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1981年12月発行の書籍

人気の作品

      紅蓮の島  紅蓮の島

      栗本薫

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! chao ZETTON5995 Tukiwami
      • 図書館さんがまた新装版(2巻合本を2冊)を貸してくれたのですが、表紙はこっちが好きなのでとりあえず・・・

        これはモンゴールのアムネリス公女の弟、ミアイル公子かな?
        この子が、体が弱くて軟弱だけど、純粋で素直でとてもいい子なんです。モンゴールの王家に生まれてしまったばかりに、ああ、かわいそうに。この子には何の罪もないのに・・・。

        パロのナリスの弟マリウスも家を出て吟遊詩人をしている。で、マリウスは両親の仇であるモンゴール国のミアイルになつかれ、かわいくて仕方がなくなり、心を通わすようになった。しかし、このミアイルを殺すように兄に命じられる。そんなことはできない・・・。

        モンゴールの宿の主人夫婦も、とてもいい人で、マリウスを実の息子のように愛してくれる。
        国同士の争いって、本当にむなしいものだ。

        一方でグインたちは、漂流した島で大脱出劇を繰り広げる。そこで見た物は・・・
        そして、叔母の住むアルゴス国へ帰還したレムスは自らパロ王の王位宣言をする。
        えらい変わり様だ・・・。

        この巻もとても面白かった。(9巻/130巻 先は長い・・・)
        >> 続きを読む

        2014/04/16 by バカボン

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      氷点

      三浦綾子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 面白かった。

        特に前半の惹き込み方は天才的。
        後半少し冗長になったのが惜しい。


        才能を感じたのは、対比的な書き分けが余りに巧いところ。

        例えば随所に盛り込まれる読者への揺さぶり。

        会話マーク(「」)があるのに声に出していない声、
        正しさを誓った1行後に醜い内面心理を湧き起らせるところ、等々。

        いちど光を見せてから急に暗転するといえばオーソドックスだが、この光が余りに鮮やか。
        結局このコントラストの技法に長けた人が少ないから、巷間の小説は一語一語に陳腐か空疎な単語を並べざるを得ない。
        この「氷点」では、そうした灰汁の強い単語は一切用いられておらず、抑揚は全てコントラストの中で描かれている。
        これが凄い。

        また、男女の書き分けの対比も凄い。

        男性性と女性性の書きわけを一人の作家が行った例は今まで見たことが無い。

        太宰の斜陽も三島の美徳のゆらめきも、女性が語り過ぎている。
        結局、筆者の男性性が主人公に投影されてしまっている。

        逆に、山崎豊子などは、悩む男は多く出るものの、その登場人物自体に語らせる内面描写は短い。
        向田邦子なども同様と思う。


        男性が悩み、女性は悩まないということではなく、
        いずれも悩み、すぐに気持ちは反転しうるのだが、要はその悩み方、に性差があると思っている。

        ゲーテの若きウェルテルのように愚にもつかない悩みを延々と延々と続けること。
        これは女性には少ないでしょう。
        女性のそれは言葉が短くどんどん進む感じ。
        あれかこれかはたまたそれか、ではなく、これよこれ、と。
        後悔するときも、あああれだったかやはり、しかしそうはいっても・・・、ではなく、やっぱりそっちだったわ、と。


        冷静と情熱の間で、別冊にして両方の性から眺め直すという試みがあったけれど、それを三浦綾子は一人で成し挙げた形。
        高い知性が無いと無理でしょう。脱帽しました。


        以下、残念だった点。

        妻の内面性が深化しないため、陳腐なレベルで硬直し、結果、下巻は冗長にならざるを得なかった。
        この点は山崎豊子の方が圧倒的に格上。山崎豊子は中核人物について、どれ程の悪であっても陳腐な心理分析にとどめないバランス観がある。


        子どもの内面描写が稚拙。もしかしたら筆者は子どもがいないのかもしれない。
        結果、前半、ナレーターの役割を果たした夫を引き継ぐ息子や娘が機能しないため作品が平凡に。


        落ちの主題と冒頭の主題のリンクが不明瞭。冒頭は敵を愛せるかという命題。最後は人間の原罪を容赦できるかという命題。作品の途中で敵とは何かという問いをもっと並べ、自らは常に自らの敵でもある、とかいった導きを行わないと、せっかく良い作品なのに完成度が今一ということで純文学ではなく大衆文学に位置されそうな気がする。

        つれづれ。
        >> 続きを読む

        2017/08/18 by フッフール

    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      氷点

      三浦綾子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 人の心の裏側を見透かした様に書ききっている、凄い作品。また何十年も前の作品とは思えないほど色あせていない。 >> 続きを読む

        2012/03/21 by miich

    • 他1人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      ギリシア神話 (岩波ジュニア新書 (40))

      中村 善也中務 哲郎

      岩波書店
      カテゴリー:神話、神話学
      4.0
      いいね!
      • ギリシャ神話に由来する用語は、現代の日本社会においてすら日常的に良く耳にする機会があります。
        様々なメディアでもギリシャ神話をモチーフにした作品が絶えることなく生産されています
        しかしながら、ギリシャ神話という体系的な本が存在するわけではないので、その内容を実際知っている人は少ないと思いますし、
        ギリシャ神話についてできればその代表的なエピソードだけでもきちんと把握しておきたいという人には、この本はお勧めです。
        この本では、いくつかのテーマ(”神々”や”英雄”、”愛”等)を取り上げ、それに関連するギリシャ神話のエピソードを分かりやすく解説していく体裁となっています。
        各テーマを読み進めていくうちにギリシャ神話の登場人物たちの姿を通し、古代ギリシャ人たちの人生観や世界観、愛憎が感じられるような気がしました。
        また、ギリシャ神話の神々がギリシャ起源の神々ではなく、他の文化圏の神々が多く形を変えて取り込まれている事が分かり非常に興味深かった。

        所々に神話学者ジョゼフ・キャンベルの著作からと思われる神話のモチーフの類型に関する用語が記載されていたが、この本の読者となる年齢層には馴染みのないものではないかと思われましたので、それに関する説明もあると良かった気がしました。
        (それにジョゼフ・キャンベルの神話に関する話は、とても面白くもあるので是非、神話などに興味のある若い人には知ってもらいたいと思いましたので)
        >> 続きを読む

        2018/01/14 by くにやん

    • 1人が本棚登録しています
      ゆめくい小人

      アンネゲルト・フックスフーバー , ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子

      偕成社
      4.0
      いいね!
      • --「こうなっては、わしが自分で探しに出かけるよりほかあるまいな」と、ある日、王様は言いました。
        「そうなさってくださいまし」と、お后様がほっとしたように応えました--


        一年ほど前に買った絵本で、絵がちょっと気味悪いこともあって、子どもが手に取ること無く放置されていた一冊。
        それが最近は、「読んで読んで」と、度々子どもが持ってくるようになりました。
        エンデ好きとしては嬉しい限りです。

        エンデらしく、子どもにも分かりやすいとてもシンプルなストーリーです。

        眠ることが美徳される国の王女様が、悪夢に苛まれて眠れない日々が続きます。
        国中の識者に療法を聞くも効果がありません。
        王様はそこで、「自分が助けを探しに行くしかない」とゆって旅に出ます。
        北極からサバンナまで、世界中を回ります。それでも誰も分からない。

        気づくと、地図には無い不気味な世界に紛れ込みます。
        そこで、この世のものでは無い不思議な生き物に出会います。
        その生き物は、なんと悪夢が好物というとっても都合の良い存在です。
        喜んでその夢喰い小人と一緒にお城に帰って王女の悪夢を食べて、シャンシャンのハッピーエンドです。

        悪夢に悩む時に、悪夢を好んで食べる超常生物が登場して解決。
        ご都合もののストーリーともとれますが、そこはエンデ、なんだか深いような気もしてます。

        世界中の誰に聞いても対処が分からない悩みというのは、答えが外ではなく内なる自分にある悩み、ともとれると思います。
        世界地図にはない場所で、世の中に存在しない生物の力を使って解決。
        ご都合主義なのではなくて、これは、一家の悩みに対して、それまでは自我や感情であわせられなかった自分を、ぴったり変化させられた、その変化のために、ゲドのように、世界の果てまで行って自己と対話を続ける必要があった、と読めたりしないかなと。
        (少し強引かもしれませんが)

        そんなことを思って、味わい深く感じながら、子どもに読み聞かせてます。
        何はともあれ、家族の大事において、お父さんが、「私がいかねばなるまいな」と簡単にゆってのけて、国事/仕事を放って旅に出るシーンはとっても好きです。
        パパと子どもが一緒にすやすや眠る最後のページの絵も大好きです。

        素敵な絵本と思います。
        >> 続きを読む

        2018/01/30 by フッフール

    • 1人が本棚登録しています
      天国への階段 (角川文庫 緑 500-1)

      栗本 薫

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 『探偵(悲しきチェイサー)』
        『イエロー・マジック・カーニバル』
        『ワン・ウェイ・チケット』
        『天国への階段』
        『新宿バックストリート』
        『ポップコーンをほおばって』
        『おいしい水』
        『軽井沢心中』
        『イミテーション・ゴールド』 の九篇収録。

        今、読むと流石に(30年前!)時代の流れというものを
        強く感じてしまうものがほとんどなのですが

        『ポップコーンをほおばって』の禍々しさ、怖さ
        『軽井沢心中』のひりつく様な焦燥感。

        古びない作品というものも確かにある、ということを
        教えてくれます。

        男性作家だと、どうしても
        女性の登場人物に対して、無意識のうちに
        いくばくかの理想のようなものが混ざってしまうと思うのですが
        (大藪春彦みたいな特殊例は除いて)

        本当に、女性だからこその残酷さや容赦のなさ。
        そして、男性の心理も的確に描ける能力。

        どちらも書けて、嘘っぽくないというのは
        舌を巻きます。

        それにしても、本当に
        世間に上手く溶け込むことができない
        (と、思っている)

        淋しい人たち、アウトサイダーたちを
        重くならず、さらっと描ける人だったとも
        改めて思いました。
        >> 続きを読む

        2013/07/29 by きみやす

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      奇妙な花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 3-27)

      E.S.ガードナー

      3.0
      いいね!
      • 【メイスンさん、それをやっちゃダメでしょう!】
         図書館にリクエストした本の順番がなかなか回って来ないため、手元の未読本が心許なくなりました。
         ちょうど開架図書がある図書館本館近くに行く用事があったので、図書館に寄って開架から何冊か借りて来ようと思い、ふらふらと眺めていたところ、E.S.ガードナーのペリー・メイスン・シリーズが目に留まりました。

         ペリー・メイスン・シリーズは、敏腕弁護士ペリー・メイスンが法廷であっと驚く逆転劇を演じて自らの依頼人を助けるというスタイルで人気を博した作品で、ドラマ化などもされました。
         私も大分昔ですが何作か読んだことがあるのですが、内容はすっかり忘却の彼方。
         懐かしさも手伝って借りてみることにしました。
         メイスン・シリーズは大変多く書かれており、どれを借りようか迷いましたが、確か本作は評価も高い作品だったのではないかというおぼろげな記憶を頼りに本書を選んでみました。

         今回の事件はタイトル通り奇妙な花嫁からの依頼です。
         夫が7年間以上行方不明になっていたら結婚は解消できるのか等の相談を、依頼者の友人と偽って持ち込んできた女性がいました(もちろん、彼女自身の問題なのです)。
         メイスンは、すぐにこの嘘を見破り、「ちゃんと本人からお話頂いた方が良いですね。」と言って彼女を追い返してしまったのです。
         しかし、既に秘書が彼女から手付け金を受け取っている事が分かり、また、彼女がハンドバッグを事務所に忘れていったこともあって、結局この依頼を引き受けることにしました。

         しかし、彼女が秘書に告げた住所や電話番号は偽りのものでした。
         メイスンは置き忘れられたハンドバッグの在中品から彼女の身元を割り出し、色々調査を進めていくと、彼女は既婚者であるにもかかわらず、別の男性とつい最近結婚したばかりだということが分かります。
        前の(というか現在の)夫については死亡診断書が出されていたことから、死んだものと扱われて再婚が可能になっていたのですね。

         どうやら前の夫は常習的な結婚詐欺師のようで、彼女と結婚した後、その金を持って姿をくらまし、加えて飛行機事故にあったような形跡もあったことから、彼女としては既に死んだものとして、何らかの方法により死亡診断書を入手して再婚してしまったようなのです。
         前の夫は、これまでにも同様の方法で、偽名を使って何人もの女性と結婚して金を騙し取っている男だと分かりました。

         ところが、その後、その前の夫が殺されるという殺人事件が起きたのです。
         そして、事件が起きた時刻頃、彼女がその男の部屋を訪れていたことも明らかになります。
         検察側は、彼女を殺人罪で起訴するのですが、メイスンは彼女の刑事弁護人として弁護を買って出るという展開になります。

         あちらの法律では、夫は妻に不利な証言を、妻の弁護人の同意なくしてはできないということになっているようです。
         検察側としては、彼女の2番目の夫の証言を裁判で使いたいと考えており、そのためには、彼女の前の夫は2番目の夫と結婚した時にはまだ生きていたのだから2番目の結婚は無効であり、従って2番目の夫は夫でも何でもないのだから弁護人の同意なく証言できるのだという理屈により2番目の夫を法廷に引っ張り出そうとします。
         まぁ、この点についてはおそらくあの方法で阻止するのだろうということはすぐに気がつくと思います。

         問題は、彼女の殺人の方です。
         これに関しては、とある手段により、筋書き通りメイスンが無罪を勝ち取るのですが、「異議あり!」ですよ。
         物語の本質に関わるので詳しいことは書けませんが、メイスンさん、それは明らかに違法ですよ。
         メイスンは、明らかに罪障隠滅をしており、しかも偽の証拠を作り出してそれを元にして証人に誤った証言をさせ、それにより彼女の無罪を勝ち取っているのです。
         作者は、この点について、メイスンの口を借りて「どのような方法で証言を得るかは弁護士に許されている範囲内のことだ」と弁解させています。
         しかし、あちらの法律は知りませんが、こんな方法が許されているとは到底思えません。

         結論的には、確かに彼女は無実だったというのが真相のようですが、このやり方は問題でしょう。
         まぁ、こういうプロットが許された時代なんでしょうかねぇ。
         加えて、同じ問題に関して、解決されていない点が残されたままです。
         これも詳しく書けませんが、途中までメイスン自身、問題になる人物は3人いると言っておきながら、そのうちの2人については説明をつけているものの、残る1人については放置したままです。
         これは何とか説明をつけないと、トリックが破綻するんですけれど、どーするんですか、メイスンさん。

        というわけで、昔はおおらかだった……ということで済ませて良いのかどうか疑問も残るのですが、そういう作品でした。
         みなさんのような、現在の目の肥えた読者からすると厳しい評価になるかもしれませんね。
        >> 続きを読む

        2020/05/11 by ef177

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)

      向田 邦子

      文藝春秋
      5.0
      いいね!
      • 軽い文体で書かれていると思う
        声を出して笑ってしまうエピソードもある

        しかし文章の中には必ず「死」が近くにあって
        それと表裏一体で笑いがあり家族があるようにおもう

        最後まで読み終わりあとがきを読んで理解した
        さらに解説を読んで戦慄した

        母が香港旅行に旅立つ空港で
        「どうか落ちないで下さい、どうしても落ちるのだったら帰りにして下さい」と祈りたい気持ちになる作者

        台湾では取材途中の台北から高雄へ向かう便だったようだ

        この本はこれからも何度も読み続けると思う



        >> 続きを読む

        2018/05/28 by 寺嶋文

    • 3人が本棚登録しています
      ヒッチコック映画術

      山田宏一フランソワ・トリュフォー

      晶文社
      5.0
      いいね!
      • ヌーヴェルバーグの旗手フランソワ・トリュフォーがアルフレッド・ヒッチコック監督に映画の演出方や裏話などについてインタビューした模様をまとめた書籍で、その内容はまさに映画の教科書のようです。

        発売されたのは私が高校生の頃で、1ヶ月分の小遣いが軽くブッ飛ぶ値段に一瞬尻込みしましたが、当時はまさに映画にハマった時期であり、後先考えず思いきって購入し、後悔よりもちょっとだけ大人になった気になったものです。

        もちろん貪るように読みましたし、今でもたまに本棚から引っ張り出しては、ヒッチコック映画の面白さを再確認したり、購入時の頃を懐かしく思い出します。

        結果、あのとき思いきって購入して良かったと納得。私は満足感に浸るのでしたとさ。
        >> 続きを読む

        2017/08/11 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています

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