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カテゴリー"英米文学"の書籍一覧

      優雅な生活が最高の復讐である

      青山南 , TomkinsCalvin

      3.7
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      • この本をどこで見かけて読もうと思ったのか、ちょっと思い出せないのです。多分何かの本で紹介されていたか、雑誌か新聞で見たかしたのだと思うんですが。タイトルが素敵すぎて惹かれたはずです。Living well is the best revenge.優雅な生活が最高の復讐である。スペインの古いことわざだそうです。

        小説かと思って読み始めたら、ノンフィクションでした。マーフィ夫妻という実在の人物についてです。フィッツジェラルドが『夜はやさし』のモデルにしたという夫妻らしいのですが、『夜はやさし』は未読です。課題図書が増えました。

        ちょくちょく出てくる著名人のエピソードも面白いのですが、やっぱりフィッツジェラルド夫妻の話が一番生き生きしています。フィッツジェラルド夫妻の幼さが、なんだかもう必死で生き延びようとしている感じがたまらないです。私はフィッツジェラルドはそんなに読んでなくて、それよりもヘミングウェイ派なのですが、フィッツジェラルド自身の人生をこなすのが下手な感じがたまらなく放っておけない感じがします。太宰治の放っておけなさに似ているような。どちらもデカダンですね。

        ちなみに 'Living well is the best revenge' について。
        人生はままならず、悲しいことやつらいこともどうしようもなく避けようもなく襲ってくるけれど、いかなる不条理にも屈さず、優雅に微笑み生き抜くことが人生に勝つ秘訣である、と理解しました。
        いい言葉だ。座右の銘に加えよう。
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        2016/07/24 by ワルツ

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      「赤毛のアン」の故郷へ いまよみがえる「アンの世界」

      吉村和敏 , 掛川恭子

      5.0
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      • 「赤毛のアン」の小説の舞台が実在すると知ったのは、
        “「赤毛のアン」のプリンス・エドワード島を訪ねて”というツアーを見た時でした。
        最初、テーマパークのような「それらしい土地」なんではないか?などと
        あまりに穿った考えさえ抱いてしまいました。
        それほどに、パンフで見た写真が、空想のとおりの景色であり家々だったからです。


        この本は、「赤毛のアン」のファンブックであり、
        カナダのプリンス・エドワード島の四季の景色や花々の写真集であり、
        旅のガイドブックでもあります。

        赤毛のアンの世界を少しでも覚えていれば大丈夫。

        ストーリーに沿って、抜粋された文章とあら筋と、
        その場面をイメージできるさまざまな写真が、
        物語や人物の印象、事件やエピソードを思い出させてくれるからです。

        この部分の文章は、アンシリーズの翻訳を手がけた掛川恭子氏自身のものです。
        「講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン」をシリーズで翻訳された方で、
        カナダにもお住まいになっていた女性です。

        私が子供のころに読んでいた「村岡花子訳」は実は抄訳でした。
        今読めば、古くて伝わらない言葉があったり、
        11歳の少女の会話としてはおそらく不自然なものがあるはずなので、
        機会があれば彼女の訳も読んでみたいと思います。
        少なくとも、この本に載せられている文章は非常に読みやすく、
        色鮮やかなイメージを伝えてくれていて好感が持てます。

        アンの世界が愛されているのは、主人公のユニークなキャラクターはもちろんですが、
        掛川氏も主張されているように、これでもか。というほどに書き込まれている「自然美」の魅力のためでもあります。
        描かれた花や植物の実際の名称や姿。
        白樺の並木に花咲き誇るリンゴの大木と赤い道。

        想像するしかなかった、けれど脳裏に鮮やかな景色が、写真で見られるとしたら?

        どうです?読んでみたくなりませんか?


        ページ数は少ないのに、内容は非常に豊富です。

        “アンの家”の部屋、物語に登場するお菓子と料理のレシピ、島に咲く花の図鑑、
        パッチワークキルト、旅の際の見どころや店やホテルなどの紹介と簡単な交通案内、
        モンゴメリーの生涯までが紹介されています。
        それが適度なボリュームで、品を失わない節度も保たれている、希少な本だと思います。

        いつか、プリンス・エドワード島にも行ってみたいです。
        アンが始めてグリーン・ゲイブルズを訪れた6月に。
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        2012/11/08 by 月うさぎ

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      書くことについて

      スティーヴン・キング , 田村義進

      5.0
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      • モダンホラーの巨匠、スティーヴン・キングによる文章術指南書。
        ただし、最初の3分の1ほどは、断片的なエピソードで綴るキング自身の半生記。

        最初からキングの文章術についての南が始まると期待していると、肩透かしをくらう形になる。
        ただ、その中に将来、ペンで生計を立てる事になるのを感じさせるエピソードもある。
        やはり、子供の頃から文才の片鱗は見せていたようだ。

        キングの半生についての話が終わると、いよいよ文章術についての話になるのだが、「技」は極めてシンプル。

        まず、「面白い小説を書くための、"魔法"は存在しない」ということ。
        "魔法"に最も近い方法は「たくさん読み、たくさん書くこと」
        その後、文体、会話、ストーリー、テンポ、推敲などの話に入っていく。

        その内容は多岐にわたるが、分かりやすい。
        正直、英語と日本語の文法の違いで、今一つピンとこない点もあるにはあるが、それでも言わんとしている事は理解できる。
        実践できるかは別問題だが・・・。

        最初の方に書いてあるが、本書での指南は、キングは、こういう方法を使っている、という事にすぎない。
        要するに万人に等しく当てはまるかは分からないが、自分(キング)には有効だった方法が書いてある、ということ。

        本の感想を書いていたりすると、時々、自分が分かりやすい文章を書いているか、自信が無くなる事がある。
        そんな時は、文章術の本を読んだりするのだが、そこに書かれている事とキングが繰り返し言っている事には共通点があった。

        それは「一つの文はシンプルに」
        どうやら、誰もが同じ結論に至る「鉄則」のようだ。

        それと印象に残ったものがもう一つ、「公式 二次稿=一次稿マイナス10%」
        キングがひたすら小説の投稿を続けていた頃、ある編集者が書いた寸評。

        これを守るようにしてから、投稿作品が掲載される事が多くなったとか。
        キング自身の文章に磨きがかかってきた頃に、このアドバイスを受けたのがいい結果を生むようになった、という事らしい。

        いいタイミングで、いいアドバイスを受けたという「めぐり合わせ」はあったが、それも投稿を続けていたからこそ。
        "魔法"がある事は期待したいが、存在しない前提でいた方が、むしろ近道なのだろう。
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        2013/09/08 by Tucker

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      反知性の帝国 アメリカ・文学・精神史

      巽孝之

      3.0
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      • 米国の伝統的思想、反知性主義(Anti-intellectualism)について解説した本。

        反知性主義とは、知性的(頭良さそうな感じ)に対するアンチテーゼ的思想で、馬鹿的、庶民的である事こそが大事という考え方です。

        その昔購入して、しばらく本棚に放置してあったのですが、またちょっと読み始めてみようかと思うに至ったのは、仕事で彼等とコミュニケーションを取っているとしばしばこのような気分というか雰囲気に接せざるを得ないから。

        つまり、彼等のそのような気分とは如何なるものなのか、どういうルーツがあり、どのように作用しているのかという事を少々知りたくなった次第です。

        個人的にはそのルーツはヨーロッパから移民としてやってきて一つの国を作った際の母文化圏へのコンプレックスと歴史の浅さに対するコンプレックス(原住民まで遡れば歴史は深いものの、西洋文化を主体に構築してしまった現状の米国ではそこに遡る事が出来ない)から生成される反感ではないかと思うのですがね。要は母文化圏で積み上げられてきた知性主義に対して、それだってインチキだらけやんけと言っているのです。例えて言うとシンプソンズみたいな感じ。

        まぁ、気持ちはよく解ります。

        でも、関係ない文化圏の人から見たら、そんなくだらないものに巻き込まれたくないというのもまた一つあったり(これも一つの反知性主義)。

        そういったようなことを、文学史や政治、これまでに起こった事件やその際の当事者たちの証言、社会的な動きを通して解析しているのが本書です。

        インチキが嫌いというライ麦畑で捕まえての主人公、ホールデン氏のような若々しい考え方も分りますし、それはそれで大事だし、米国的という意味において、アイデンティティを十分に構成していると思います。が、この思想、社会において有用たる機能を担っているの?という疑問が湧きますよね。

        それに関して一つ見えているのは、この反知性主義が社会構造として、集団におけるunlearning、即ち主体的に行われる既成概念の破棄、反学習の役割を推進する力となっている事です。

        他方で、反知性主義絶対で良いのかというとそれは別の意味で思想狩りとなりえます。深く考えようとする行動自体を封殺してしまう方向へとかじ取りしてしまったり。あるいは文化大革命的な?

        結局知性主義と反知性主義はバランスを保って同居すべきもの、あるいはサイクリックに行ったり来たりしながら進んで行くべきもののように思います。

        またしても長くなってしまいましたが、相手の思想や文化を知らないとという意味において、米国人とコミュニケーションを取らなくてはいけない人で情報伝達率の向上を本気で進めたくなった人にはお勧めできるかもしれません。
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        2013/10/18 by Shimada

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      パワーズ・ブック

      柴田元幸

      4.0
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      •  この本が出版された2000年4月までに、パワーズは6つの長篇を発表しています。
        「舞踏会に向かう三人の農夫」
        「囚人のジレンマ」、
        「The Gold Bug Variations(黄金虫変奏曲)」
        「Operation Wandering Soul(さまよえる魂作戦)」
        「ガラテイア2.2」
        「Gain」
         そのうち、この時点で翻訳されているのは「舞踏会に向かう三人の農夫」だけなのですが、そんなことお構いなしに全部紹介してしまうという大胆な企画。それだけパワーズが注目されていたということなんでしょうね。でも、当時、どんな人が買って読んだのだろう。英語の読める人かな(^_^;)
         それにしても未訳がまだ3つも残っているというのは楽しみなことです。そのあたりはざっとナナメ読みしておいて、翻訳が出版される日を待ちたいと思います。
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        2013/07/04 by 弁護士K

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      柴田元幸と9人の作家たち ナイン・インタビューズ

      柴田元幸

      4.0
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      •  柴田元幸による9人の作家のインタビューです。掲載順に、シリ・ハストヴェット、アート・スピーゲルマン、T・R・ピアソン、スチュアート・ダイベック、リチャード・パワーズ、レベッカ・ブラウン、カズオ・イシグロ、ポール・オースター、村上春樹。9人になったのはたまたまでしょうか。それともサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」をもじりたかったからでしょうか。
         出版された頃、同僚からたびたび、村上春樹の「うなぎ」説(小説は作者と読者と「うなぎ」の三者協議であるべきだ?という説)について聞かされたのですが、今回、はじめてその原典たる本書を読みました。それもこれもパワーズの言葉に触れたいばかりに。
         現在進行形でパワーズにはまっているぼくにとって、パワーズのインタビューはたいへん興味深いものでした。特に、トマス・ピンチョンと自分との違い、村上春樹と自分との共通点について語っているあたり。
         カズオ・イシグロのインタビューもよかった。彼の作品にに特徴的な、語り手と作者(というか作者が想定する読者)との視点のズレが、「日の名残」、「充たされざる者」、「わたしたちが孤児だった頃」と発展していくところは、大いに納得しながら読みました。ブログに記事を書く前にこれを読んでおくべきだった!
         そうそう、高校時代の村上春樹が、大江の「セブンティーン」が好きだったというのは意外でした。

         最初の4人の作品は何も読んだことがないのですが、いずれ読んでみたいものです。

         なお、この本は、村上春樹の部分を除いて和英対訳、しかもインタビューをそのまま録音したCD付きです。向学心のある方にとっては、最高の英語教材かも。
         ぼくも英語が読めたらなあと常々思うのですが、向学心のちっともないぼくは和文のみ読んでそそくさと次の本を読みはじめてしまうのでした。
        >> 続きを読む

        2013/06/14 by 弁護士K

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      レイチェル 海と自然を愛したレイチェル・カーソンの物語

      EhrlichAmy , 池本佐恵子 , MinorWendell

      5.0
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      • 環境保護運動のきっかけとなった名著『沈黙の春』の著者・レイチェル・カーソンの、生い立ちや生涯を描いた絵本。

        小さい頃から豊かな自然の中で育ち、科学者としての目と、作家としての目(言い換えれば詩人としての目)の、二つを育み、身に付けたレイチェルが、家族を抱え、いろんな人生の困難を抱えながらも、繊細な心と正確な科学認識にもとづいて、人間と自然の環境に起こりつつあった異常を察知し、勇気をもって世の中に知らせたことが、とてもわかりやすく描かれていた。

        レイチェル・カーソンがこれほど大きなことができたのは、「科学の目」と「詩人の目」と、その両方を持っていたからなんだなぁ、この二つが人間には大切で、そのどちらだけでも十分ではないのかもしれない、とこの絵本を読んで、あらためて思わされた。
        そして、何よりも大事なのは「勇気」なのかもしれない。

        とても素晴らしい絵本だった。

        多くの子どものみならず、大人にこそ読んで欲しい。

        そして、この絵本を読んで、もう一度きちんと、近いうちに『沈黙の春』を本棚から取り出して読み直そうとあらためて思った。
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by atsushi

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