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1974年3月発行の書籍

人気の作品

      夫婦善哉

      織田作之助

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      •  もう一度人生があるなら関西弁の女性がいいです。これは絶対です。できれば神社の娘がよくて、狐顔で涼しい感じ。髪は黒色。年は四つか五つ上でわりと気の強い性格。思いっきりがよくて、後ろから色白の腕でぼくの首を覆うように……

         読書ログのみなさん「はあ? 二度目なんだよ、このバカヤロー バキッ!!( -_-)=○☆)>_<)アウッ! ←ぼく」

         サーセン。ぐだぐだ弁解するまえにあらすじを(「夫婦善哉」のあらすじです。この本には全部で六つの短篇が入っています)


        〈天ぷら屋の娘の蝶子がこの小説のヒロイン。蝶子の父親が営むお店は、具が大きくて、それで味もいいくせに利益がでない。借金取りが出入りするほどやり繰りに困っている。蝶子は子供ながらにして気づいたが、彼女の父親は経理を知らない人で、主な材料費以外の醤油や炭の費用を無視して帳簿を付けていた。これでは商売にならない。
         蝶子は女中奉公を経て、17歳のとき芸者の道を選ぶ。これは家計を助けるためではなく、あくまでも本人の意思によるもので、歌や芸などの才は乏しいものの、天性の明るさでお客をとっていく。
         
         そのなかに、現代でいうダメンズの柳吉がいた。柳吉の齢は31でとうぜん妻子持ち。病気で臥せがちの父親に代わり、理髪店向けの商品の卸しをする。けっこうなボンボンであり、世渡りが下手なタイプ。蝶子のところへ度々通って散財したあげく勘当を受け、柳吉と蝶子は駆け落ちして共に暮らしはじめる。
         
         半人前にも満たない柳吉を一人前にと、そして二人で商売をするため蝶子はヤトナ芸者(臨時雇いの芸者)をしつつお金を貯めるが、柳吉はそれを女遊びなどに使い込む始末。二人はくっついたり離れたり忙しく、蝶子の折檻にも懲りず柳吉は体たらくだが、それでも夫婦生活をつづけていって……〉

         
         罪滅ぼしにやや詳しい筋の紹介をしました。これで許してください。これを読んで思うことは、うちのカミさんが蝶子と似ているかはともかく、ぼくは柳吉タイプですね。人並みのお給金をもらうのが本当に遅かったし、憂さを晴らすためにわりと無駄使いもしていたから、若干生きていて恥ずかしく、当時のことを思い出すとホロリときます(でも女遊びはしてないよ、一応名誉のためにね 笑)。
         
         だから若いときは敬して遠ざけていたけれど、いま読むとすこぶる感慨深くて、しかしどうして柳吉は学ばないのだろうと思うし、蝶子もよく愛想を尽かさないなあ~とも思う。それでもこの二人の仲を裂きたいと読み手に思わせない何かがあって、それがまさに夫婦当人たちにしか分かりえぬ、いや、当人たちも時に見失う男女の機微なのだ。この機微と織田作之助一流の大阪の暮らしの匂い、この二つを存分に味わってほしい。
         結びに代えて余談になるが、森見さんの小説に(「夜は短し~」だったかしら)、織田作之助の全集を読む、すごく感じのいいおばあさんがいたことを思い出し、もしや、彼女も「夫婦善哉」を……と心のうちで訝った。
        >> 続きを読む

        2015/06/29 by 素頓狂

      • コメント 12件
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      新ハムレット

      太宰治

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 夏目漱石の「三四郎」の中に出てきたので、本家シェイクスピアの「ハムレット」を読みたいと思ったのだけど青空文庫になかったので、太宰治版のを読んでみた。そうしたらとても面白かった。

        この「新ハムレット」は、「人物の名前と、だいたいの環境だけを、沙翁(シェイクスピア)の「ハムレット」から拝借して、一つの不幸な家庭を書いた」(本書はしがき)そうだが、聞いたことのあるシェイクスピア版のと大体の筋は同じように思われる。
        でも登場人物の性格や心情、心理がとてもよく伝わってきて、古さを感じない。(「始末に困る青年をめぐって、一家庭のたった三日間の出来事を書いたのである」とあるが、たしかに「始末に困る青年」だね。その後、話がどうなるのか気になるなあ~)


        自分は世界で一番不幸だ、人間というのは可哀想な生き物だなどと、自分をいつも悲劇の主人公にしてすねたり甘えたりしている情けない王子ハムレット。

        正義のためなどと自分を正当化するオフェリアの父。いい人のように見えるんだけど実は策士だったりする(多分)叔父クローヂャス。

        そんな男たちに比べて、オフェリアの方が強くて大人。女性の方がよく物が見えているようだ。
        王妃もハムレットのことを心配している。(まあ、23才の息子にガミガミ言いすぎだけど)

        とにかく、たった三日間とは思えないくらい、ハムレットにとって激動の悩ましい三日間である。
        読んでてまったく飽きなかった。太宰さんは人間の内面を書くのがうまいな~。

        でも、暗くない。軽く読めてしまった。原作も読んでみようかな。
        >> 続きを読む

        2014/05/21 by バカボン

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