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1951年1月発行の書籍

人気の作品

      春琴抄

      谷崎潤一郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! chao
      • たしか、三浦友和と山口百恵で映画になってましたね。ワタシは観てないけど、美男美女、今はええ夫婦になってますなあ。

        それはさておき、この作品は句点がほとんどないし、中に出てくる昔の資料のようなものは古文体だし、ちょっと読みにくかった。「細雪」とずいぶん違う、同じ作者でもいろいろな書き方をするのですね。

        春琴はサドだ、佐助はマゾだとか、いう人もいますが、ワタシはそうは思いませんでした。それぞれの人生なんだし、佐助のような生き方をしたって、本人がそれを望むなら好きにしたらいいんじゃないの?
        純愛??。ここまでの人はいませんよ。もう、何だか達観してるというか、悟りの境地というか。いや、人間であるゆえの無知?それとも究極の愛なのか?これを愛というか??
        無私なのかエゴなのか???わからない^^;

        目が見えなくても、見えないことを大変(不幸)だと思わなければそれでいいと思うけど、、、ワタシだったら、わざわざそこまでしなくても(自然がいい)、と思うだろうな~。う~ん、すごいわ。
        >> 続きを読む

        2017/09/28 by バカボン

      • コメント 1件
    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)

      ギッシング

      5.0
      いいね!
      • 『ヘンリ・ライクロフトの私記』(ギッシング/平井正穂訳) <岩波文庫> 読了です

        作家家業がうまくいかず、ずっと貧困に苦しんでいた"作者"が、友人から遺産年金を送られ、田舎で悠々自適の暮らしを満喫できるようになった、という内容です。

        これだけの紹介だとなんだか詰まらなさそうですが、"作者"の本への愛や散策での自然描写が素晴らしく、これぞ読む価値のある作品です。
        中には政治や経済、イギリスの国民性などを熱く語った、あまり興味の引かれない節もありますが、それを差っ引いても本好きの方(ただし購入派に限る!)、自然の好きな方には必読の書だと言って過言ではありません。

        章立ても序文は別にして「春」「夏」「秋」「冬」となっており、それだけでも何か惹きつけられるものがあります。
        >> 続きを読む

        2015/11/17 by IKUNO

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      風立ちぬ・美しい村

      堀辰雄

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 堀辰雄の小説「風立ちぬ」を、久し振りに本棚の奥から取り出して再読しました。

        なんなんでしょう、この美しさというのは-----。
        流麗な文章といい、描かれている愛情の細やかさといい、観念の麗しさといい、何度読んでも溺れそうになります。

        アイドル映画なんかでお手軽に使われがちな軽井沢とサナトリウムという道具立てが、決して俗悪ではなく優美なんですね。

        著者の堀辰雄が生きていた時代というのは、時代の大きな転換期で、出版界の活況、ラジオ放送の開始など、文化の大衆化現象に呼応してジャズが流行ったり、モボ・モガと呼ばれる若者たちが現われたんですね。

        新しさを意味する"尖端"という言葉が流行し、モダニズム文学が興ったという時代で、こうした若者の風俗を"小説の風景"として取り入れた堀辰雄の小説は、当時としては画期的で斬新なものだったんだろうと思いますね。

        婚約した矢野綾子が結核にかかり、その時の軽井沢での闘病生活をもとに描いた小説---そう聞くと、難病ものの浅はかな悲恋小説だと思われるかもしれませんが、全然そうではないんですね。

        代名詞を多用したセンテンスの長い文章が、静かさと穏やかさと儚さを漂わせていて、もうまさに陶酔してしまいます。

        長く付き合っている恋人同士なのに、作品にセックスの匂いがしないのも、実にいいと思うんですね。
        いわば、究極の添い寝文学なのだと思います。

        この生々しくない兄妹みたいな恋、その清潔感とロマンチシズムは、比類がありません。
        そして、セックスの匂いがない代わりに、甘美な"死の匂い"が漂っているんですね。

        「私達のいくぶん死の味のする生の幸福」という言葉が、作中にあるくらいですから、死への欲望じみたエロスが静けさの源になっているのだと思います。

        そして、特にこの作品で心魅かれたのは、遠景を使った自然描写が実にうまいところなんですね。
        恋人が亡くなった後の「死のかげの谷」というラストの章で、たったひとりで雪の山小屋で暮らしている主人公が、夜、木立ちを通して自分の部屋のチラチラする明かりを、麓から見る場面があるんですね。

        「九時頃、私はその村から雪明りのした谷陰をひとりで帰って来た。そうして最後の枯木林に差しかかりながら、私はふとその道傍に雪をかぶって一塊りになっている枯藪の上に、何処からともなく、小さな光が幽かにぽつんと落ちているのに気がついた。こんなところにこんな光が、どうして射しているのだろうと訝りながら、そのどっか別荘の散らばった狭い谷じゅうを見まわして見ると、明りのついているのは、たった一軒、確かに私の小屋らしいのが、ずっとその谷の上方に認められるきりだった」-------。

        もう、鳥肌が立つほど綺麗で淋しく哀しいシーンなんですね。

        この描写の部分は多分、死で仮想した安らぎに生きた自分の、その命の形を、構造化した場面なのだと思います。
        「今あそこに俺がいる」というふうに、幻の自分自身を遠くの部屋に見ている情景だと思うんですね。

        恋人を失った後、山小屋での主人公の生活の、あからさまな悲嘆にくれるでもない、どこか淡々と過ごしている姿に、逆にグッとくるんですね。

        決して口にされることのない大切な想いが、行間から立ち上がってくるようで、これこそが小説の文章なのだと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/08/31 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています

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