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カテゴリー"小説、物語"の書籍一覧

      変身

      フランツ カフカ

      3.6
      いいね! chao Minnie Outsider
      • 読む年齢によって印象が異なる不思議な傑作。若き日に読んだときは、アナーキーな異端児に思えた。

        が、歳を積んだ今、引きこもりや不登校を超えてしまった主人公像が、ちくちくと胸に刺さった。

        角界、プロ野球界などで第一線を牽引した人材を辞任に追い込む組織の都合や、東京五輪に向け古い文化と体質を一掃しようと躍起になっている国策と横並びの世論にたちうちできない個人の閉塞感。

        リアル社会と、家族と社会から隔離されてしまう主人公グレーゴル・ザムサが生活してきた重苦しい陰鬱な部屋が重なってちくちくした。

        いつ読んでも現社会をリアルに映す面白すぎる傑作だぜ。
        >> 続きを読む

        2018/10/14 by まきたろう

      • コメント 1件
    • 他23人がレビュー登録、 70人が本棚登録しています
      モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり

      4.2
      いいね! Minnie chao kuuta caramel sunflower Ringo oriedesi Tukiwami
      • 子供向けの本ですが、大人が読むと読後の解釈が変わって来ると思います。時間泥棒は今に通づるものがあると思います。面白いです。 >> 続きを読む

        2019/02/21 by naaamo

    • 他21人がレビュー登録、 81人が本棚登録しています
      モモ

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり

      4.2
      いいね! tadahiko Moffy
      • とある街の円形劇場跡に住みついた小さな女の子、モモ。モモに話を聞いてもらうと、不思議ともめごとが解決したり、素晴らしいアイディアが浮かんだり、街の人は幸せな気持ちになる。
        ところが灰色の男たちが街にやってくると、人びとはモモのもとを訪れないでわき目もふらず働くようになってしまう。灰色の男たちは人間の時間を盗んで生きている「時間どろぼう」だったのだ。彼らにとって邪魔な存在となったモモは、盗まれた時間を取り戻すために時間の国へと向かう。

        小学生の時に初めて読んでから、何度となく読み返した本。1974年の作品なのに何度読んでも古びない、というより、灰色の男たちに占拠された街の様子がどんどん現代社会に近づいているのではないか、と感じる。
        そういえば、昔は手書きだった書類も今はパソコンで作成し、メールであっという間に送信できる。確実に作業時間が短くなっているはずなのに、手書きの時代に比べて時間に余裕ができたとは到底思えない。知らず知らずのうちに、私たちは灰色の男たちに時間を盗まれているのかもしれない。

        たまにこの本を読み返し、自分の時間が盗まれていないか、自分にとって大切な時間の過ごし方は何なのか、考える時間を持とう。
        >> 続きを読む

        2020/10/03 by matatabi

    • 他10人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      デミアン

      高橋健二 , ヘルマン・ヘッセ

      4.2
      いいね! Outsider Tukiwami
      • すごい。すごい本に出会ってしまった。興奮と共に読み終えた、11月の課題図書。主人公のシンクレールが、命懸けで自らの半生を綴った本だと解釈しました。彼の叫びが、繊細な心が、魂が。自己追及の痛みに揺さぶられます。「車輪の下」を読んだ時も思いましたが、「デミアン」はそれ以上に、思春期の悩みが詳細に描かれていました。ヘッセすごい!何度も言いますが、本当にすごい作品だ!!

        ―と感動を連呼しましたが、後半はあまりに難解で。特にピストーリウスと深め合った観念についてほとんど理解することができず。宗教知識の乏しさも手伝い、文字を追うだけの読書となってしまったような気がします。情けない。
        それでも『鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという』デミアンからの返書は、読了後再びなぞると心を引き立てるものがありました。時代は戦争へと進み、世界を崩壊しなければなりませんでした。戦地で人々はどうだったか。シンクレールの目に映った人々の(過少に評価していた)描写もまた心に残ります。

        そしてタイトルのデミアン。マックス・デミアンですが、最初から最後まですごく魅力的な人です。知的でスマートな印象は変わらず、ミーハーな気持ちで読んでいる自分がいました(^^;)シンクレールが求めると颯爽と現れるんですよ。かっこいい。主人公をかどわかし、悪の道へと進ませる人物なのかと始めはかまえていたのですが、全くそんなことなく終わったので安心しました。カインのしるしについて2人で話すシーンが好きです。

        少し落ち着いたら再読したいと思います。
        >> 続きを読む

        2019/12/30 by あすか

      • コメント 6件
    • 他7人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      若きウェルテルの悩み

      高橋義孝 , ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

      3.8
      いいね! Minnie oriedesi Fragment
      • 若きウェルテルのあまりに悲しく衝撃的な最期に目を向けられがちであるが、本作品の舞台である田園ワールハイムについての自然描写は物語の根幹をなしており、それは手記という形で一情景に収まらず、ときに淡く、ときに鋭い色彩を帯びて表現されている。主人公は文学について「すぐれたものをはっきりつかんで、それを思い切って表現するということ」を良しとし、写実の中に神聖な幻想の存在を確かめながら自らを慰め、その感動を日々したためていく。そのように彼の視点によって田園風景は常から彼の心情に添い、その穏やかな流れは後半の悲劇に向かって激しく陰惨な姿に変わり果てるのである。 >> 続きを読む

        2020/12/27 by snooziest

    • 他7人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      飛ぶ教室

      KastnerErich , 丘沢静也

      4.0
      いいね!
      • ドイツのギムナジウム(中高一貫校)を舞台に、寮生活を送る五人の五年生(十五歳前後)の生徒たちを中心として、クリスマスまでの数日間が描かれます。

        五人の生徒たちには、正義漢の優等生、腕白な食いしん坊、やや理屈っぽい参謀タイプ、書名の"飛ぶ教室"の劇作を担当している作家志望の文学愛好家、女性的な外見の気弱な少年といった、それぞれわかりやすい属性が与えられており、彼らの友情やそれぞれに抱える悩みが本作のポイントとなります。そして、この五人のほかに彼らが慕う人物として、舎監を兼任する一教師である"正義さん"ことヨハン・ベーク先生と、学校付近にある、かつて列車として使われていた車両に住む謎の多い"禁煙さん"という二人の大人が存在し、彼ら尊敬するにふさわしい大人たちに見守られて少年たちが学園生活を送っていることも人物配置上の大きな特色です。

        登場人物の年齢がやや高いことや、女性がほぼ登場しないことを除けば、世界名作劇場の原作にでも選ばれそうな内容であり、正統派児童文学作品として読んで差し支えなさそうです。また、本書における訳の特徴かもしれませんが、あからさまに子供向けの文体とはなっていないため、大人でも違和感なく読み通すことができます。なお、書名の"飛ぶ教室"は、前述のとおり少年たちがクリスマスに演じる劇作品のタイトルであり、教室自体がさまざまな場所に移動して課外授業を行うというSFと呼ぶべき内容ですが、基本的に作品内の道具として扱われるだけで、作品のテーマを託すような特殊な要素を含んでいるようには見受けられませんでした。

        通読後の主な所感として、他校生徒との抗争における暴力やいじめのような行為も扱ってはいるものの、思春期の難しい年ごろの少年たちを主人公に据えているわりには葛藤が少なく、"正義さん"、"禁煙さん"といった大人たちが理想的すぎるうえ、彼らに対する子どもたちの反応があまりにも素直なため、かえって違和感があります。執筆当時のドイツはナチスの支配下にあったとされており、そのことは作品に直接的な影響はありませんが、優等生的な作品内容に落ち着いた一因だろうかなど、邪推しないでもありませんでした。

        補足として、まえがきとあとがきでは作者自身が登場して本文を挟む構成となっており、あとがきではささやかなサプライズが用意されています。
        >> 続きを読む

        2020/09/02 by ikawaArise

    • 他6人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      朗読者

      ベルンハルト・シュリンク , 松永美穂

      4.1
      いいね!
      • 読後に自分の中でたくさんの宿題が残るストーリー。
        切なさとやり切れなさでいっぱいになった。

        舞台は第二次世界大戦後のドイツ。
        主人公ミヒャエルが15歳の時に愛し合った
        36歳の女性ハンナが突然姿を消してから、
        皮肉な事に法廷で再会する。
        ナチ時代の強制収容所裁判の傍聴者であるミヒャエルは、
        戦犯として裁かれているハンナの秘密を知る事になる。

        戦争においては“正義感”というものが、
        いかに主観だらけの曖昧なモノかを思い知らされる。
        人の生活だけでなく心までも奪ってしまう。

        戦後、ハンナのような生涯を終えた人は
        きっともっとたくさんいるのだろう。
        私達はたとえ何もできないとしても、
        その事を知っておかないといけない。

        この本は、世代を飛び越えていつまでも読み継がれてほしい。
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        2019/01/28 by NOSE

    • 他5人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      車輪の下

      ヘルマン ヘッセ

      3.9
      いいね! Minnie
      • 大人が良かれと思って行動しても、実際に子供のためになるとは限らない。
        周囲の大人は勉強を教えるだけでなく、その楽しみ方を教えなければならなかった。そうすれば、ハンスはもっと違った人生が歩めたのではないだろうか。
        大人は子供に対して何から何まで指示するではなく、子供の意思を尊重し間違った道に進みかけたときに声をかけてやるのが大切なのではと思った。
        >> 続きを読む

        2017/03/09 by ダイジュ

    • 他4人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      香水 ある人殺しの物語

      SüskindPatrick , 池内紀

      4.4
      いいね! Tukiwami
      •  時は18世紀。場所はフランス。
         当時の衛生観念なんて今から思えば不潔極まりない状態でした。
         かのベルサイユ宮殿だって、ろくにトイレもなく、園遊会などに招かれた貴族達も、庭園の茂みで用を足すというのが当たり前(いや、これ本当)。
         ましてや、庶民が住む町などはそれはそれはという状態で、町中悪臭が立ちこめていました。ペストなどの悪疫が流行するのもさもありなんです。
         
         物語は主人公が産み落とされるところから始まります。
         主人公の母親は魚屋で生魚を捌いていました。
         陣痛が来ましたが、何、いつものこと。
         彼女はこれまでも何人もの子供を産み落としてきました。
         そう、いつものこと。いつものように、魚を捌いている包丁で産み落とした子供と自分をつなぐへその緒を切ってしまえばよいこと。
         その後、産み落とした子供は、地べたに放り出してある魚の臓物と一緒にして捨ててしまえば良いこと。
         時には、魚の臓物と一緒にそばを流れるセーヌ川に放り込めば手間もかからない。

         もちろん、今度だって同じこと。
         いつものように、へその緒を切って地べたに捨てた。
         でも、今回はちょっと違った。
         どういうわけか出血がひどくて。ついふらふらと倒れてしまった。
         それに気付いた周りの人間が「どうしたんだ」と駆け寄るけれども、「どうもしないよ。何でもないさ。」と言うだけ。
         でも、その時、産み落とした赤子が泣き出したんだね。
         それで全てがばれてしまって、(当時は拷問のようなこともしたのでしょうね)、母親はこれまでに産み落とした何人かの子供のこともしゃべってしまい、死罪になったそうです。

         さて、生まれてすぐに身寄りの無くなった主人公は、修道院に預けられます。
         修道院とて、慈善事業じゃやってられない。
         わずかな金を与えて、乳が出る女にそういう身よりのない子供を預けます。
         主人公もそうやって、とある「乳母」(と、いうのだろうか?)のもとに預けられます。

         しばらく後、その乳母は、主人公を突っ返しにやってきます。
         「子供はさ、子供の匂いがするもんじゃないか。こいつは何の匂いもしやしない。恐いんだよ。」
         そう言って、給金を上げてやるという司祭の言葉も聞き入れず、主人公を押し返してしまいます。

         時は流れて、主人公は革のなめしやにほとんど売られるようにして連れて行かれます。
         それはそれは重労働で。
         でも、彼は、自分がどういう人間かということに気付いていたのです。
         自分は、毒虫の様な奴なのだと。
         だから、何を言われても、どんなにひどい仕打ちを受けても、じっと毒虫のように身を固くして耐えていました。

         とある時、あるきっかけで、彼は自分の秘められた才能に気付きます。
         その才能とは、匂いに極めて鋭敏だということ。
         どんなにかすかな匂いでも、どんなに混じり合った匂いでもたちどころにかぎ分けてしまえたのです。
         たとえば、吝嗇家が家のどこかに隠した金貨の匂いだって分かってしまいます。そこに金貨を隠してあるのだって、忽ちお見通しになってしまうのでした。

         そして、「毒虫」は蝶(なのだろうか? あるいは毒蛾?)に成長します。
         過去の名声だけはかろうじて保っているけれど、もう力も何もなくしてしまった香水の調合士に取り入ることに成功します。
         正に天職! 彼は素晴らしい香水を次々と調合していきます。
         そして、それを師とした調合士の名前で売り出すことだって許します(というか、それが条件なのでしょうね)。

         彼の鋭敏な嗅覚はさらにすごい「香水」を作り出すようになります。
         人間の感情さえも左右してしまえるような「香水」です。
         さらには、「とある」香りに魅せられてしまうのでした。
         その香りを定着させるためにはどうすれば良いのか?
         彼は、従順を装い、師からその技術をある程度まで学び取ります。
         しかし、それでもまだあの「香り」を残すことはできない。

         何という小説でしょう。
         ある意味、猟奇的です。
         心地よく読める本をお探しでしたらお薦めしません。
         ですが、不思議な魅力をもつ作品です。
         詳しくはお話しできないのですが、まぁ、なんていうことを……
         物語としてのおもしろさは十分にあります。
         大変インパクトの強い作品だと思います。
         ここまでのご紹介文を読んでピンと来たら読んでみても損はないと思いますよ。
        >> 続きを読む

        2019/03/07 by ef177

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      犯罪

      SchirachFerdinand von , 酒寄進一

      3.7
      いいね!
      • 12月といえばシーラッハかな、と思って、図書館で借りてきました。不穏な表紙が実によい。

        連作短編集なのですが、一貫して事件に関わった弁護士の視点で語られます。犯人たちは弁護士には本当のことをいったり、あるいは黙っていたり。文章が実にうまいのは、翻訳も良いんでしょうね。著者のシーラッハ自身が、弁護士です。

        ミステリの一種ではありますが、ミステリに区分するのはちょっと違う気がします。冒頭の「フェーナー氏」は妻の支配に耐えかねて妻を殺した医者をどのように裁くか、という話なのですが、こういう高瀬舟的な話が続くのかと思ったらそういうわけではなかったです。知恵を働かせて陪審員を出し抜く話とか、追い詰められて犯罪を犯したその顛末が淡々と語られる話とか、無罪を証明するために語り手の弁護士が探偵役のようなことをしたり、いろんなケースがあります。
        全編通して、なんらかの犯罪の判例が続きます。

        しかし、正直私は、自分が被告人として法廷に立つようなことは絶対にしないとはいえません。人だって、殺してしまうかもしれない。被告人は私かもしれない、少なくとも彼方の誰かといえるほど遠いものでもない、状況によっては誰だってそういう状況に陥ってしまうかもしれない、というのをひしひしと感じる短編集でした。

        シーラッハはドイツの作家なのですが、祖父がナチスの高官だったんですよね。それをわざわざ著者経歴に書いているんです。
        あの時代、ナチに加担せずにどうやって生きていけたでしょう?
        戦争は津波のように、一般市民には抗え切れない罪を背負わせるもののように思います。幸い経験したことはないのですが。
        シーラッハの経歴を思って読むと、いろいろ考えます。
        >> 続きを読む

        2016/12/03 by ワルツ

      • コメント 2件
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      飛ぶ教室

      KastnerErich , 池田香代子

      4.2
      いいね! Moffy
      • 本書のまえがきを読むと著者の人生と正義に関する読者への痛切なメッセージがあり、何かただならないものを感じる人も少なくないと思います。
        それはこの本が書かれた時代を反映しています。
        それは、著者の母国ドイツでナチスが台頭し、世界中が人類史上最悪の戦争に向かっていた時代です。
        著者はナチスに迫害されながらもドイツに留まり続け、次世代を担う子供たちの為に、メッセージを送り続けていたのです。

        元気の良い男子寄宿学生たちが繰り広げる物語。

        読み終わって感じたのは、懐かしさでした。
        昔の子供達ってこんな感じだったよなとしみじみ感じました。
        様々な背景を持った少年たちが一緒に喜んだり悲しんだり、時にケンカもあったりで、ちっともじっとしていない。
        生命力にあふれた少年たちの物語は、クリスマス集会での「飛ぶ教室」という題の劇の上演に向けて集束してゆく。
        彼らは、様々な経験をし、また人生の師とも呼べるような大人たちとの出会い等を通して人として成長してゆく。
        物語のエンディングはクリスマスにふさわしい素晴らしいもので、図らずも少しほろりとしてしまいました。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by くにやん

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      大どろぼうホッツェンプロッツ ドイツの新しい童話 (1))

      中村浩三 , TrippFranz Josef , PreusslerOtfried

      4.4
      いいね!
      • 人気だなぁと前々から気になりつつ未読だった本。
        おいしい食べ物、音楽が鳴るコーヒーひき、ドキドキの展開とお話の世界にぐんぐん引き込まれました。

        続編も楽しみです。
        >> 続きを読む

        2016/04/09 by terra

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ちいさなちいさな王様

      ミヒャエル・ゾーヴァ , 木本栄 , 那須田淳 , HackeAxel

      3.5
      いいね! Moffy
      • 表紙インパクト過ぎて思わず手に取りました。^ ^

        難しい言葉はほとんどなく、とても読みやすい一冊です。
        丸々太ったグミベアファンの王様。
        不思議に、誰もかもかつては心の中に、こんな王様が住んでいたように思えた。
        大胆で想像力豊か。
        好奇心いっぱいで自信感に満ち溢れ。
        目に映る世界はどこもキラメキそのもので、
        毎日が大冒険。

        でも年が重ねるにつれ、王様は小さくなっていく……
        「僕」は本当にラッキーボーイだ。王様が見えなくなる前に、また見つけてあげたのだから。
        忘れさえしなければ、もしかしたら私たちの周りにも、ひょっこりそいつは現れるかもしれないね。
        >> 続きを読む

        2017/10/28 by Moffy

    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      城

      フランツ・カフカ , 前田敬作

      4.2
      いいね!
      • --彼の歩いている道は、村の本道なのだが、城山には通じていなかった。ただ近づいていくだけで、近づいたかと思うと、まるでわざとのように、曲がってしまうのだった。城から遠ざかるわけではなかったが、それ以上近づきもしないのだ。Kは、ついには城の方に折れる箇所に出くわすに違いないと、たえず期待していた。その期待のためにだけ、歩き続けていった--


        城とは何か。

        Kは夜半に村の宿場につく。
        閉鎖的な城下村ゆえ、外界の人間の宿泊を厭う。Kに出て行けと迫る。
        Kは、「仕事で呼ばれてきた。後から助手も来る」と嘯く。
        宿が城に問い合わせると、否定の後一転して、「Kを仕事で呼んだ」と追認される。
        「来る予定の助手」も城からあてがわれる。
        Kは驚くと共に、この追認は、城がKを低くみたからこその扱いとむしろ憤る。
        そして城に自分を見せつけてやると意気込んで城に向かう。
        城への道は続いているように見えて続かない。
        城はそこに見えるのに近づかない。しかし遠ざかりもしない。
        村人は一同に冷たい。助手は脚を引っ張る。
        前に進まない苛立ちと真冬の寒さに心身が磨り減る。
        そのうち、城からの官吏が村で使う定宿につく。
        城の官吏は人との接触を徹底的に厭う。
        Kは目当ての長官の部屋に辿り着くも、鍵穴を通じて長官の寝顔を除く以上には近づけない。
        一層の接触を画策し、長官の恋人である定宿の女を誘惑し婚約に至る。
        しかしその女性が長官との接触手段を持たないことを知って幻滅する。
        幻滅しながらも、恋愛の甘さにほだされ、寒さをしのぐ二人の住居を得るために、待てども来ない「測量士」の仕事を諦め、提案された「学校の小間使い」の職に就く。
        それでも、安寧に堕することを恐れ、城への接触手段を模索して動き回る。
        自分を手段として観ていただけだと悟り、女がKのもとを助手と共に去る。
        Kが女を取り戻そうと奮闘すると、長官の助手に呼ばれ、女との婚約を破談するように通告を受ける。
        Kは疲労困憊で何もできずにただ通告を受け取る。
        しばし眠った後、再度城への道を模索して動く・・・未完・・・


        カフカは描く。
        城の鐘の音について
        --ひたすら憧れながら、叶えられるかどうかおぼつかないものに脅かされているような気持ちだった。事実この鐘の音には、なにやら悲傷の響きが籠もっていた--

        城からの妨害について
        --Kは、現実的な強制力・・・そんなものは、恐ろしいとも思わなかった。・・・しかし、意気を阻失させるような、ふやけきった環境の圧力、幻滅になれてしまうことや、微細かも知れぬが、たえず襲ってくる色んな影響などが及ぼす力、Kが恐れたのは、そのような圧力に負けてしまうことだった--

        その道程について
        --その頃の僕は、夕方ちょっと散歩に出るくらいの骨折りでどんなことでも達成できると思い込んでいた。ところが、もともと実現不可能だったことがはっきり不可能だったと分かったとき、それを彼のせいにして、恨みに思ったんです--
        --実のところ、Kの心を乱し・・・妨げたのは、彼女の言葉ではなく、彼女の容姿であり、こんな場所にいるということがいけなかったのだ--

        常に彼方に見えるのに道がない。
        近づけども近づかない。遠ざかって視界から消すこともできない。
        現実的な困難ではなく、日常への安寧や惰性、周囲からの評価や恋愛、そうしたものこそが城への障害。

        この格闘が人生を指していることは無論疑いない。
        それでは城とは何か。

        訳者後書きではこれを、「存在・実存」と捉える。
        自分を自分たらしめるもの。
        そういう場所への道のり、苦闘。

        勿論これに私も異論はない。
        それでも、存在・実存は分かるようで遠い。
        殆ど同じ意味かもしれないが、私は、憧れや夢・理想、というものを城に置いてみたい。


        幼少期に、将来は○○になりたい!
        と深く考えずに言う夢。
        大きい仕事してやるぜ!でもいい。

        なれるわけないだろ、という大勢の声に交じって、
        なれるもんならなってみたまえ、と、
        そういう声が届いたのが、冒頭の宿屋でのシーンと見られないだろうか。


        自分の理想や夢、憧れ。成りたい姿。
        自分自身にも現実感がなく、普段は口にも出せない。
        それがふとした拍子で、若気の至りで口を出る。
        冷笑と共に世界がそれを迎える。
        完全否定ではない。
        なりたいならどうぞ。道はあるので後は君次第ですよ、と。
        丁重な姿勢を見せながら徹頭徹尾の嘲笑を投げつけてくる。
        若さ故に刃向かう。
        すぐそこにあって、すぐに手が届くと思い飛び出す。
        道は曲がる。
        辿り着かない。
        それでも、景色からは消えない。
        現実的な要請や、世俗的な安寧が自分を取り巻く。
        心がいつしか、折れる。
        それは、能力への失望ではなく、違う「幸福」による「挫折」。


        良いではないか、家庭のために生きる。
        人から評価される仕事に生きがいを見いだす。
        これのどこが「挫折」か。


        カフカは厳しい。
        「変身」で彼が描く青年は、家庭のために精一杯働いていた。
        彼の家庭はそれで幸せだった。しかしある時、青年は、「家族のためでなかったらこんなことは一切終わらせたい」と思ってしまう。翌朝、彼は虫に変身する。

        誰かのために生きる生は、真の生ではない。

        これがカフカの終生のテーマであったことは間違いない。
        普通、誰かのためにしか人は生きられない。
        ならばこそ「審判」でカフカは生を、「覚えがないのにいつの間にか逮捕されている」と表現する。


        後書きで、「城」は世界文学史上、「カラマーゾフの兄弟」に匹敵する唯一の作品と称えるが、私はこれに深く同感する。
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        2017/12/12 by フッフール

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      コリーニ事件

      SchirachFerdinand von , 酒寄進一

      4.5
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      • 新米弁護士のライネンは拳銃で殺人を引き起こしたコリーニを弁護することに。
        自分が殺害したことは認めているが、動機を一切喋らないため裁判でライネンは窮地に立たされる。

        長編と呼ぶには少ない200ページもないほどの分量。
        でもスリリングになる終盤辺りは意外な事実が。

        作者はドイツであり、歴史の過去にスポットライトを浴びせる構成。
        というかこれはドイツのシステム自体が異常であって、そこを突いた作者の勝利というべきか。

        後の後日談もいかに影響が大きかったかを表している。
        >> 続きを読む

        2019/12/17 by オーウェン

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      深い疵

      NeuhausNele , 酒寄進一

      4.0
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      • ネレ・ノイハウスの「深い疵」は、ドイツの警察小説で、この国が今なお抜きがたく抱える"過去の遺産"が、現在に至るまで、影響を及ぼしている実情を浮き彫りにした作品だ。

        ホロコーストを生き延び、アメリカで大統領顧問まで務めた、九十二歳の老ユダヤ人が、処刑のような恰好で殺された。

        凶器は第二次世界大戦末期の拳銃。
        だが、司法解剖の結果、遺体の刺青から老人が、ナチスの武装親衛隊員だったことが判明する。

        続いて、第二、第三の殺人が発生。
        その被害者たちもまた、ナチスと深い関係にあった過去を隠しながら、生きてきた人間であった。

        ナチスに対するドイツ人の複雑微妙な感情を背景に、現代ドイツの縮図が鮮やかに描かれていく展開は目を見張るものがある。

        優れたミステリというのは、その国の社会状況を、鮮烈に映し出すという特性を見事に生かした作品で、それと同時に恋愛小説や成長小説の側面も併せ持っていると思う。

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        2019/12/08 by dreamer

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      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子

      4.5
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      • 12月の課題図書。

        最初読んだときは「なんてファンタジーなんだ!」「もっと人間の奥底深い話が読みたいんだ!」「子供だましか!」「ハリーポッターと変わらないじゃないか!」なんて思いながら読んでいた。

        このファンタジーな感じ、懐かしかった。
        子供の頃はハリーポッターやダレンシャンが大好きでファンタジーに胸を躍らせていたが、今はもっと人間の深層が知りたいなんて思ったりして「たかがファンタジー」と思っていた。

        でも読み進むにつれてどんどん引き込まれていく。

        年末、大掃除をしていてもファンタージエン国について考えてしまう。
        「それで一体どうなるんだろう、早く続きが読みたい!」なんて思いあっというまに上巻を読み終えた。

        今日から下巻を読む。
        これが一体私の何に作用しているのかわからないがとりあえず、斬新で面白い構成なのでどのように終わるのか楽しみだ。
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        2015/12/31 by snoopo

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      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子

      5.0
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      • 下巻読み終えた。

        下巻になると更に面白くなってくる。

        最後は心がジーンと暖かくなる終わり方で親子っていいなと思った。

        心に深く深く刻んでおきたい物語だった。
        古今東西の文学や思想がいたるところに散りばめられていて優しく、時には厳しい文章に出会い、本当に良かった。

        この年末年始の連休は「はてしない物語」を読んだだけで終わったようなもんだが、そのおかげでたぶん忘れられない年末年始になったような気がする。

        これは児童文学?みたいだけど、結構長く文章もびっしりなので優秀な子供しか読めないんじゃないかと思ったり…

        少なくとも私が子供のころなら読了できてないと思う。
        「わかったさんシリーズ」や「かいぞくゾロリ」を読んでいたレベルなので…汗

        でも子供の頃に読んでいたら、また読後感は違うものになっていただろうなと思い、もう少し早く出会いたかったなぁと思った本だった。
        >> 続きを読む

        2016/01/03 by snoopo

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      若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

      ゲーテ

      5.0
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      • ウェルテル効果のせいか、マイナスイメージで語られるのがもったいない一冊。座右の書の一冊 >> 続きを読む

        2015/03/05 by ぽんた

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      カフカ短篇集 (岩波文庫)

      カフカ

      3.0
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      • 匿名

        読むのが苦痛。
        まったく面白くない。
        なぜか?
        物語にテーマがあるわけじゃない
        寓話的な面白さなのか?

        解説に宮沢賢治との類似性と書いてあった。
        なるほど、確かに似ている気がする。
        >> 続きを読む

        2016/02/10 by 匿名

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