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1980年10月発行の書籍

人気の作品

      ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

      スウィフト

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • この本、というか旅行記を読んでいて自然と思い浮かんだ言葉は"相対"です。主人公ガリヴァーは今までどんな旅行家も訪れたことがないであろう国々に辿り着き、これまた誰もが体験したことがないであろう奇妙な経験をする。

        主にリリパット国、ブラブディンナグ国、空飛ぶ島ラピュータ、フウイヌム国の5つの国が印象に残りました。ガリヴァーはこれらの国々で当時のイギリスでは(もちろん今も)ありえないようなことを見聞きする。リリパット国では小人に出会い、ブラブディンナグ国では巨人に出会うという真逆の体験をする。空飛ぶ島ラピュータでは数学と音楽が当時のイギリスと比べ物にならないくらい発達しており、しかしお偉い方は常に瞑想状態で会話もままならないという有様。フウイヌム国では馬が最も理性的な生き物であり人間を飼いならしている、いわば人間と馬が逆転したような世界が広がっていた。こうした超刺激的な世界を前にしてガリヴァーには様々の疑問や考え、尽きぬほどの好奇心が湧き上がっていた。

        彼がこれら各国で見聞した事物を詳細に叙述したものは現代の私たちの興味を引くには十分で、また、それに彼なりの色々な思いが述べられている本書は、私たちに人間の立ち位置を考え直させてくれるものです。人生のうちで一度は読んでおきたい、読んでおいて良かったと思わせてくれる1冊でした。
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        2018/10/15 by Afro

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      官僚たちの夏

      城山三郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!

      • 1960年代初頭。高度経済成長時代にさしかかった日本経済を、牽引しようとした熱き官僚たち。

        かつて、この国には、国のために愚直に生きた官僚たちがいたものだ。
        目を覆いたくなるばかりの、官僚たちの腐敗と堕落と劣化のニュースが続く昨今、それを論じる際「昔の官僚はそうではなかった。真剣に国や国民のことを考えていた」という文脈の中で、よく引き合いに出される、実在の通産官僚をモデルにした小説が城山三郎の「官僚たちの夏」だ。

        風越信吾は、悠然と大臣室から出てきた。
        通産省の大臣官房秘書課長ながら、大臣と対等に渡り合ってきたところだった。

        入省年次順に役人を並べる時代ではない、魅力的な人材を見つけて育て、適所に配すべきだと、一説ぶってきたのだ。

        この時代、通産省の許認可権は、次々と失われつつあった。
        残っているのは、輸出入に関する権限がほとんどで、それも輸入自由化の流れの中で失われていくのは必至だった。

        では、今後、通産省は何のために存在するのか。

        風越には固い信念があった。国家の政策は、政財界の思惑や利害に左右されてはならない。
        政治家も経済人もあてにならない今、自分たち官僚だけが、国全体を考えているのだ。

        その思いから、風越は部下とともに「指定産業新興法」を立案する。
        日本の産業の在り方を劇的に変える可能性を秘めた法律だ。
        しかし、国会での審議はなかなか進まない-------。

        この「官僚たちの夏」は、経済小説というジャンルを確立し、その第一人者となった城山三郎の作品の中では、官僚を主人公としている点で珍しい異色作になっていると思う。

        しかし、その面白さにおいては、彼の代表作である「総会屋錦城」に勝るとも劣らないと思う。
        通産省という組織と、そこに生きる人間像がダイナミックに描かれているんですね。

        モデルがいるとはいえ、ノンフィクション物ではなく、小説として脚色されているので、一種のヒーロー小説としても読める。

        官僚たちが輝いていた夏の季節が過ぎ、真冬とも言える今、この作品をどう読めばいいのか。

        単なるノスタルジーに浸るためというのも、一つの読み方だし、中央官庁という組織を知るテキストにもなるし、法律ができる過程を学んでもいいと思う。

        そうした情報小説的な読み方が今でも可能なのは、官僚組織や、政治家と官僚の関係が、60年近くたっても、本質的には何も変わっていないからだと思う。

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        2018/06/09 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      辺境の王者 辺境の王者

      栗本薫

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 100巻超えのグインサーガのプロローグである辺境編ラストの第5巻。

        セム、そしてラゴンの住む辺境の地に攻め入るアムネリス率いるモンゴール軍。4巻ではモンゴール軍マルス伯の人柄に心を動かされて、モンゴール軍も悪い人ばかりではないと思ったが、その考えを撤回したいくらいにモンゴール軍の言動が最悪。戦士なら、気高く誇りを持って戦って欲しい。(そんなこんなで改めてアムネリスは大嫌いだと思った…)

        子供の頃から本を読む習慣があったわけではない私が、プロローグだけで5巻もあるこの壮大な物語をいまだに面白く読めていて、先を読むのが楽しみだと心から思えることが嬉しい。

        最大の理由は月並みの言葉だけど、キャラクターが魅力的だからなのだと思う。

        最強のグイン
        陽気な自由人イシュトヴァーン
        強気な予言者リンダ
        冷静な分析をする可愛いレムス
        冷酷なアムネリス
        なぜアムネリスを慕うのか謎すぎるまっすぐなアストリアス

        このキャラクターに対する印象は今後どのように変わっていくのだろう。
        そしてそれぞれどんな運命を辿るのだろう。

        5巻もあった辺境編。
        最後まで飽きず読み進め面白かった。

        これからがますます楽しみである。
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        2012/10/03 by chao

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      あしにょきにょき (えほん・ドリームランド 4)

      深見 春夫

      4.0
      いいね!
      • 『あし にょきにょき』というタイトルにもインパクトがありますが
        この表紙がすべてを語ってくれるでしょう。
        足が どんどこ にょきにょき 伸びてしまうお話です。
        それでどうした?と聞かないでください。
        これは絵が与えるインパクトを楽しむための絵本です。

        【ストーリー】
        ポコおじさんはグルメです。食べたことのないごちそうなんてありませんでした。
        めずらしいものを食べてみたい。
        そんなポコおじさんの元に一人の男がやってきます。
        男が持ってきたのはトランクいっぱいの大きさの一粒のそら豆でした。

        特別なそら豆はとてもおいしくて、ぺろりと食べてしまったポコおじさん。
        その左足が 突然にょきにょき伸び始め どんどん巨大化し、
        うちを飛び出し林を抜け、人の家を横切り、道路じゅうをぐるぐる旋回し、町はパニックです。

        この足、いったいどうなるの?

        謎のそらまめを持ってきた男がそらまめそっくりの顔をしていてとても不気味です。
        もしかしてホラー?!

        イラストの雰囲気も外国の絵本のようですよね。

        解決方法は……結構脱力系で笑えます。


        教訓・知らない人にものをもらって 食べてはいけません。
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        2015/05/14 by 月うさぎ

      • コメント 7件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      あさきゆめみし 源氏物語

      大和 和紀

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 大学受験の時に古文に源氏物語がよく出てくるから概要を知りたいという理由で読んだ「あさきゆめみし」。登場人物のキャラクターをなんとなく把握したというだけで、かなり効果があった。

        「源氏物語」と聞くと構えてしまうけど、こんな話だったの!と身近に感じることができた点でも読んでよかったなーと思う。

        恋多き光源氏。恋の相手として出てくる女性の人数がハンパない。
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        2012/03/15 by sunflower

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      新釈遠野物語

      井上 ひさし

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
        本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

        「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
        「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いんちき臭く、聞く側は誇張癖がある、という事になっている。

        犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が対等な立場で関わりあう。全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。

        怪異の物語ではあるが、どこか懐かしい感じもする。
        夏祭りの夜、人通りの少ない裏通りに入ってしまったような、
        すぐ近くに「普通」の世界があるにも関わらず、少しだけ異なる「異世界」に踏み込んでしまったような、
        「大人向け日本昔話」
        と言ってしまってもいいかもしれない。
        >> 続きを読む

        2012/06/09 by Tucker

      • コメント 2件
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      子供たちはどこにいる

      メアリ H.クラーク

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • メアリ・H・クラークの「子供たちはどこにいる」は、これでもか、これでもかと母親がいじめられる「おしん」型サスペンスの傑作ミステリだ。

        クライム・ノベルでは、男が加害者、女は被害者のパターンが多いから、女性作家が、女=被害者の視点で書くと、男性作家以上のリアリティが生まれると思う。

        やはり、同性が同性を描くのが一番だと思わせられるのが、著者の小説なんですね。
        この人は、いつも女性が男性にいじめられる話ばかり書いているような気がします。

        この「子供たちはどこにいる」も、そんなタイプの典型的な作品だ。
        か弱い母親が、これでもか、これでもかと正体不明の犯人にいじめられる。

        なにしろ、愛する我が子を二人も惨殺され、やっと再婚して二人の子をもうけたら、またまた、執念深い犯人たちにその愛児たちまで襲われるのだ。
        おまけに、その犯人として自分が疑われてしまう。

        ここまで、いじめられて気が変にならなかったら、おかしいわけで、当然、気が変になると、「それみろ、やはり気がふれているから実子を殺したのだろう」と、さらに疑惑が深まっていくのだから、これはもう耐えられないほどのサスペンスなのだ。

        一体、誰が、どんな理由で、彼女の子供ばかり狙うのか?
        それも、誘拐して金を要求するのではなく、ひたすら子供を殺したいだけというのだから、想像を絶する怨念なんですね。

        ミステリの謎を、殺人のトリックや動機に置くのか、それとも状況に集中させるかで、その面白さも分かれてくると思う。

        欲張って両方狙いたいのが、作家側の本音だろうけど、両方に謎を置いたからといって面白さが倍増するわけではないところに、小説のやっかいさがあるのだと思う。

        片方を面白くすればするほど、もう片方の面白さは、ついていけなくなるのが常というものだ。
        著者は、"状況型ミステリ"のいわば代表選手で、その意味から言えば、この作品が恐らく著者の作品の中では最高傑作だろうと勝手に思っています。

        といって、動機の謎まで最高だと言うわけではないんですね。
        つまり、状況の設定と展開は最高に素晴らしいんですが、動機の解明、つまり謎の正体は、あまり関心しないんですね。

        でも、まあ、それでいいのだと思う。ちょっぴり失望させられる動機の解明は、最後の数ページなのだから、そこに至る九割以上のプロセスが最高に面白く、ハラハラ、ドキドキで満喫させてくれるだけでも凄いじゃないかというのが、この作品の正しい読み方だろうと思う。

        考えてみれば、ミステリをトリックから状況に仕掛け直した元祖は、言うまでもなく、ウイリアム・アイリッシュですが、著者もなかなかのものだと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/11/25 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      死者は空中を歩く (徳間文庫 105-1)

      赤川 次郎

      4.0
      いいね!
      • 初赤川次郎。
        終始ふわふわとつかみどころのない空気
        その中で最も食えない男の隆夫が事件を解決するし、彼の過去も明るみになる
        周囲を巻き込んでどんでん返しがあると思えば
        ころっと軽い
        解説でもフィーリングという言葉に深く頷いた
        >> 続きを読む

        2019/03/20 by kotori

    • 1人が本棚登録しています
      にぐるまひいて

      ドナルド・ホール

      ほるぷ出版
      5.0
      いいね!
      • おそらく十八世紀か、あるいは十九世紀初頭ぐらいのアメリカのある田舎の一家の御話。

        その一年の間、家族みんなでそれぞれせっせと働いてつくり育てたものを、お父さんがポーツマスの街まで年に一度売りに行く。
        そこでまたいろんなものを買って帰る。

        また一年の間、せっせと家族みんなで働く。

        素朴な、美しい、一昔前のアメリカの田舎の生活がただ綴られているだけなのだけれど、不思議と心に深い感動と余韻が残る。

        おそらく、こういうのが本当の人間の暮らしなのだろうなぁという気がする。
        物が多ければ幸せになるというわけではなく、かえって簡素な暮らしの中に幸せが昔はあったのかもしれない。

        作者が小さい時に近所のいとこから聞き、そのいとこは幼い時にある老人から、その老人は子ども頃に大変なお年寄りから聞いた話が元になっているそうである。

        美しい絵で一年の自然の移り変わりが描かれていて、とても詩情あふれる名作絵本だった。
        >> 続きを読む

        2013/03/10 by atsushi

      • コメント 7件
    • 3人が本棚登録しています

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