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渡辺義浩
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「史記」が伝えるところによれば中国の歴史は、「三皇五帝」から始まるらしい。本書は三皇五帝~宋代の歴史の流れに沿って、それぞれの言葉にまつわる人物エピソードをもとに解説されています。次のエピソードも前の人物、または国にリンクしていて、繋がりがわかりやすくなっています。時代小説を飛び飛びに読んでいた私にとって、朧気ながらも中国史の流れがわかったのが一番の収穫です。あと、晋以降ほとんど何があったかもわからないのに、意外と知っている故事成語が多くて。「破竹の勢い」「暗中模索」「春眠暁を覚えず」「馬耳東風」「国破れて山河在り」「推敲」「一網打尽」・・・書ききれない。残念だったのは、今読んでいる宮城谷さんの「湖底の城(呉越春秋)」と北方さんの大水滸シリーズの行く末がわかってしまったところです。すごく個人的なことですが。。。以下、お気に入りをいくつか。●完璧趙の藺相如が秦の昭王を相手に、和氏の壁を完全な形で持ち帰ったことから「完璧」という言葉が生まれる。命がけの任務を完璧に遂行したこのエピソードがとても好きです。廉頗将軍との「刎頸の交わり」と合わせて、専横やら粛清だらけの中国史の中、ほっとする故事成語です。●狡兎死して走狗煮らる優秀な者は必要な間は大切にされるが、必要となくなった途端かえって邪魔になり、捨てられることが多いという意味で使われる。越の范蠡。功臣でありながら、呉を滅ぼした後は引退を表明。周囲が止めるのも聞かず、斉に亡命し、今度は商人として巨万の富を築きました。ここまでの身の処し方は他にあるのかというほど、見事!「湖底の城」范蠡編がますます楽しみになりました。●前門の虎、後門の狼後漢はこれでもか、というほど宦官と外戚の利権争いでした。前漢は外戚によって滅び、後漢は宦官の専横で国を傾けることになります。外戚が前門の虎、宦官が後門の狼と、一難去ってまた一難という意味になります。これに旱魃や飢饉が加わり、よく知る黄巾の乱が勃発します。この本、私のものでないのが残念ですが、頃合いを見計らってまた読みたいと思います。 >> 続きを読む
2017/05/05 by あすか
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