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1970年5月発行の書籍

人気の作品

      ツァラトゥストラはこう言った

      ニーチェ

      岩波書店
      5.0
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      •  意志を持って、自分を愛して、自分の道をゆくこと。各々が自分の舞踊を続けること。ひとが生きることは、しばしば舞踊にたとえられるが、究極的にはその通りだと思う。踊り続け、歌い続ける。そうして歌っているとき、はっとするような美しい瞬間、全てが調和していると思える瞬間に出会えることが稀にある。ツァラトゥストラには、その瞬間の描写がある。また、下巻に歌や舞踏が沢山出て来るのもうなずける。
         全体をはっきりと理解できたわけではないが、彼は彼なりの抒情詩を描ききっており、個人的にはかなり共感できる。


        「―-すべての言葉は、重い者たちのためにつくられたのではないのか?軽快な者にとっては、すべての言葉は虚偽ではないのか?歌いなさい!もう語ることはやめなさい!」―ー
        おお、どうしてこうしたわたしが、永遠をもとめるはげしい欲情に燃えずにいられようか?
        (p.159)



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        2017/04/20 by 理子*

    • 2人が本棚登録しています
      法律家 (岩波新書 青版 751)

      潮見 俊隆

      いいね!
      • 戦前戦後、国家権力によって裁判所はその機能を殆ど発揮してゐなかった。
        今の最高裁判所の長官は総理大臣が任命解任する権利があるし、
        裁判官の人事権を握ってゐるのも司法大臣で、
        戦前は殆ど検察官から司法大臣になった人たちで占めて居た。
        検察官は裁判で有罪になるものしか基本的に起訴しないから、
        裁判所は極端に言へば事務的に裁判を行ってゐた事になるのかもしれない。
        裁判所の判決によって決まった事件はわづか3%で
        昭和34年から38年までの無罪率は0.01%と言ふのだから
        検察官側の力が大きかったかが見て取れる。
        現在でも無罪率は0.1%と殆ど変わらないらしいが、
        昔はその訴訟裁判のうち80%が自白だったと言ふから、
        冤罪がおほくうまれて居たのだらうと思へば切なくなる。
        無罪率が低い事はある意味それが正しければ
        治安が良くなるメリットはあるのだけれど、
        国家権力が介入しての無罪率の低さがあったんだなと思ふと酷い話だ。
        現在は大丈夫なんだらうか。
        僕は知らない。
        知らないのは罪なのかもしれない。
        先日「最貧困女子」を読んで
        制度、環境、血縁から滑り落とされてしまった人達の
        泥沼地獄生活を知って切なくなった。
        僕もひょっとしたら、この格差社会において、
        そこに落とされて仕舞ふ危険を常に持って居る人間の内のひとりだ。
        貧乏とはいへ、環境、血縁に恵まれてゐるから僕は幸せを実感してゐる。
        ただ、これからの制度の行方、それから制度を知らない事によって
        いつ如何なる時地獄へ落とされるのか解らない。
        さうならないためにも、
        少なからず世の中に不幸せな他人がこれ以上生まれないために、
        僕は読書がしたい。
        直接的には何も出来ないかもしれないし、基本的に行動したいとも思はない。
        ただ、読書をする事で
        「世界人類が平和でありますやうに」と祈る事だけで、今は許して欲しい。
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        2014/11/19 by 風樹のたん

    • 1人が本棚登録しています
      紅はこべ (創元推理文庫 507-1)

      バロネス・オルツィ

      3.0
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      • 【イギリス側から見たフランス革命】


         まるでシャーウッドの森から姿を見せる「ロビン・フッド」の様な、はたまた颯爽と登場する「怪傑ゾロ」のような、本作を読んでそんな印象を持ちました。
         1905年に書かれた古い作品でもあり、やや陳腐化しているところもあることから、現在はあまり人気がないのかなぁ?(でも、宝塚で演じられたりしていますよね?)。
         とまれ、名の通った作品ではありますので、特にまだ読まれていないという方を念頭においてご紹介したいと思います。

         時は、フランス革命のまっただ中。ロベスピエールやダントン率いる共和主義者は、長い間自分たちを苦しめてきた貴族達を徹底的に血祭りにあげていきます。
         それはある意味狂乱的であり、人々は血を見ずしては収まりがつかなくなっているかのようです。
         毎日何百人もの貴族達(女性や子供たちも含めて)が処刑されていました。

         貴族達は何とかパリから逃れようとしますが、街道の要所には共和主義者達が陣取っており、そこをすり抜けようとする貴族達を容赦なく処刑場に送り込みます。
         この処刑に使われたのが、かの「ギロチン」です。
         今の私たちの目からすると、何とも残酷な処刑具と思えてしまうのですが、実はこれ、内科医だったギヨタン(これがギロチンという名前の由来ですね)が極めて人道的な理由から設計した処刑具だったんですね。
         苦痛もなく、一瞬にして首を切り落とすことができる器具として。

         さて、ドーヴァー海峡を挟んだ対岸のイギリスでは、フランスのこの狂熱の様を苦々しく見ていました。
         もちろん、王制を敷いているイギリスとしては、王を廃してギロチンにかけるようなフランスを容認できるはずもありません(それは、当時のヨーロッパ諸国が全てそうで、自国への革命の波及をひどく恐れ、警戒もしていたんですね)。
         かと言って、まともな政治が期待できない当時の狂乱のフランスに対して、外交的に何を言えるわけもなく、時の英ピット政権はこの惨状を黙視するしかなかったのです。

         そこに、「義勇」の人たちが現れます(王政側から見てということですが)。
         首領を含めて20人からなるイギリス人達の組織なのですが、死を目前にしているフランス貴族達を、厳重な警戒網を破ってイギリスに渡らせることを繰り返していました。
         フランス共和主義者達は怒りに燃えたぎります。
         まんまと門をすり抜けられてしまった、その門を担当していた軍曹をもギロチン送りにしてしまうほどに。
         彼等は、いつもメモを残して行きました。
         「○○公爵をお連れする」という予告メモですね。
         そのメモには、署名代わりに、星形の花が書かれていました。
         それが「紅はこべ」の花だったのです。

         救出する側のイギリスは、紅はこべの活躍に拍手喝采です。
         少しでも多くの人たちを助けるんだ! そんな感情がイギリス側にはあったと描かれています。

         フランスだって黙っていません。何とか「紅はこべ」を引っ捕らえろということで、全権を委ねた狡猾なショーヴランをイギリスに送り込みます。
         ショーヴランが目をつけたのは、表面上は共和主義者を装っているけれどどうやら「紅はこべ」と連動してフランス貴族達の救出にあたっていると思われるアルマン・サン・ジュストの妹であり、ヨーロッパ随一の才媛と言われていたマルグリートでした(フランス人ですよ)。
         彼女は既に、イギリスの大富豪、サー・パーシー・ブレイクニーに嫁いでいました。

         この旦那のパーシー・ブレイクニーが、またとんでもな男で。
         伊達男を絵に描いたような美丈夫ではあるのですが、まぁまるで間抜け。
         人々は、彼の財力や地位があるので面と向かって何も言いませんが、陰では揶揄しているんです。
         加えて、何故、欧州一の才媛たるマルグリートが、よりにもよって抜け作パーシー・ブレイクニーの妻になったんだ?と口さがない噂話ばかり。
         金や地位目当てだったのか? とかね。

         でもね、マルグリートにはそれなりの愛情が、過去にはあったんです。
         結婚する頃には、それはそれは、パーシー・ブレイクニーは誠実で熱烈な愛情をマルグリートに捧げたのだとか。
         並み居る求婚者を退けて、パーシー・ブレイクニーを選んだのは、まさにその情熱的な愛情にほだされてのことだったんです。

         それで二人は結婚したのですが、ある時、マルグリートは、噂に聞いた話を何の気なく人々の前で話してしまったことがありました。
         それは、フランスのとある貴族が、フランス革命に反対していて、オーストリアと結託して革命政府を転覆させようとしているという話。
         マルグリートとしては、悪意があって話したことではなかったのですが、それがきっかけで当の貴族はギロチンにかけられ、一族全員が処刑されてしまったんです。
         フランスの共和主義者の人々は、この「悪事」を告発したマルグリートを口々に誉め称えました。 さすが欧州一の才媛だと。
         イギリス人の妻になっても祖国フランスの革命を支持しているのだと。

         でも、その時から、パーシー・ブレイクニーは、マルグリートに対する態度が変わってしまい、マルグリートも夫の心変わりと捉え、夫婦仲は冷え込んで行ったのでした。

         こんな「ロマンス」も織り込みながら、さあ、「紅はこべ」はフランス貴族達を救出し続けられるのか?
         あるいは、狡猾なショーヴランの毒牙にかかって捕縛されてしまうのか。
         実際、ショーヴランの追求の手は徐々に「紅はこべ」本人に迫ってきます(そこに再度利用されてしまうマルグリート)。

         こんなお話が「紅はこべ」なのでした。
         フランス革命がテーマになる作品の場合、多くはフランス側、共和主義者側から描かれることが多い様に思います。
         本作は、その反対側から描いた作品なんですね。
        >> 続きを読む

        2019/08/20 by ef177

    • 1人が本棚登録しています

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