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1961年8月発行の書籍

人気の作品

      検察官 (岩波文庫)

      ゴーゴリ

      5.0
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      • ゴーゴリの作品で、比類なく新鮮なのは、一にも二にも、その描かれている人物にあると思う。

        かつて愛読した、彼の小説「外套」や「鼻」でも、あらすじなどはとるに足らない。

        貧乏な役人が、爪に火を灯す思いで買った外套を、強奪されて憤死する「外套」。
        やはり、うだつの上がらない役人が、どうしたわけか自分の顔から鼻を失って、大慌てする。
        敢えて、あらすじを書けば、それだけの話なのだ。

        この戯曲「検察官」は、とある田舎にふらりとやって来た、遊び人の青年を、市長をはじめ町のお歴々が検察官と間違え、下にも置かぬもてなしをするという筋立てだ。

        青年はいい気になって、金をまき上げたり、市長の妻や娘をもて遊んだりする。
        そして、さんざんいい目を見てドロンした後、一同が間違いに気づいて地団駄を踏むという、それだけの展開である。

        しかし、何と言っても出てくる人物が、とても濃い。
        市長などは権威主義で、下品で、イヤミな奴で、単なる俗物のはずだが、ラスト、だまされたことを知って激高する場面には、いささか狂気まで滲んで凄味がある。

        「さあ、見てくれ、見てくれ、世界じゅうの人も、ありとあらゆるキリスト教徒も、この市長がどんな大馬鹿ものにされたか、みんな見てくれ!」と叫ぶあたりは、滑稽でありながら、同時にまた、とても悲しい。

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        2019/11/12 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      花のれん

      山崎豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 吉本興業を創業した吉本せいの半生をモデルとした作品。通天閣をも買った女興行主の立身出世の物語。

        寄席道楽好きな亭主に代わり、店を切り盛りする妻・多加。
        しかし、不甲斐ない旦那のため遂には倒産。
        商売が嫌いならいっそ道楽で身をたてなさいと寄席稼業を始める。
        夫に先立たれ後家となった多加は女手一つで切り盛り。自分の幸せを追い求めず、損得より人と人とのつながりを大事にする心意気。
        卓越した先見の目、アイデアの数々。やがて大阪一の興行師になる。

        男社会のなかで女性が大阪商人根性で必死に生きる逞しさが輝いています。軽妙な大阪弁のやりとり、戦前の芸能の流行。漫才の誕生など読んでいて楽しかった。

        山崎豊子が昭和32年に暖簾でデビュー。翌年、2作目の本作で早くも直木賞を受賞。
        後年の社会派、戦争作品の長編のガッツリとした読み応えに比べると、初期の作品は1冊完結であっさりと読めます。それでも波瀾万丈の半生を描く巧さはこの頃から流石。
        >> 続きを読む

        2013/12/04 by ybook

      • コメント 7件
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