こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


カテゴリー"叢書、全集、選集"の書籍一覧

      栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック

      夏目漱石 , KavanAnna , 小山清

      3.0
      いいね!
      • BOOK OFFで360円買った
        今 太宰治の晩年を読んでいる
        中々 面白いと思う

        2016/02/27 by 孝志 松元

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹 , 阿部賢一 , HrabalBohumil

      4.3
      いいね!

      • ドイツ、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、ソ連といった国によって支配され、自分たちの運命を自分たちで決められないという、日常的な不条理の中で生きることを長らく強いられてきたチェコ人。
        その精神を体現する作家の一人が、「わたしは英国王に給仕した」のボフミル・フラバルだと思います。

        物語の語り部は、十五歳で駅でソーセージを売る仕事からキャリアをスタートさせ、プラハで一番のホテルの給仕長になり、やがてはセレブ御用達のホテルのオーナーになる、とっても背が低い男ヤン・ジーチェ。

        小さな国の小さな給仕が百万長者になり、しかし、財産を祖国に没収され、流れ着いた村でささやかな幸せを勝ち取るまでを、奇想天外かつ滑稽なエピソードと諧謔を弄する語り口で描いた、この小説の中には、英米文学ではあまり味わえない「一寸の虫にも五分の魂」的な、少しねじれた笑いが響き渡っていると思います。

        裕福な人たちが訪れるホテルで、ヤンはいろんな贅沢や飽食を見聞する。
        なかでも、出てくる高級な料理や飲み物のことごとくを美味しそうに飲み食いしているくせに、身震いしながら嫌悪感を示し、こんなものは食べられない、飲めないと言いながら、すべてを平らげる将軍のエピソードは、実に秀逸です。

        金も権力も美女も手中に収めながら、それでも満足を覚えることを自分に許さないという、持たざる者にはわからない、持てる者の不幸。
        そんな金持ちたちを眺めながら、ヤンは思うんですね。

        「労働が人間を高尚にすると考えたのは、ここできれいな娘たちを膝に乗せて一晩中飲んだり食ったりしている人たちにほかならず」、薪を割っているポーターの姿を見かけると、「このポーターは世界で一番幸せな人間だという印象をかれら裕福な人たちは抱く」くせして、「けっして自分から同じ仕事をしたことなどなかった」と。

        かといって、ヤンは金持ちを断罪しているわけではないんですね。
        ヤンには、ほとんど悪意というものがないんですね。
        いわば、タブラ・ラサ的な白紙人間。

        著者のボフミル・フラバルは、そんな邪気のないキャラクターに時代の目撃者、証人としての役割を担わせることで、金や政治に翻弄される人間の"滑稽や残酷や醜悪や切実や哀切"を、善悪や好悪のフィルターを通さず、剥き身のまま描き出そうとしているのだと思います。

        この物語の背景にあるナチス・ドイツの問題もまた、ヤンによって愚かしさを露呈するのです。
        ドイツ人女性のリーザと恋に落ちたヤンが、「人類の純粋培養」を企むナチスによって検診を受け、結婚後は「愛でなく、義務と純血と名誉に満たされ」た科学的なセックスを強要されて、挙げ句、金槌で釘を打つことだけが好きな知的障碍者の息子が生まれ、リーザがユダヤ人から奪った大量の高価な切手によって、百万長者になるまでを描いた第四章「頭はもはや見つからなかった」における、剥き身のナチス思想のグロテスクさと不条理は、この作品の白眉とも言えると思います。

        でも、語り口は、決して重くはないんですね。この作品の全篇を通して響きわたっているのは、実は"笑い"なんですね。

        テイストとして似ているのは、ギュンター・グラスの「ブリキの太鼓」で、かの物語がそうであるように、奇人変人めいた人物が大勢登場し、その奇行によって我々読者を愉しませてくれるんですね。

        因みに「英国王に給仕した」のは、ヤンが駆け出しの頃に尊敬していた給仕長の経験で、ヤン自身のアイデンティティはエチオピア皇帝に給仕したこと。
        他国の貴賓に給仕した経験が、「なんでそこまで?」というほどの誇りになってしまうんですね。

        チェコという小国の卑屈を、自ら笑うかのようなタイトルも秀逸な、中欧文学の傑作だと思います。

        >> 続きを読む

        2018/12/26 by dreamer

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹 , 青山南 , KerouacJack

      2.7
      いいね!
      • ビートニクという言葉をこの本で知りました。

        2017/05/25 by ayaka0920

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      世界文学全集

      住谷春也 , 池沢夏樹 , 大久保昭男 , EliadeMircea , MoraviaAlberto

      4.0
      いいね!
      •  この前は「恋」の話だったので、次は「愛」でも語ろうか。なーんてこんな気障な台詞、わたしには似合いませんね。わたしらしく、池澤夏樹さんの世界文学全集についてから。
         いささか機を逸する感じになりましたが、ようやく、ふだん行く二つの図書館でも全巻揃うようになりました。2、3年くらい前までの歯抜け状態から、煎餅が食べられるていどに落ちつき、先約の心配をしないで借りることができます。ただ、いつも『ハワーズ・エンド』はお留守番をしている。きっと日本人は全員読んだのだろう、気にしない気にしない。いくらわたしがフォースターびいきでも、この中から三冊選ぶとして、やっぱり『ハワーズ・エンド』は落ちる。ボフミル・フラバルの『わたしは英国王に給仕した』、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』、バルガス=リョサの『楽園への道』、もちろんすべては読んでいませんが、この三冊はだれが読んでもガッカリしないと思う。おすすめ。
         それはさておき、今日取り上げるのは、宗教学者で有名なミルチア・エリアーデの『マイトレイ』。エリアーデ自身がインドで経験した初恋の話を、これまでかとばかり初心に、そして神秘的な小説へと膨らませた。正真正銘の恋愛小説。ここでまた断らなくてはならない、わたしは恋愛には疎いのだ。映画『恋愛小説家』が好きなんだから仕様がない。
        「メルヴィン待って、メルヴィン待って」
        「黙れ、ガキ共」
        恋愛至上主義者にはこんな感じの叱責をしたいくらいだ。
         しかし、恋愛がない人生は寂しいですよ、多分。クリーム抜きのシュークリームですね。でもね~、スペックが高くないと恋愛は楽しめないでしょう(これ、使い方合ってます?)最近、若い人が「スペックが~」と会話していたから、パソコンの話かな? とそば耳を立てていたら、人間について話していたと分かり驚いた。機械文明の弊とどまるところを知らず。
         話が脇道に逸れました。エリアーデの『マイトレイ』、おもしろいですよ。しかし、初恋ってこんなに深刻なものかしら。うまく思い出せないんだよなあ、わたしのマイトレイ(あ、マイトレイってヒロインの名前ね)。なにしろ容姿を除いて、どういう女性が好きなのか未だに分かってないのだから(口うるさくない、頼りになる、この二つは大事かな~。「おまえは女か」って兄貴みたいなことは言わないで)。そんなわたしには刺激がつよすぎた。この本にはモラヴィアの『軽蔑』も入っています。
         
        >> 続きを読む

        2015/03/28 by 素頓狂

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      アフォリズム 525の格言集

      HarrisRobert

      5.0
      いいね!
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        男と幸せになるには
        彼のことをいっぱい理解してあげて、
        少しだけ愛してあげること。

        女と幸せになるには
        彼女のことをいっぱい愛してあげて、
        理解しようなんて思わないこと。
        >> 続きを読む

        2013/02/26 by 本の名言

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      不思議の扉

      大森望

      4.0
      いいね!
      • エアハート嬢の到着がちょっと物々しいけど惹かれるので、ライオンハート読みたい。
        calling you はすごく良かった。美亜へ贈る真珠は自分が美亜だったら納得いかない。これだけわからない。どこがいいのか誰か教えてください。 >> 続きを読む

        2016/05/04 by Judy

    • 3人が本棚登録しています
      不思議の扉

      大森望

      3.0
      いいね!
      • 洋邦。新旧。コンピレーション。

        僕はなんといってもジョー・ヒルの「ポップ・アート」がよかった。

        この本は気軽に読めるので、ちょっと置いといたら中学生の娘が読んでて「三時間目のまどか」(古橋秀之著)がおもしろかったって。
        うん、たしかに。

        しかし音楽CDだったらコンピレーション盤というか、今どき的に言えば「DJ○○」の名義っぽいのねwこういう本の形態ってw

        シリーズものの4作目とか知らずに読みましたが、こんなのなら気軽にまた読みたいなと思いました。
        >> 続きを読む

        2018/07/30 by motti

    • 3人が本棚登録しています
      少年少女世界名作の森

      井江栄 , BazhovPavel Petrovich , 松谷さやか

      5.0
      いいね!
      • ロシアの小説家、パーヴェル・バジョーフ(1879-1950)の児童向けの作品です
        溶接工の家に生まれたバジョーフは、長じて、学校の先生として働きながら、生地・ウラル地方の昔話を収集しました。その後、1917年に始まった革命に参加し、ジャーナリストとしての活躍も経て、作家となります。ウラル地方の伝説を盛り込みつつ、労働者階級の暮らしを生き生きと描いた作品集『孔雀石の小箱』は大きな評判を呼びます。短編が次々に書き加えられて最終的には50編ほどを収めた形で出版されます。
        本書はこの『孔雀石の小箱』から3つのお話(「石の花」、「山の石工」、「タユートカの鏡」)を選んでいます。「石の花」は特に有名なお話で、映画やバレエにもなっています。
        いずれのお話もファンタジックでありながら、登場人物たちが人間味ある「生身」の人間として描かれており、ストーリーにも起伏があって飽きさせません。
        以下、簡単に見ていきます。

        「石の花」
        やせっぽちのみなしごの少年、ダニーロは、ちょっと変わった子供でした。用を言いつけられてもてきぱきとこなすこともせず、人におべっかを使うこともなく、虫や葉っぱを眺めたり、角笛を吹いたりするのが好きだったのです。愛想を尽かされたダニーロは、皆に恐れられる、おっかない石工プロコーピィチ親方の元に修行に行かされます。石のことなど何も知らないはずなのに、親方の石の切り方に異を唱えるダニーロ。最初は腹を立てた親方でしたが、驚いたことにダニーロの言い分の方が正しいことに気がつきます。「こいつはすごいやつかもしれん」。親方は次第に、ダニーロに一目置き、かわいがるようになります。やがて立派な若い石工に成長したダニーロにはカーチャという恋人もできます。地主の旦那に頼まれた大盃の細工物もそれはそれは見事に仕上げるのですが、ダニーロには満足のいくものではありませんでした。いつしか、ダニーロは、伝説の「山の女王」の元で働く、「山の石工」の仕事が見たいと願うようになります。カーチャとの婚礼の夜、ついにダニーロは「山の女王」がいるかもしれないヘビ山を目指します・・・。

        「山の石工」
        「石の花」の続きのお話です。婚礼を目前にいいなずけのダニーロの行方がわからなくなってしまったカーチャは、お嫁にも行かず、ダニーロを待っています。年老いたプロコーピィチ親方を父と呼び、一緒に暮らすことにします。親方も寄る年波、体に悪い石工の仕事を続けたため、もう長くはなさそうです。一人になってしまったら、暮らしていくことができないと思ったカーチャは、石工の仕事を教えてくれるよう、親方に頼みます。女が石工の仕事をするなど、考えられないこと、と親方は拒みますが、カーチャは見よう見まねで細工を覚え、根負けした親方も簡単なことを教えてくれるようになります。やがて親方は世を去ります。工房に残っているのは半端な石ばかり。途方に暮れたカーチャは、山に入って石を探すことにします。そこでカーチャが見つけたものは・・・。

        「タユートカの鏡」
        鉱山で働く寡黙なガブリーロ。おかみさんは事故でなくなり、息子も死んでしまって、後に残ったのは小さな娘、タユートカだけ。日中は一人で留守番をさせることになりますが、小さい子のいる家に火を焚いておくわけにはいきません。かわいそうなタユートカは冬は寒い部屋で待っていなければなりません。山に女の子を連れていくのは、本当はいけないことですが、ガブリーロはタユートカに息子の服を着せ、仕事場に連れて行くことにします。ある日、意地悪な見張りのエラスコは、とても危ない場所の仕事をおとなしいガブリーロに押しつけます。その日、ガブリーロは男の子のふりをさせたタユートカも連れてきていました。親切な仲間のポルカルプィチじいさんは、「山の女王はきっと子連れのガブリーロにあわれみをかけてくださるよ」と声を掛け、二人と一緒に危ない持ち場へと向かいます。そこでタユートカは不思議な物を見つけます・・・。

        それぞれの登場人物がちょっとずるかったり、怖いけれども実は優しいところもあったりと、血が通っている感じです。波瀾万丈の人生を生きた作者の観察眼が生きています。
        「山の女王」は、どこか「雪の女王」を思い出させます。美しいけれど、柔らかくはない、硬質の心を持っているようです。
        冷たいといえば冷たいですが、凛とした輝き。
        人知を越えた石の結晶の美には、そんな湿り気やぬくもりのない煌めきを持つ女王こそがふさわしいのかもしれません。
        >> 続きを読む

        2016/05/13 by ぽんきち

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      いまだから読みたい本-3.11後の日本 3.11後の日本

      坂本竜一

      5.0
      いいね!
      • 実際に、ここに取り上げられている本や、巻末に紹介されている本を、自分で読んでみることで、この本の意味がでてくると思う。
        もちろん、紹介されている分だけでも、いろいろ考えさせられた。

        そんな中、丸山真男さんの本があったのは、流石、坂本教授だと思った。
        自分も1回読んだことがあって、それまでにない読み応え感があったのを記憶している。
        あとは、茨木のり子さんの詩集だな。
        >> 続きを読む

        2014/08/21 by けんとまん

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      厭な物語

      中村妙子 , アガサ・クリスティ

      5.0
      いいね!
      • 『崖っぷち』『すっぽん』『フェリシテ』
        『ナイト・オブ・ザ・ホラーショウ』『くじ』『シーズンの始まり』
        『判決』『赤』『言えないわけ』『善人はそういない』
        『うしろをみるな』の11篇収録

        結構、読んだことのある作品が多かったですが

        さすがに巻等の『崖っぷち』は上手い!!と思います。
        アガサ・クリスティはこの枚数ですら
        人の心の機微・行為にいたる着火点等。
        登場人物の心情だけでなく、それを読んだ読者の反応すら推測が出来ていたのでは・・・と勝手ながら思います。

        どれも救いのない話ばかりなんですが、
        個人的に淡々話が進んでいただけに印象に強く残ったのは『フェリシテ』のラスト。

        あとは有名な『くじ』

        「二度と読むか!!」と思っていた
        ソローキン作品を読む羽目になったのは残念でしたが。
        あとは『善人はそういない』と

        フレデリック・ブラウンの末尾に相応しい『うしろをみるな』が収録されているのが心憎い。

        表紙も良いですし、個人的には当たり!!のアンソロジーでした。
        >> 続きを読む

        2013/06/13 by きみやす

      • コメント 8件
    • 2人が本棚登録しています
      もっと厭な物語

      夏目漱石

      5.0
      いいね!
      • 『夢十夜』 より『第三夜』
        『私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書』
        『乳母車
        『黄色い壁紙』
        『深夜急行』
        『ロバート』
        『皮を剥ぐ』
        『恐怖の探究』
        『赤い蝋燭と人魚』
        『著者謹呈』の10篇収録

        前作が好評だったらしく今度は日本人作家も登場。
        夏目漱石の『夢十夜』 より『第三夜』
        これも嫌な話ですが、個人的には『第七話』のラストの“とりかえしのつかない”ラストも
        良い味を出していると思います。 教科書等で有名な『第六話』も好きです。

        個人的に印象に残ったシャーロット・パーキンズ・ギルマン『黄色い壁紙』
        解説を読んでみると著者の経験を知ると、登場人物の精神状態の描写の迫力もむべなるかな。

        有名な『ロバート』
        スタンリイ・エリン『特別料理』『九時から五時までの男』『最後の一瓶』『鏡よ、鏡』『闇に踊れ!』とか
        必死に集めていた頃を思い出します。
        本当に、話としては、「ああ、なるほど」という感じなのですが
        そこから、もう一個、山場があるのがポイントが高いです。

        『皮を剥ぐ』『恐怖の探究』
        なんか、作品集のスタンスがちょっと変わってきたような気もする作品二つ。
        グロテスクな描写があるので、読まれる方はご注意を。

        それにしても、夏目漱石とスタンリイ・エリンとクライヴ・バーカーが入った
        アンソロジー・・・ってすごいですね(笑)。

        そして、救いのないラストがトラウマになる方も多い
        『赤い蝋燭と人魚』!!
        絵本にもなっているのですが、有名ないわさきちひろ(画)の絵本も酒井駒子(画)の絵本も
        半端なく、怖いです(笑)

        酒井駒子さんって『よるくま』描いた人なのに・・・
        こういう絵柄も描けるんだと。
        そういった意味でも、驚かされる作品です。

        今回も末尾に相応しい『著者謹呈』
        このラストには思わず、口笛を吹いてしまいました。

        今回も読みごたえのある作品集でした。
        ちょっと『皮を剥ぐ』『恐怖の探究』の系統が増えるのは正直、苦手なので
        (次回があれば)もっと、心理的にくる作品を期待します。

        太宰治 『トカトントン』とか村上春樹『沈黙』とか。
        >> 続きを読む

        2014/02/19 by きみやす

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      河出世界文学全集

      手塚富雄 , 高橋健二 , ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

      4.0
      いいね!
      • ゲーテの「ファウスト」「若いウェルテルの悩み(若きウェルテルの悩み)」「ヘルマンとドロテーア」の3作品と概要、年表、解説が載った作品。

        私が今のところ読んだのは「若いウェルテルの悩み」だけである。そしてこの作品は先に読んだゲーテの「親和力」とよく似ている。もっと単純化されたもののようだ。

        自由な精神が人生の喜びを与えてくれる。恋愛はその中でも強いもので、若者は恋するだけで世界が一変してしまうが、人生を上手に運ぶには喜びだのなんだのは関係なく、生活に秩序を持たせる事が必要だ。
        しかし、世界を変えてしまうほどの人生の喜びはその他一切、人生すらも大事ではないものに変えてしまう。

        私たちは、人生はバランスをとるべきと正論を振りかざしてしまうがそんな人間にはもう人生の究極の喜びを味わうことはできないのかもしれない。


        人が間違った行いをするのは考え足らずや間違った考え、感情を持っていたからではない。
        その行いを正しいものと考えていたからなのだろう。

        >> 続きを読む

        2016/04/06 by ryochan333

    • 1人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹 , 水野忠夫 , BulgakovMikhailAfanas'evich

      5.0
      いいね!
      • ブルガーコフが発表のあてもないのに一生をかけて書き続けた小説。
        そもそも共産主義のソヴィエトに悪魔が現れるのが楽しい。
        悪魔は簡単に人を殺し、町に混乱をもたらし、その悪魔的な力を遺憾なく発揮する。
        悪魔は隠れていた巨匠を見つけ、マルガリータとの恋を再燃させる……。
        結末のイメージは映画「未来世紀ブラジル」なのだが、決してビターではない。悪魔がもたらしてくれた結末にもかかわらず。
        果たして本当に悪魔だったのか?

        ロックシンガーパティー・スミスも薦めていたけれど、わかる気がする。
        >> 続きを読む

        2015/04/17 by soulfull

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹

      3.0
      いいね!
      • 意識の流れとは、こういうことか。

        2017/05/25 by ayaka0920

    • 1人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹 , 石牟礼道子

      5.0
      いいね!
      • 20年以上前に第1部を読んだだけで、第2部、第3部は読まないままになっていましたが、この池澤夏樹個人選世界文学全集のお蔭で通読することができました。

        生死のあわいにあればなつかしく候
        みなみなまぼろしのえにしなり

        おん身の勤行に殉ずるにあらず ひとえにわたくしのかなしみに殉ずるにあれば
        道行のえにしはまぼろしふかくして一期の闇のなかなりし
        ひともわれもいのちの臨終 かくばかりかなしきゆえに
        けむり立つ雪炎の海をゆくごとくなれど
        われよりふかく死なんとする鳥の眸に遭えるなり

        4月21日、この詩を石牟礼さんの朗読で聴きました。
        パーキンソン病による震えは遠目からも明らかで、本来ならばドクターストップがかかるところ、これまで縁のあった人に、そして縁のなかった人にも、ただお礼がいいたいばかりに、今回を最後の講演にするつもりで演壇に上ったとのことでした。

        間に合ってよかった、とほんとうに思いました。

        池澤夏樹個人選世界文学全集に収録されている日本文学は、この作品だけです。
        それを知ったときには、ずいぶん大胆な選択だと思ったものですが、実際に読み終えて納得しました。
        >> 続きを読む

        2013/05/16 by 弁護士K

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      世界文学全集

      池沢夏樹 , 野谷文昭 , 木村栄一 , PazOctavio , CortázarJulio

      5.0
      いいね!
      • 一人の作家で書かれている本が、一品料理(またはコース料理)だとしたら、この短編コレクションのような本は、和洋中揃ったレストランのバイキングのような読む楽しみがあります。もともとはフアン・ルルフォ「タルパ」を読みたく借りてきたのですが、今まで知らなかった他の作家の作品も読めて、新しい発見がありました。
        ちなみに「タルパ」は、死目前の病気の兄を、その弟である主人公と兄の妻とで、病気を直してもらおうと遠くの町にいる聖母様の所に何日もかけて連れていくという話である。シーンの書かれている順番が絶妙で、何度読んでも美しく流れていく物語りを味わえる。死にゆく兄と、その妻と自分の3つ巴の関係が次第に変わっていく様が描かれている。

        掲載作家:フリオ・コルタサル、オクタビオ・パス、バーナード・マラマッド、フアン・ルルフォ、張愛玲、ユースフ・イドリース、P.K.ディック、チアヌ・アチェベ、金達寿、ジョン・バース、ドナルド・バーセルミ、トニ~モリスン、リチャード・ブローディガン、ガッサン・カナファニー、アリステア・マクラウド、レイモンド・カーヴァー、マーガレット・アトウッド、高行健、ガーダ・アル=サンマーン、目取真俊
        >> 続きを読む

        2017/08/27 by Reo-1971

    • 2人が本棚登録しています
      新編バベルの図書館

      富士川義之 , 酒本雅之 , 竹村和子 , BorgesJorge Luis

      5.0
      いいね!
      •  かつて、国書刊行会から「バベルの図書館」という、J.L.ボルヘス編集による変形版の全集が出ていたことがありました。
         私も何冊か購ったのですが、残念なことに既に絶版。
         あの時揃えておけば良かったと後悔していたのですが、この度新装版として新たに出版されることになりました。パンフレットによると全6冊だそうです。
         その記念すべき第1巻アメリカ編が本書です。
         収録されている作家は、ホーソン、ポー、ジャック・ロンドン、ヘンリー・ジェイムス、メルヴィルです。
         全ての作家さんの前に、ボルヘスの筆による序文がつけられています。
         では、収録作をご紹介しましょう。

         最初は、ナサニエル・ホーソン。「緋文字」が有名な方ですな。
        ○ ウェイクフィールド
         これはまた奇矯なお話で。
         旦那が、何を思ったのか家出をしちゃいます。
         最初はほんの1週間位の軽い気持ちで。
         しかも家出先が自分の家の裏通りという。時々家のそばまで行って妻の姿を見たりします。
         その1週間が1月、1年となり、なんともう何十年も帰らなくなったという、それでも家のすぐ裏に住んでいるという、いったい何なんだこれは?というお話。

        ○ 人面の大岩
         とある村に面した山肌には人の顔に見える大きな岩があったんですね。
         そのかんばせは、とても慈愛に満ち、高徳な印象を与えました。
         村の人達は、その大きな岩の顔が大好きでした。
         言い伝えがあるんです。
         その岩の顔にそっくりな人がいつか村に現れるって。
         その人はきっと世界中で高名な人だろうって。
         そんな岩を子供の頃から見て育った主人公のキモチを描きます。
         ええ、現れたりするんですよ、その岩の顔に似ている人が。
         でもね、ある人はお金の事ばっかり考えているような人だったり……。

        ○ 地球の大藩祭
         何でも燃やしてしまえ~。
         改革派がこの地球を支配しました。
         古くからの因習にとらわれない新しい世界を作るのだと言って、彼らが「悪い」と考える物は全部燃やしてしまえ~です。
         お酒、もう全部無いです。
         煙草も燃やされます。
         文学もダメだそうです。全ての本が燃やされます。
         涙する人もいるのですが、そんなの改革派にとっては知ったことじゃありません。
         どんどん燃やします。
         宗教関係も燃やされます。
         そうやって、これまでの人類の営みのほとんどを燃やし尽くす「改革派」。
         これって、どこかの国の政治にも似ているかもしれないなぁ。

         ポーからは、5編が選ばれています。
        ○ 盗まれた手紙
         名探偵デュパンが登場する推理小説の始祖とも称されている作品。
         さる大臣がとある高貴な方の手紙を盗んで官邸に隠匿しているのですが、警察が密かに徹底的な捜査をしてもどうしてもその手紙を発見できず、デュパンに泣きついたところ、あっさりと取り戻してくれたというお話。
         作中で「地図遊び」について語られているのが印象的です。
         この「地図遊び」というのは、出題者は地図に書かれているどんな言葉でも良いので選んで回答者に示します。
         回答者はその言葉が書かれている場所を見つけ出せば勝ちというもの。
         初心者はなるべく細かい字で書かれた見つけにくい言葉を出題しますが、上級者は○○山脈のように、地図の端から端に渡って大きく書かれているような言葉を選ぶものだとデュパンは言います。
         「その方が断然見つけにくいからさ。」と。

        ○ 瓶の中の手記
         海洋航海奇譚です。
         とある船に乗船していた主人公は、猛烈な暴風に出くわし、数少ない生存者となりますがそれもつかの間。
         もの凄い波に呑まれ、深い海底近くまで船は落ち込んだのですが、その恐ろしく高い波の上にはもう一隻の巨大な船が見えました。
         その巨大な船が落ち込んで行くはずみで主人公は元の船から投げ出されてその巨大な船に乗り移ってしまいます。
         ところがその巨大な船の乗組員達は、目の前にいる主人公に一向に気付かない様子で、彼のことを見ようともしません。
         話す言葉はどこの言葉かも分からず、皆年老いているようです。
         巨大な船は猛り狂う風に翻弄されるように南へ南へと向かい……。
         この物語を書いた時代には、海洋は南極で激しい渦と共に沈み込んでいると考えられていたようです。

        ○ ヴァルドマル氏の病症の真相
         死の間際にある人に催眠術をかけたらどうなるか?というテーマです。
         催眠術はかかるのか?かかったとして死の訪れを遅らせることは可能なのか?そんな疑問からまさに死のうとしている病人に催眠術をかけてみたところ……。

        ○ 群集の人
         群集と孤独をテーマにした作品です。
         一日中通行人を眺めていた主人公は、夜も更けた頃、不思議な老人に興味を惹かれます。
         その老人を尾行し始めたところ、老人は人だかりのある方へある方へと足を進めていくのです。

        ○ 落とし穴と振り子
         これは有名な作品ですよね。
         身体を拘束されて真っ暗な部屋に閉じこめられた主人公。
         この部屋は一体何だ?というわけで、壁伝いに探索を始めるのですが、どこまで行っても広さがよく分からない。
         それはぐるぐる周りをしているから。
         なので、靴ひもを切って目印に置いておきます。
         ようやく何となく部屋の広さが分かったので、今度は真ん中辺りを歩いてみようとします。
         その時、躓いて転んだのがラッキー。
         だって、自分のうつぶせに転んだ顎の先には地面が無いのですもの。
         落とし穴が掘られていたんですね。そこに落ちたら一巻の終わり。
         その後、また眠らされてしまって、今度はベッドのような所に縛り付けられています。
         身動き取れないです。
         で、視線を上に向けたところ、大きな刃が、しゅっ、しゅっと音を立てて左右に振れているじゃないですか! 
         その刃は徐々に下に降りてきます。いずれ自分の胸を切り裂き、内蔵を引き裂くことは必定。
         うわぁ~。というお話。
        >> 続きを読む

        2019/02/11 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      新編バベルの図書館

      川端香男里 , 望月哲男 , 池内紀 , BorgesJorge Luis

      4.0
      いいね!
      • 【一巻では足りない?】
         第5巻、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア編に収録されているのは、カフカ、ドストエフスキー、アンドレーエフ、トルストイ、グスタフ・マイリンク、ジョヴァンニ・パピーニ、アラルコンです。
         ドイツ、イタリアは幻想小説が多いので、これだけの国の作家を1冊に収めるというのはかなり窮屈かもしれません(大分厚い巻ではありますが)。

         さて、新編バベルの図書館は、果たして旧編収録作を全てカバーできているのか?
         これが問題なのですが、私も旧編は4冊しか持っていないのでなかなか検証できずにいます。
         取りあえず、カフカ、パピーニ、アラルコンに関して言えば、旧編に収録されているのと同数の作品がそれぞれこの新編にも入っているので、おそらく全作収録されているのではないかと思われます。
         マイリンクは、旧編を持っていますので対照してみましたが、旧編に収録されている3作品とも新編に収録されています。
         ロシアの3人については、旧編では「ロシア短編集」にまとめられていた作品が全て入っていると思います。
         なので、分かる範囲での対照ですが、多分大丈夫じゃないかと……。

         収録作の中で、カフカはかなり短めの作品を多く集めています。いかにもカフカらしい作品ばかり。
         パピーニは読んだことがない作家でしたが、いずれの作品も、死の影が色濃く漂った幻想小説という趣です。

         アラルコンは、2作品が収録されていますが、そのうちの「死に神の友達」という作品が結構読ませました。
         次々と不幸に見舞われ、貧困のどん底で自殺をしようとした主人公のもとに死に神が現れ、「君の友達だよ」と言います。
         その後、死に神の手引きによって、これまでの不幸の連続から一転して願いが叶いまくるのですが、これがなかなかに壮大な話になっていきます。
         ちょっとした寓話みたいなストーリーかなと思って読み始めたのですが、良い意味で裏切られました。

         ロシア3人組の中では、ドストエフスキーの「鰐」が面白かったかな。鰐の見せ物を見に行ったところ、鰐に飲み込まれてしまった男の話。いえ、鰐の腹の中で生きてるんですよね。で、出てくることを頑なに拒んでいます。この作品は未完だそうですが、何とも不思議な味わい。

         さて、新編バベルの図書館も残すところあと一冊になりました。なかなか刊行されませんが(現在予約受付中)、入手したらまたレビューしま~す。
        >> 続きを読む

        2019/04/28 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      新編バベルの図書館

      内田吉彦 , 井上輝夫 , 由良君美 , BorgesJorge Luis

      4.0
      いいね! Tukiwami
      • 【遂に完結!】
         長らくレビューを続けてきた「新編バベルの図書館」シリーズですが、この第6巻をもってめでたく完結いたしました~(ぱちぱちぱち)。
         第6巻は、ラテンアメリカ、中国、アラビア編です。
         とは言っても、中国編に収められているのは聊斎志異(少しだけ紅楼夢)だけですし、アラビア編はアラビアン・ナイトだけです(ヴォリューム的には十分なんですけれどね)。

         このアラビアン・ナイトが曲者なんですよね~。
         世にアラビアン・ナイトは様々な版が出ています。
         本書には、「ガラン版」と「バートン版」が収められているのですが、バートン版の方が網羅的でしょうね。ガラン版は読みやすいのですが、特に性描写などは割愛しているのも結構あります。「ガラン版は子供部屋に置け」と言われる由縁ですね。
         これに対して、「バートン版はドブに捨てろ」とも言われるそうですが、何もそこまで言わなくても(バートン版のアラビアン・ナイトをちくま文庫で全部読んだのですが、確かに結構しんどかったっすよ)。

         そうそう、アラビアン・ナイトの有名なお話というと何を思い出しますか?
         「シンドバッドの冒険」?、「アリババと40人の盗賊」?、いやいや、「アラジンと魔法のランプ」でしょう!というあなた、実は、アラジンはアラビアン・ナイトの原典には無い作品なんですよ~。ガランが作っちゃったの。
         本書のガラン版には、アラジンが収められています(ド・クインシーは、アラジンをアラビアン・ナイトの最高傑作と評しているのだそうです)。

         その他の収録作は、アルゼンチンの短編集と、ルゴーネス、そして、本シリーズの案内役を務めてきたボルヘス自身の作品です。
         巻末にはボルヘスのインタビューが収録されていますよ。

         旧編は、変形版で結構な冊数に分割されていましたが、あえなく絶版。
         結構好きで、買い揃えようと思っていたのに、かなり早く絶版になってしまった記憶です。
         古書で揃えるかなぁと思っていたところにこの新編が刊行されて大変有り難かったです。
         以前のレビューにも書きましたが、旧編に収録されていた作品は全て新編に入っていますので、今なら迷わず新編をゲットしましょう。
         ちょいとお高い本ではありますが、またそのうち絶版になりそうなので、今の内ですよ~。
         このシリーズ全体の評価ということで☆は5つです
        >> 続きを読む

        2019/05/06 by ef177

    • 2人が本棚登録しています
      親から子へ伝えたい17の詩

      NolteDorothy , 長田弘 , 谷川俊太郎

      5.0
      いいね! kentoman
      • 大好きな谷川俊太郎さん、長田弘さんの名前があるので借りた。
        有名はノルトさんの詩も
        どれも、素晴らしい。
        本当に、子どもたちに知ってほしい詩ばかり。
        そして、子どもでなく大人にも知ってほしい、感じてほしい、考えてほしいと思う、そんなことができる種がたくさんある。
        いろいろな表現があるが、どこか共通する底流があるように思う。
        生きること、自分で生きることだろうか。

        自分自身の毎日を振り返るための指針にもなると思う。
        >> 続きを読む

        2014/08/08 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています

カテゴリー"叢書、全集、選集"の書籍一覧 | 読書ログ

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本