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1982年6月発行の書籍

人気の作品

      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子

      岩波書店
      カテゴリー:文学
      4.5
      いいね! Ringo chao snoopy asuka2819 Tukiwami
      • この歳になって今さらながらの「はてしない物語」。なるほど、こういう物語だったのか

        まず、本の造りがすばらしい。
        あかがね色の艶やかな絹の装丁、たがいの尾を咥えた2匹の蛇の絵。
        2色刷の本文。
        小説でしかできない表現によって、読者をぐいぐい小説世界に巻き込んでいく。
        重くて扱いづらい本書だが、これはやっぱりハードカバーで読むべきだ。

        虚無の侵食により危機に瀕したファンタージエンを救うためにアトレーユが旅に出る前半は、とても面白く読めた。どうやら自分が救い主らしいと気づいたバスチアンが、英雄でも王子でもないチビでデブの自分のような者が出て行ったら、幼ごごろの君やアトレーユに笑われるんじゃないかと不安になるところなど、とても共感できて震えるほどだった。

        バスチアンがファンタージエンに入り込んでからの後半、その世界描写は前半と同じく面白かったけれど、急に説教臭くなってしまったのが残念だった。これは読んだ年齢によって受け止め方が変わるのかもしれない。小学校高学年くらいで本書に出会っていたら、教訓話としてもう少し素直に読んだのかも。

        人が物語を読むのは、現実世界では不細工で不器用で頼りない自分でも、物語を読んでいる間はそんな自分を忘れ、主人公と一体となってさまざまな冒険を経験したり、容姿端麗な王子になったり、敵をばったばったとなぎ倒す勇者になったりできるからではないか? なのに、いざ自分の好きなように世界を創造できる力を得たときに、人間世界の記憶を失っていくという代償を払わないといけないのはなぜなのか。なぜ、チビでデブの自分がいる現実世界に戻らなければいけないのか。

        読み進めるにつれて、たえず「物語を読む行為など、所詮は一時の現実逃避。英雄や王子など望んだところで無駄、現実のお前はチビでデブのエックス脚でしかないのだ」と言われているように感じて苦痛だった。これでは、読書を楽しもうとしている読者は、その物語世界を存分に楽しめなくなってしまうじゃないか。人間が物語を想像力を忘れ、ファンタージエンが危機に陥るのも仕方がないんじゃないか?

        ファンタジーを読むこと、想像力を働かせることはこんなにも楽しく素晴らしいことなのだ、そのことが人間世界もファンタージエンも豊かにするのだと心から思えるような展開だったらよかったのに。それだったら、わたしもいつかファンタージエンに行って、幼ごころの君に新しい名を贈る役目を果たしたいなと思うのに・・・

        「はてしない物語」は、ずっと昔に年の離れた弟のために買い与えたものだ。本の虫だったわたしと違い、なかなか本を読まなかった弟のことを心配して、親がわたしになにかいい本がないかと相談してきたのだ。そこで、当時話題になっていたエンデの本書と「モモ」をバイト代をはたいてプレゼントしたのだが、実は自分で読んだことがなかった。幸い、弟は2冊とも気に入って何度も読み返していたようだから、無駄な出費にならなくてよかった。年齢的にもちょうどよかったのだろう。
        いつかはわたしも読もうと思いつつ、実家の本棚にずっと眠ったままになっていたのを、数十年ぶりにやっと読み終えることができた。星の数は3つにしてしまったが、感慨深い本であることは間違いない。
        >> 続きを読む

        2017/08/29 by 三毛犬

      • コメント 4件
    • 他11人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      風の歌を聴け

      村上春樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!
      • 村上春樹のデビュー作。鼠3部部作の1作目。
        読んでいると1970年代の風景が蘇ってくるようです。
        バーでギムレットを飲む女がいたり、主人公の友達の鼠はフィアット600に乗っていたり、ボブ・ディランの曲が流れたり、サム・ペキンパーの映画について語ったり。
        そしてデビュー作から音楽に造詣の深い村上さんの片鱗がそこかしこに見られます。

        ブローディガンの影響を受けているらしく、何気ない日常の断片を切り取って集めたような形の作品です。
        小説の形って(いい意味で)あいまいだなぁと感じます。だからこそ色々で面白いんだけれど。

        以前高橋源一郎さんが「詩人は詩を書かなくても詩人で、小説を書いた人が小説家になる」みたいなことを言っていたのを思い出しました。

        この作品も当時からすれば、小説とみなされなかった面もあったんだろうなと思います。

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        2017/11/12 by Reo-1971

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      時雨のあと

      藤沢周平

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 藤沢周平の時代物短編集。

        江戸時代の庶民や下級武士の人々が織りなす様々な物語。

        非常に完成度の高い短編が7話収録されている。
        これまで藤沢周平の作品は隠し剣シリーズしか読んだことが無かったのだが、こちらの作品の方が個人的には好ましいと思う。
        人の心の僅かな揺らぎというかそういった機微が上手に表現されている作品が多い。
        藤沢作品は映画化で成功した作品が多いので、ぜひこの短編集の作品も映画として撮ってもらいたいくらいだ。

        あとがきで著者の藤沢周平が何故江戸時代を背景にした作品を書くのかを語っているが、読んでて納得がいった。


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        2018/02/18 by くにやん

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      南の虹

      一関春枝 , PiddingtonPhyllis

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 私が小さい頃にあっていた世界名作劇場のアニメ『南の虹のルーシー』の原作。
        ふとなつかしくなって読んでみたが、なかなか面白かった。

        アニメと異なり、主人公は別にルーシーというわけではなく、どちらかというと姉のケイトの方が主人公っぽい。

        ルーシーたちの一家・ポップル家は、イギリスからオーストラリアに新天地を求めて移住してくる。

        しかし、オーストラリアの生活は決してラクではなく、苦労も多い。
        移民船の中で一人赤ちゃんが亡くなってしまうし、物語の後半の方でもう一人小さな弟が不慮の事故で死んでしまう。
        たぶん、アニメではそれらのエピソードはなかった気がする。

        お父さんも、移住する移動だけでとても大変だった上、アデレードにやって来てからも、思っていたような農場がなかなか手に入らず、不本意な仕事をせざるを得ず、いらいらがつのる。

        しかし、そんな中でも、ルーシーとケイトたちは、いつも動物や昆虫などにとても興味を示し、他愛無いことに熱中したり感動して、楽しそうに遊んで暮らす。
        家の手伝いに辟易しながら、常に遊びの楽しみに夢中になる姿は、子どもってのはこんなにも他愛無いことによろこびを見いだせるんだなぁと、ある種のまぶしさを感じながら読ませられた。

        お父さんは、アニメ版の記憶では、いろんな大工仕事ができるいいお父さんだったイメージがあったのだけれど、原作はたしかにそういう面もあるが、わりとうざくて厳しい。
        聖書の暗記も子どもたちにさせるし、いろいろ厳しくあれこれ言う。
        どこの家でも、父親というものは、わりとうざくてうるさいものなのかもしれない。
        子どもの目から見れば嫌な場合もあるが、それも愛があればこそだし、しっかりと規範を示すのは親の大切な仕事でもあるのだろう。

        アニメではルーシーの記憶喪失騒動があるが、原作にはそのエピソードは一切ない。
        しかし、ルーシーがきっかけとなって、お父さんとお金持ちの人が知り合いになり、働きながら収穫物で返済することで農場を取得できるという好条件でとても良い農場に移り住むことができることになる。
        人生、いつ急に運が向くかわからないので、家族で支え合って大変な時を乗り越えることが大切ということなのだろう。

        この本を読むと、いかにオーストラリアの開拓や移民が大変だったか、はじめて思い知らされる気がした。
        と同時に、子どもは、そんな中にも、オーストラリアの自然や動植物に限りない好奇心や遊びの喜びを見出だすことができていたのかもしれない。
        あと、興味深かったのは、大人たちは「黒人」、つまりオーストラリアの原住民のアボリジニーたちにわりと冷淡で警戒心しか持たないのに対し、子どもたちは大いに興味を示し、何の偏見もなく一緒に遊ぼうとする様子である。
        また、この作品には、原住民たちの優しさもよく描かれている。
        子どもというのは、本当に、よく遊ぶ存在であり、「越境」を簡単にできる、偏見にまだ染まっていない存在なのだろう。

        正直に言えば、他の世界名作に比べて、やや文体やストーリー展開が必ずしも名作っぽくないところもあるのだけれど、そこもオーストラリアらしいのどかさやおおらかさということで、それもまた御愛嬌と思う。
        今はなかなか手に入らない本のようだが、アニメともども、長く語り継がれ読み継がれて欲しい渋い名作と思う。
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        2014/03/06 by atsushi

      • コメント 5件
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      さらばモスクワ愚連隊

      五木寛之

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 五木寛之という作家の本は読んだことがなかった。

        上の世代に非常に人気のあった流行作家なので、通俗的で面白くないだろうと思っていた。

        「さらば モスクワ愚連隊」

        今読むと、これは傑作。
        導入部から読み手を引き込み、捉まえて離さず、鮮やかで感動的な展開。
        忘れ難い印象を残す。

        「GIブルース」「白夜のオルフェ」「霧のカレリア」

        すでに作者のスタイルが明確に確立されている。
        ワンパターンな気もするが、読ませる。

        「艶歌」

        非常にベタな作品だが、「さらば モスクワ愚連隊」についで気に入った作品。

        以上5作品。いずれも質の良いエンターテインメント作品である。
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        2017/09/16 by Raven

    • 2人が本棚登録しています
      雲霧仁左衛門

      池波正太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 五社英雄監督、仲代達矢主演で映画化された、池波正太郎の原作「雲霧仁左衛門」(前編・後編)をワクワクしながら一気に読み終えました。

        「仕掛人・藤枝梅安」シリーズに代表される池波正太郎の"江戸暗黒小説"は、無類のシネマディクトである彼が、フランス映画のフィルム・ノワールの影響を受けて書かれているのは、まず間違いないと思う。

        これらのフィルム・ノワールの基本コンセプトは、世間から爪弾きにされるギャングなどの悪党どもが、悪党なりの理屈をもって結束し、馴れ合いとも友情ともいえる奇妙な連帯感を育んでいるさまを描くことにあったと思う。

        巨大な組織を率いる盗賊の頭を主人公に据えたこの「雲霧仁左衛門」は、そういった"江戸暗黒小説"の極致とも言える作品になっていると思う。

        この作品が、「仕掛人・藤枝梅安」シリーズと異なるのは、悪の組織の機構や運動の原理を描くことが一つの主眼となっている点だと思う。

        国内にいくつあるのか知れない盗人宿の存在、また雲霧仁左衛門による大胆な用兵など、規律正しい組織の存在が匂わされている。
        そして、その組織が、安部式部率いる火付盗賊改方というもう一つの組織とぶつかるのだ。

        この作品の背景に尾張と紀伊という御三家の対立の因縁を絡めた点も注目すべき点だろうと思う。

        それから、池波正太郎の作品群の中に「真田太平記」をはじめとする"忍者小説"があるが、それに通じる趣向も盛り込まれているんですね。

        複数の陣営の者が、それぞれの思惑で動き、激突し合うダイナミズムは、"忍者小説"を含めた伝奇小説の醍醐味だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/04/15 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      ブラジルから来た少年

      アイラ・レヴィン

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Tukiwami

      • グレゴリー・ペックとローレンス・オリヴィエが白熱の演技合戦を披露した、「パットン大戦車軍団」「パピヨン」の名匠フランクリン・J・シャフナーが監督した映画「ブラジルから来た少年」を、まずアイラ・レヴィンの原作を先に読んでから、その後、原作との比較を愉しみながら映画化作品を観ました。

        とにかく、この本は発端でアッと言わせて、途中で結末を心配させて、結末でまたアッと言わせる、そんな作品なんですね。

        ある組織から、「94人の男を一斉に殺せ」という指令が出る。
        しかし、その94人の男たちは、過去に犯罪に関係したこともない、それこそ、ありふれた庶民ばかりなのだ。

        経歴も職業もまちまちなら、国籍もバラバラ。過去に同一の組織に属していたわけでもない。
        お互い、全く共通点はないのだ。

        こうして、殺し屋たちは一斉にオランダへ、オーストラリアへ、ノルウェーへ、デンマークへと、その94人を求めて散っていく。

        一体、なぜ、94人の庶民はあわてて殺されなければならないのか?
        この発端の謎だけで、もう、一気にこの本の虜になること請け合いです。

        この不気味な導入部から最後のクライマックスまで、ハラハラ、ドキドキの連続で、一ページといえども息が抜けないように、完璧に計算され尽くしている、とても面白いサスペンス小説なんですね。

        一体、この物語はどんな結末になるのか、いや、どう考えても結末はつけられないのではないかと思わずにはいられないほどの凄さだ。
        ここまで、読む者の手に汗を握らせてしまう作家は、そんなに多くはないと思う。

        大抵の作家は、作家固有の体臭とか持ち味の助けを借りて勝負するものだけれど、著者のアイラ・レヴィンに限っては、ひたすら純粋に、プロットの面白さだけで勝負してくるんですね。
        とにかく、94人の殺される男たちと同様に、一作一作にまるで同一作家の共通性がないんですね。

        この本の悪役は、かの有名な死の天使メンゲレ博士だが、そのメンゲレ博士を殺してしまった小説には、オリヴァー・クロフォードの「処刑ゲーム」があるけれど、この本のメンゲレは、果たして殺されるのかな、逃げ延びるのかなと読み手の興味をぐいぐいと引っ張っていくんですね。

        >> 続きを読む

        2019/01/07 by dreamer

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-67)

      アガサ・クリスティー

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • アガサ・クリスティーのデビュー作&名探偵ポアロのデビュー作です。
        第一作目にして、この世紀の名探偵がほぼ「出来上がっている」ことに驚いてください。
        典型的な謎解きミステリーでありながら、コミカルでロマンティックな味わい
        そして、何よりも読後の爽やかさに感動し、
        私はこの作品をきっかけに、クリスティの、そしてポアロのファンになってしまったのです。

        [田村隆一の旧訳作品]で現在廃刊になってしまっていますが、amazonでは購入できます。

        田村隆一氏の翻訳は会話に品格があり、ポアロの性格を最もよくつかんでいるのが彼だと思うので、
        ポアロを正しく知ってもらうためには、一度は田村訳をお薦めしたいです。

        作中でポアロは「とても丁寧な口の利き方をする」と女中からも尊敬を受けます。
        非常にダンディーでおしゃれであるとも書かれています。

        田村訳の特徴は、1人称2人称の言葉の選び方が繊細で適切なのです。
        というのも、ポアロは「きみ」とか「あんた」などという言葉は使わないはずなのです。
        時々フランス語をまぜたチャンポンの会話をするのがポアロの癖ですが、
        20歳以上若い、親しい友のヘイスティングズにも、vous(仏語で丁寧な“あなた”にあたる言葉)で話しかけています。
        まず田村氏はこの基本を押さえていると評価できます。

        田村氏は、翻訳のプロではなく詩人・作家が本業なので、
        翻訳文は彼の文章になっていますし、時々意味の通らない文章が出てきます。
        勘違いによる誤訳というものが、確かにありえるのです。
        それでも、作品の本質は損なわれていませんし、
        翻訳家というのがよくやる「間違った日本語」は出てきません。
        可能であれば原文をそばにおいて読むと最高でしょう。

        読みやすさをとるか文学表現を選ぶか、といった問題なのですから、
        誤訳の部分だけ訂正して、両方の翻訳を一緒に読めるように
        絶版にはしないでいただけたら嬉しいのですが。
        正直に申し上げると、この作品は日本語で読んだほうが、感動が大きかった気がしています。
        田村ファンは多いのですよ~。


        イギリスのロンドン郊外の静かな村の旧家で起こった女主人殺人事件。
        毒殺したのは、再婚したばかりの若い夫か、義理の関係の息子か、毒物学者なのか?

        舞台が醸し出す雰囲気も人物の個性の描き分けもいいです。
        ストーリーのハラハラ感と共に、ポアロとヘイスティングズという年の離れた親友の、ほほえましいやり取りを楽しんでください。

        この作品ではポアロが若くて、その突飛な行動に笑えるシーンも多いです。

        考えがまとまらない時、トランプの家(タワー?)を建てながらブツブツ言っているシーンなども、
        秀逸だと私は思っています。

        ポアロが「外人だから」オーバーな表現をする、とされている点も、
        逆に見るとイギリス人というお国柄が垣間見えて興味深いです。

        ポアロ・ファンにとってお気に入りの1冊であることは保証します。
        >> 続きを読む

        2012/09/16 by 月うさぎ

      • コメント 6件
    • 2人が本棚登録しています
      秘本三国志

      陳舜臣

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 宦官の専横。黄巾族の氾濫。董卓の洛陽入り。三国志が動き出す。

        劉備陣営を主人公にした三国志とは一線を画す内容なため先が気になる。

        劉備を成人君主として描きたいがために、曹操や張飛が汚名を着せられているという話をよく耳にするが、もはや史実に基づいた物語で有ることは皆が受け入れていると思われるので、不毛な論争には参加しないと決めている。

        本作品では、まだ誰に肩入れしているのかは分からないが、別の本で著者自身から、曹操を中心に書いたとコメントされていたと記憶している。

        興味深かったのは月氏という存在。
        異民族ながら、時の権力者はもとより、各地の有力者とも上手く付き合うことで、安全保障を得ている。いわば小国家とその外交を見ているようで面白い。

        また、要所に「著者曰く」という形で、注釈がされている。
        良く文集に*が付いていて、行末に細かい字で説明が羅列されているものが有るが、以前からあれほど読みにくいものは無いと感じていた。

        ところが「著者曰く」として、本文の中に組み入れてしまうだけで、物語部分と著者の思いの部分が明確に分けられ、返って相互補完しているかのようである。

        秘本というタイトルがついているが、どの辺が秘本なのだろうか。
        >> 続きを読む

        2011/07/27 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      童夢

      大友 克洋

      双葉社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • マンモス団地で起きる不可解な変死事件の数々
        捜査は難航し、担当していた部長刑事までその犠牲となり
        事件の解明は難しいものと思われたが・・・

        この本も何回読んだか分からない作品です。
        それでも、今読んでも鳥肌が立ちます。

        今の漫画表現にまで影響を
        与えたとおぼしき
        圧倒的なまでの“絵”の力。

        どんな風に“視えて”いるのか
        目と頭の中を覗いてみたくなります。
        それを絵として構築できる力。
        どちらも凄いです。

        団地内での秘められた人間関係が
        あらわになってくる後半。

        そして、その本当に
        精巧にくみ上げた積み木を崩すような快楽。

        著者のその感覚を読者は
        ただ、単に分けてもらっているようにすら感じられます。

        最終的に、日常の見えないところで
        つけられる決着のつけ方も含め。
        格好良いです。
        >> 続きを読む

        2013/06/16 by きみやす

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      かしこいビル

      NicholsonWilliam , 松岡享子 , 吉田新一

      ペンギン社
      5.0
      いいね!
      • この絵本は、1926年というから、今から87年前にできたものだというのに、とても面白かった。

        イギリスの絵本史上では有名な作品だそうだけれど、たしかに名作だと思う。

        このビルのように、猛ダッシュで後を追いかける。
        それぐらいの気持ちが、人生にしろ、誰か大切な人への思いにしろ、人間大切なのかもしれない。
        このガッツが大事だなぁと、読み終えてしみじみ思わされた。

        多くの子ども、そして大人に読み継がれて欲しい、時を超えた名作。
        >> 続きを読む

        2013/07/04 by atsushi

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています

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