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1964年6月発行の書籍

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      紀ノ川

      有吉佐和子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
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      •  和歌山の紀ノ川の生まれのある素封家の女たちを描くこの物語はまさに、紀の川の流れのように途切れる事はありません。
        明治、大正、昭和と祖母、母、娘・・・と受け継がれていく家という川。

         紀ノ川の素封家の娘、花。母を早く亡くし、祖母から教養としつけをされた花は、家の言われる結婚をしても、「女の三従と七去の教えに懐疑を持たぬ」良妻賢母。
        政界へと進む夫を立て、子どもを育てて家を盛り上げています。。

         しかし、花の娘、文緖は全く逆であり、大正デモクラシーにかぶれて、男勝りで東京の大学へと進みます。
        なにかと反発しあう母娘、というより、娘、文緖が常に母に対して「古い」と切り捨てるのです。

         しかし、文緖は口では女性人権だとか、リベラリストだとかいっても、結局は親の仕送りだけで、非生産的。思想は左翼、実生活はブルジョワ。

         銀行家とすぐに結婚して、「自分で働く」なんてことはしないくせに、何かあると懐の深い母に、代議士の父の威光にすがる。

         しかし、その文緖の娘、花の孫、華子になると日本は戦争に突入し、生活が苦しくなる中、奨学金とアルバイトをして自力で大学に通う孫。そして華子は、働く女性、キャリアウーマンとなります。

         結局、戦争で生活が苦しくなると皆、花の家(実家)によってくる。
        勝手といえば勝手だけれども、明治の素封家というのはそのくらい懐が大きくないと人びとの尊敬は得られないのです。

         時代は変わり、夫婦、親子、家族の在り方も変わり、女性の立場も変わっていく、流れが変わっていくのです。

         そんな変化を川の流れに見立てた作者の目は、とことん厳しく、そして静かです。
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        2018/06/13 by 夕暮れ

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