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カテゴリー"小説、物語"の書籍一覧

      星の王子さま

      サン・テグジュペリ , 河野万里子

      4.1
      いいね! tadahiko makoto chao kuuta Minnie sunflower Romance caramel sox tamo Magic_Hour FiRST kissy1986 c1111 mee SAI Fragment keyaki- mariak1994 Kiiro_7
      • 匿名

        もしも誰かが、何百万も何百万もある星のうち、たったひとつに咲いている花を愛していたら、その人は星空を見つめるだけで幸せになれる。〈僕の花が、あのどこかにある〉って思ってね。

        ここ、すごく好き。

        私もそう感じているから。そして本当に幸せな気持ちになれるから。
        何度読んでも、ステキな本です。感じることが多く、いつまでも理解でき、感動できる私でありたいと思わしてくれる本です。
        >> 続きを読む

        2018/10/16 by 匿名

    • 他33人がレビュー登録、 115人が本棚登録しています
      異邦人

      カミュ

      4.1
      いいね! Minnie chao Pettonton Outsider Tukiwami
      • 【総括】
        アルベール・カミュの小説。1942年刊。
        著者がノーベル文学賞を受賞した要因ともなった代表作。
        長年読まれ続けていた名著でもあったので今回初めて読んでみました。
        殺人を犯してしまう心理は理解ができませんが、母親が死んでしまって泣けない、とか、裁判中の答弁についてしらけてしまい声に出すのをやめてしまうような心境は理解できるような気がします。
        色々考えた結果、口に出すのが面倒になってしまうことありますよね。
        この作品のテーマが「不条理」となっていますが、不条理の意味が自分には今一つ理解ができませんでした。
        みなさん一回目は理解できず複数回読んでいるようなので、自分の成長や心理状態で物語を捉える感覚が変わるのかと思います。
        また、一番理解ができなかったのが最後の独房で死刑執行を待つ中、自分が幸福であると悟った意味が分かりませんでした。
        深い、のか、狂気じみているのか、次回読むときにはこの感覚が変わってまた違う理解となることを望みます。
        物語としては最初情景描写が丁寧でゆっくりペースで話が進んでいき、途中から緊迫感のあるシーンの連続で読みやすく、退屈せず一気に読めました。
        >> 続きを読む

        2019/03/13 by べるさん

    • 他15人がレビュー登録、 51人が本棚登録しています
      悪童日記

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.2
      いいね! karamomo Fragment asuka2819 Shizu
      • すごいな…としか言えない←語彙力TT
        ああいう結末になったのは、なぜなのだろう。
        編も気になる。
        映画も観てみたい。
        >> 続きを読む

        2017/11/25 by pink-tink

      • コメント 2件
    • 他14人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      悲しみよこんにちは

      フランソワーズ・サガン , 河野万里子

      3.7
      いいね!
      • --アンヌ、アンヌ! 闇の中で、私は彼女の名前を、低い声で、長い間繰り返す。すると何かが胸に込み上げてきて、私はそれをその名のままに、目を閉じて、迎え入れる。悲しみよ、こんにちは。--


        悲しみの果てに何があるか・・・

        そんな問いの歌がありましたが、その答え、
        悲しみよ、こんにちは、
        ではないかと思っていまして。


        遠ければ遠いほど、対象は美しくなると思っています。
        美しいと感じる星や太陽、素敵な外見の女性でもいいですが、近づきすぎると生々しさが勝ってしまい、どこかの点から先は美しいとは思えなくなってくると思います。
        距離を取るから、美しい。

        死、などもそうで、実際には見ることも耐えない恐ろしい事象ながら、死という単語で抽象化することで、小説や映画では、非常な美しさでもって厳かに扱われる。
        抽象化とは、距離を取ること。
        離れるから、美しい。

        見たくない、会いたくない、嫌い、考えたくない、
        そんな人でも、徹底的に遠く離れて、風景画の中の点描写される人物のようになれば、背景の自然と一体化し、美しい対象に転化すると。

        遠ければ遠いほど、ものごとは美しくなる。
        何かを美しく思えないとは、適切な距離をまだとっていないから。

        そんなことを、思っています。

        悲しみも同じじゃないかなと。
        自分を傷つける、辛い、痛い、引き裂くような感情。
        これもまた、時間と共に、少しずつ距離がとれていく。
        適切な距離に至れば、その悲しみすらも美しく感じられる。
        だから過去は、必ず美化される。

        あまりに離れてしまうと、風景画の中の点のように、見失って、忘れてしまう。
        近すぎると辛すぎる。けれど、忘れてしまいたい程遠くに離れたいわけではない。

        だから、大事な宝箱にそれを閉まって、心がそれを求めた時にひっそりと呼び出す。
        悲しみよ、こんにちは。

        素敵な作品と、沁みじみ感じます。


        --物憂さと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、私はためらう。その感情はあまりに完全、あまりにエゴイスティックで、恥じたくなるほどだが、悲しみというのは、私には敬うべきものに思われるからだ--

        >> 続きを読む

        2017/08/18 by フッフール

    • 他12人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      ふたりの証拠

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.0
      いいね! asuka2819
      • 「死ぬほど辛い孤独の中で生き」ているリュカとクラウスの物語。
        読者をわなにかける。ミステリーにも似ただましの構造を持つ小説だった。
        第一部とされる「悪童日記」のエンディングの直後から物語は始まる。まるっきり続きのように。
        しかし小説のスタイルは全く異なっている。
        62章のタイトル付きのエピソードから成る一人称複数(Nous)が語る「悪童日記」と異なり、全8章+エピローグからなる3人称小説だ。
        そして双子をはじめ、登場人物に名前がついている。
        この国に残った双子の片割れはリュカ(LUCAS)。去って行ったのはクラウス(CLAUS)だそうだ。
        (アナグラムである。まずここで冗談かと思う)
        本屋にも女中にもみんなに名前がある。あのおばあちゃんでさえ、最後にマリア・Zという名前が明かされる。神父さま以外は…。いや、Monsieur le cure(司祭さん)からmon pere(神父さん)へと呼び名が変わっている。神父もリュカを「おまえ(Tu)」と呼び始める。ということはそれまではあなた(Vous)で呼びかけていたということになる。(「悪童物語」の日本語訳はおまえたちでしたが)そしてリュカも「そのほうがぼくもうれしいですよ」と親しみを打ち明けるのだ。
        「悪童日記」から双子を親しく知る司祭だけが名前を与えられない代わりに「父」(ペールは本来父を指す言葉だ)の座を与えられたということだ。
        神父とリュカの心の交流がこの物語の最高で唯一のまともな小説らしい部分だ
        「ぼくに感謝なんかしないでください。ぼくの内には、どんな愛も、どんな思いやりもありはしないんです。」
        「それはおまえの思いこみだよ、リュカ。私はその反対のことを確信しているよ。おまえは、かつて心に受けた傷がまだ癒されていないだけなんだ」
        「おまえは情熱的で苦悩しやすい性格だけに、重大な結果を招くところまで、引き返すことのできない旧知まで突っ走りかねない…。しかし私は希望を失いはしない」
        …にも関わらず神父さんは中盤で退場させられてしまう。
        国境の町でのリュカの日々の暮らしぶり、恋愛模様が描かれ一見普通の小説になったかのように、前作のファンはちょっと裏切られたようにさえ感じるかもしれないが、実際には「悪童物語」よりも人物たちのリアリティは薄い。そして神父の不在はそれに追い打ちをかけるものとなる。

        年齢が詳しく語られているのも前作との違いだ。
        この物語の冒頭でリュカは15歳、この町に来たのは6年前、9歳の時。
        16歳の時にヤスミーヌ(18歳)とマティアス(0歳)に出逢い、アニェスと再会したのは9年後なので24歳、マティアスは7年と4カ月生きた。そしてリュカ30歳の時に失踪。
        クラウスが帰ってきたのは50歳。
        誕生日も秋から年内までの間と推定される。けれどそれがわざとらしいというか…。

        近親相姦によって産まれた不具の子どもマティアスとはクラウスの子供時代の象徴であろう。
        1歳になるかならないかで7~8歳並みの知力を持ち、嫉妬や皮肉に歪んた心を持ち精神障害的言動を繰り返す。孤独な上に心を愛憎に引き裂かれた悲しい少年として存在する。
        そしてリュカはマティアスを心の拠り所として偏愛する。不自然な程に。

        違和感は他にもある。
        そもそも冒頭で「父」の死体を確認するところからおかしい。
        国境警備兵も地元民も司祭も、誰も双子の片割れの失踪に「気づかない」異様さ。
        リュカは「さて、これからどうしようか?」「以前と同じようにする…。」
        と一人二役の独り言をつぶやくだけ。
        そして国境の外に去ったクラウスの外国での暮らしは全く語られないまま連絡も無く物語は進む。
        双子なんて初めからいなかったのだろう。という疑惑はペテールの言葉でほぼ確実となった…かと思いきや…?!
        最終章に突如登場する「本物のクラウス」とは誰なのか?
        そしてリュカの消滅。

        もはや物語にあったはずの透明感は消え失せ、茫洋とした姿へと変容していることに気づくだろう。

        「メタ・フィクション」の酩酊感を味わわせてくれるなんとも驚きの結末。
        (小説内でフィクションをフィクションであると暴くスタイルをメタ・フィクションと呼びます)
        そして読者はその続きを真相を求めて第3部を読まずにいられなくなる。

        「真実」は何?

        そんな読者の問いかけに、作者の含み笑いが聞こえてきそうだ。
        >> 続きを読む

        2017/03/02 by 月うさぎ

      • コメント 6件
    • 他9人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      星の王子さま

      池沢夏樹 , サン・テグジュペリ

      4.2
      いいね! skr35_ Moffy
      • 良い本です。

        池澤夏樹さんの訳も読みやすくて良いです。
        ちょっとだけワードセンスが自分にはハマらない部分もありましたが、
        文体は好きでした。

        「大切なことは、目に見えない」

        本当にその通りです。
        そういうことを大事にしたいです。
        >> 続きを読む

        2018/12/02 by lafie

    • 他8人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      第三の嘘

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      4.3
      いいね! karamomo asuka2819
      • 国境を越えたリュカはクラウス(CLAUS)になった。
        「第3の嘘」は「私」を使った一人称小説に変っていた
        「悪童日記」と「ふたりの証拠」、それぞれの続きが交互に同時進行的に語られる第一部はクラウスが語る、亡命後の物語。
        4月22日、40年の不在ののち、私は子供の頃の思い出の小さな町に帰ってきた。
        亡命先の「豊かで自由な国」では死にたくないとの一心で。

        リュカの不運で哀しい生い立ち、父母の本当の姿。おばあちゃんの正体。
        親友のペテールもクララもK市ではなく亡命先での実在人物。
        国境越えで爆死したのは父ではなかったしリュカがクラウスと変名したのだとわかるし、悪童日記はリュカひとりの創作と判明
        そうかこれが真相だったのか…。
        「耐えがたい孤独に耐えるために自分が生み出した想像」?!
        なんと寂しい『真相』なんだ!

        第二部は双子の片割れの本物のクラウス(KLAUS)によって書かれた手記。
        リュカの孤独に負けない「心の孤独」が語られる。
        リュカのことしか頭にない狂った母との生活の悲惨。真実を知ることの残酷さ。
        リュカに対する愛は積年の恨みで恐怖と憎しみに変っていたのだろう。それは「母」を奪われたくないという一念によるものだ。
        なんと救いの無い人生なんだろう。

        ……と感じてしまった人はまたしてもアゴタの罠にはまっている。
        ちょっと待ってほしい、この小説のタイトルは「第3の嘘」なのだ。
        ここに書かれることも「嘘」なのだよという著者の宣言がこの題名なのではないかしら?

        「私は確信しているんだよ、リュカ。全ての人間は一冊の本を書くために生まれたのであって、ほかにはどんな目的もないんだ」

        アゴタはまさにこの通りのことを実際に成し遂げた。
        双子の物語は祖国を失ったアゴタの心の物語だった。
        主人公は<K市>すなわちクーセグの町であったかもしれない。

        二人が子どもの頃<K市>で、それと知らずにニアミスした機会がたった一度だけあった。
        貧しさから、夜中居酒屋をハーモニカを吹きながらはしごして日銭を得ているリュカは窓の中に4人の「家族」の姿を見たかもしれないし、
        「あの子は町じゅうの庇護のもとに、そして神の庇護のもとにあるんだ」と語られたリュカを、クラウスは「あの子、きっと幸せなんだ」「きっとそうだ」と暖かい家の中から眺めて羨む
        視点が変わっただけで幸せの姿が変わる。
        真実なんて所詮こんな程度の移ろいやすい物なのだ。

        作者が描きたかったのは不在の証明であり、不在は決して証明できないという点こそが真理なのだ

        人間は移ろって行ってしまう。存在するのは町だけだ。
        多くの人生がそこを通り過ぎ、命が生まれ散っていくのを見守っている町だけが…。

        そして「嘘」とはすなわち「小説」を指す。
        なんてことはない。第3の嘘とはストレートに3作目の「小説」であるという意味に過ぎない。
        小説=フィクションとはすべて「嘘」なのだから。

        「自分が書こうとしているのはほんとうにあった話だ。しかしそんな話はあるところまで進むと、事実であるだけに耐えがたくなってしまう。そこで自分は話に変更を加えざるを得ないのだ」

        作者の実体験や心情が語られていようとも、文字にしたものは全て書かれた途端に嘘になる。
        一度でも小説を書こうとしたことのある人ならこの感覚はリアルにわかるに違いない。
        事実を描こうとすればするほど、表面に描かれるのは嘘の物語にならざるを得ないということを。
        なれば嘘の物語に本当を込めるのだ。
        優れた小説とはそういうものであり、それができるのが真の作家なのだ。

        「一冊の本は、どんなに悲しい本でも、一つの人生ほど悲しくはありません」
        こう書いたアゴタの悲しみとはいったいどんなものだったのか。
        それは本書を読み終えた後、反芻して想像するしかない。
        >> 続きを読む

        2017/03/08 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 他8人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      十五少年漂流記 (新潮文庫)

      ジュール・ヴェルヌ

      4.1
      いいね! Minnie pont
      • 中学生の頃一読したように思う一冊を再読。
        改めて良かったです。


        子供向けだけあって、展開は淡々と。
        必要以上の場面の盛り上げや内面的思索のようなシーンは無く、紙芝居のように場面がテンポよく過ぎていく。
        残酷な描写も無い。
        正義と勇気が作中に溢れます。


        大人物の冒険記となると、ゲド戦記や蠅の王などが挙がると思いますが、それらはどれもちょっと暗かったり、過度に現実的で残酷なシーンが多かったりするのが残念に感じています。

        ヴェルヌの筆致からは子供への温かい愛と期待を感じられて、親となった今、嬉しく読み直す気持ちです。

        この作品を読んでいて、結構凄いことを子どもたちが淡々とやりとげるので、子供設定にしていることに少し無理があり、普通に大人の遭難にすればいいのに、と感じながら読みましたが、読み終えて、やはりヴェルヌは、子供を書きたかったんだろうな、と感じた次第です。

        エルマーの冒険同様、子どもに手にとって欲しい一冊です。
        >> 続きを読む

        2018/05/14 by フッフール

    • 他7人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      星の王子さま オリジナル版

      内藤濯 , サン・テグジュペリ

      4.6
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなったのでてにとってみました。こんな内容だったかと驚いたのですがすごく心が洗われ考え込んでしまいました。薔薇の部分を忘れていたのでふわふわしていたけどこれはれっきとした純愛の物語。純愛と友情とこどものきれいな心の物語。離れて分かる愛、王子様が色んな人に聞いたからこそ知る事ができた愛に少し薔薇がうらやましくなったり。大人というのは皆見にくい。自分がきれいな心を見失わないように常に手元に置いておきたいと思いました。飼います。
        >> 続きを読む

        2018/02/28 by kaoru-yuzu

    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ペスト

      アルベール・カミュ , 宮崎嶺雄

      3.6
      いいね! Minnie
      • 「われわれはみんなペストの中にいるのだ」
        「僕はヒロイズムというものを信用しません。僕はそれが容易であることを知っていますし、それが人殺しを行うものであったことを知ったのです」

        思いきり久々の再読。大好きなカミュの大好きな一冊。
        普遍性を意図した文章は作者の真意を理解するためにはしっかり読み込む必要があって、思いのほか時間をとってしまいました。あれ?こんなに回りくどい文章だったっけ?と感じたほど。
        けれど記憶にたがうことなくこの名作は完全に私好みの小説でした。
        ラスト近くのタルーの告白以後のスピード感はそれまでの手さぐりで夕闇を歩いているような中間部に比して、快感ですらあります。
        「異邦人」でも感じましたが、いよいよ大詰めを迎えての爆発的な感動はその前のつまらない部分を耐えてこそ(失礼)という気すらしてきます。
        結びの見事な事は指摘するまでもないでしょう。
        深い感動と共感。
        ああ、再読できてよかった。

        何よりもカミュの人間や人生や社会に対する姿勢や思想が好きです。
        「人は神によらずして聖者になりうるか」
        彼こそは真のヒューマニストではないでしょうか。

        ペストは過去の出来事ではありません。人を死に至らしめる病毒はいろいろな形で現代社会を覆っています。
        新しい感染症も出現し、交通の利便化で風土病も輸出されてしまっており、パンデミックの危機は一向に減っていません。
        細菌兵器や放射能汚染などの新たな厄災も加わりました。
        当然ながらより普遍的なのは地震などの天災でしょう。
        天災は、命の危険は一時で終わるかもしれませんが、地域社会の崩壊や生活の復興の困難はペスト以上の長期に渡る不幸であることを私たち日本人は既に知っています。
        そして最大の悲劇はなんといっても戦争です。

        社会的に隔離され個人の自由が束縛され未来もなく死刑宣告を背負って生きること。
        それはペストと何ら変わることはないのです。
        そしてこういった厄災が起きていなくても社会の中に「人を殺すシステム」が存在するという事実があります。
        それを放置している人間達の無関心と妥協の罪。
        むしろ彼はその現実にたいする無知をこそ問題視し罪であると言っています。

        カミュは外的、物理的な疎外だけではなく人間社会のシステムに組み込まれた人間性の疎外を直視し、堂々と疑問を突き付けます。
        社会を糾弾して快感を得る事は誰にでもできますが、カミュは個々人が人間としてどう生きるかを真面目にストレートに問いかけ、かつ答えているのです。

        「天災を受けいれることを拒みながら、医者となろうと努める」人々が必ずいること。
        「人間のなかには軽蔑すべきものよりも賛美すべきもののほうが多くある」


        彼の誠実さと明晰な頭脳と哲学的良心的な心を私は愛します。

        名作とはかようにいつの時代も息づき決して錆びつきません。
        それは素晴らしい事であると同時に悲しいことです。
        彼らが問題にした人間社会の脆弱さがまったく改善されていないことの証拠であるからです。

        せめて個人が自分の善行を果たす決意をすることです。
        彼が否定したヒロイズムに決して溺れることなく。
        >> 続きを読む

        2017/06/30 by 月うさぎ

      • コメント 4件
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      星の王子さま 新訳

      池沢夏樹 , サン・テグジュペリ

      4.2
      いいね!
      • 綺麗なカバーに見とれて別の訳もと購入。
        私は河野万里子さんのかわいい王子さまのほうが好きでした。 >> 続きを読む

        2015/03/09 by 405.

      • コメント 1件
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      悪童日記

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      3.2
      いいね!
      • 久しぶりの小説は読書ログの課題図書(1月)。映画化もされたらしいですね。

        これは、、、おそろしい、、、。
        たしかに、衝撃でしょうね。

        でも、やっぱり、人間には本来慈悲の心というのは備わってない(育てるしかない)、ということかな、と思いました。生存欲だけで生きれば、こうなるということでしょうね。

        したたかに生き抜く、とはそういうことなのでしょう。

        戦時下、無慈悲な?祖母、偏見、などの環境で双子だけで生きる術を見つけていけば、こうなることはありうるでしょう。いくら”知能”が優れていようが、聖書を暗記していようが、双子の目に映る現実と生存欲の前ではどうしようもない。慈悲の心は育てられず、・・・それが自分に悪果となって返ってくるなどとは知らない。自分たちだけの世界に心を閉ざす二人には信じられるものはなにもない。

        現実の世界を見れば神様など信じられないし(何もしてくれない)、大人たちは汚いし。生き抜くには、自分たちの目と頭だけが頼りなんだから、この世の真理はいつまでも見えないし、慈悲の心も生まれない。

        幼い子どもがテロリストに洗脳されて、テロ要員として使われているらしいけど、この双子の場合は自分たちだけで学んだ結果、、、慈悲の心が学べなかったということかな。

        これは二人が書いた日記(作文)という形になっています。彼らは、

        >作文の内容は真実でなければならない。感情を定義する言葉は非常に漠然としている。その種の言葉の使用は避け、物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうがよい。

        と、感情(主観)はあてにならないのだから、事実だけしか書いてはいけない、というきまりで書いているのです(知能の高さが伺えるね)。それはそのとおりかも知れないけど、ありのままの人間の世界には慈悲の心はないとも言える(彼らの場合は慈悲の心の存在価値がわからない?)。だからこそ、どうにかして慈悲の心は育てなければいけないのだけど・・・。

        まだ二人の人生は終わっていないんだから、これからどうなるかはわかりません。「ふたりの証拠」「第三の嘘」と三部作になってるみたいなので、続きも読んでみたいと思います。

        ドキドキしながら、1日で読めます。

        >> 続きを読む

        2017/02/21 by バカボン

      • コメント 4件
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      ちいさな王子

      サン・テグジュペリ , 野崎歓

      4.2
      いいね! Fragment mariak1994
      • 有名な「星の王子さま」の新訳。
        この作品ははじめて読んだ。

        けれども、あまりピンとくるところがなかった。
        少年少女はこの作品を読んでどう感じるのだろうか。
        そういう部分がとっくに鈍麻してしまっている自分にはわからない。

        私にとっては、サン=テグジュベリといえば、やはり「夜間飛行」や「人間の土地」のサン=テグジュベリだ。

        たとえばこういう文章。

        「リヴィエールには、自分が、長いあいだ、重い物体を差上げ続けてきたような気がする。いわば、休む間もなければ、果てる希望とてもないこれは努力なのだ。「僕は老いてきた……」行動自体のうちにかれが自分の糧を見いださないということは老いた証拠のように思われた。いまだかって、ただの一度も思ったこともないような、こんな問題に心を労している自分にふと気づいて、彼は驚いた。それにもかかわらず、彼がこれまで絶えず押し退けてきた、やさしいものの集まりが、目に見えない大洋のように、憂欝な響きを立てて、彼に向かって押寄せて来るのであった。「それらのものが、かくまでに身近に迫っているのか?……」彼は、今思い知った、自分が、すべて人間の生活を優しくしてくれるものを、老後の方へ、「やがて自分に余暇のできるとき」へと、少しずつ押しやってきていたのだと。なにか、実際に、やがていつの日か、自分に余暇ができ、一生の終りに近く、自分が想像しているような幸福な平和が得られでもするかのように。ところが、平和はいつになってもこないはずだった。勝利もないかもしれないのだ。なぜかというに、あらゆる郵便物が、ことごとく到着し尽くすということは絶対にないはずだから。」
        (「夜間飛行」堀口大學=訳 新潮文庫p22)
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        2017/12/02 by Raven

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      地底旅行

      ジュール・ヴェルヌ

      3.2
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      • 7月の課題図書。

        古本のあいだから一片の羊皮紙が出てきて、床に滑り落ちた。
        そこに書かれていたのはルーン文字。
        これらの文字に導かれ、鉱物学の世界的権威リデンブロック教授と甥のアクセル、アイスランドの漁師ハンスは、十九世紀におけるもっとも奇妙な遠征をおこなうことになった。
        アイスランドの死火山の噴火口から地球の中心部に達する道を降りていく。

        蛇頸竜、マストドンの群れ、地底人・・・
        想像力のない私には辛い旅行でした。
        現実感のないお話が、「大発見だ!」と進んでいくことに違和感を感じてしまって。

        アクセルが叔父さんたちとはぐれてしまったところが一番盛り上がったかもしれません。
        暗い回廊が続く中、4日間もひとりでさまよう心細さ。
        叔父さんの愛情を感じるシーンもありました。

        キャラクター的にも、ちょっと感情移入しにくい。
        熱中したら食事や睡眠を忘れるくらい変人の叔父と、危険な旅にも関わらず、叔父に引きずられてしまう甥。
        ハンスのような、原因や結果などはあれこれ詮索しないで運命に従う人はかっこいいと思うけど、感情を入れる隙がない。

        久々に辛い読書となってしまいました。
        訳が違えば変わってくるのでしょうか。
        有名作品に☆2はちょっと勇気を出しましたが、私が上手くイメージできなかっただけということで。
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        2016/08/08 by あすか

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      狭き門

      ジッド

      4.0
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      • 【内容紹介】
        早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、
        そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。
        しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、
        ジェロームへの思慕を絶ち切れず彼を愛しながらも、
        地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。
        残された日記には彼を思う気持ちと〝狭き門〟を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた……。
        (裏表紙より)


        【著者紹介】
        アンドレ・ジッド Andre Gide

        フランスの作家。
        厳格なプロテスタントの家庭に生れる。
        1891年、従姉マドレーヌと恋に落ち、結婚するが、
        この恋愛体験と結婚生活が後に創作のテーマとなる。
        道徳の遵守、反逆などを悲劇的に描いた『背徳者』『狭き門』
        『田園交響楽』、喜劇的に扱った『法王庁の抜け穴』、
        視点や構成を複雑化した大作『贋金つかい』等、
        多数の著書がある。
        1947年ノーベル賞受賞。


        【感想】
        星評価5の名作評価ではありますが、おすすめはしないです……。
        おそらく、翻訳が私には合わなかったのだろう。
        岩波文庫版を読んでリベンジを計りたい。
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        2018/09/17 by 日陰者

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      悲しみよこんにちは

      朝吹 登水子フランソワーズ サガンFrancoise Sagan

      3.5
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      • 思春期の少女の心境が繊細に描かれていて、ああ10代の若い子ってこういう残酷なこと平気でしてしまう節があるなあと考えさせられました。
        良心の呵責や、間違った愛の解釈による困惑や悩み、気まぐれな心情の変化…

        決定的にこの小説の親子には人としてのモラル?常識のようなものが足りないような気がします。
        日本人の感性とあまりに違いすぎて、読んでいるうちに少し戸惑ってしまいましたが
        それでも読み応えはありました。

        とても女性的な小説です。しかし当時18歳の一少女が書いたものとは思えないほどの完成度の高さ。

        私はあまり心打たれるような場面はありませんでしたが、とても読みやすいので軽い気持ちで短時間で読める小説ではあると思います。
        >> 続きを読む

        2015/04/22 by mokoko

      • コメント 3件
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      椿姫

      西永良成 , アレクサンドル・デュマ・フィス

      5.0
      いいね!
      • あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるから


        久々に、時間を忘れて一気読み。
        あとがきまで入れると500頁弱ありましたが、集中すると短時間で読めてしまうのですね。
        合間に自分の感想をメモする余裕もありませんでした。
        それほどおもしろかったです!
        作者はアレクサンドル・デュマの息子(フィス)さんで、自身の経験に基づいた作品。
        「体験の辛さをそのまま語ればいい」と言っていますが、二十四歳で、しかも1ヶ月でこんな素敵な作品を完成させるってすごい。
        やはり才能ですね。

        マルグリット・ゴーティエは、パリの社交界で金持ち貴族を相手にする高級娼婦。
        奔放で、豪遊しながら生きていたのは、病気で自分は長くないことを確信していたから。
        自分は商品であることをわかっていたから。
        人を愛することができなかったマルグリットを、アルマンは娼婦としてではなく、一人の女性として誠実に愛します。

        マルグリットは気高く美しい。
        同性として、彼女は理想の女性像でした。
        愛する人のためにいさぎよく身を引き、病苦の末に亡くなります。
        彼女は日記や手紙をアルマンに残しましたが、私なら真実を胸に秘めたまま、愛情があることを伝えないままひっそり終わらすと思います。
        伝える勇気がない、と言った方が正しいかも。
        そんなところも含めて、彼女に女性としての魅力を感じます。
        アルマンのひどい行動も、マルグリットの美しさをより高めているの私はOKです。
        実際あんなことをされると辛いけれど、何も反応がないより遥かに嬉しいと思う。
        後半は涙ボロボロでした。
        二人の愛に、ではないです。
        マルグリットの誇り高い生き方に感動しました。

        「ムーラン・ルージュ」に似ているなぁと思っていたら、「ムーラン・ルージュ」は「椿姫」と「ラ・ボエーム」を元に創作した、と書かれていました。
        この手のストーリーが好きなのかも。
        私も清らかな誇りを持って、強く生きていきたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/07 by あすか

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      嘔吐 新訳

      ジャン=ポール・サルトル , 鈴木道彦

      4.0
      いいね!
      • あれはたしか、今から7年ほど前のことです。

        芸術(音楽や絵など)にアイデンティティを見出し、「表現すること」に「私」という存在を垣間見て、喜びを得ていた私は、強迫性障害の悪化、また社会活動が皆無だったことにより、ある精神病院附属のデイケアに通うことになります。

        不安定で、独りよがりで、購買力のない、職歴も学歴も無い上、強迫性障害に悩まされていた私は、自分が「在ること」とはどういうことなのか、考えるようになりました。
        「ぼやけた真理」を探し求めて、書店をさまよっては、画集だの、心理学の本だの、アダム・スミスの「国富論」だのを買っては開きますが、どれもろくに読まずに挫折してしまいます。
        その折、サルトルの「存在と無」と出くわし、その題を見て、「俺が考えているのはこのことだ、確信を得た!」と思い読み始めますが、「“あらわれ”があらわれる”ことにより、”あらわれ”は、、、」という様な文章に、案の定敗れ去ります。

        それから1年くらいして、このカバー絵の、デューラー「メランコリア」に惹かれたのか、「嘔吐」という魅惑的なタイトルと、「サルトル」ということで、人文書院から出版されている本書「嘔吐」を手に取りますが、またもや読まずに放置していました。

        そして7年経った最近になって、やっとのこと読破しました。
        私はサルトルが影響を受けたフッサールや哲学についての体系的知識はないので定かではありませんが、主人公、ロカンタンの「嘔吐感」とは、彼の孤独で厭世的な生涯や思想の内に走る「吐き気」とは、私が折に感じる「あの心情」なのでしょうか。

        ただただ己も含めた「対象」が「在ること」、「在ることを嘆く」先に、その「考え、思考」が「在ること」を思って、また嘆き、、、さながら「合わせ鏡」のように「存在」は「存在」を反芻し、螺旋状に連なった諸々の「存在」が、ただの「存在」に過ぎぬ事を、ロカンタンは嘆いているように思います。

        しかし、最後の1、2ページで、彼は「自己」という「嘆かわしい存在」を、「小説」という「作品」に託して、明るい希望を見出す「決意表明」をしているようにも取れます。

        難解な小説なので、間違った読み方をしているかもしれませんし、読後感は混濁した思いが渦巻いていますが、私にとってはこの本の質感も含めた「存在」自体が、「思想・哲学」への興味・関心の萌芽の時分を思わせる作品のひとつであります。
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        2018/02/22 by KAZZ

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      シンデレラの罠

      JaprisotSébastien , 平岡敦

      4.0
      いいね!
      •  このミステリは、読み手を謎につきつけてきます。
        「わたし」は病院で目覚める。火事で、顔と手にやけどを負い、頭に傷を受け、記憶喪失になっている。

         そして、ミシェル(ミ)である、と周りから告げられる。裕福な伯母の金で働く必要のない優雅な暮らしをしていた20歳の娘。

         火事の時、もう一人いた娘は焼死してしまった。ドムニカ(ド)を助けようとしてミシェルは危ないところ助かった。ドムニカは同じ年の幼馴染。

         記憶を失ったまま、後見人であるジャンヌに引き取られるが、ミシェルは20歳になったら亡くなった伯母の遺産を相続することになっているが、ふとしたときにミシェルは「ドムニカ」と自分が無意識にサインしていて、戸惑う。「わたし」はもしかしたら、ドムニカなのではないか?

         顔の皮膚は移植し、指の指紋はなくなってしまい「わたし」は一体何者で、誰が誰に何をしたのか。

        「わたし」同様、読み手も「わたし」が誰だかわからなくなってしまい迷宮の中に迷い込んでしまうのです。
        「わたし」はミなのか、ドなのか?一人称の形をとりながら、内容は一人称ではない。

         冒頭に裕福な伯母、通称、ミドラ伯母さんが、姪であるミばかり可愛がり、幼馴染みの同じ年のドとラにははっきりと愛情の区別をはっきりつけていたことがわかります。

          同じ人というのはいないけれど、「ミ」と「ド」は親しいのか、主従関係なのか、憎み合っているのか曖昧です。名前が「ミ」「ド」「ラ」など楽譜音符音楽を思わせるようになっています。協和音(安定)と不協和音(不安定)だったら、不協和音なミステリ。

         一番の問題は「わたし」は誰?という自分がわからない、という謎でしょう。

         金よりもなによりも、自分が誰だかわからない、というのはしかも、自分が加害者なのか、被害者なのか・・・それすらわからない、心の中の焦り。

         読者は物語と一緒になって頭をフル回転させて、運動する、そんな印象が残った物語でした。
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        2018/07/22 by 夕暮れ

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      星の王子さま

      サン=テグジュペリ

      3.5
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなり、以前購入した本書を探したところ見つからない。
        あれれ、おかしいなと思いながらも仕方なく諦めて書店で別の本を購入した。
        見つかった。
        ということで、思わず翻訳違いで楽しむことになった。

        こちらは内藤濯さん。
        少し古い翻訳なためか、言い回しが古めかしい印象だったり、現在だと不適切かとも思われる表現が見られたりする。
        そこも時代を感じさせるとともに、近頃の何かと差別表現だと排斥しがちな風潮に大切なことは言葉それ自体よりも、使う側の気持ちの問題ではないかと思っているため、これはこれでいいかなとも思う。
        王子を『あんた』と呼ぶところも若干乱暴に感じないでもないが、最後には『きみ』と呼び方が変わっていくところで、王子に対するぼくの気持ちの変化が表れているとも思える。

        子供のためというよりも、子供とともに大人が読む一冊だと思う。
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        2015/09/10 by jhm

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