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1980年12月発行の書籍

人気の作品

      駱駝祥子―らくだのシアンツ (岩波文庫)

      老 舎

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
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      •  1982年に映画化されていて、私は、中国映画の全貌2006で観た映画の原作。
        中国映画の全貌、というのは、昔は東京千石の三百人劇場で毎年開催されていた映画祭。なぜか、ソビエト映画の全貌など共産圏の映画祭をやりました。私は「映画の全貌」の大ファンです)


         映画も正直者は馬鹿を見るというむなしさがありましたが、原作はもっと色々ありますし、複雑さを抱えています。

         1920年代の北京。農村部からやってきた青年、祥子は雇われ車夫となり、コツコツ真面目に働く。その結果、自分の車を持てるようになり(いわば自営業になれる)、いいお客さんにも出会うのですが、理不尽が祥子をおそい、また、雇われ車夫に。しかし、気が強いけれど、商売上手の女と結婚するけれど・・・

         あらすじだけなぞると、本当に真面目に働いているのに裏目裏目に出て、何よりも祥子が心を閉ざしていく様子が切ない悲劇。

         しかし、自然描写や情景が実に活き活きと描かれているので、悲劇であっても後味は悪くありません。ハッピーエンドでも後味悪い小説や映画というものもあります。

         もともとは朴訥で真面目な貧しい青年、シャンツが理不尽な目にあってもめげない前半と徐々に怠惰の流れに身を落としてしまう様子が、著者、老舎が、英国留学中に読んだディケンズの影響を受けていると知り納得。
        とても読みやすい文体で、難しい語句や思想は一切ない、小説です。
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        2018/06/13 by 夕暮れ

    • 1人が本棚登録しています
      ザ・スネーク (講談社文庫)

      J.ゴーディ

      4.0
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      • このジョン・ゴーディ原作の「ザ・スネーク」は、ニューヨークのセントラル・パークに紛れ込んだ毒蛇を軸に、大都会のある断面を描く、一種の"動物パニック小説"とも言えるエンターテインメント作品です。

        この小説は数ある"動物パニック小説"の中では、かなり読み応えのある質の高い作品だと思います。

        まず何と言ってもいいのは、安易な恐怖に寄りかからない点で、主人公のカンバース青年の設定にそれが顕著に見られると思うのです。

        警官たちが蛇を殺そうとするのに対して、彼は生け捕りにしようとします。毒蛇自体には罪がないからです。防衛本能から牙を立てるだけで、ことさら人間を襲う気のない蛇をなぜ殺すのだ、とカンバースは思うのです。

        作者のジョン・ゴーディの卓越している点は、この小説に女性記者ホリー・マーカムというキャラクターを登場させ、カンバース青年の「蛇が人間を襲うのではなく、むしろ人間が蛇を殺してきた」という観点を、我々読者に念入りに学習させるのです。

        この点で、凡百の安手の"動物パニック小説"とは一線を画すのです。

        それにもかかわらず、蛇がセントラル・パークに出現し、パニック状態になるのはニューヨークが、そしてそこに住む人間の心が病んでいるからに他ならない、という断面を浮き彫りにしていくのです。

        かっぱらい、市長、新興宗教の教祖などのニューヨークという大都会に住む様々な人間たちの姿を生き生きとした筆で活写しながら、皮肉なラストまで一気に描いていくゴーディの筆運びはなかなかのものだと驚嘆します。

        毒蛇の描写は、当然の事ながら秀逸で、臨場感に溢れていて、蛇を描きながらも少しも陰湿感がないのは、カンバース青年とホリー・マーカム嬢の洒落た会話のやりとりに見られる底抜けの明るさが救っているのだと思うし、それより何より作者の視点が、蛇と人間の関係性を鋭く見抜いているからだという気がします。

        それにしても、このジョン・ゴーディという作家は、目のつけどころが抜群にうまくて、彼の前作「サブウェイ・パニック(THE TAKING OF PELHAM ONE TWO THREE)」にも感心したものですが、今回の「ザ・スネーク」は、舞台をニューヨークにした点がまず大正解だったと思うのです。

        大都市ニューヨークを、そこに住む人間の大いなる病をこんなにリアルに、なおかつシニカルに描ける才能には本当に感服してしまいます。
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        2016/09/04 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      対談浮世草子 (集英社文庫)

      吉行 淳之介

      3.0
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        男と女の複雑にして微妙、厄介この上ない関係を粋なめがねで透視して、一見ワイ談風の語り口のなかに、厳粛な人生を語りつくす。対談の名手・吉行淳之介が本領をいかんなく発揮した、天の下に語りつぐべき名問答。“いろは”48人登場の傑作対談集。 >> 続きを読む

        2018/05/25 by rikugyo33

    • 1人が本棚登録しています
      茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会

      角山 栄

      中央公論新社
      カテゴリー:農産物製造・加工
      3.0
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      • 仕事に行く時、ステンレスボトルの3分の1くらいに濃いめの紅茶を
        作り、目一杯の氷を入れて持って行く。仕事場に着くころにはキン
        キンに冷えたアイスティになっている。

        これを仕事中に飲む。紅茶を飲み干しても氷が残っているので、
        今度はミネラルウォーターを入れて飲む。

        でも、昼休みはブラックの缶コーヒーを飲んでいる。だって、ペット
        ボトルの紅茶飲料は味が好きになれないのだもの。甘すぎたりするし。

        だから、誤解されることがある。コーヒー派なのだ…と。以前の職場
        では仕事中に助け舟を出してあげた同僚が、「お礼」と言ってわざわざ
        缶コーヒーを買ってくれたくらいに。

        あのね、実はお茶派なの。紅茶、緑茶、中国茶。お茶の方が圧倒的に
        好きなの。でも、せっかく買ってくれたものに「これじゃない」とは
        言えないよねぇ。

        なので、ボストン茶会事件なんて「なんてもったいないことをするんだ」
        と思っちゃうのだ。海に茶箱を投げ捨てるなんて…。私にくれ…ボソ。

        本書はイギリスではどのように紅茶が一般的な飲料になったのかや、
        明治政府が貿易品として力を入れた日本茶が何故、紅茶に敗北した
        のかを追っている。

        アメリカやカナダでは緑茶が広く飲まれたようだが、砂糖・ミルク
        入りなんだよな。それじゃ緑茶の風味も何もありゃしないと思うのは、
        やっぱり欧米人とアジア人の味覚に違いがあるからなのかな。

        本書は1980年に初版が発行されているので、この間に外国人と日本茶
        の関りも変化しているのではないかな。

        紅茶のようにフルーツや直物で香りをつけたフレーバー日本茶なるもの
        も登場しているしね。

        でも、薫り高い日本茶はやっぱりそのまま楽しみたいと思うの。
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        2018/09/10 by sasha

    • 1人が本棚登録しています
      つかぬことを言う

      山本 夏彦

      平凡社
      4.0
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      • 山本夏彦さんは偏屈である(笑)
        きっと傍にこんなじぃさんがいたらイライラするに違いない(笑)
        しかし、書籍というこちら側とは距離のある場所で出逢うには最高に愉しい愛すべきじぃさんである。

        氏の言う様に、生きていくには『いかさま師』の才能も少しは必要であるかな?と思わせられる、口数の減らぬ好々爺のエッセイ集である(笑)
        >> 続きを読む

        2012/11/09 by <しおつ>

      • コメント 4件
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出版年月 - 1980年12月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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