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カテゴリー"日記、書簡、紀行"の書籍一覧

      孤独な旅人

      中上哲夫 , KerouacJack

      4.0
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      • ビート作家の代表格であり、放浪の旅人でもあるジャック・ケルアック。
        その旅の体験を詩的に記した、八編の散文を集めたのがこの本だ。

        まず感じたのが「読みにくい!」ということ。一文が長く、読点やダッシュを経由して延々と続く。しかも単に長いだけではなく、詩的な表現が多様されている。
        なので、ある程度集中していないと文字の迷宮に迷い込んだようになってしまう。

        このうねうねとした文章はおそらく、ケルアックの書き方と関係があるのだろう。
        本作の序文にも”≪自動記述的な≫散文体を発見し、書いた”とあるが、ケルアックは即興的に、頭に浮かんだことをそのまま書いていたらしい。
        彼自身「最初の考えが最高の考え」と言っているが、その最高の考えを逃さぬようどんどん書いていたようだ。
        そのため、彼はタイプライターの紙を取り換える時に思考が中断することを嫌い、原稿にはテープでつないで長くした紙を用いたという話もある。
        ケルアックは思いついたことを、というか彼の思考そのものを、猛烈な勢いで延々と書き綴っていたのだろう。
        そうして書かれた文章は、彼の詩情ともあいまって上述のような読みにくいものになったのではないだろうか。

        ところで、始めのうちは面食らい「読みにくい!」と感じたこの冗長な文章、慣れてくると魅力的に思えてくるから不思議だ。
        まるでイメージの奔流が頭の中へどんどん流れ込んで来るような感覚と共に、ケルアックの横顔を眺めながら旅をしているような、同時に彼の頭の中をのぞき見ているような、何とも言えない気持ちになってくるのだ。
        これがけっこう気持ちいい。
        上手くハマれば作品世界にどっぷりと浸れる文章なのだと思う。
        方向性は違うが、セリーヌやジャン・ジュネ、あるいは泉鏡花などを読んだ時にも似たようなことを感じた。読みにくいが慣れると何だか癖になる文章。
        ただし、合わない人にはとことん合わないと思う。

        さて、本作に収められた八篇の内、特に印象的だったのが「山上の孤独」だった。
        これはケルアックが山火事監視員の仕事をした体験を描いたものだ。
        ケルアックは山上の小屋で独り、山火事がないか監視する生活を送るうちに、やがて悟りに近い心境へと足を踏み入れていく。
        終盤にはかなりスピリチュアルな独白が繰り広げられ、読んでいて半ばポカーンとなってしまったが、それも含めてインパクトのある一篇だった。

        というわけで、最後にこの「山上の孤独」からの一節を引用しようと思う。

        ”夜な夜な星のことを考えていると「星は言葉だ」と分かり始める、そして天の川の無数の世界はすべて言葉だ、そしてこの世界もまたそうだ。そして自分がどこにいようと、思想でいっぱいの小さな部屋にいようと、星と山のこの終わりのない宇宙にいようと、すべてはぼくの心のなかだ。孤独になる必要はない。そんなわけで人生はあるがままに愛せ、そして先入観は持つな。”(p.218)
        >> 続きを読む

        2017/12/23 by solnian

    • 2人が本棚登録しています
      モンゴメリ日記/十九歳の決心

      L・M・モンゴメリ , RubioMary , 桂宥子 , WaterstonElizabeth

      5.0
      いいね! Moffy
      • あとがきで、こういった日記は当時の女子大学生の生活状況を研究する大切な資料となると書いていました。

        確かに技術や大学制度等、今の時代と大きく異なる部分がありました。
        ですが、
        「〇〇先生が気に食わない」とか、
        「あまり好きでない人に告白されて困った」とか、
        「ようやく試験が終わって気分が良い」とか、
        「心ゆくまで読書していたい」とか、

        今の学生達が送っている毎日、ほぼ全く同じことが100年前のあの頃でも起こっていたのです。

        それ故、日記を読みながらも「あるある!」、「だよねぇ~」とつい共感してしまいます。

         更に、価値観も趣味も結構自分と似ている!

         もし100年前に出会えていたら、彼女とは良い仲になれていたかもしれません。:)
        >> 続きを読む

        2018/11/29 by deco

    • 1人が本棚登録しています

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