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カテゴリー"戯曲"の書籍一覧

      ファウスト

      ゲーテ

      3.0
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      • 予備知識なしで読み解くのは難しいと感じた。

        「天上の序曲」の場面で、神はファウストのことを「しもべ」だと言っている。

        ファウストが学問を究めつくした学者で、なお世界の真理を知り尽くしたいと願っているから「神のしもべ」なのだろうか。すべてを知ることは神に近づくことだから?

        とにもかくにも、この神の「しもべ」発言によってファウストは悪魔メフィストに目をつけられてしまう。

        グレートヘンに対してはお気の毒としか言いようがない。巻き込み事故みたいなものだろう。

        書斎の場面が好き。メフィストとファウスト、メフィストと学生の対話がおもしろい。
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        2015/05/23 by seimiya

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      ファウスト

      ゲーテ

      3.0
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      • 一通り読み終えても、この作品が結局のところ何を言わんとしているのかよく分からなかった。

        頭で考えるだけじゃなくて、実際に行動し努力することが大切ということなのか。その行動や努力の方向が結果的に間違っていたとしても、正しいと信じて、あがいて苦しむことこそが「生」の意義。

        ファウストという人物が人間的に特別優れているとは思えない。現状に満足できず、耐えず何かを求めて飢えている人物にみえる。いろんな意味で貪欲。

        登場人物の中では、第二幕で登場するホムンクルスが好きだ。
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        2015/06/05 by seimiya

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      ファウスト

      池内紀 , ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

      3.0
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      •  休みに入ったので、まとまった時間で名作を読むことにする。訳者の池内紀が第二巻巻末で述べているとおり、「有名な名作であれば、たいていの人が名前を知っている。そしてたいていの人が一度も読んだことがない」からである。名作と呼ばれるものはたいてい長くて難解なものが多いが、戯曲はとりわけ手を付けにくい。原語が美しく韻を踏んだ気の利いたしゃれに満ちているからだ。それなら原語で読めばいいのだが、そこまでの語学力がないので翻訳に頼ることになる。そうするとしゃれや韻は味わえない。意味の取りにくいだらだらした詩句をひたすら読むことになる。訳者の池内氏はその辺をよくわかっているのか、第一部巻末で次のように述べている。「……しかしながら翻訳すると、ゲーテがドイツ語で苦心した一切が消えてしまう。韻律が乏しく、まるきりべつの構造をもった日本語にあって、詩句を踏襲しても、はたしてどのような再現ができるだろう。詩句をなぞるかわりに、ゲーテが詩体を通して伝えようとしたことを、より柔軟な散文でとらえることはできないか。いまの私たちの日本語で受けとめてみてはどうだろう。そんな考えで、この訳をつくった。」そういうわけで、この「ファウスト」は小説のように読める。宮澤賢治のオノマトペの豊穣さや、谷川俊太郎の詩であえてすべてひらながにしている面白さや、詩歌における掛詞がたぶん翻訳不可能であるのと同じだろう。

         ファウスト博士が学問を究めながら、年老いて退屈で何も楽しみを見いだせない姿には、超高齢化社会の日本の孤独な高齢者と重なって見えてくる。幸福が何であるのか、若い時には自分の学問が認められることや、地位が高くなることや財産が増えることなどが成功だったと思うが、それらを手に入れているように見える晩年の博士は幸福そうではない。そこに悪魔メフィストフェレスがつけいる隙がある。悪魔というからにはもっと無制限に魔法などが使えるのかと思えば、人間に知恵を貸したり、そそのかすくらいで、実行するのは人間である。メフィストフェレスがファウストから依頼されて実行する場合にも、普通の人間のようにするばかりなのが面白い。第一部で誘惑される処女グレートヒェンにしても、相当に手間をかけ、普通に女の子を口説くのとそう変わらない。この辺が妙にリアルである。魔法の力であっという間に虜にしましたということなら、話は簡単だが詩にはならない。

         第二部はとても読みにくかった。第一部とどう繋がっているのかがわからないし、ファウスト博士は現実にはどこにいるのか、夢なのか、わかりにくい。ファウストよりもメフィストフェレスの方が魅力的に立ち回っている感じがする。最後の最後で現実的な場面に戻ってきて、ファウストが契約の言葉を口にして死に、天使たちがメフィストフェレスを出し抜いてファウスト博士を天国へ連れていく。そこにはグレートヒェンまで天使のような姿で出てくる。これには少し驚いた。こういう形でハッピーエンドなのか?と。「協同の意思こそ人知の至りつくところであって、日ごとに努める者は自由に生きる資格がある。どのように危険にとり巻かれていても、子供も大人も老人も、意味深い歳月を生きる。そんな人々の群れつどう姿を見たいのだ。自由な土地を自由な人々とともに踏みしめたい。そのときこそ、時よ、とどまれ、おまえはじつに美しいと、呼びかけてやる。」というファウスト博士は冒頭の孤独な老人とは違う、大勢の中の一人として、人々の一人として協同する幸せをかみしめている。そういう意味でファウスト博士の二回目の晩年はより優れたものとなったと言える。しかし、罪のない処女を誘惑して堕落させ、母親を殺させ、兄をファウスト自身が殺し、嬰児を殺させ、グレートヒェンは処刑される。最後の多くの人に「協同」の場を提供する干拓地を完成させるために、立ち退きを拒む、菩提樹のそばに住む老夫婦を殺害する(殺害はファウストの意思ではなかったにしても)。このような罪を犯しても神はすべてを赦すということなのだろうか?釈然としない幕切れである。私の経験が不足しているだけなのだろうか。
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        2017/12/27 by nekotaka

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      ファウスト

      ゲーテ

      4.0
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      • 今回はゲーテの戯曲「ファウスト」をレビューしてみます。
        ゲーテの代表作「若きウェルテルの悩み」をはじめとする散文作品とは、まるで雰囲気が異なりますので、最初に読んだときは面喰ってしまいましたが、壮大で遊び心満載の作品です。

        「ファウスト」はいくつか版がありまして、集英社(本棚掲載)のほうは優しく読みやすい訳です。おきゃんな挿画もありますので、初めて読まれる方にはお薦めです。また、少し重めの訳が好みの方は、新潮社をお薦めします。詩の表現も美しく、軽さと重みのバランスもほどよい秀逸な訳だと思います。

        それでは内容です。
        ファウスト博士はあらゆるものを学び尽くしましたが、未だ真理に到達することができないまま世を拗ねています。飽くなき探求心は、彼の心をじわじわ追い詰めます。
        このまま真理を得られず死を迎えるのか? そんなファウストの前に、雄弁な悪魔メフィストフェレスが登場。あなたが望む魅惑的な世界を見せてあげましょう! ファウストにとって渡りに船! してその代償は? 「時よとまれ!」という言葉をあなたが発したときには魂をいただきます……ふふふ。
        血の契約を交わしたファウストは、秘薬を飲んで若返り、メフィストとともに時空を超えた壮大な旅を始めます。

        この作品は、実在のファウスト博士の伝説を下敷きにした戯曲です。ギリシャ文化を讃嘆したゲーテですので、随所にギリシャ神話や奇怪な魔界の住人が出てきます。また、ファウストの幽玄界の旅は、ギリシャ芸術にインスパイアされた「アエネーイス」や「神曲」が色濃く反映されています。ファウストの想い人となるグレートヒュンとの悲恋は、まるで「神曲」のダンテとベアトリーチェのようです。
        壮大な旅の末、果たしてファウストの魂はどうなるのでしょう? 
        メフィストフェレスと天使の争奪戦になりそうな……このあたりも「神曲」の場面からヒントを得ていると思います。キリスト文化とギリシャ文化の融合は、ダンテ以上に洒脱で遊び心満載です。

        「ファウスト」が古典作品の影響を受けていることは間違いないのですが、特異な部分も沢山あります。例えば、幽玄界のガイド役となるのは、「ファウスト」以前の「アエネーイス」では霊験あらたかな巫女、「神曲」では、偉大な古代ローマ詩人ですが、「ファウスト」では悪魔。紳士的で怜悧で、ちょっぴりおちゃらけでシニカルです。
        両者の立場は対等、教え諭すこともありません。決して恩恵的な旅では終わりません。契約に基づいて対価=魂の引渡しを求めるあたりは、いかにも近代的です。また、ゲーテは、芸術において宗教は一材料として扱うべきことを明言していますので、作品の中に神学論のうんちくはありません。さすがクールですね~。

        60年の歳月をかけて完成させたということもあり、作品全体のまとまりやテンポについては、激流のようなギリシャ悲劇やシェイクスピアのそれに比べて少々疑問は残ります。でも、よくよく考えてみれば「ファウスト」は悲劇ではないですし、「神曲」と同様に、名状しがたい結末を迎えるにあたって、作品全体を激流のようなテンポで洗い流してしまうわけにはいかないでしょう。

        余談かもしれませんが、ゲーテは「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」でもそうですが、さほど関連のない小話をちょこちょこ挟みこんで遊ぶクセがあるようです。小話を挟んで清涼剤にしていたのかしら? そういった遊びクセがあることも、この作品の楽しみのひとつです。

        さてファウストの魂の行方は? 素頓狂な旅でファウストが得たものは? 
        ――時よとまれ! おまえは美しい――
        愛と美、そして不滅(不死)という壮大なテーマは、ゲーテの哲学や生き様をあらわすものだと感じます。でもそんな小難しいことは傍において、時空を超えたへんな悪魔との冒険は楽しいです(^^♪

        「すべて移ろいゆくものは、
        永遠なるものの比喩にすぎず。
        かつて満たされざりしもの、
        今ここに満たされる。
        名状すべからざるもの、
        ここに遂げられたり。
        永遠にして女性的なるもの、
        われらを牽(ひ)きて昇らしむ」 
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        2016/02/04 by アテナイエ

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      ファウスト

      ゲーテ

      3.7
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      • 『ファウスト』[全二冊](ゲーテ)<新潮文庫>
        読了です。


        ※内容に触れますので、嫌な方は読まないでください。


        思いの外すらすらと読めました。
        第一部は波乱万丈・お祭り騒ぎが盛大で、とにかく読んでいて楽しいです。
        学生をからかったり、魔女の厨の異空間を経験したり、恋をしたり、魔女たちの祭りに参加したり。

        しかし、第一部が終わる間際のグレートヒェンの悲劇には胸が痛みます。
        もちろん、それまでにも悲劇の匂いはしているのですが、もう現実を見ることができず、狂気の中で暮らしているグレートヒェンの描写には、本当に気が滅入る思いましました。

        第二部に入って、気を取り直したファウスト一行が皇帝をからかう場面はまた楽しい。
        「母の国」の描写がなく、すぐ戻ってきたのは残念でしたが、いろんな刺激を受けることができました。

        ギリシアに移ってからは、正直あまり興味が惹かれなくなりました。
        ここで読むスピードもぐっと落ちてしまいました……。
        美女の描写は難しいですね。

        そして再び皇帝出現。
        あの享楽から一転して、国が内乱状態にあるという事実がわかり、やっぱりここでも気が滅入ります。
        ファウスト一行の魔力で皇帝側が勝つものの、皇帝の感じた気味悪さや戦勝後の重臣への過重な約束など、未来の暗さが暗示されているようにも思います。

        戦勝の褒美としてファウストが最後に臨んだものの崇高さは素晴らしいのですが、しかしその崇高さも悪魔メフィストーフェレスとの契約の中で成し遂げられているがために、いつも暗さを含んでいます。
        結局、ファウストの人生は、メフィストーフェレスと契約してからは暗くなる一方だったのではないでしょうか。

        ファウストの最後の救いは、ちょっとアッケラカンとし過ぎだという印象です。
        なかなか神の救いを劇的に書くのは難しいと思いますが、これまでのストーリーの最後としては物足りない思いがします。


        タイトルは「ファウスト」ですが、ファウストはマクガフィン的な扱いで、やはり全体的にはメフィストーフェレスの物語のような気がします。
        そういう意味では、ラストもメフィストーフェレスで終わらせてみたかったですね。

        名作を簡単に読めるよう、要約した本なんかが少し前に流行りましたが、このような作品を読むと、要約なんかで「名作」のことが分かるはずはない、と思います。
        一言一言の表現の面白さ、景色の重厚な描写、登場人物の軽さや重さ、雰囲気の明るさ暗さなんかが要約で分かりますでしょうか。
        むしろ、そういうところを楽しむための読書なんじゃないか、と思います。

        最後、蛇足ですが。
        酒場でからかわれている大学生について、訳注で「新入生」とか「年配の学生」とか書かれていました。
        これって、どこで分かるんでしょう?
        ファウスト伝説では有名な登場人物なのかな?
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        2018/02/03 by IKUNO

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