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カテゴリー"日本画"の書籍一覧

      画図百鬼夜行全画集

      鳥山石燕

      4.5
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      • 面白かった。

        それまで、ふわっと存在していた一つ一つの妖怪に、形と背景を加えた妖怪集の古典。

        あ、こんなのまで妖怪なんだ、と思うものが多く、また怖くないものが多いのも面白い点。

        昔の人は、怖いもの=妖怪、ではない角度で捉えていたように感じます。


        この作品には出てこないけれど、狐の嫁入りなんかも、好きな奇譚。

        単なるにわか雨を、
        狐が嫁入りする道すがら、見られないように雲をさーっと通して陰が出き、雨はお嫁さんの涙。
        とする想像力、
        昔の人は凄いなあ、と感嘆します。

        こういう不思議で素敵な日常のファンタジーを集めて、子どもに教えてあげたいと思ってます。
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        2017/08/18 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      広重の予言 「東海道五十三次」に隠された"謎の暗号"

      坂野康隆

      5.0
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      • 今まで何気なく見ていた安藤広重の東海道五十三次。
        (といっても、まともに見たのって子供の頃にお茶漬けのおまけに付いていたカードだけど…)

        広重は陰陽道に精通していたため、この一連の作品には随所に暗号や呪文がかくされているとのこと。
        この陰陽の法則に照らし合わせると、55枚の絵(始点と終点を加えた枚数)は4年単位の区切りになるらしく、広重の生まれた年を始点とすると、終点の京都が2013年になるそうだ。

        そして終点の京都には、存在しないはずの赤い山があり、それが富士山の噴火を暗示しているとのこと。

        信憑性はともかく、こういう謎解きの本って好き。
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        2013/01/24 by Magic_Hour

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      奇想の系譜

      辻惟雄

      5.0
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      • わが国の近世絵画における「奇想」をテーマに、6人の画家 岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳を取り上げ、その系譜を解き明かそうという試み。

        初版刊行から40年たった今日でも読み継がれている。本書を契機として若冲らの評価につながったようであるから、名著ということになるのだろう。

        著者は6人を、「表現主義的傾向の画家 -エキセントリックでファンタスティックなイメージを特色とする画家」と評しているが、一見すると薄気味悪さが先にたつ。気分がささくれ立つような悪趣味とでも言おうか。

        全6章からなる本書は、章毎に人と作品を解説していく体裁となっている。本書で紹介されている画家たちは、総じて作品に勝るとも劣らない奇矯な人物だ。傲岸、不遜でさえなければ、後世に残るような異才を放つ作品を残せないのかもしれない。

        浮世絵の元祖 岩佐又兵衛が、幾人かの画工を要する工房で制作をおこなっていたなど発見が多い(レンブラント工房を連想する)。僕は、若冲の作品はそもそも好きなのだが、人となりの良さが他の画家の中で際立っていて面白かった。

        本書が単なる美術史におわっていないのは、読みものとして味わいが深く、著者の哲学的ともいえる慧眼が文章から滲み出ているからだ。作品を評する著者の言葉の選択も勉強になる。著作をとおして、読者と作品を近づけるには、読者の心に響く言葉が重要なのだ。

        本書を読み進めるうちに、著者のいわんとする「奇想」の意味を理解することができる。グロテスクなだけの第一印象がガラリと変わってしまう。どうやら、彼らの個性=オリジナリティが、当世風に対するアンチテーゼというわけではないようだ。

        「<主流>の中での前衛として理解されるべきである。異端の少数派としてその特異性を強調することは決して私の本意ではない」

        いわゆるアバンギャルド。薄気味悪いと感じたのは、芸術の前衛性を理解できない僕の感性が貧困だということか。


        「「奇想」というものを、江戸時代絵画の特産物ではなく、時代を超えた日本人の造形表現の大きな特徴としてとらえたいと思うようになっている」

        著者の思いは実に壮大なのである。

        なお、掲載されているほとんどの図版はモノクロなので作品の鑑賞には向いていない。本書を読んで興味をひかれたならカラーのアートブックを手にするのが良いだろう。
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        2013/02/14 by hit4papa

      • コメント 4件
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      江戸猫 浮世絵猫づくし

      稲垣進一 , 悳俊彦

      4.0
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      • 200年前の愛猫家を思い浮かべてみる


        日本初!
        猫の浮世絵だけを集めた作品集。
        歌川広重,河鍋暁斎,歌川国芳,鈴木春信など江戸のトップ絵師の作品を厳選し,江戸庶民の生活とあわせて,フルカラーで紹介する本。
        猫好き,浮世絵好き,江戸文化好き必見。

        浮世絵が漫画のルーツだということもよくわかります。
        もしも猫の町があったら...の章の"お風呂屋さん"なんか抱腹絶倒でした!

        ながめてるだけで楽しい。
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        2018/07/13 by motti

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      ミラクル絵巻で楽しむ「小栗判官と照手姫」 伝岩佐又兵衛画

      太田彩

      5.0
      いいね! Tukiwami
      • 中世末から近世にかけて成立した語りもの文芸に「説経節」と呼ばれる物語群がある(cf:『説経節―山椒太夫・小栗判官他 (東洋文庫 (243))』。「俊徳丸(信徳丸))」や「山椒大夫」に加えて、最も有名な話の1つが、非常にドラマチックな起伏のある物語、「小栗判官」である。
        この「小栗判官」を絵巻にしたものが知られており、宮内庁三の丸美術館に所蔵されている。登場人物が「豊頬長頤」(豊かな頬と長い顎)と称される、岩佐又兵衛の絵に特徴的な容貌を持つため、又兵衛作と考えられているが、主人公の容姿が一定しないことなどから、又兵衛1人ではなく、「工房」のような形で、弟子と共に制作されたと考えられている。

        本書はその小栗判官絵巻を書籍の形にまとめ上げたものである。15巻ある絵巻の名場面を選りすぐって、あらすじと共に収録し、解説を付す。
        これが滅法おもしろい。

        小栗判官のストーリーを簡単に記す。
        鞍馬の毘沙門天の申し子として生まれた小栗は、武芸に優れ、堂々たる体躯の美丈夫。結婚相手をえり好みしているうち、深泥池の大蛇に見込まれ、情を通ずる。邪な振る舞いが都人の噂となり、怒った父親は小栗を常陸に追放する。
        侘び住まいの小栗は、ある日訪れた商人の口から、相模国に日光山の日月の申し子といわれる美貌の姫がいると聞く。その名は照手。小栗は早速文を届けるよう商人に命じる。不躾な文の送られように一度は怒った姫だが、文の内容には心曳かれていた姫は、商人の取りなしもあり、返事をしたためる。美貌の2人はめでたく契りを結ぶ。
        だが、東国では親の赦しを得ずに妻問いをするなどもってのほか。怒り狂った照手の父、横山殿は、小栗をもてなす振りをして亡き者にしようとする。横山殿は鬼鹿毛と呼ばれる人喰い馬を飼っていた。怖ろしい馬であることを伏せ、馬術をご披露あれと小栗を厩に案内する。途中の道には馬に食われた人の白骨が散らばる。猛り狂う馬を前に、小栗は少しもひるまず、鬼鹿毛を手なずけ、軽業までやってのける。
        怒り骨髄の横山殿。日を改めて謀殺の策を練る。照手は夫が死ぬことを暗示する悪夢を続けざまに見たため、父の屋敷に行くことを止めるよう泣いて頼むが、小栗は妻をなだめ、舅の家に赴く。横山殿は酒に毒を仕込み、家来もろともまんまと小栗を殺してしまう。
        横山殿は、他人の子の命を奪っておいて自分の子供を助けるわけにはいかないと、照手を淵に沈めて殺すように家来に言いつける。家来は照手を殺すのが忍びなく、輿に乗せて流す。
        照手は浜で老人に拾われるが、老人の妻に邪険にされ、売り飛ばされてしまう。売られ売られて美濃国。美貌を見込んで遊女になれと言われるが、夫のある身とこれを断る。怒った主人は下女としてこき使う。
        一方、閻魔大王の前に引き出された小栗。小栗の家臣たちの懇願もあって、小栗を現世に帰してやろうと決める。但し、六根(「眼耳鼻舌身意」)を失った餓鬼の姿である。よみがえった上野が原から、他人の手を借りて熊野へと詣で、湯に浸かることができれば、元の姿を取り戻せるだろう、と告げる閻魔。
        通りかかった上人は、小栗に餓鬼阿弥と名付け、土車を作ってやった。熊野へ向かうこの車を引くものには功徳ありと胸札に書き、まず自らが途中まで曳いてやる。さまざまな人々に曳かれて照手のいる美濃へとさしかかる。照手は餓鬼を見て、夫の功徳となるかと、雇い主に頼み込んで休暇をもらい、車を引く。浮いた噂を避けるため、狂女の振りをし、懸命に曳く。休みをもらった期日が来たため、夫本人とは知らずに本復の後は尋ね来よ、と自らの名と所を胸札に記す。
        艱難辛苦の後、熊野に辿り着いた小栗は、湯浴み養生の末、ようやく元の姿を取り戻す。都の父母と再会し、帝に拝謁して五畿五国と美濃国を賜る。餓鬼であった自らを助けてくれた下女を訪ねた小栗。小栗と照手は、思いも掛けぬ涙の再会を果たす。
        罰すべきものは罰し、賞すべきものは賞した後、小栗と照手は末永く添い遂げ、みまかった後は小栗は八幡の神に、照手は縁結びの神として祀られているという。

        簡単に、といいながら長くなってしまったが、波瀾万丈の物語である。
        絵巻では、この物語が、華麗な色彩、ダイナミックな構図、流れるような場面展開で見事に現されている。
        豊頬長頤の又兵衛の絵は、個人的にはどちらかというと異様に見えるのだが、めくっているうちに何だか確かに美男美女を描いているように見えてくるのが不思議。
        家来を従えて恋しい人の元に走る小栗、多くの女房にかしずかれる照手、千人もの供養僧を引き連れた葬列、毒薬に苦しむ小栗や家臣、大勢の遊女たちにこき使われる照手など、群像絵も多い。色彩も鮮やかで、各人もそれぞれ表情豊かに描かれており、勢いがある。活気ある工房で描かれたと言われれば、さもありなんと思うような、見る人の心を浮き立たせる仕上がりである。

        この物語は、これまで原作と漫画(近藤ようこ:『説経小栗判官』)でも読んでみたが、今回気付いて興味深かった点が3点。
        ・六根清浄の六根は、眼・耳・鼻・舌・身・意の6つ。小栗が熊野の湯に入ると、眼、耳、口と週に1つずつ回復していって、七七、四十九日で元に戻る、とあるけれど、あれ?六根に加えてもう1つ何かある・・・?
        ・照手は餓鬼阿弥の車を引く際、男達に言い寄られることがないよう、「狂女」=ものぐるいの振りをする。このものぐるいは能のものぐるいと通じるものかも(cf:『隅田川 (対訳でたのしむ)』)。
        ・人喰い馬、鬼鹿毛。よみがえった小栗と再会を果たした後、どうなったかというと、何と漆で塗り固められて馬頭観音として祀られたのだとか。どこまでも規格外の馬、鬼鹿毛。何かすごい。

        読めば読むほどおもしろい小栗判官の物語。
        絵巻が今後公開される機会があればぜひ実物を見てみたいものだ。
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        2016/07/08 by ぽんきち

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