に対する関心も高まっており、様々な場所で水の情報を得ることがある。

         科学とは疑うことから始めるものであり、本書は水の問題以前に、何ごとも疑ってかかる、つまり一歩止まって考えてみることの重要性を示してくれる。

         例えば地球は「水の惑星」と呼ばれているけれど、実際には表面の約七割を水が覆っているだけで(地下水や氷河もあるが)、その成分のほとんどは鉄とニッケルで出来ている。

         こういう見方はちょっと意地が悪いかもしれないけれども、他には「木が多い所に水があるのではなく、水の多いところに木がある」という話も印象的であった。よく考えれば当たり前なのだが、人は一度思い込むと中々考え直せないようだ。

         だから、例えば砂漠に木を植えるというプロジェクトも、たくさん水が無ければ意味をなさない。

         そんな水に関する偏見や誤解を解くには本書は良いものになるだろう。水に関してよく知らない、という人に対しても、章末にまとめがあるのでそれを読むだけでもわかりやすい。

         水は今や一大産業である。ミネラルウォーター市場は言うに及ばず、ウォーターサーバーやスーパーでの水販売、はてはお風呂やトイレなども水関連の商品だ。そういったお金の関わる分野でもあるため、水に関する情報には、少しばかり注意したほうがいいかもしれない。
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        2014/09/30 by ぽんぽん

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      ダムマニア

      宮島咲

      5.0
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      • ダムの型式、ダムの目的、その他ダムについてとてもわかりやすく書かれています。
        ダムの目的なんて水を貯めることと発電でしょ、って普通は思っているけど、発電していないダムもあるし、普段水を貯めないダムもあります。
        ダム好きだけど知識のなかった私はこの本がとてもためになりました。
        ツーリングでダムに立ち寄ることがある人はこの本でちょっと知識を身につけておくと、今までと違った見方ができて面白いかもしれません。
        ダムファン必見の1冊です。
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        2012/12/26 by marilyn

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      水の未来 世界の川が干上がるとき

      PearceFred. , 古草秀子

      4.0
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      •  皆さんは「仮想水(バーチャルウォーター)という言葉をご存じだろうか。

         これはモノの生産にかかった水の量を考慮したものである。前回のレビュー『水が世界を支配する』でも書かれていたことなのだが、あえて説明しておこう。

         たとえば、小麦1トンを輸入することは、その栽培に必要な1000トンの仮想水を輸入することを意味する。これは農産物に限らず、工業製品にも言えることだ。ほとんどの工場ではモノを作る時に鉄にしてもプラスチックにしても、その製造工程で水を使う。繰り返すようだが水は資源であり、人はそれなしには暮らしていけないし、生産活動もできない。

         本書はそんな貴重な資源である水の不足している問題を、豊富な資料だけでなく実際に現地に行き、関係者に取材をして書き上げた労作である。

         今、世界中で水不足が深刻な問題になっている。

         特に発展途上国ではダムを作り灌漑設備をを整えて、農業生産を高めることが増える人口を養ったり、輸出をして外貨を獲得するための手段となっている。

         だがダムを作ったり、人為的に河川の流れを変えることで、逆に環境に負荷を与えることになることもあるという。特に、水はけの悪い場所に農地(それも大量に水を必要とする綿花畑など)を作ると、地中にある塩分が析出して、作物が育たなくなることもあるという。

         地下水を過剰に引き上げると、地盤沈下が起こることはよく知られているけれど、其れ以上に生きるために必要な水が身近になくなることは問題だ。

         どこの国とは言わないけれど、大量にダムを作ったために土壌の変質や土砂災害に悩まされている所もある。我が国も豊富な水資源を利用したダム大国なので他人事ではない。

         また、水の問題は国際対立に発展することもある。日本史の中で村同士で水の配分を巡って紛争が発生した、という記述があるけれど、それの国家レベルの対立もある。例えばインドとパキスタンの国境地帯のカシミール、イスラエルのゴラン高原などは水問題も重要な要因となっている。

         著者は、言うまでもなく貴重な資源である水の有効利用と平和的な教養を主張している。色々とあるけれど、例えば雨水を溜めておいて、いざという時に使用する、というのも一つの方法だ。雨水は、飲み水には向かないけれど、淡水だし、トイレの水なら使うこともできる。実際に雨水をトイレに使う設備もある。

         何はともあれ、この貴重な水を人類の未来のために有効に使うことは我々の未来に対する責任であることは間違いないだろう。そして先進国としては、途上国に対してダムなどを使った大型灌漑設備よりも、もっと自然に対する負荷の少ない農業形態を提案していく必要があるのではないだろうか。
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        2014/09/27 by ぽんぽん

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      ダム2

      萩原雅紀

      4.0
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      • 改めて、凄い建造物だということ。

        よくもまあ、人って造るんだななあ~と。

        それぞれの表情が素晴らしいし、自分の眼でみたのもあるので、その時のことが蘇ってくる。

        やっぱり、有峰ダムがいい。

        一番、身近な存在。
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        2018/04/14 by けんとまん

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      ダムカード大全集

      宮島咲

      5.0
      いいね!
      • 先日、「ダムマニア」を紹介したので、やっぱりこれも紹介しないとね!
        読むというより眺める感じですが、2011年までに発行されたダムカード全て載っています。
        ダムに興味のない人には面白くはないかもしれませんが・・・。

        ダムカードはダムの簡易パンフレットといったところでしょうか。
        全てのダムで発行しているわけではありませんが、少しずつ増えてきています。
        ダムファンはみんな集めていますよ。
        遠くのダムに出かけるのは大変なので、ヤフオクなどでも取引されているようです。
        私は関東のダムを中心に現在26枚集めました。
        「ダムマニア」でダムに興味を持った方は、ダムに立ち寄った際にダムカード貰ってみてくださいね。
        たいてい管理所でくれます。
        >> 続きを読む

        2013/01/09 by marilyn

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