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小川洋子
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物語は特別なものではなく、誰もが日々作り出しているもの。作家の仕事は、それらの物語を自らの感性でキャッチし、「言葉」によって形作ることである。つまり、「言葉は常に遅れてやってくる」。第二部の、小川洋子さんが一つの小説を生み出すまでの過程は興味深い。小説を書いてみたくなる。柳田邦男氏の息子さんのエピソードが印象的だった。人間は、物語を必要とする生き物なのだ。 >> 続きを読む
2014/07/25 by seimiya
奥泉光 , いとうせいこう , 渡部直己
この2人の『世界文学は面白い』は、この本の続編だったと知ってすぐに購入。『世界文学~』とは違い、文学全般について語っており文学の現在であったり、創作の苦しみなどについての話もあって全体的にトーンは真面目で重いです。でも、2人の掛け合いの妙技はここでももちろん楽しめるしやはり、公共の場では読みにくい程笑えるし渡辺直己の脚注もピリっと効いていて何回も読み直せる一冊に出会えたかな…といった感じです。私は、奥泉光の小説をアンソロジーの中に入っていた短編一つしか読んだことがなかったのだけれど、その小説の持つ雰囲気からは想像も出来なかった…。こんな人だったとはねー!!小説家って、やっぱりすごいです。 >> 続きを読む
2012/07/01 by oka-azu
松岡正剛
【月と遊ぶ。月づくしの一冊なのです。】 松岡正剛氏の月にまつわるエッセイ集を再読しました。 自ら『月球派』と名乗る松岡氏は、いつものとおりの博覧強記と蘊蓄で、月にまつわる様々な事柄を綴っていきます。 まずは、章立てが良いです。『睦月』、『如月』、『花月』、『卯月』……と月の名前になっています。 いや、それは、「monthの月だろう?」とおっしゃいますが、それはもちろんそうなのですが、旧暦のmonthの名前でもあり、天体としての月とも無関係ではないようです。 そもそも、『一日』(ついたち)という言葉も、『月立ち』という言葉から派生したもので、本来の意義では、西空に日が沈んだ後に月がほのかに見え始める日からしばらくの間を『ツイタチ』と言っていたのだそうです(つまりは上旬ですね)。 それがいつの間にか一日目だけを指す様になったのだとか。 このように、語源にまつわる話もあれば、もちろん、文学や美術にまつわる話もあります。 そうそう、そういえば、つい最近再読した、イタロ・カルヴィーノには『やわらかい月』という作品がありましたっけ。 これは月がまるで液体か何かのように柔らかい物であって、それが地球に接近したことから、月から雫の様な物質が地球に降り注ぐという話でした。 もちろん、『やわらかい月』については本書でも触れられています。 さらには、月はそもそもどうやって生まれたのかという天文学に関する説の紹介があったり、月のリズムということが生物に及ぼす影響というテーマにも触れられています。 とにかく、ジャンルを問わず、月にまつわる様々な話題が豊富に取り上げられている作品です。 取りあえず、エッセイということにしましたが(松岡氏も、自分で本書のことをエッセイと呼んでいますので)、単なるエッセイというのとはまたひと味違った味わいではないでしょうか。 私も月には大変魅かれるところがありますので、このような月にまつわる話を読ませてもらえるのはとても素敵なことだと思うのでした。 >> 続きを読む
2022/02/04 by ef177
鹿島茂 , 丸谷才一 , 三浦雅士
▶「BOOK」データベースよりまったく新しい文学観、「いま読んで面白いもの」という大原則で、古典から現代までの世界・日本文学全集を編み直す壮大な試み。ディドロ1巻、ジイド1/3。「プーシキンは原文対訳で」。谷崎3巻、芥川1/2。「大江健三郎は現代の私小説である」などなど。全300巻を選ぶ侃々諤々の編集会議のすべて。▶著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)丸谷/才一1925(大正14)年鶴岡市生れ。『年の残り』(1968)で芥川賞受賞。『たった一人の反乱』(1972、谷崎潤一郎賞)『樹影譚』(1988、川端康成文学賞)『輝く日の宮』(2003、泉鏡花文学賞)などの小説、『忠臣蔵とは何か』(1984、野間文芸賞)をはじめとする評論など、数多くの作品がある鹿島/茂1949(昭和24)年横浜市生れ。専門は19世紀フランス文学だが、書評、パリや古書に関するエッセイ、性愛論、小説など、広範な執筆を続けている。『職業別パリ風俗』(1999)で読売文学賞、『成功する読書日記』(2002)で毎日書評賞を受賞。明治大学教授三浦/雅士1946(昭和21)年弘前市生れ。雑誌「ユリイカ」(青土社)、「大航海」「ダンスマガジン」(新書館)などの編集長をつとめながら、文芸、現代思想、バレエなどについて活発な評論活動を続ける。『身体の零度』(1994)で読売文学賞、『青春の終焉』(2001)で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。▶<読書百冊意自通ズ覚書>三人の対談でまずびっくりしたのは、丸谷があまりしゃべっていない、ということだ。 まぁ丸谷もお年だし、オブザーバーとしてと考えていたのかな、と思うけれど、それにしてもびっくりするくらいしゃべっていない。今までの対談では、だいたい丸谷の様々な知識や見解が展開されていくパターンだったと思うのだけど。 それは、一つには、丸谷もお年で、若い二人に任せるか、的なところもあったと思われる。そしてもう一つには、この二人の知識量と意見がハンパない。だから丸谷も、自分がわざわざ言わなくても、この二人が言ってくてるから自分は必要なとこだけ突っ込んでおけばいいや、と思っていたのかもしれない。 そう、とにかく、鹿島・三浦両氏の人間文学辞書とも言えそうな知識がハンパないのである。 あまりの博識ぶりに#1、如何に本を読んでいないか痛感させられることになった。なぜなら、名前は知ってるけれど読んだことはない、ならまだしも、名前すら見たことも聞いたこともねえ!という作家がいっぱい出てくるのだ。それも外国文学ならまだしも、日本の文学で、である。 ある程度は知名度はあるだろうが、マイナーなのだろう、と片づけたいところではあるけれど、この対談のコンセプトを思い出すとそうも言っていられない。そもそもこの本、架空の文学全集を作るとしたら、誰の何の作品を選出するか?という主旨の対談本なのである。丸谷が最初に述べているように、いわゆるキャノン#2的なものにしたい、と言っているのだ。ということは、ここで挙げられている作品及び作家は、それなりに知り、読んでおくべきということで……。 と、見聞きもしない作品てんこ盛りながらも、中には読んだことのある作品ももちろんある。漱石とか芥川とか太宰とか、外国文学でいうとディケンズとかブロンテ姉妹とかドストエフスキー、ガルシア=マルケスなどである。そういう作家に言及しているところになると、なるほどと思うし、的外れだと感じるところはないので、恐らくこの人々の審美眼は確かで、自分が全っっくわからない作家についても、妥当な、もしくは的確な意見を述べているのだろうと思われる。 とにかく、今からでも読まなければ!と再認識させられた。同時に感じたのは、読むべき本が多すぎる、ということだ。 この架空の全集を見るとよくわかる。日本人は日本の歴史が長いので、自国の文学というものがそもそも莫大な上に、現代文学とのつながりという意味でも西洋文学にも重要な書物がたくさんあり、それにプラスして日本の古典と密接な中国文学があり(これは日本の古典を理解する上では必要最小限でもある程度読まなければならないだろう)、さらに日本及び出版の中心・NY発の現代文学、アメリカ文学、そして南米の文学…と、本当に読むべき本が多すぎる。千年以上の歴史のある自国の文学だけ見ても、相当な分量である。こりゃ大変なわけだ。 そして、人間は一生に読める本の量は決まっている。とも思った。 どんなに時間があっても、人生のすべてをかけたとしても、世の中のすべての本を読むことはできない。 そう思うと、読むべき本は種々あれど、限られたチャンスの中で厳選する必要がある。 そういうことのためのキャノンであり、この全集(架空だけど)なのだろう。 また、最後の方の、今の若い作家が本を読まない(文学を学ばない)ゆえに才能を枯らしてしまう、という部分が印象に残った。 感覚だけで書いてデビューして、でも読書量が少なく学んでいないので、技量が身についておらず、そのまま衰退してしまう。出版界でも、その作家が五十、六十代になることを考えて育てることはせず、十代でもヒットしそうならデビューさせて売って終わりだから育たない、もったいない、と。 そういうことに気づいて、デビューした後、自ら勉強したのが大江健三郎で、彼は今の作家のさきがけというかはしりみたいなところがあるねという話だった。まことに納得させられる。 文学というのは奥が深く、幅も広くて上を見ればキリがないけれど、とりあえず自分のできることから始めよう。 さしあたって、この架空の全集から次に読む本を選んでみようか。August 7, 2008 >> 続きを読む
2018/05/24 by rikugyo33
小谷野敦
斉藤美奈子
筒井康隆
大塚英志
小林康夫
立石伯 , 埴谷雄高
江藤淳
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川本皓嗣 , 小林康夫
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羽田詩津子 , ChinenAllan B
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