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1959年6月発行の書籍

人気の作品

      かわいい女 (創元推理文庫 131-2)

      レイモンド・チャンドラー

      4.0
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      • フィリップ・マーロウ主人公のハードボイルド推理小説。作品の発表順から行くと「大いなる眠り」「さらば愛しき人よ」「高い窓」「湖中の女」、6年あいだが空いての「かわいい女」となる。
        なので作品中のマーロウも、それ以前の作品に比べ年がいったような感じで、もともと派手なアクションは少ないがさらに少なくなった感じ。年齢を重ねたマーロウが描かれている。
        題名から推測できる通り、この作品にはそれぞれ個性の違う魅力的な女性が3人登場し、マーロウと関わりあって物語は進んでいく。マーロウでなければ陥穽にかけられてしまうような魔性の女たちだ。
        その女性たちは作品が進むにつれ、それぞれ裏側の人間性・ストーリーをみせるようになる・・・。

        チャンドラー独特の比喩も健在で、"オーソン・ウェルズがクラッカーをくちにいっぱいほおばったときのような声で"というのがあった。どんな顔なんだ?!
        >> 続きを読む

        2017/08/26 by Reo-1971

      • コメント 2件
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      僧正殺人事件 (創元推理文庫)

      ヴァン・ダイン

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 【さあ皆さん、お手を拝借! ♪だあれが殺したクック・ロビン!】
         今までに何度も読み直した作品で、個人的にはヴァン・ダインの最高傑作であると考えている作品です。

         本作は、マザー・グース見立ての連続殺人事件です。
         第一の事件は、ニューヨークにあるディラード教授という数理物理学者の邸宅で発生しました。
         教授の姪であるベルは、活発で魅力的な女性であり、アーチェリーに夢中だったことから、教授の邸宅敷地内にアーチェリーの練習場を作り、仲間と楽しんでいました。
         ベルのアーチェリー仲間には、コクレーン・ロビンとレイモンド・スパーリングという2人の若者がおり、この2人はベルを巡っての恋敵でもあったのです。

         ある日の朝、ロビンとスパーリングがベルを訪ねて教授の家にやって来たのですが、生憎ベルは不在でした。
         二人は勝手知ったる地下のアーチェリー・ハウスに行き、何やら話し込んでいた様子です。
         その後、教授の家の使用人が、アーチェリーの練習場で胸に矢を突き立てられて絶命していたロビンの死体を発見するのです。
         スパーリングの姿はどこにも見えません。

         コクレーン・ロビン……クック・ロビンです。
         だあれが殺したクック・ロビン
         「それは私」とスズメが言った
         「私の弓と矢でもって、クック・ロビンを殺したの」
         スパーリングというのは、ドイツ語読みをすればシュペルリンクであり、それはスズメの意味なのです。

         状況からしてどう見てもスパーリングが犯人と思われることから、警察がスパーリングの家に踏み込んだところ、スパーリングは旅支度の真っ最中でした。
         逃亡するつもりか?
         警察官に連れてこられたスパーリングは、ロビンが矢で殺されたことや、現場に落ちていた弓が婦人用だったことを聞かされ、自分が殺したのだとあっさり自白してしまいます。
         「それは私」とスズメが言った……。

         探偵役のファイロ・ヴァンスはこの結末に釈然としません。
         スパーリングは、ベルに言い寄っていたロビンに嫉妬して殺したというのですが、あまりにも出来すぎています。
         これは、婦人用の弓が使われたと聞いたスパーリングが、ベルの犯行と早合点して騎士道精神から虚偽の自白をしたと考えます。
         とは言え、自白しているスパーリングを放置するわけにもいかず、スパーリングは逮捕されてしまいます。
         ところが、そこへ『僧正』という署名がされた手紙が届き、そこには犯行をほのめかす内容が書かれていたのです。

         第二の事件は、ディラード一家とも親交があるジョン・スプリッグという大学生が、朝の散歩中に頭のてっぺんに拳銃を撃ち込まれて殺されるという事件です。

         小さな男が昔いた
         小さな鉄砲持っていた
         弾丸は鉛、鉛の弾丸で
         それでジョニー・スプリッグの
         かつらの真ん中撃ったらば
         かつらは吹っ飛ぶ、吹っ飛ぶかつら

         またもやマザー・グースです。
         当然のように『僧正』の署名入りの犯行をほのめかす手紙が届きました。
         スパーリングは逮捕されていましたので、もはやスパーリングの犯行ではないことは明かです。
         では、誰が一体こんなふざけた殺人を繰り返しているのでしょうか?
         二人を殺害する動機もまったく分かりません。
         ただ、楽しみのためだけに殺人を繰り返しているというのでしょうか?

         そして、さらに第三の事件が発生します。
         ディラード教授や、その養子である数学の準教授であるアーネッソンとも親しい、隣家に住む天才的数学者のドラッカーが壁から転落して死亡したのです。
         ドラッカーはいわゆるせむしであり、子供達からはハンプティ・ダンプティの徒名で呼ばれていました。
         またもやマザー・グース!

         本作は、このようにマザー・グースに見立てた殺人が次々と起こるというミステリで、作品全体に漂う不気味な雰囲気、狂気が独特の味を出している作品です。
         殺人自体に特段のトリックが用いられているわけではなく、もちろん犯人は誰か?というフーダニットものなのですが、何故こんな犯行を繰り返すのかというホワイダニットにも重点があるミステリです。

         最終的にファイロ・ヴァンスが見破る犯人の動機は、冷静に考えると「そんなことでここまでのことをするか?」というものなのですが、作品全体に漂う異様な雰囲気から納得させられてしまいます。
         また、最終的な決着のつけかたも相当にエキセントリックなものなのですが、それすら異様な連続殺人の決着としてはやむを得ないのだろうかと思わせてしまいます。

         ヴァン・ダインの作品では『グリーン家殺人事件』が最高峰とする意見が多いと思うのですが、私は『グリーン家』よりもこの『僧正』の方が好きですし、イチオシしてしまいます。
         それは、今回の何度目かの読み直しでも変わらない評価でした。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2019/04/06 by ef177

    • 3人が本棚登録しています
      三幕の悲劇

      アガサ・クリスティ

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 演劇スタイルを気取った3幕構成というアイディアと、驚愕の殺人動機!が特徴のミステリー。

        引退した正統派二枚目俳優のホームパーティーで、カクテルを飲んだ牧師が急死を遂げた。
        殺人ではありえないと、同席したポアロは判断するが、主人のチャールズは殺人事件を主張する。
        果たして本当に第2の殺人が行われたのだ!


        「三幕の悲劇(Murder in Three Acts)」は「三幕の殺人(Three Act Tragedy)」の別バージョン。
        実は本作は本国英国よりも先にアメリカで発表されました。
        タイトルが違ったり、記述内容に異なる点があるのはよくある話。
        でも、これは、『殺人の動機』という重要部分が全く異なるという、
        完全なる別バージョンなんですよ!
        その噂を聞いたので両方を読み比べてみました。

        中年俳優に恋する娘・エッグとのラブ・ロマンスの描き方に大きな違いが見られます。
        ラストも全く異なる展開です。ここまで別の話というのは予想外でした。

        理由はおそらく英国と米国の法律の差があります。
        英国に当時あった(らしい)法律では、
        「精神病の配偶者を離婚することはできない」のでした。
        ですから、愛する女性と結婚したければ、それを隠して重婚するか、
        さもなければ配偶者に死んでもらわなければなりません。

        当の法律がないアメリカでは、「本人が精神病」で世間から隔離されるという恐怖を狂気が殺人動機に高めたとしています。


        どう考えてもドラマチックなのは英国バージョンだと私は思うのですが…。


        翻訳の違いについても触れておきましょう。
        今回、ハヤカワの新訳の長野きよみ訳と読み比べてみました。

        西脇訳は、ストーリーを追うのはとても楽。
        話がすっきり頭に入ります。男性向きだと思います。

        欠点はポアロのキャラがあまり熟慮されていない点(むしろ悪意を感じるんですが)と、
        英語の解釈の間違いがいろいろあるように思われました。
        言葉使いの微妙な点も含めれば、長野訳はより原文の意図を反映した良訳。
        西脇訳は自己流。というところでしょう。


        翻訳の点でどうしても気になった部分をあげておきます。

        Wouldn't be best pleased at taht,either.The fellow is the most conceited little devil I ever met.
        Rum little beggar, Rather a celebrated beggar,though.

        知ったら怒るだろうな。とにかく自惚れの強い男だから。
        変な小男ですよ。とても有名な小男です。(長野訳)

        どっちみちたいしてうれしがらない奴なんだ。
        僕が今まであった中じゃもっともうぬぼれの強い小悪魔なんだ。
        おかしな野郎だよ。だがむしろ『著名な乞食野郎』と言ったほうがいいかな。(西脇訳)

        ニュアンス無視の単語直訳の実例みたいです。
        ポアロ、そんなにひどい男ですか?
        これ、読まされたらポアロのこと嫌いになりますよね~?

        そう思いきや、エッグのオリバー(仲良しの男友達)に対するセリフにも仰天。

        「オリヴァー、このひょうたんなまずの高利貸しめ!」
        ひぇ~~?!レディーがこんな口を~(;゚Д゚)!

        原文はいったい…?!  調べましたよ。

        "Oliver, you slippery Shylock -"  でした。

        どこをどう訳したらこんな唐突な(・・?

        長野訳では
        「オリバーったら――こずるいシャイロックのようだわ――」
        オリバーはユダヤ人らしいのですね。この訳なら意味が通じます。

        細かいことを気にしない、ストーリー重視の方。
        恋愛問題なんてミステリーの邪魔。と思う方ならいいかも。


        Mr. Satterthwaite looked cheered.
        Suddenly an idea struck him. His jaw fell.
        "My goodness," he cried, "I've only just realized it! That rascal, with his poisoned cocktail! Anyone might have drunk it! It might have been me!"
        "There is an even more terrible possibility that you have not considered," said Poirot.
        "Eh?"
        "It might have been me," said Hercule Poirot.

        ラストは落語のオチみたい。ニヤリでシメ!クリスティさすがです。
        >> 続きを読む

        2013/06/27 by 月うさぎ

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