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1981年9月発行の書籍

人気の作品

      冷蔵庫より愛をこめて (講談社文庫 あ 4-1)

      阿刀田高

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tsukiusagi
      • 読書ログを初めてしばらくした頃にレビューを見かけてぜひ読みたいと思っていた本。5年ごしくらいでやっと読んだ。

        世にも奇妙な物語的な、ブラックで後味の悪い短編の数々。星新一のようなメッセージがあるストーリーではないけれど、どれもエンターテインメント性十分。エンターテイメント性が強い短編は、オチを目掛けてストーリーが進んでいく印象があったり、オチが読めたりすることも多いが、この本でそんなことを感じることはなかった。安心して楽しめる、期待通りの本。ただし、色々な意味で気持ち悪い話も多いのでpo1415さんもレビューされている通り、万人向けではないと思う。

        どれも面白かったけれど、特に「知らない旅」は本当に気味が悪くて夜中に読み進めることができずかなり印象に残った。

        ホテルで昔の恋人と待ち合わせをする男性。しかしそこまでの道のりに、入院しているはずの妻らしき女性が立っている気がする。昔の恋人を待ちながら、ふと妻が昔、強く強く願うと自分の分身が自分の知らないうちに現れるのだという話を聞いたことがあることを思い出すのだった…。

        鳥肌…!
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        2017/07/16 by chao

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)

      筒井 頼子

      福音館書店
      4.0
      いいね!
      • 「んもう、早く用意しなくちゃねー」などと主人公に注意しながら楽しんでいた。

        2015/02/04 by ぶぶか

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      変調二人羽織

      連城 三紀彦

      4.0
      いいね!

      • 今回読了したのは、稀代の美文家で今は亡き連城三紀彦の記念すべき第1作の「変調二人羽織」以下、今は廃刊となった雑誌「幻影城」などに発表された作品を集めた初期の短編集です。

        この一連の作品の中には、いくぶん粗削りながら、連城三紀彦という作家が、どれほど変幻極まりない展開の可能性を秘めていたか、そして彼が試行錯誤の中で、どのようにして、そのあり余る才気を独自の技法へと鍛え上げていったかが、みてとれると思います。

        例えば、表題作の「変調二人羽織」は、大晦日の空を純白の丹頂鶴が横切ったという、けれん味たっぷりの前置きからにわかに転じて、無頼の噺家が独演会の高座で頓死した事件の顛末が物語られ、この衆人監視の密室状態での死を、見事な逆転の発想で説明してみせるんですね。

        観客を前にした芸人の死という設定には、読む者の目に鮮やかな情景を焼き付けておいて、たちまち、その持つ意味を反転させるという、後年の連城三紀彦作品の特徴が芽吹いていると思いますね。

        「ある東京の扉」は、一種のアームチェア・ディテクティヴによるアリバイ崩しになっていて、チンピラ作家と編集長が繰り広げる、あまり行儀の良くない掛け合いの中から、ラヴェルの「左手の為の協奏曲」をイメージした華麗な謎解きが、するすると紡ぎ出されていく。

        トリックの切れの良さもさることながら、右手を失ったピアニストの為に書かれた協奏曲の楽譜という視覚的なイメージと、謎解きとの結びつきが強烈な印象を残します。

        しかし、この短編集の白眉は何と言っても「六花の印」だと思います。
        明治三十八年と現代、不思議に符号していく二つの事件をカットバックで描きながら、連城三紀彦は読む者の心をとらえて、悲劇的な死の瞬間に向けてひた走るドラマの中に、否応なく引きずり込んでしまうんですね。

        そして、事件の真相が明かされる時、読む者は、このドラマの進行そのものが、"思いがけない罠"であったことを知るに至るという、巧妙な仕掛けが施されているんですね。

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        2018/08/01 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      聖少女

      倉橋由美子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 以前、「大人のための残酷童話」を読んで以来の倉橋由美子さん。
        オススメだと聞いたので読んでみた。

        少女から女性へと変わりつつある未紀と父親との近親相姦関係を軸に、未紀の婚約者Kの関係、Kと姉Lの関係を描く。

        近親相姦かあ。
        読む前から既に苦手な思いを感じつつ読む。

        クールというかドライというか、少女らしく背伸びをしているというか、そういった未紀の姿に懐かしさを感じつつ、父親と関係という自分にはあり得ないことを想像してみて、やっぱり無理だわと笑ってしまったり。

        解説を書いた桜庭一樹さんの言うように、この作品を『少女小説』と呼ぶのかどうかはよくわからないけれど、女性へと向かう不安定さのある年頃の性を上手く描けているとは感じる。
        特に、未紀の日記という形の文章が良かった。こういう大人びたような文章を書きたいお年頃なのだ。母親を意味なく批判したりというところが、アンネ・フランクの日記にも通じる感じ。
        『少女小説』という分け方をしたことがないので、これが一番とも何とも言えないが、優れた描写だとは言えると思う。

        未紀の日記で全て構成されているのかと思いきや、Kと姉の関係も始まり、未紀と父親だけでお腹一杯になりつつあるところへ、またしても狭い人間関係しか結べないひとの話かとゲンナリする。
        この狭い関係を持つ女性の婚約者も狭い関係を結ぶという二重に狭いところが良いのかもしれないが、どんだけ視野が狭いひとばっかり集まっているのだと滑稽にさえ感じてしまう。

        Kと友達の関係や当時の世相のようなものなどは、時代が流れた現代にこそ面白味を感じさせる。
        未紀の日記などが、これ以上だと鼻につくという絶妙な加減にしてあることなどと併せ、全体として面白いのに何となし良い一冊だったと締めくくれないのは、近親相姦というテーマのせいなのか何なのか自分でもわからない。
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        2015/11/26 by jhm

      • コメント 2件
    • 4人が本棚登録しています
      アトムの子ら (ハヤカワ文庫 SF 447)

      ウィルマー H.シラス

      3.0
      いいね!
      • 【さすがに古さは感じるけれど】
         本書は、1948年からアスタウンディング誌に掲載が始まったという、かなり古い作品です。
         13歳のティムは、学校の担任からの依頼で、精神病医のピーターの診察を受けることになりました。
         ティムは、一見普通のおとなしい男の子に見えるのですが、担任は、ティムの中に何かしらの違和感を感じていたのです。
         ピーターも、ティムは何かを隠している、何かに怯えているとの印象を受けたのでした。

         当初は、ティムもピーターになかなか心を開かないため、一体何が問題なのかよく分からなかったのですが、ティムがピーターを信頼するようになり、自分の事を話し始めたことから、ようやく驚愕の事実が明らかになっていきます。

         10数年前、とある原子力研究施設で爆発が起き、当時同所に勤務していた多くの職員が被爆するという事故がありました。
         ティムは、その事故で被爆した両親の子供だったのです。
         両親は、ティムが生まれて間もなくして亡くなってしまったため、ティムは親戚に預けられて今日まで生活してきたのですね。

         実は、ティムは、両親が被爆した影響で突然変異を起こした子供で、常人よりも遙かに優れた知能を持っていることが分かったのです。
         ティムは、子供なのにそんなに優れた知能を持っているということが、世の大人達には受け入れられないし、信じてももらえないということを肌身を持って知ったため、今は自分のそのような能力を隠すようにして目立たないように生きているということが分かりました。

         しかも、ピーターの調査により、あの爆発事故により被爆した職員の間に生まれた他の子供達も、ティムと同様に天才的な頭脳を持つ子供達が何人もいるということが明らかになったのです。
         彼らは、ペンネームを使って専門的な著述を行っており、その事実を知ったピーターは、あの作者が子供だったなんてと驚愕します。

         しかし、これらの子供達は、ほとんどの子供がティムと同様、自分の能力をひた隠しにしていたり、あるいはその能力故に常人を『馬鹿な奴ら』としか見ることができず、子供時代に当然経験すべき他者との正常な交流が阻害され、健全な発育という面では問題を抱えている(中には精神病院に収容されている子供もいる)ということも分かってきました。
         
         さて、冒頭に書きましたが、本書は大変古い作品であるため、被爆した親の影響で突然変異を起こした子供が生まれ云々という設定にはさすがに無理があり、古さを感じざるを得ません。
         また、それ以外の点についても、現在の目で見ると「それはないよね」という科学的におかしな描写も見られます。
         それだけの作品であれば、消えていく作品の一つに過ぎなかったのでしょうけれど、この作品は、SF史上では、古典的な名作として残っている作品なのです。

         その理由は、本書が、単に放射能汚染による突然変異、常人よりも遙かに優れた頭脳を持つ子供達というテーマでとどまらず、さらに、本来子供達が経験すべき社会経験が欠落したらどうなるのか、あるいは、自己の優れた頭脳に依拠するあまり、感情面の健全な発育が阻害されるということがあるのではないかというテーマに踏み込んでいることでしょう。

         ティムとピーターは、天才的な頭脳を持つ子供達も、必ずしも健やかに育ってはいないという事実に直面し、支持者の支援も得て、天才的な子供達だけを集めた寄宿学校を建設し、そこで、無理解な社会から隔絶した環境で子供達の生育を図ることにするのですが、これがまたもう一つの問題を生んでいきます。
         つまり、超天才児達がそういう生活をするということは、自ら進んで社会から隔絶した道を選ぶということに他ならず、それは余計に社会一般の誤解や不安を生むだけの結果になるのではないかということでした。

         実際に、ティム達の存在をかぎつけた胡散臭い宗教家は、「あの子供達は放射能に汚染された『アトムの子ら』であり、通常人を見下し、いずれは使役しようとの考えを持っているのだ」という(これもかなり古くさいパターンではありますが)アジテーションを行ったため、学校が一般住民達によって包囲され投石されるという事態が発生するなどの状況も描かれます。

         この様な状況の中、ティムやピーター、他の子供達はどういう解決を求めていくのか?が大きな主題になっている物語です。

         やや平板で描き込み不足、古さ故の鼻につく描写、加えて、現在では問題がありそうな訳語と、色々なマイナスポイントもありますが、SFの古典の一つ、『人類の突然変異テーマ』の名作と言われている本作を今読んでみるという意義もあるのではないでしょうか。
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        2019/12/14 by ef177

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