こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


1974年9月発行の書籍

人気の作品

      きりぎりす

      太宰治

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  太宰治や三島由紀夫は信者と言えるほど、熱狂的なファンをいまだに持つ作家ですが、私は信者まではいかないですね。どちらも、日本語の使い方が素晴らしく上手い作家だと思います。

         太宰治の女性告白体の文章は、誰も真似できないでしょうし、太宰治の文章は今で言うブログの文章によく似ているのだそうです。

         解説によると中期にあたる短篇集。再読といっても覚えていたのは『きりぎりす』位ですが、こうして改めて読むと太宰治という作家の自意識の凄さってもう油がのりきっているというか、研ぎ澄まされているというか。

         女性一人称「きりぎりす」「千代女」になると女言葉を通して語られる男の自意識過剰がまるで燈籠のように浮かび上がります。「おしゃれ童子」などもそう。

         人と違うんだよ、私は、という気持を紆余曲折で描くのが凄い訳です。

        「マントは、わざとボタンを掛けず、小さい肩から今にも滑り落ちるように、あやうく羽織って、そうしてそれを小粋な業だと信じていました。どこから、そんなことを覚えたのでしょう。おしゃれの本能というものは、手本がなくても、おのずから発明するものかも知れません。」(「おしゃれ童子」)

         おしゃれになりたい、と子供の頃から思っていたけれど、どうも私にはその才能がないようだ、と思うようになったのは20代の頃。お金をかければいいというものでもない。太宰治の「おしゃれ童子」を読んだとき、なるほど、と思いました。太宰治は、なるほどや、あるある、が非常に多い作家です。

         太宰信者になる要因のひとつに「自分だけに語りかけているような錯覚に陥る」というのを読みました。今読んでも、全く古びていない、どの時代にも共通するものを見抜く目、表現する技、やはり天才だったと思います。
        >> 続きを読む

        2018/06/06 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています

出版年月 - 1974年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚