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1970年4月発行の書籍

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      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
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      • 阪神銀行頭取の大介を家長とする格式高い万俵家。華やかで格式高いイメージを持ち合わせていながら、大介は妻妾同居の異様な生活を営む。また子供たちを利用して方々にパイプを作り、業界10位の都市銀行である阪神銀行が上位銀行に食われるのを阻止しながら、勢力の拡大を目論む。

        山崎豊子さん作品、白い巨塔、女系家族に続きようやく3作目に取りかかりました。数年前にもドラマになりましたが観ていなかったため殆ど予備知識無しの状態です。

        経済にも政治にも弱い私ですがそれでも業界のどろどろした動向の様子を楽しめます。確固たる知識と徹底した取材の元に書かれていながらも読者にわかりやすいような説明がさりげなく盛り込まれているためです。登場人物が入れ替わり立ち替わりするのですが、久々に出てくる時にはちゃんと説明があるので、この人誰だっけ?とならずにすみます。

        文庫のあらすじを見る限りは銀行業界の争いが主軸であるように感じられますが、一族の異常な実態も見どころです。家族を閨閥の駒のように扱う大介ですが、胸の内には亡き先代への畏怖と嫉妬があり、それが息子の鉄平を通して表れる。このあたりの設定が面白いです。

        この先どうなるのか、あと2冊分この世界観に浸れると思うと楽しみです。
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        2016/02/25 by pechaca

      • コメント 6件
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      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 万俵家のスケールの大きなお家騒動物語、中篇。相変わらず面白い。

        本巻では、上巻ではわりと影の薄かった鉄平と阪神特殊鋼の経営問題が中核になっています。大介の鉄平に対する態度の理由も明らかになり、ますます阪神特殊鋼への待遇は冷酷なものとなっていきます。

        読み進めるほどに鉄平という人物に好感が持てなくなっていきました。確かに大介のやり方はあからさまな嫌がらせなのですが、経営の中枢としての鉄平は些かワンマンすぎると思います。鉄に対しての熱い想いがあるのはわかりますが、だからと言って黄色信号が灯っている高炉の建設を突貫で進めるのはいただけない。作業環境管理、健康管理に甘さがあったのでは…と勘繰ってしまいます。

        それぞれの思惑が交錯する業界の動向が重苦しく語られる一方で、次女の二子の恋物語もまた興味深いです。当人同士の気持ちなど無視した閨閥作りのためだけの結婚…若くて美しい二子の苦しみはどれ程のものでしょう。こちらの展開も続きが気になるところです。

        あらゆる方面の見どころ満載な一族物語、ラストが早く読みたいのですが、読み終わるのが寂しい気もします。
        >> 続きを読む

        2016/03/03 by pechaca

      • コメント 2件
    • 8人が本棚登録しています
      華麗なる一族

      山崎 豊子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 阪神銀行頭取の万俵大介、その息子で阪神特殊鋼専務の鉄平。親子でありながら考え方を異にする2人の対立が深まる中、物語は結末に向けて波乱の連続となる。

        下巻は常に先が気になる展開の連続でした。こんなにも多くの因子を絡めながらも、読者を混乱させすぎないように配慮されています。中弛みすることなく重厚な物語を読ませてくれました。
        以下、大いに内容に触れながらの感想となります。


        この物語を鉄平中心で見たならば、大介は完全な悪であるように感じられます。しかし、中巻の感想でも書いたように鉄平自身に経営責任者としての弱点があり、なおかつそれを改めようとしない身勝手さが経営悪化を招く一因となったことは否定できません。専務の職を辞してからの鉄平の行動も妻の早苗や子供たちを見捨てるに等しいものでした。結局、大介が祖父と鉄平の関係に拘っていたように、鉄平も大介との関係と自分の理想に執着しすぎていたのだと思います。親に愛されたい、理想を追い求めたいと思う気持ちは悪いものではないのですが、それがあるのなら何故彼自身が築いた家庭を顧みず死を選んでしまったのか。小さな息子が喪主を務め、葬儀で放った言葉は悲痛なものでした。

        鉄平の死のあと万俵家の形は変化をみせ「華麗なる一族」を描く物語は結末を迎えます。しかしラストでは、この先大介と阪神銀行が国の金融政策の駒とされることがほのめかされます。この何とも皮肉な終わり方がとても良かった。最後まで堪能させていただきました。


        そして以下余談です。
        物語には大満足なのですが、文庫の裏のあらすじには各巻とも物語の核心に触れる大事な部分が堂々と書かれてしまっているので内容を読む前に目にしてしまうと致命的なネタばらしをさせられます。これは何を意図してるのでしょう。いただけません。

        山崎豊子さんの作品、まだ3作目ではありますがいずれも大満足の面白さでした。次は運命の人か不毛地帯か…悩みます。
        >> 続きを読む

        2016/03/05 by pechaca

      • コメント 4件
    • 8人が本棚登録しています
      銀河帝国の興亡 3 (創元推理文庫 604-3)

      アイザック・アシモフ

      5.0
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      • 【第2ファウンデーションなんて本当にあるの?】
         ハリ・セルダンすら予想できなかったミュータント(突然変異体)のミュールは、第1ファウンデーションを陥落させた後、真の脅威となる第2ファウンデーションの探索に乗り出します。

         ハリ・セルダンが言うことには、第2ファウンデーションは、第1ファウンデーションと反対側の宇宙、宇宙の果てにあると言うのですが……探せど探せど見つかりません。

         そもそも、不思議なことがあります。
         ハリ・セルダンは、心理歴史学という学問を究め、これによって未来を予測することを可能にしたのです。
         ところが、人類の文明を保存すべく設立した第1ファウンデーションに送り込まれた科学者の中には心理歴史学者はいないのです。
         これって変じゃないですか?

         どうやら、第1ファウンデーションは、物理的な科学の力により存続を図るのに対して、第2ファウンデーションは、心理歴史学者が送り込まれているのではないかと思われ始めます。
         しかし、一体どこにあると言うのでしょう。

         実は、第2ファウンデーションなど存在しないという説も根強く囁かれるようになってきます。
         それは、セルダン一流のめくらまし、ごまかしなのだと。
         また、特にミュールの出現により、既にセルダンの予測は外れてしまったのであり、暗黒時代を短縮することは不可能になったとの説も主張され始めます。

         他方で、セルダンを信望する第1ファウンデーションの住民の中には、セルダンの予測は外れるわけは無いのだから、どんなに危機が迫っても必ずファウンデーションの勝利に終わるのだと固く信じ、大した備えもしなければ、ある意味無気力に陥っているとも思われる風潮が見られるようになります。
         それで良いのか?

         セルダンが第2ファウンデーションの存在を秘したのは、第1ファウンデーションが第2のことを宛てにすることがないように、故意に己の行動を変えることが無いようにヒミツにしたのではないのか?
         だとすると、第2ファウンデーションに頼り切っているような状態ではセルダン・プランはそこから破綻してしまうのではないのか?

         様々な疑問が次から次へと浮かんできます。
         本作は、間違いなくSFなのですが、この様な「推理」の面白さも併せ持った作品なのですね~。

         さて、3連ちゃんでお送りしてきました「銀河帝国の興亡」シリーズですが、この3冊で基本的な部分は終了です。
         最後に謎も明かされます。

         アシモフも、当初はこの3部作で完結する予定だったのでしょう。
         ところが、その後しばらくして、さらにこの続編が書かれています。
         そこまでは私はフォローしていないのですが、この3部作を読んで興味を持たれた方は是非トライしてみてはいかがでしょうか?
         少なくとも、最初の3作については大変面白い作品だと太鼓判を押してしまいます。
        >> 続きを読む

        2019/03/03 by ef177

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出版年月 - 1970年4月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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