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1975年9月発行の書籍

人気の作品

      高熱隧道

      吉村昭

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      •  黒部第3発電所建設工事に関連した隧道(トンネル)工事を題材にした すさまじい小説でした。
        ただ、「黒部の太陽」の題材となった工事とは別物です。(「黒部の太陽」は、この16年後の第4発電所建設の際の話です)

         土木工事には死亡事故がつきものの時代においても類を見ないほどの被害者を出した超難工事。
        自然の猛威を突きつけてくる冬の黒部渓谷に陣取り、きいたこともない想像を絶する破壊力を持つ雪崩などを耐え忍び、岩盤温度160℃を超える温泉地帯を掘りぬいた男たちの闘いの記録です。

         入念に取材し著者の中で書きたいものが熟成された結果の産物なのでしょう。かなり具体的な工事風景の描写、登場人物たちの心の機微をえがく筆力は見事です。

         とくに、工事の指揮をとる側の人間たちの心理描写は筆者のひとつの大きなテーマだったのでしょう。工夫らの死に対する想いと工事完成への責任感との葛藤。また、貫通の際の昂ぶり。
        なかなかに迫ってくるものがありました。
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by kengo

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      バーバパパたびにでる

      TisonAnnette , TaylorTalus , 山下明生

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.5
      いいね! ice kakao
      • 子供の頃に家に有った本として思い出すのは、このバーバパパシリーズ。

        亡くなった母がよく読んでくれたような記憶が薄っすらと残っている。

        記憶では15センチ四方サイズだったはずなのだが、今回手に取ったものはB5版を少し横に広げたくらいなので、当時と違う版か、かなり想い出補正がかかっていたのだと思われる。

        読み返してとにかく斬新。

        斬新過ぎて感銘を受けたのでネタバレしまくります。(笑)

        もともとはバーバパパしかいなくて病院に行ったら「バーバママが1人必要」と診断される。1人って何なの~!結婚する前からバーバママなの~!とツッコミどころ満載。

        これをきっかけに世界そして宇宙までも対象にした、壮大なバーバママ探しが始まる。

        それでも、最善は尽くしたものの見つけることができずに帰宅したところ、バーバママは庭に埋まっていたというオチ。

        何で埋まってるの~!放っとけばいずれ生えて来たの~!

        確かバーバパパシリーズは家族だったよな...と思い出す間もなく、今度はタマゴを土に埋め始め、すぐに収穫というか出産!?

        母が、素で結構シュールだったのは知っていたが、この年齢になって読み返すと、なんでわざわざこの本を子供に読み聞かせる必要が有ったのかと理解に苦しむ。

        ただ、この本の斬新さを是非子供に読み聞かせたい♪と強烈に思う自分に、母親からの遺伝を感じてニンマリする母の顔を久々に思い出した。
        >> 続きを読む

        2012/11/11 by ice

      • コメント 5件
    • 4人が本棚登録しています
      花の棺 (カッパ・ノベルス)

      山村 美紗

      4.0
      いいね!

      • ベストセラー作家・山村美紗の転機となったのは、第二長篇「花の棺」のヒットだろうと思う。

        アメリカ副大統領の令嬢キャサリン・ターナーが、華道界をめぐる殺人事件に巻き込まれた末に、探偵役として純和風の密室トリックを解くこの作品は、日本推理作家協会賞の候補となり、その後の著者の作風を決定づけた記念すべき作品になっていると思う。

        京都を舞台とし、密室トリックあるいはアリバイ・トリックを配し、女性が探偵役であるという基本設定を固めた上で、サスペンスとトリックのバリエーションを武器として、作品の量産を始めたんですね。

        父親であるアメリカ副大統領の来日に同行した大学生のキャサリン・ターナーは、滞在中に生け花を習いたいと希望する。
        彼女の存在が格好の宣伝材料になると考えた華道界の三大流派は、キャサリン獲得のために鎬を削るが、キャサリン自身は、かつてニューヨークで個展を開いた華道家に師事したいとの希望を持っていた。

        だが、その華道家は京都の空也堂で死体となって発見され、さらに茶室での密室殺人が勃発するのだった-------。

        この「花の棺」は、山村美紗の出世作となった、名探偵キャサリン・シリーズの第一弾。
        舞台は京都、背景は華道界、探偵役はアメリカ副大統領の娘である美貌の女子大生、ワトスン役は日本の外務大臣の甥と、これほど華やかな設定の本格ミステリも珍しいと思う。

        ただでさえ、女性の本格ミステリ作家が稀少だった当時、これほど絢爛たる印象の作品を書き上げた作家の登場は、恐らく相当に鮮烈だったのではないかと思いますね。

        この作品において、真に注目すべき点は、茶室に仕掛けられた密室トリックと名探偵像の結びつきにあり、ここでは解かれるべき謎と、それを解くべき名探偵の特徴が、まるで鍵と鍵穴のように結合しているんですね。

        これだけ美しい形で、謎と名探偵の関係が成立しているミステリは非常に稀で、この一点だけでも、この作品は今なお語り継ぐ価値のある重要な作品であると思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/12/28 by dreamer

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