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カテゴリー"楽器、器楽"の書籍一覧

      パリ左岸のピアノ工房

      村松潔 , CarhartThaddeus.

      4.8
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      • 【楽器が好きな方にはたまらない一冊】
         主人公の『わたし』は、パリ左岸に住むアメリカ人の中年男性です。
         ある時、自分が住んでいる地区に不思議な店があることに気付きます。
         その店にはピアノの部品が並べて展示されており、時々ピアノが運び込まれてもいましたので、ピアノの修理店かなとも思われたのですが、こんな所にピアノ修理店なんてあるのかなぁと不思議に思っていました。

         いつもの通り道だけにその店が気になって仕方が無く、中を見てみたいのですが、『わたし』はピアノを持っておらず、一体どういう口実で店に入ればいいのやら。
         でも、『わたし』は子供の頃からピアノを習っており、もう随分弾いていないとはいうものの、ある程度はピアノを弾けました。
         そしてまた、自宅にピアノを置きたいと思っていることも事実でした。

         中古のピアノを買いたいのだけれど、どこか良いお店を紹介してもらえないかという口実ではどうだろう?
        こうして、『わたし』はパリ左岸にあるピアノ工房に出入りするようになっていくのです。
         その店はリュックという男性が切り盛りしている店で、表から見える店の奥にはかなり広いスペースがあり、そこには何台ものピアノが運び込まれ、修理されていました。

         その店は、限られた顧客だけを相手にしてやっている中古のピアノ販売店だったのです。
         リュックと親しくなった『わたし』は、店に運び込まれている沢山のピアノを見せてもらい、また弾かせてもらいました。
         リュックの蘊蓄に耳を傾け、また、それぞれのピアノの個性に触れ、それは楽しい時間を過ごしていたのですね。

         ある時、リュックから、「あなたにぴったりのピアノが見つかったよ」と言われ、一台のピアノを紹介されます。
         『わたし』は住居スペースの関係から、買うにしてもアップライト・ピアノしか置けないだろうと考えていたのですが、リュックが紹介したのはグランド・ピアノでした。
         いえ、ベビー・グランドだから家に置けるはずだというのですが。

         聞いたこともないメーカーのピアノでしたが、リュックは「そんなことは気にする必要はない」と自信満々です。
         試奏させてもらったところ……その豊かな音色に一発でやられてしまいます。
         妻を説得し、家にスペースを作り、遂にそのピアノを買ってしまったのですね。

         本書は、この様なピアノを巡る静かで、パリ左岸というちょっとおしゃれな雰囲気も漂う作品です。
        何よりもピアノにまつわるリュックと『わたし』の話が楽しいのです。
         リュックは、どんなに素晴らしいピアノでも、金持ちが飾るために買ったようなピアノは「死んでいる」と言い、そのようなピアノとの接し方を嫌っていました。
         そんなピアノがリュックの工房に買い取られて来ると、これから生きたピアノになるんだと言うのですね。
         この感じは大変よく分かります。

         私は、下手くそながらギターを弾きます。
         ですから、楽器に対する興味はありますし、自分のギターを選ぶ時のわくわくしながらも緊張する感じも何度も経験しています。
         そういう感じがすごく共感できるんですね。

         ギターにもありますよ。
         とても高い、有名なギターを沢山買っているうらやましい人がいますが、その人はギターを大切にケースにしまって飾るだけで、ほとんど弾こうとしないのですね。
         そりゃ、弾けば弾き傷もつきますけれど、それを嫌がって弾かないのです。
         確かにそれらのギターは、良いコンディションで美しいまま保管されてはいるのですが。
         でも、私もリュックと同様に、それではギターがあまりにも可哀想だ、弾いてあげてこそだと考える人です。

         また、人によっては、大した技量もない者が高いギターを買うのは滑稽だし、無駄で、みっともないことだと言う人もいます。
         「大して弾けもしないくせに」というわけですね。
         私は、それにも異論があります。
         もし可能なら、技量が伴わなくても良い楽器を弾くべきだと考えています。
         下手は下手なりにせよ、良い楽器に触れ、演奏してみると、音の違い、弾きやすさの違い等々を実感することができます。
         その経験は、自分の中の、楽器に対するものさしになるのですね。
         可能であるならば、なるべく良い楽器を弾いた方が良いと思いますし、それは滑稽なことでも分不相応なことでもないと考えています。

         おっと、話が横道にそれてしまいました。
         そういう、楽器に対する思い入れ、楽器の魅力、楽器に触れた時のうれしさ、そういう気持ちが一杯に詰まった素敵な作品でした。
         ピアノの歴史、ピアノの構造などにも話が及びますが、私は、大好きな作品でした。
        >> 続きを読む

        2019/10/15 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム

      古屋晋一

      3.5
      いいね! Tukiwami
      • 【もしもピアノが弾けたなら】
         私はピアノなど弾けません(一応、子供の頃習っていたことはあるのですが、赤バイエルで挫折!)。
         なので、超絶技巧を弾きこなすピアニストってどうなっているんでしょう?という興味から読んでみました。

         もちろん、ピアニストの方は長時間の練習を反復することにより手指の特殊な動きをマスターし、様々なテクニックを身につけるわけですが、それと共に脳にも変化が現れているんだよというのがこの本の趣旨です。
         確かに、それなりの技術を身につけているピアニストと、一般人の比較では、脳の反応等に違いが出てくるようです。

         また、長い曲や長時間のコンサートをこなすためには、それなりの「省エネ」の演奏方法も身につけているのだというお話も。
         「省エネ」というとやや語弊があるかもしれませんが、要は無理のない負担の少ない演奏方法ということですね(筆者もピアノを弾くそうですが、手を痛めたことがきっかけでこの分野の研究に進んだのだそうです)。

         はい。ピアニストは色々痛めたりもするのです。
         腱鞘炎などはもちろんそうなのですが、フォーカル・ジストニアというトラブルもよくあるのだそうです。
         これは、思うように指が動かなくなってしまうのだそうですが、その原因は、腱鞘炎のようなフィジカルな問題ではなく、脳の問題なのだそうです。
         つまり、過度の反復練習により、指の動かし方について脳内に過剰な「地図」といいますか、パターンが形成されてしまうのだとか。
         いや、そこまで練習するのね。

         音色の話もなかなか面白かったです。
         同じ音の大きさで演奏するという条件で、同じピアノで音色の違いは出せるのか?という問題です。
         演奏家は「出せる」と言い、音響学者は「物理的に不可能」と言っていた時期があったのだとか。
         私なんか、「音色の違いってあるじゃないの」って単純に思ってしまうのですが、確かにピアノはその構造上、鍵を叩けばハンマーが弦を叩いて音を出すわけですから、同じ大きさの音を出すのなら物理的に差は無く、同じ音色にしかならないじゃないかと言われるとぐっと詰まってしまうのですが……

         ですが、その後の研究により、弾き方によって、弦を叩くハンマー・シャンクのしなり具合が微妙に変わるので、それによって音色の違いが生まれる、鍵を叩くように弾くか押すようにして弾くかによって、キーに触れた時の「ノイズ」が変わり、それがピアノ本来の音と同時に聞こえるので音色も変わるなどということが分かってきたのだそうです。

         なかなか興味深い話題もありましたが、全体的には概ね常識の範囲内のお話でしたでしょうか。
         まぁ、そりゃそうだよね。
         目から鱗的なびっくり話とまでは行きませんが、それなりに興味深い一冊でした。
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        2019/07/17 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      爆音ギター女子図鑑 萌えるロックの名器たち

      岩高爆音部

      3.0
      いいね!
      • 暇つぶしに買ってみたものの、解説が詳しく、かなりマニアックなメーカーまで紹介されていて勉強になりました。

        ただ、有名なギターよりアニメなどで使用されたもののほうが詳しく解説されており、SGスペシャルやムスタングがカラーでテレキャスターが二色刷りページで紹介ってどうなの?ということで評価は低めです。
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        2013/05/31 by janet

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      メキメキ上達!究極のアコギ練習帳

      野村 大輔

      3.0
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      • 最近忙しくってアコギまったく触れてません。
        不本意ながらエアギターだったりしますが、仕事の合間に読んでます。

        アルペジオ~!!!!
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        2012/05/29 by katsu

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ ギター・マガジン

      小林信一

      4.0
      いいね!
      • 当時流行っていましてネタで購入したギターの教本ですが、最初の1ページ目からアホみたいに難しくて笑いました。

        この本を購入してから4年近く経ちますが、未だに最初のトレーニングフレーズすら弾けません、メタルでピロピロ早弾きしてる人ってすごいんだなって思います。

        いつか弾けたらいいなと思いつつ本棚に眠っている一冊です。
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        2013/06/03 by janet

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ

      小林 信一

      4.0
      いいね!
      • 教則本なので、読書といえるか微妙ですが、、、
        ギター上級者に教則本としてお勧めだと教えられて購入。

        「地獄」と書いてある通り、素人には難しそうかと思いきや、各フレーズに難易度が松竹梅と設定してあり、レベルに合わせたトレーニングができそうです。
        途中に出てくる小話も面白く、おどろおどろしい表紙程は怖くないかもしれません(笑)
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        2013/05/08 by TORAZOO

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    • 1人が本棚登録しています
      プログラマーが教えるDTMテクニック99

      齋藤久師

      3.0
      いいね!
      • 良い本だった!

        わたしのように、適当にDAWはいじるけど基礎も技術もない・・・という初心者にはうってつけの本。

        ちゃんと、付録の99音源のほとんどを聴きました~。その音源も、変化がわかりやすいなど配慮が行き届いていて、わたしでも理解できました。

        印象に残ったところ、列挙します。

        ★本全体に、肯定感があること: 「こんな音はダメ」というような記述は一切なく、「味」「個性」という観点がしばしば述べられています

        ★本書のいいところ:擬音がわかりやすかったです。すでに一般名詞になっているのかもしれませんが、ディスコサウンドの「ツクチーツクチー」「チッチキチッチキ」、この擬音で、ああ、あれだ~ってすぐにわかります。「ワウ」「ピューン」「ブリブリ」はよく聞く擬音ですが、「チュン」は・・・・ああ、あれかと思って感激しました。

        ★前から疑問だったのが、リズムはMIDIですべきか、オーディオループですべきかという点でした。本書では「MIDIはカシっとしたトラック作りに、オーディオはなまなましいグルーブを出したいときに」とあり、また、両者を混在させても良いとのこと(潜水艦みたいな音を合わせたものもありました)。このページを見れただけでも、読んだ価値がありました!

        ★いきなり最初のほうで「適当打ち込み」「偶発フレーズ製作」のお言葉!・・・ランダム打ち込みはわたしもやってましたが、そうか、そういうことみんなやっていたのか、と嬉しくなりました。
        ハンドクラップによる予定調和・・・を崩すテクニックも面白かったです。自分がいかにリズムの整合性みたいなものにとらわれていたのかを痛感します。

        ★ボコーダー:もともと軍事利用だったのですね。使ったことなかったのですが、そろそろ挑戦したくなりました。

        ★生活音16個によるループサウンド:これも本の最初のほうで出てきて、すごい、面白すぎます!感動しました。

        ★ブレイク:キック抜き、小節の頭1拍を抜くのがヒップホップではよく使う。自分の音源でも良くブレイク使いますが、抜くものは何でもいいのかもしれません。

        ★ブロックからブロックにつながるところにオカズのSEとして・・・ホワイトノイズの上昇、など・・・なるほど・・・わたし、この音好きです。

        ★キックを重ねて重みを出す、スネアの分解能を高めることでフランジング効果が出る、リバースシンバルを自分で作る←やってみよう。

        ★リアルなストリングスのような倍音は出せないが、シンセらしい音は、「暖かく」「柔らかい」こともある・・・というのは、表現としては意外なようですが、わかる気もしました。ブリブリなノコギリ波のシンセベースの暖かさ。そして本書では、荒々しく前に出る効果のあるディストーションもときに「暖かみが出る」と書かれていました。

        ★チョップで切り刻み、部品を使ったり、切り刻んだ感じを楽しんだりする・・・楽しそうだなあ。本書では「白玉」を切り刻んだりするテクニックがいくつもありました。

        ちょっと書きすぎてしまいましたが、本当に良い本で、よしやってみようというテクニックがたくさんありました。
        そして、前書きを見たら「ダンスミュージックに特化したテクニック」だそうでした(笑)

        わたしのPCのDAWソフトは、なんか知らないけど波形を編集するとフリーズしてしまうことが多かったのですが、この良い本にめぐりあえたことをきっかけに、アップデートしちゃおうかしら、などと思いました。
        >> 続きを読む

        2016/07/11 by みやま

    • 1人が本棚登録しています
      音を大きくする本 音圧をあげるための基本からプロレベルまでそのテクニックのすべて

      永野光浩

      5.0
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      • ミックスやマスタリングの本は数多く出ていますが、ただ純粋に「音を大きくすること」だけに焦点をあてた男らしい一冊です。

        この本に出会うまではただ音圧を稼ぐために漠然とコンプレッサーやリミッターを使用して潰せばいい、と考えていましたがそもそもコンプレッサーの意味や具体的な使い方まで丁寧に解説してあり、何をどうすればよいか判断できるようになりました。

        とても薄い本ですが、音圧を稼ぐためのことは詰まっておりますので音圧戦争に負けてしまいそうな人にオススメできます。
        >> 続きを読む

        2013/05/30 by janet

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      Sonar 8完全攻略ガイド

      平沢栄司

      4.0
      いいね!
      • DTMを初めてやる人、sonarを初めて触る人にオススメです。

        文章ではなく画像やイラストメインで一つずつ丁寧に解説されているまさに初心者向けの一冊。

        特にバンドサウンドの音楽を制作したい、という人に向いています。
        ギターや歌の録音や修正の仕方が事細かに写真付きで説明してあり、フリーソフトで挫折しかけた私を救ってくれた本です。

        ただ、DTM中級者以上の人には基本的すぎる内容なので他のDAWからsonarに切り替えたい、徹底的にsonarを使いこなしたいという人には

        徹底操作ガイド(リットーミュージック)
        MASTER OF SONAR(ビー・エヌ・エヌ新社)

        こちらのほうが向いているかもしれません。
        >> 続きを読む

        2013/05/30 by janet

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています

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