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1976年1月発行の書籍

人気の作品

      詭弁論理学

      野崎 昭弘

      中央公論新社
      カテゴリー:言語生活
      5.0
      いいね!
      • 『詭弁論理学』(野崎昭弘) <中公新書> 読了です。

        選挙が近いので読んでみました

        世の中に溢れる詭弁を整理した作品です。
        作者は数学者ですが、話が上手いので、注意してないと話に夢中になって何の詭弁の話だったのか忘れちゃうのが難点です。
        もし読まれるなら、「何の話をしているのか」を十分注意しながらお読みください。

        この作品で取り上げられているのはこんな詭弁です。
        ・小児型強弁
        ・二分法
        ・相殺法
        ・あてにならない話
        ・論点のすりかえ
        ・主張の言いかえ
        ・消去法
        ・ドミノ理論

        詭弁を漏れなく取り上げて網羅的に解説する、といった内容ではなく、特徴的な詭弁を取り上げて自分できちんと頭を使いましょう、といった内容かと思います。

        まあ、世の中にはいかに詭弁が溢れていることか!
        >> 続きを読む

        2016/06/28 by IKUNO

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      野獣死すべし

      永井淳 , BlakeNicholas

      早川書房
      3.0
      いいね!
      • 【復讐に失敗したというのに、疑惑をかけられてしまう!?】
         主人公のフィリクス・レイン(ペンネーム)は、そこそこ売れている推理小説作家でした。
         ある時、一人息子が暴走してきた車にはねられて亡くなってしまうという事故が起きます。
         息子をひき殺した犯人は息子を助けもせずに現場から逃走してしまいます。

         もちろん、警察も捜査に乗り出すのですが、全く犯人の目星もつけられずにいます。
         業を煮やしたフィリクスは、自ら捜査に乗り出し、何としてでも自分の手で犯人を見つけて殺してやると決意します。

         フィリクスは、推理小説作家なりの流儀で推理を巡らし、ついに犯人ではないかという男を絞り込むことに成功します。
         小説の取材のためとの口実をもうけ、ある女優に接近し、その女優のつてで犯人と思われる男の知遇を得ることに成功するのですね。

         その男はまったく嫌な奴で、フィリクスの推理通り自動車修理工場を経営していたのですが(フィリクスは事故車が見つからないということは自分で修理したのだろうと推理したのです)、まだ小学生の自分の息子に対して非常に辛く当たるばかりか、女癖も悪く、既に女優との関係は切れていますが、さらに別の女性に手を出そうとしている始末。
         自分の息子と同じ位の年齢の犯人の息子に同情を覚えるフィリクス。
         こんな男を殺すには何のためらいもないと復讐計画の実行に着手します。

         フィリクスは、息子を事故で失って以降、この復讐計画に着手するに当たり、日記の形で計画の進捗状況などを克明に記録していました。
         第一部は、このフィリクスの日記の形で物語が進んで行きます。

         そして、いよいよ犯人殺害に着手しようとしたその時、この日記が祟るんですね。
         犯人は、フィリクスが自分を殺すつもりではないかと感づき、フィリクスが隠していた日記を発見し、その内容を読んでしまうのです。
         そして、フィリクスが自分に手を出せないようにするために、その日記を盗み、自分の弁護士に預け、万一自分が死ぬようなことがあればこの日記を警察に提出するように依頼していたのでした。

         いよいよ犯人を殺そうとしたその時、犯人からそのような事情を告げられ、復讐に着手できなくなってしまうフィリクス。
         犯人を殺したとしても自分に疑いがかからないように綿密に計画してきたつもりだったのに、これではあの日記が警察の手に渡り、自分が復讐のために殺人に及んだことがバレてしまうのは必定でした。
         フィリクスは、復讐を断念せざるを得ませんでした。

         ところが、その日の夜、犯人は何者かによって毒殺されてしまうのです。
         慌てたのはフィリクスです。
         このままではあの日記が弁護士によって警察に提出されてしまう。
         確かに、日記に書いていた殺害計画は毒殺ではないにしても、自分が犯人を殺してやりたいと思っている動機があったということは明白ですし、方法を違えて実行に及んだと疑われるのも間違いないところです。
         慌てたフィリクスは私立探偵のストレンジウェイズに助けて欲しいと泣きつくのですが……。

         というのが本作の粗筋です。

         息子をひき逃げした犯人が判明する過程がちょっとお手軽かなぁという気はしますが、全体としてはなかなか考えられたトリックが使われています。
         要所要所詰めが甘い、ちょっと都合が良すぎる、本当の犯人ならそんなことはしないと感じる点はありますが、ミステリとしての水準には達しているのではないでしょうか。
         物語の構成上、最初に日記をそのままの形で掲載することは必要だということは分かるのですが、やや冗長な印象を残してしまうのはやむを得ないところなのでしょうかね。
         1938年の作品で、古さを感じる点は仕方がないのですが、佳作という感じかな。
        >> 続きを読む

        2019/11/19 by ef177

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      死の接吻

      アイラ・レヴィン

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 【いくら疑おうとも、俺が犯人だという証拠がどこにあるんだ?】
         『彼』は将来に対する強い野心を持った、ハンサムな青年でした。
         今つきあっているドロシーは、大手製銅会社の社長の娘です。
         彼女と結婚すれば『彼』の将来は保証されたも同然。
         ところが、ドロシーが妊娠してしまったことが分かったのです。

         『彼』もドロシーもまだ大学生です。
         ドロシーの父親は非常に厳格な人でしたので、こんな形でドロシーが妊娠したということが耳に入れば、結婚は仕方なく許すかもしれませんが、金銭的な援助等は到底期待できないことは明らかでした。
         かと言って、ドロシーを捨てたりすれば父親は『彼』のことを憎むでしょうし、そうなれば経済界に顔が利く父親は、『彼』の将来の就職に関し不利益になることをすることも十分予想されました。

         ドロシーに堕胎手術を持ち掛けても決して応じません。
         ドロシーは、「私を愛しているのならお金に苦労しても構わないので二人でやっていこう、結婚しよう」と強く求めるのです。
         こんな女と結婚して貧しい一生を送るなんてごめんだ。
         『彼』は、ドロシーを騙して遺書とも読める文章を書かせた上、ビルの屋上から突き落として殺害してしまいました。

         警察は、『彼』の目論見通り、ドロシーの自殺と結論付けたのです。
         そうさ、証拠なんてどこにも残ってやしないさ。

         しかし、ドロシーの姉のエレンは、ドロシーの自殺に疑問を持ちました。
         確かにドロシーは妊娠していたようだけれど、自殺なんてするような子じゃない。
         きっとドロシーを妊娠させた男が、ドロシーが邪魔になって殺したに違いない。
         エレンは一人で捜査に乗り出したのです。

         これまでドロシーから聞いていた話からは、ドロシーがつきあっていたのはブロンドのハンサムな男性で、同じ大学に通っている男ということしか分かりませんでした。
         エレンは、ドロシーが通っていた大学に行き、適当な口実をつけて資料を出させ、それらしい男性を2人に絞り込んだのです。

         ここから先、『彼』の正体が分かるまでの間が上手く書かれているんですよね~。
         読者にもエレンが絞り込んだ2人の男のうちどちらが『彼』なのかはすぐには分からないように書いているのです。
         ここは結構サスペンス感を盛り上げます。
         結局、エレンは犯人をかなり良いところまで絞り込んだのですが、遂にエレンまで『彼』に殺されてしまいます。
         警察は強盗による物取りの犯行と結論付けます。

         さて、『彼』の将来の計画はこれで2度までも失敗したことになります。
         実は、エレンが犯人捜しをして『彼』に接近した時、『彼』はこれを逆手に取って、エレンを信用させ、エレンとも交際を始めたところだったのです。
         しかし、結局正体を見破られそうになったため、エレンも殺してしまったのです。

         『彼』は、3度目の計画に着手しました。
         ドロシー、エレンにはもう一人の姉のマリオンがいたのです。
         マリオンと結婚できれば、大会社の社長の義理の息子の地位を獲得できるわけですよ。
         ドロシーやエレンから、マリオンの趣味、嗜好などは聴いていましたので、『彼』はマリオンにとっての理想の男性の芝居をしつつ、マリオンに接近していったのです。
         ほどなく、マリオンも『彼』に首ったけになってしまい、結婚するところまでこぎつけたのです。

         さて、ここでもう一人、『彼』を怪しく疑っている男性がいました。
         それは、エレンが犯人捜しを始めた時、『彼』の他にもう一人犯人候補として挙がっていた男性でした。
         その男性は、持ち前の好奇心の強さも手伝い、この一連の事件を洗い直し始めていたのです。
         そうして、『彼』がドロシーとエレンを殺害したことに間違いないと確信するに至ったのです。
         しかし、『彼』が犯人であることを証明できる証拠はほとんどなく、推測、状況証拠程度しか見つかりませんでした。

         マリオンにいくら忠告しても聞く耳を持ちません。
         『彼』は、遂にマリオンと結婚して自分の野心を実現してしまうのでしょうか?
         それとも、『彼』の犯行を証明できる思いがけない証拠があるのでしょうか?

         本作は、ご紹介した通り、倒叙もの的な構成を持っている作品なのですが、最初のドロシーの章では『彼』の名前が書かれませんので、読者もしばらくは『彼』が誰なのかは分からないという巧妙な書き方をしているのです。
         そして、読者に『彼』の正体が分かった後は、いかにして『彼』を追い詰めるのか?それは可能なのか?に焦点が移っていくのですね。

         作者は、『ローズマリーの赤ちゃん』を書いた作家ですが、あの作品とは全く違うミステリも書いており、しかもなかなか良い出来ではないですか。
         捻った構成も冴えています。
         なかなかの佳作。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
         
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        2020/09/18 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      夜の黒豹 (角川文庫 緑 304-29)

      横溝 正史

      3.0
      いいね!
      • 娼婦連続殺人事件の被害者の胸に描かれていた"青蜥蜴"と犯人と思われる全身黒い服の男こと"黒豹"と対峙する金田一耕助の活躍を描いた長編。

        最初は単純な事件かと思われたが、やがていかにも横溝正史らしい呪われた一族の因縁が関わって複雑怪奇、そしてなんとも猟奇的な真相が明かされます。

        多くが映像化された金田一耕助シリーズですが、本作の事件はかなり陰惨で倒錯的なため、自分の読んだイメージで本作の世界を広げるしかないかな?

        それにしても、もはや名人芸としか表現しようがないあっけない結末描写。これは普通の作家にはなかなか出来ないですよ(笑)



        >> 続きを読む

        2017/08/23 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています
      十七人目の死神 (角川文庫 緑)

      都筑 道夫

      4.0
      いいね!
      • 昭和51年角川文庫から発売された全11作を収録した怪奇(懐かしい響きだ)短編集。

        SFぽいものやユーモラスな作品もあるが、本書の冒頭に収録された「手を貸してくれたのはだれ?」が一番悪夢的な物語で面白かった。

        因みに僕が読んだ本書は昭和58年の第八刷で、巻末には当時の角川文庫の最新刊の案内が書かれており、都筑道夫氏の「ひとり雑誌」やドラマにもなっていた「巨人の惑星」などの発売が記されている。

        この時期大阪に出てきたばかりの僕はこの2冊を買っているのだけど、結局読んでいないことを懐かしく思い出してしまった・・・本書の感想からそれてしまってすみませんでした🙇
        >> 続きを読む

        2018/09/27 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています
      冬の鷹

      吉村昭

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • 敬愛する作家のひとり吉村昭の「冬の鷹」を読み終えました。

        この作品は、「解体新書」の翻訳に挑んだ前野良沢と杉田玄白を扱った小説で、いつもの吉村昭らしく、実証的に丹念に取材された跡がうかがえます。

        オランダ語の習得に人生を賭けた清廉な学究派の前野良沢と、オランダ語への興味より蘭学を医術へ応用することや、その普及を目指した杉田玄白の、人生の明暗と二人の相克が丹念に綴られていきます。

        作者・吉村昭の興味は、無謀な仕事に取り組んだ彼らの激しい情熱と、処世感覚の差による、その人生のあまりの隔たりぶりを描くことにあるような気がします。

        そして、作者は徹底して学問へと沈潜した前野良沢の潔癖な生きざまに光を当てたいと考えたのではないかと思う。

        医者ものの歴史小説は、あらゆる階級の人々の生活や人情を描けるばかりでなく、文明論に深く迫ることもできると思う。
        そして、その可能性は、まだかなり多く残されているのではないかと思いますね。
        >> 続きを読む

        2018/05/29 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      ハートの刺青 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-4)

      エド・マクベイン

      4.0
      いいね!
      • 87分署シリーズ4作目の本書。

        87分署シリーズの初期には、年に2作シリーズの新作を発表してたのだから、作者のエド・マクベイン自身もこのシリーズを書くのが楽しかったんだろうな。

        一般的にスティーブ・キャレラ刑事が87分署シリーズの主人公という認識が浸透しているけど、マクベインはあくまでも刑事を主人公にしたシリーズを書いていたつもりらしく、実際には本書で重症を負ったキャレラはそのまま死なせる予定だったそうです。

        そう思って本書を読むと、ラストの一文によってシリーズの流れが大きく変わってしまったことがわかる気がします。
        >> 続きを読む

        2017/08/27 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています
      750ライダー 1 (少年チャンピオンコミックス)

      石井いさみ

      4.0
      いいね!
      • 750ライダー 第1/全50巻

        中型限定では有るが、学生時代は単車とともに過ごしたため、当時でも既にレトロな雰囲気が漂っていたこの作品も薄ら読んだ記憶が有る。

        ナナハンでウィリーとか、渋滞の車を縫うような細かくかつ高速な切り返しとか、尋常じゃない腕を持つ、750ライダーこと光。

        暴走族、番長グループ、しかも、オンナは乗せないとイキがっている硬派で構成されているところに時代を感じる。

        公道レースを挑まれた横暴な相手から、挑戦料として10円を徴収する。

        四輪のくせに、崖で単車に幅寄せしてくるような犯罪レベルの輩だが、驚きの方法で回避した光に気を取られた結果、自分たちが崖から転落してしまう。

        電話ボックスからの119コールに例の10円を使うと言うのが何だかオシャレに感じた。

        ガス橋なんて、土地勘の有るところが出てくるとテンションが上がる。
        >> 続きを読む

        2016/01/26 by ice

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています

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