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1970年4月発行の書籍

人気の作品

      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 大介がすべての面において自分の欲望にだけ忠実すぎて生々しさにおなか一杯。運命に流されていくというか大介が作った川に巻き込まれていく登場人物たち。
        銀行合併というさらに大きな渦の中で大介自身も振り回されているのが少し滑稽である。
        子供たちには幸せになってほしいものだが、これからいろんな不幸が襲ってくるのかと思うと少し憂鬱。
        >> 続きを読む

        2019/08/25 by aki

    • 他4人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 大介と鉄平の、というより一方的に大介から向けられる敵意がひたすら怖い。もとはといえばぼんやりした妻を迎えた大介が悪いし、ぎすぎすしていることに気づきながら仲直りの橋渡しをできない寧子も悪いし、乗っかる相子も悪い。大介寧子が普通の夫婦らしくお互いを尊重し、分かり合えるような関係であれば誰も不幸にはならないのに。ってこれは恋愛小説ではないのでした。

        三雲頭取の親心にも似た温かさまで抜け目なく利用しようとする冷え切った大介の野心はどこからくるのだろうか。めいっぱい愛されたことのない人間には、愛のある成功の形なんてイメージもできないし、ほしいと思わないんだろうな。そう思うと大介も被害者なのかもしれない。

        最後の事故がまた心が痛い。鉄平が立ち向かうあまりに悲惨な運命に対して、あまりに味方が少ない。特に肉親に憎まれるというのは大人になっても心を冷やし、最後の一撃にもなるんだろうな。
        >> 続きを読む

        2019/09/09 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 悪は栄え、善は利用され、滅びる。勧善懲悪ものであれば最後にどんでん返しが待っていることもあるが、本作は何とも煮え切らなく、苦い思いの残るものだった。
        どうせならもっとはっきりした転落が描かれていればすっとしたのだろうが、逆にそれがリアリティを加えているような気もする。
        鉄平を亡くしたあと、どこか弱くなった父と、最後まで何もできないという驚異の弱さを見せる母。自分で結んだ縁ならともかく、親を選べない子どもにとって家族とは呪いでしかないこともある、と思う。
        >> 続きを読む

        2019/09/16 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      吸血鬼カーミラ

      レ・ファニュ

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【もう一人の吸血鬼】
         吸血鬼と言えば、すぐに思い浮かぶのはドラキュラ伯爵でしょう
         しかし、怪奇小説の世界では、ドラキュラ伯爵と並んで、もう一人、有名な吸血鬼がいます。
         それがカーミラです。
         本書は、そのカーミラが登場する『吸血鬼カーミラ』の他、怪奇小説の短編を6編収録してあります。

         『カーミラ』以外の収録作は、幽霊譚などですが、何かはっきりした結末を示すというよりは、怪奇現象を語って終わるというスタイルになっています。
         そこに登場するのは様々な幽霊(?)で、たとえば『白い手の怪』では、タイトル通り真っ白な、ぷよぷよした手だけの幽霊です。
         はたまた、『判事ハーボットル氏』では、悪逆なハーボットル判事に死刑を言い渡す控訴院のトゥーフォルド裁判長の姿を取って現れる幽霊(?)です。
         それらの作品は、(平井呈一氏の訳文の文体もあって)いささか古色蒼然とした感は否めませんが、この手の作品がお好きな方はご一読されるのもよろしいかと思います。
         シェリダン・レ・ファニュは怪奇小説を沢山書いていますので、レ・ファニュの業績を味わうという意味でも(代表作は、『カーミラ』以外には収録されてないんですけれどね)。

         さて、問題の『吸血鬼カーミラ』ですが、これはブラム・ストーカーの傑作である『吸血鬼ドラキュラ』よりも前に書かれた作品です(ちなみに、ドラキュラは映画で有名ですが、是非原作を読むべきです。原作は紛れもなく傑作です)。
         登場する吸血鬼のカーミラは女性の吸血鬼です。
         吸血鬼ものは、人間の生き血を吸うという吸血鬼本来の性質の故か、どこかエロティックな雰囲気が漂うわけですが、このカーミラも例外ではありません。
         特に、カーミラの場合は女性の吸血鬼であり、狙うのも女性ばかりということでレズビアン的色合いを帯びています。

         舞台となるのは第一次世界大戦前にオーストリアの一州として存在していたスチリアという土地です。
         やはり、吸血鬼伝説が色濃く残るのは東欧(及びその周辺)ということになるのでしょうか。
         人里離れた場所に建つ城に住む城主の一人娘が主人公(被害者)です。
         この城に転がり込んできたのが、若く美しいカーミラと名乗る令嬢でした。
         カーミラは、馬車の事故を装って城に運び込まれるのです。

         カーミラは、主人公を熱く抱きしめ、接吻をし、耳元で囁いてその心を奪い、頃合いを見計らってそののど元に鋭い牙を突き立てるわけですね。
         この辺りの描写、そして吸血鬼の特長などは、ドラキュラでも描かれているとおり、伝統的な吸血鬼の姿に忠実です。

         物語の構成はごくごくオーソドックスな怪異譚のスタイルを取っています。
         『吸血鬼ドラキュラ』は、書簡や記事などのデータを活用し、また舞台を移動し、さらには最後に滅んだと思われた吸血鬼の血が実は残されているのではないかというほのめかしで終わるなど、作劇上の工夫が凝らされているわけですが、本作にはそのような素晴らしさは認められません。
         ですから、作品の質から言えば、それはもう『吸血鬼ドラキュラ』の方が数段上の傑作であることは間違いなく、『カーミラ』は残念ながらそこまでは及ばなかったと言わざるを得ないでしょう。

         ですが、ドラキュラ以前に書かれた伝統的な吸血鬼ものの作品という意義はやはり大きく、特にこの手の作品がお好きな方には必読書の一つと言っても過言ではないと思います。
         ドラキュラではない、もう一人の若く美貌の吸血鬼カーミラにお目にかかってみませんか?
        >> 続きを読む

        2019/10/06 by ef177

    • 3人が本棚登録しています
      銀河帝国の興亡 3 (創元推理文庫 604-3)

      アイザック・アシモフ

      5.0
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      • 【第2ファウンデーションなんて本当にあるの?】
         ハリ・セルダンすら予想できなかったミュータント(突然変異体)のミュールは、第1ファウンデーションを陥落させた後、真の脅威となる第2ファウンデーションの探索に乗り出します。

         ハリ・セルダンが言うことには、第2ファウンデーションは、第1ファウンデーションと反対側の宇宙、宇宙の果てにあると言うのですが……探せど探せど見つかりません。

         そもそも、不思議なことがあります。
         ハリ・セルダンは、心理歴史学という学問を究め、これによって未来を予測することを可能にしたのです。
         ところが、人類の文明を保存すべく設立した第1ファウンデーションに送り込まれた科学者の中には心理歴史学者はいないのです。
         これって変じゃないですか?

         どうやら、第1ファウンデーションは、物理的な科学の力により存続を図るのに対して、第2ファウンデーションは、心理歴史学者が送り込まれているのではないかと思われ始めます。
         しかし、一体どこにあると言うのでしょう。

         実は、第2ファウンデーションなど存在しないという説も根強く囁かれるようになってきます。
         それは、セルダン一流のめくらまし、ごまかしなのだと。
         また、特にミュールの出現により、既にセルダンの予測は外れてしまったのであり、暗黒時代を短縮することは不可能になったとの説も主張され始めます。

         他方で、セルダンを信望する第1ファウンデーションの住民の中には、セルダンの予測は外れるわけは無いのだから、どんなに危機が迫っても必ずファウンデーションの勝利に終わるのだと固く信じ、大した備えもしなければ、ある意味無気力に陥っているとも思われる風潮が見られるようになります。
         それで良いのか?

         セルダンが第2ファウンデーションの存在を秘したのは、第1ファウンデーションが第2のことを宛てにすることがないように、故意に己の行動を変えることが無いようにヒミツにしたのではないのか?
         だとすると、第2ファウンデーションに頼り切っているような状態ではセルダン・プランはそこから破綻してしまうのではないのか?

         様々な疑問が次から次へと浮かんできます。
         本作は、間違いなくSFなのですが、この様な「推理」の面白さも併せ持った作品なのですね~。

         さて、3連ちゃんでお送りしてきました「銀河帝国の興亡」シリーズですが、この3冊で基本的な部分は終了です。
         最後に謎も明かされます。

         アシモフも、当初はこの3部作で完結する予定だったのでしょう。
         ところが、その後しばらくして、さらにこの続編が書かれています。
         そこまでは私はフォローしていないのですが、この3部作を読んで興味を持たれた方は是非トライしてみてはいかがでしょうか?
         少なくとも、最初の3作については大変面白い作品だと太鼓判を押してしまいます。
        >> 続きを読む

        2019/03/03 by ef177

    • 1人が本棚登録しています

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