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1959年4月発行の書籍

人気の作品

      デミアン

      実吉捷郎 , ヘルマン・ヘッセ

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 大好きな大好きな大好きな「デミアン」
        私の高校生の頃の理想の男がマックス・デミアンだったかも。
        今読んでも彼の魅力は陰りませんね~。

        ひたいに『カインのしるし』をもつデミアンはこんなことを言う少年です。

        『自分で考えたり、自分で自分をさばいたりすることをめんどくさがる人は、だれでも、昔からきまっている禁令に、だまって従ってしまうんだ。そんなやつらはらくなものさ』

        もともと謎の転校生という設定が私のツボでした。
        ヘッセの初期作品はほぼ「青春小説」。ヘルマン・ヘッセは私の10代当時は、少女漫画ファンの必読書でした。
        少女漫画用語でいうなら「ギナジウムもの」です。(萩尾望都の「トーマの心臓」がその代表作)

        しかし単なる青春小説とは違い、この小説のテーマは生と死と再生です。
        そして時代を覆う「戦争」の影と世界の閉塞

        『鳥は卵から無理に出ようとする。卵は世界だ。
        生まれようとする者は、ひとつの世界を破かいせねばならぬ。
        鳥は神のもとへとんでゆく。その神は、名をアプラクサスという』

        再読してみて、私がいかにヘッセの弟子であったかがわかります。
        宗教や習慣や集団の罠に堕することなく純粋な魂で自己の真実の姿を見つめる勇気。
        生きることの意味。
        ヘッセに共感し、ヘッセに学んだ10代の私。

        『どんな人間にとっても、真の天職とはただひとつ、自己自身に到達することだ』
        『しかし世のなかには、そういった偶然というものはないのだ。
        もし何かをぜひ必要とする男が、その自分に必要なものを見いだすなら、それをかれに与えるものは、偶然ではなくて、かれ自身である』

        ああ。今でもヘッセと私はこんなにも近い。

        と、思わせてくれる愛すべき一冊。

        好きすぎて岩波の後に新潮でも買って読んだくらい。
        今回2冊を比べてみて、私はやはり岩波文庫の実吉訳に軍配を挙げたいです。
        文章が紋切型ではなく、文章として読みやすい。
        (漢字の表記の基準がちょっと変だけど)
        高岡訳はシンプルで意味を取るには楽です。
        でも少々乱暴でぶつ切りで、詩情には欠けるものがあります。
        「デミアン」は哲学書というよりは、神秘主義的で抽象的な幻想小説の面もあるからです。

        岩波の名前の表記「エミイル・ジンクレエル」も好みでした。
        ドイツ語をよくご存じの方に教えていただきたいのですが、
        Sinclair という綴は日本語的に音にした場合 ジンクレールに近いのではないですか?
        高岡役ではシンクレールですが、Sをシと発音するのはS+子音の時なのでは?


        しかしながらヘッセにハマり、その後に読み漁ったヘッセの後期の小説を私は当時決して理解していたとは言えません。
        正直に言うと難しすぎたんです。
        東洋思想に傾倒していくヘッセの年齢を重ねた熟慮に若い私は全然近づけなかった。

        この「デミアン」がちょうとヘッセの分岐点にあたるのですね。

        ヘッセの心の師匠がニーチェだったことも今回改めて理解しました。
        アプラクサスのことも、つい最近思い出させていただきましたし、
        「ツァラトウストラ」がゾロアスターのことだったなんて!!私は明きめくらでした。

        今なら彼の言いたかったこと、「デミアン」後のヘッセの精神の成長、いえ「目覚め」が読み取れるかもしれません。

        ヘッセも再読したいし、ニーチェも読まなければならないなんて!
        読書の旅の果てしれぬこと…。
        >> 続きを読む

        2018/03/17 by 月うさぎ

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      エピクロス 教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)

      エピクロス

      4.0
      いいね!
      • 「何で結婚しないの?」と言われたら「エピクロス派だからです」と答えるために、学派の主張を確認しておきたくて読みました。エピクロス派は、心の平静を保つために、恋を退けるんですよね。

        正直、しょっぱなの「~宛の手紙」は、よくわかりませんでした。エピクロスが考えていた物理学的な摘要なので、彼の原子論や物体の動き、天体の動きについて語られていますが、私が知りたいのはそこではない。とはいえエピクロスについて学ぶには避けて通れない箇所ではあるのでしょう。原子が発見され、粒子の存在が公となった現代人としては、なんとも…

        てっとり早く読むなら「主要教説」「断片」がよさそうです。これまで私が聞いてきたエピクロス派の考えが書いてありました。そうそうこれだよ!と思いながら読んでいました。
        エピクロスは多作だったようですが、現在ではもう残っていないので、「主要教説」「断片」についても、どこまで本当か疑わしいところはあるようです。とはいえ結局私たち自身が、その人自身の納得できる思想をおのおの自身で編み上げて行かなければならないわけですから、参考にするという点でいえば十分な気がします。誰かの思想のコピーではなく、誰々の影響を受けた私の思想、というのを作っていくことが大事だと思うので。

        そういう意味で、エピクロス派は好きです。ストア派も好きです。老子も好きです。

        死ぬまでは生きているんだから、死ぬことを恐れるなんてナンセンスだ、という主張の力強さが好きです。もう少しちゃんと読めたらな、とは思います。
        >> 続きを読む

        2016/06/16 by ワルツ

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