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1976年6月発行の書籍

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      迷路荘の惨劇 金田一耕助ファイル8

      横溝 正史

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 『ひとり横溝正史フェア』のこちらは、えっとえっと何作目でしょう。
        忘れました。

        豪邸名琅荘は、邸内至る所に仕掛けが施してあり複雑な造りから迷路荘と呼ばれている。
        その迷路荘の創始者古館種人は、美しい後妻加奈子とその遠縁にあたる静馬との仲を疑っている。ある日種人は加奈子を斬り殺し、静馬の片腕を斬り落とした上で自死してしまう。
        そんな迷路荘に知人の紹介で訪れた金田一耕助は、凄惨な殺人事件に巻き込まれる。

        こういって始まる物語で、いつものように金田一耕助がまあまあ殺されてから事件を見事に解決するわけだが、全く内容の記憶がない。
        我が家に「迷路荘の惨劇」は二冊あり、間違いなく最低二回は読んでいるはずなのに。
        全く読んだ覚えがない。
        内容どころか、これって買ったっけくらいに記憶がない。
        どこかで頭でもぶつけたか、いや、もしかしたら殴られたのか。
        事件発生。金田一さーん。

        この本は読み始めるとじきに、子爵だとかフルートだとかが出てきて、なんだかとっても「悪魔が来りて笛を吹く」に似ている。
        勿論、似ているところはそこだけだけれど。
        フルートの音色というものは、どこかしら淋しげで暗い内容の横溝作品にはよく似合うかもしれない。

        屋敷から繋がる洞窟だとか、美しいけれど健やかさはない女性、惨劇に相応しい殺されかたなど面白く読ませる。
        それなのにどうして全く憶えていないのか、謎は深まるばかりだ。

        横溝正史の作品は時代が時代なので仕方ないが、数え年や尺貫法が用いられている。
        そういった表現に慣れていないため、読むたびに頭の中で考えなければならないところが少々手間ではある。かっこ書きで実年齢やメートル法キログラム表記をしてくれると読みやすいかもしれない、などと甘えたことを思ったりもする。

        ラストは横溝作品にはしばしば見られる大団円だが、今回の終わり方は好きではない。
        「女王蜂」のときにも似たような違和感があったが、わかっている犯罪者を金田一耕助の独断で見逃したり、なかったことにするようなことがおかしいと感じる。
        何の権利があって一探偵に過ぎない金田一耕助がそういうことをするのかと疑問であるし不快でもある。金田一耕助の好みで対応を変えられては困る。

        最後に至るまで遂に全く思い出すことなく、初読のように謎解きも楽しめた。
        わたしの記憶がなくなった謎は未解決のままだけれど。
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        2016/03/18 by jhm

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      限りなく透明に近いブルー

      村上 龍

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 村上龍のデビュー作。
        23歳でこれを書くなんて。

        ドラッグに溺れる若者の退廃的な生活。
        薬物、性、暴力・・・
        乱交シーンなどでは不快感を感じる。
        でも全体的に感じるのは虚しさ。

        好きではないし、誰にでも薦められる本では決してない。
        でも嫌いではない。
        >> 続きを読む

        2012/11/18 by mahalo

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      本命

      ディック・フランシス

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! Tsukiusagi Tukiwami
      • 「ディック・フランシスの話題が出れば、乱入してくる女がいると聞いたけど、それって月うさぎのこと?」
        「その通りです。彼にハマっていた時は当時出ていた文庫は全部読んだし、文庫化されない単行本を買って、終いには翻訳が待てなくて原書まで読んだのよ」
        「すごいね」
        「でもね、読むのに半年以上かかって、半分も理解できないうえに、その内に翻訳が出ちゃった…。
        しかも菊池さんの訳が完璧だということが理解できて。敗北も経験ね。無謀だったっていうことね…(遠い目)」
        「ところで、この「本命」なんだけど…。」
        「そうなの!もうショックで(>人<;)…なんでこんな名作が絶版なんだか?!
        ハヤカワさん、それはないよ!なんとかして下さい!」

        元騎手だったディック・フランシスの処女作にして競馬ミステリーの第1作目。
        若干の固さ、構成の未熟さはあるものの、フランシスらしさが完璧に味わえるという点でも、イギリスの障害競馬の基礎知識を得るためにも、フランシスをお薦めするなら外せない作品です。

        人気作の「本命」と好対照な作品でもあるので、セットで読んで欲しいです。

        「興奮」が主に競馬の厩務員の世界を描いているのに対し、こちらは「騎手」側の世界を描いているからです。

        主人公の設定も対照的。
        方や若くして弟妹の親代りを引き受けて牧場主として働きづめの苦労人のダニエル・ローク(27歳)
        「本命」のアラン・ヨークはローデシアの富商の一人息子(24歳)。
        ロンドンのオフィスで父の仕事を引き継ぎながら、障害競馬のアマチュア騎手としてレースに出場しています。
        恋愛に対する態度も全く異なります。
        共に青春小説ではあるのですが「興奮」が自己再生、「本命」は友情がテーマな作品ですね。

        「冒険は人間性を見失わないために必要である」
        と、フランシスは言います。
        しかし、それがなぜ競馬なのか?といえば、結局は馬と走るのが好きだからでしょう。

        レースのシーンの美しさ、落馬の危険、騎手同士の競り合いなど、平地ではなくて障害競馬だからこそのシーンが本作の醍醐味です。

        また、本作に登場するアドミラルはフランシス作品の名馬の中でも最高に存在感のある美しく賢く可愛い馬なんですよ!!

        『アドミラルは完璧なタイミングで跳んだ。飛べるのは鳥だけではない、と言わんばかりに宙に浮いた。
        次の瞬間、落ちた』

        親友のビルが目の前で落馬事故を起こし死亡するという悲劇で物語は幕を開ける。
        アランは確信した。
        絶対的本命のアドミラルが跳躍でミスをするはずがない。と。
        仕組まれた事故の裏には組織的な暴力が待ち受けていた。
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        2019/04/03 by 月うさぎ

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      九マイルは遠すぎる

      ハリイ・ケメルマン

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【ロジックによる推理を中核とするミステリ】
         本作は、ニッキイ・ウェルト教授を探偵役とするミステリ短編集です。
         ニッキイ・ウェルト教授は、単に話を聞くだけで推理を行う、典型的な安楽椅子型探偵ですね。
         そして、その推理手法は、理詰めで考えられる選択肢を絞り込んでいくというものです。
         ある意味では王道のパズラー・ミステリと言えるでしょう。
         それではいつものように収録作品からいくつかご紹介。

        ○ 九マイルは遠すぎる
        この表題作が、ニッキイ・ウェルト教授のデビュー作になります。
         著者自身による序文が添えられており、何故この作品を書くことになったかといういきさつが明らかにされています。
         それは、著者は教職にあったのですが、ある実験的な授業で「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない。ましてや雨の中となるとなおさらだ。」という短文を使ったことがきっかけだったと言います。
         この短文からミステリが作れそうだ……と思いついたのはいいものの、結局完成までに14年もかかってしまったのだとか。
         作中でも、ニッキイ・ウェルト教授の話し相手である郡検事がたわむれに思いついたという「九マイル云々」というくだんの短文だけから、実際に犯罪が行われたこと及びその犯人を推理してしまうという奇抜な作品になっています。
         著者が標榜する推理のスタイルを最も色濃く提示している作品と言えるのではないでしょうか。
         ただし、何故、郡検事がこの短文を思いついたのかという決定的な弱点があります。
         その点は著者も気付いており、ウェルト教授をして「偶然思いついたはずがなく、何か理由があったはずだ」と指摘させていますが、じゃあ何故か?という点は結局うやむやに終わってしまいます。

        ○ わらの男
         一通の誘拐にまつわる脅迫状(それが撮影された写真)及び、その誘拐事件の顛末(被脅迫者は犯人の要求通り金を支払い、誘拐されていた娘を取り戻し、以後無事に解決したという理由で捜査機関への協力を拒みます)だけから事件の真相と犯人を推理するという作品。
         しかし、この推理は小説上はともかくとして、現実には無理があります。
         現実の捜査機関ならウェルト教授が指摘したような事項は当然捜査しているはずであり、それを見過ごしたままあさっての方向ばかり捜査するということはちょっと考えにくいのではないでしょうか?

         著者は、序文で、「読者は主人公の探偵が得られるのとまったく同じ手がかりを与えられる。」と書き、本シリーズが本格推理小説としてフェアなものであることを強調しています。
         しかし、その点については異議があります。
         著者は、犯人の決め手になる手がかりを必ずしも事前に読者に提示してはいないのです。
         確かに、ウェルト教授もその証拠を見てはいないのですが、それが決め手であることは間違いなく、ウェルト教授はさも自信たっぷりに「調べてごらん、そうなっているはずだから」と言い、結局その言葉通りとなり事件が解決するというパターンが多く見られます。

         これは実はさほどフェアではないと言わざるを得ないでしょう。
         だって、決め手の証拠までをも読者に提示して「さあ犯人を当ててごらんなさい」とやるのが本当のフェアなミステリと言うべきです。
         それを伏せておいて「当ててごらん」と言われても、読者としては決め手に欠けるとしか言いようがないでしょうね。
         いわば、著者とウェルト教授は共犯であり、神の立場にある著者が用意した決め手の証拠を、物語上はウェルト教授は見ていないにしてもその推測が当たるという形で解決しているだけで、ひどい言い方をすれば結局『当てずっぽう』が当たった以上のものではなく、決して理論的推理とは言えないからです。

         と、ちょっと厳しいことを書きましたが、少なくとも表題作の『九マイルは遠すぎる』はなかなか変わった味わいのミステリになっていることは間違いなく、少なくともこの作品だけは読んで損はないと言えるのではないでしょうか。
        >> 続きを読む

        2019/10/20 by ef177

    • 4人が本棚登録しています
      大森林の逃走―サウンド・ハンター〈1〉 (ソノラマ文庫 37)

      和田 頴太

      4.0
      いいね!

      • 今回読了した「大森林の逃走」は、サウンド・ハンターの少年が録音したのが殺人現場だったことから始まる、オレゴンの森を舞台にした逃亡サスペンス。

        主人声の矢島響は、17歳にしてすでにレコードも出したことのあるプロのサウンド・ハンター、つまり録音エンジニアだ。

        彼は、野鳥の声を録音すべく、叔父の暮らすオレゴンへ渡った。
        叔父たちとともに人里離れた森林で一夜を過ごした翌朝、セグロ・ミュビゲラという珍しい鳥の泣き声を捕まえることに成功した響。

        だが、その喜びも束の間、何者かの無粋な声が録音の邪魔をした。
        響が指向性マイクを向けると、聞こえてきたのは、銀行強盗が仲間割れを起こして一人を射殺する模様だった。

        その一部始終を納めたカセットを持って逃げ出した響を、残りの二人の銀行強盗が追って来る。
        響の行く手に広がるのは、地元の者も立ち入らないという"巨人の森"だった------。

        オレゴンの森を舞台に、実にテンポよく繰り広げられる逃走劇だ。
        駆け足の物語のようでいて、森林での銀行強盗との戦いやコヨーテの群れとの戦い、そしてカーチェイスから岩場での持久戦まで、まさに山場の連続なのだ。

        そうした物語にリアリティを与えているのが、作品中で示される固有名詞の数々なんですね。
        鳥、録音機材、衣類、小道具、地名。
        それらが、オレゴンの大自然やプロの録音エンジニア、アメリカ文化などを実にそれらしく見せているんですね。

        >> 続きを読む

        2018/04/09 by dreamer

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