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村上春樹
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人は生き続ける限りにおいて失い続け、探し続けなければならないのでしょう。最後にたった一つ失いたくないものがあるとすれば、それはあなたにとって何ですか?「僕」の場合は、そして鼠クンの場合は…。*すみません。これは文庫本の下巻のレビューのつもりでした。そのつもりでお読みいただけるとありがたいです。登録し直そうと思いましたが、コメントいただいたのが消えてしまうと悲しいのでこのまま残します。「星形の斑紋をもった羊捜索」の命を受け「僕」と完璧な耳をもったガールフレンドの二人は、札幌に降り立った。古びた「いるかホテル」(本当の名ははドルフィン・ホテルだけど)を拠点にした捜索活動を開始するが、無駄骨ばかり。支配人との会話によりホテルがかつて北海道緬羊会館であったこと、支配人の父はかつての館長で「羊博士」と言われる人物であることが判明。(灯台、下暗し)「羊博士」の話は、羊に関する驚くべき体験談だった。この話は一応ミステリーと言ってもよいのでは?羊をめぐる冒険の真相とその理由という謎が最後に明らかになります。そしていよいよ「羊男」が登場しますよ。上巻の寄り道寄り道という前2作のノリに近い進行から下巻になるとストーリー中心に進み始め怪しさは増し、とっても面白くなります。僕の手料理も披露されます。バーのオムレツとサンドウィッチではなくて、鮭の缶詰とわかめとマッシュルームのピラフ、骨付き鶏肉のオーブン焼き、ヘイゼルナッツ・アイスクリームにコアントローをかけてのように、おいしそうなメニューが出てき始めます。北海道に舞台が移り村上春樹にスイッチが入った。そんな感じを得ました。羊が…いいえ、鼠クンが仕掛けたのかも。上巻でつまらないと思った人も、だからとりあえず、下巻には進みましょう。わけのわからない話はますます不思議さを増していきますが。読み終えた時、悲しくて悲しくてけれど澄んだ気持ちになれることでしょう。下巻のストーリーはネタバレになるので、この先はナイショです。でも、すっごく楽しい勧善懲悪みたいな話ではないですよ。そりゃ、村上春樹ですから。よく「喪失」というキーワードが村上春樹文学の全部のように言われますが、私は、何かを「探す」というほうが、彼の物語の特徴ではないか思っています。失い続け、探し求め続ける。そしてこれは、少なくとも羊を捜す話です。久々に再読すると、この後の作品へと発展していく部分がとても多いと感じます。「世界の終わり…」への布石とも思えます。さらに「ねじまき鳥」は、村上春樹の作品の一時的な総決算なんだろうな。とか。「1Q84」の世界が「羊をめぐる冒険」とやけに被るような気がしたり。影の組織と宗教組織。「王である先生」または「神」の死。リトルピープルと羊の位置関係は、どうなの?とか。「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさや辛さも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。」でもね。私は「鼠」クンがとても好きだったよ。この後、鼠クンが出てくる話はありません。それがとても悲しいです。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~下第七章 いるかホテルの冒険第八章 羊をめぐる冒険Ⅲ >> 続きを読む
2013/08/05 by 月うさぎ
開高健
コピーライターでもある著者の表現を知るために参考になる本だと紹介があったので読んだ。全文、張り詰めた表現の連続で戸惑った。ベトナム戦記だから当然か。ほとばしるような魂の叫びが何重にも塗り重なった感じがする。コピーライターらしく、言葉は短く連なる。一字一句が研ぎ澄まされているので、情景描写を読み慣れている自分にとっては、想像力というかイメージを持ちながら文字を追うのに疲れてしまった。とにかく読めという迫力がある。 >> 続きを読む
2020/06/15 by KameiKoji
オイゲン ヘリゲル
論理的かつ合理的といわれるドイツ人である著者が日本の弓術から日本人に根付いている禅の精神を分析した本です。 現代の日本では弓道という単語を耳にする機会はありますが、弓術と言う単語を耳にする機会は少ないと思います。まず、この2つの違いはどのようなものなのでしょうか。この本によると、弓術は的を射る一種のスポーツであり体を鍛え筋肉で弓を引くものだと述べられています。一方で弓道は的を入ることが目的ではなく精神修行の一種であり、精神で弓を引くものだと述べられています。著者が弓術という単語を使用しているのは著者にとって自分の弓はまだ弓道の弓に達しておらず、的に当てようとするスポーツであると言う気持ちがあったため弓術という単語を使用しているのではないかと思います。 この本では日本語は文章の裏に隠れた意味が多くあり、西洋人にとってはそれがわかりづらいとあります。この隠れた意味を読み取ることこそが禅ではないかと思います。そして、禅の終着点は己を消して流れに身を任せる状態、いわゆる無心であると思います。己を消すには己を知らなくてはなりません。その手段が日本の道とつくものではないかと思います。弓道、柔道、華道、茶道など様々なものがありますが、全てにおいて型というものが重要視されています。これは己の身を律しようとすることにより、自分の身の隅々を知り、最終的に自分の心を知ることが可能だからではないかと私は考えています。 この本の著者は西洋の方です。西洋の方から見たら日本の武道は理解しづらいものなのかもしれません。著者は日本に滞在し武道を学ぶことによって日本人を理解しました。他国を理解するには本や映像を見るのではなく現地に足を運ぶことが重要であると私は考えています。西洋に一度も行ったことがないのに西洋哲学を語ることは可能なのでしょうか。東洋に行ったことのない人間が東洋の考え方を語ることは可能なのでしょうか。私は現地の風土や香りなどを知ることなくその土地の文化や考えを語ることは難しいのではないかと思います。だからこそ、この本の著者のように実際に現地に赴き、その土地の文化を学ぶフィールドワークのような行動が大切なのだと思います。 >> 続きを読む
2016/11/22 by taka0316
眉村 卓
本書は元々眉村氏がラジオ番組のDJをしていたとき、番組内で自作の短編を読むというコーナーのために書かれた作品をまとめた短編集。短編を毎週新作を書いて紹介していたのも驚きますが、眉村氏がDJをやっていたという事実も面白いです。40編以上の作品のほとんどが数ページで終わるので、読み足りなさも感じてしまいますが、シビアで辛辣な物語もあるので、作風のバラエティさでお得感もしっかり味わえます。 >> 続きを読む
2019/01/13 by アーチャー
手塚 治虫
全七巻を少しづつ読み、ついに読破。(1年近くかかったか?) 所々忘れてしまった部分も。 読んだことない方は、第一話「ハムレット」と最終話「終幕」だけでも読まれたら、この名作のいい所どりを味わえます。 最後、いんこはどうなるのでしょうか?あと、最初、いんこは鳥の助手を飼っていましたが、いつの間にかいなくなっていました。ウィキペディアでも記述はありません。 少年チャンピオン・コミックス版では、各話冒頭に、モチーフとなった演劇の解説があります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E8%89%B2%E3%81%84%E3%82%93%E3%81%93 http://tezukaosamu.net/jp/manga/320.html >> 続きを読む
2015/05/04 by 荒馬紹介
G.K.チェスタトン
この本の名言をご紹介します。***解決策がわからないのではない。問題がわかっていないのだ。 >> 続きを読む
2012/11/27 by 本の名言
宇野利泰 , ロナルド・ノックス
【素人探偵の功罪】 本作は、ミステリの古典であり、ミステリ作品が守らなければならない原則として『ノックスの十戒』を提唱したロナルド・A・ノックスによるミステリ作品の第1作です。 『グリーン家殺人事件』や『僧正殺人事件』で有名なヴァン・ダインが、英国のミステリ作品ベスト11に本作を選んだという話もありますが、他方で、ヴァン・ダインはベスト11など選んではいないという説もあります。 ともあれ、どんな作品なのか見てみましょう。 本作の舞台となるのは、ゴルフ場で、ゴルフ大好きな連中がホテルとも言えそうなクラブハウスに泊まり込みでゴルフ三昧に明け暮れているといった場所です。 コースの近くには鉄道が通っており、その陸橋もそばにあるというロケーションです。 本作の探偵役となるのは、ゴルフ大好きな4人組(中でもそのうちの二人が探偵役に熱心です)という素人なのですが、彼らがちょうどゴルフのラウンドを回っている最中に、ボールをスライスさせてコース・アウトさせてしまい、そのボールを探していたところ、陸橋から転落したと思われる顔が分からない程損傷してしまっている死体を発見するのですね。 一見、鉄道からの飛び降り自殺とも思えるのですが、彼らは必ずしもそうとも言えないかもしれないなどと考え、この事件の解決に乗り出すというわけです。 さて、ミステリの中には名探偵を登場させる作品もあれば、本作のように素人が探偵役をつとめる作品も多数あります。 素人が探偵役をつとめる作品の場合、頭脳明晰な名探偵ではなくても謎を解くことができるという親近感のような感情を読者に抱かせることができるというメリットがあるのかもしれません。 また、事件が起きるといつも都合良く名探偵が近くにいるのはおかしいという批判を回避することもできるでしょう(特に、巻き込まれ型の作品の場合、自然に素人が探偵役をつとめることになる説明がつけやすいでしょう)。 他方で、私は個人的には素人探偵型はあまり評価しないのですが、その最大の理由は満足感が今ひとつと感じてしまうからです。 やはり、練りに練られたとんでもなく不可解な謎を、頭脳明晰な名探偵が論理的に鮮やかに解決するという点にミステリの醍醐味があると思っているので、素人が考えて解決しちゃいました~ではどうにも釈然としない部分が残ってしまうのですね。 ええ、「あなたのその推理は本当に正しいのですか?」とツッコミたくなってしまったり。 そうなんです。 実は、どんなミステリでも、読者に示された同じ手がかりから全く別の結論を導くことはさほど難しいことではなく、作者が用意した結論こそが正解なのだと読者に納得させるのは、偏に作者の筆力にかかっていると言っても過言ではないように思います。 そして、そのような読者の納得を勝ち得るのに非常に大きな力となるのが名探偵の存在でもあります。 つまり、名探偵がそう言うのだからそれが正しいのだ、と、読者は割とすんなり納得してしまう面が確かにあるでしょう。 ところが、これがどこの誰かも分からない素人探偵だったりすると、「だけど、どうしてそう断言できるのか?他の解釈だって成り立つじゃないか」というツッコミを招きかねないという弱点があるように思えます。 これはミステリの宿命みたいなものですが、ところが……。 本作は、まさにそのミステリの宿命を逆手に取ったような作品とも言えます。 だから、どうしても素人探偵には登場してもらわなければならないとも言えます。 え?どういうこと?と、お思いになるでしょうが、こればかりはミステリという性質上これ以上申し上げるわけにはいきません。 少なくとも、本作は、ミステリという文学形式だったからこそ成立し得た作品と言えるのではないでしょうか。 ただ、逆に、そういう構想の作品だからこそ、それは諸刃でもあって、作者が最終的に用意した『正解』の説得力を低下させることにもなるという強烈な副作用を伴うのですけれどね。 さて、冒頭に書いた『ノックスの十戒』ですが、本作は、一応はこの十戒に乗っ取っている……と、言えるかなぁ…… 第3則 秘密の部屋や通路は二つ以上使ってはいけない。 何で二つ以上なんだよぉ、一つなら使ってもいいのか?と思わずツッコミを入れたくなる戒律ですが、そういうことだとされています。 本作では一つ登場しますが、まぁ、それが殺人のトリックに使われているわけでもないし、一つなら許すと言っているので良いことにしましょうか。 第1則 犯人は物語のはじめから登場していなければならない。 ……この点、どうでしょうねぇ……。 あんまり書くとネタばらしになるのでやめておきます。 もう一つ、この作品の変わっている点を挙げておきましょう。 この小説は、全部で25章あり、23章目で犯人が判明します。 その後に2章残されているのですが、なんと、第24章の冒頭で、作者が付した原注として「読者へ……この作品が長過ぎて退屈したときには、本章は省いてもよろしい」と書かれているんですね~。 こんなこと書いてある作品も珍しい。 まぁ、24章は本筋とは関係ないと言えば関係ないので、確かに飛ばしてしまっても差し支えはないのでしょうけれど、全体でもそんなに長大な作品というわけでもない上に、たかだか24章だけ飛ばしたところで大して意味もないとも思うのですが。 ま、そんな気配り(?)もされている作品でした。 ちなみに、最後の第25章は、この事件全体の総まとめ解説的な部分なので、ここはお読みになった方が分かりやすいと思いますよ。 >> 続きを読む
2019/10/19 by ef177
ミース・バウハウス
本当に涙なしには読めない、すばらしい絵本だった。この絵本の絵は、第二次大戦中に描かれたもの。ゲットーに入れられて、絵を描く自由もなかったユダヤ人の男性が、自分の三歳の子どものために、せっせとスケッチブックにひそかに絵を描き続けた。そのお父さんは、戦争が終わる少し前に、アウシュヴィッツの強制収容所に送られて死んでしまったが、壁にナチスに見つからないように隠してあったスケッチを、戦争が終わった後に友人が取り出し、その子が大きくなった後で渡したという。この絵本は、その絵に、作家の人が文章をつけて絵本にしたもの。ほとんど生まれた直後からゲットーに押し込められ、食べ物もろくになく、いつもひもじい思いばかりで、自由もない自分の小さな子ども。その子が、世界を旅したり、おなかいっぱい食べる姿を想像でスケッチで描いたさまざまな絵を見ていると、父親の大きな深い愛情と、いかなる状況でも想像力や夢を持ち続けることの大切さを、言葉では形容できないほど思い知らされる。その子は、お父さんもお母さんも収容所で失い、おじさんに育てられて、戦後は無事に成長し、結婚して四人の子どもの父親になったそうである。小さい時は収容所で受けた心の傷のために大変だったことが若干あとがきに書かれているけれど、それでもちゃんと無事にまっとうに成長したということに、ほっとさせられる。きっと、このお父さんの、絵に託した大きな願いや愛情があればこそだったのだと思う。 >> 続きを読む
2013/04/29 by atsushi
やぎゅう げんいちろう
大人になってしまうと当たり前のことでも、小さいお友達には不思議がいっぱい!これまで何度もそういう瞬間に立ち会ってきましたが、この本もそういう点でなかなかでーす♪表紙のとおり鼻の穴がテーマなんですが、まずは何のために空いているかわからない。そして何で2つ空いているのか。最初のはともかく2つの理由って大人もアレレって思っちゃいますよね。うーんって考えているうちに、鼻水出てきたー!!ってもう大騒ぎ。結局わたしも大喜びでした。めでたしめでたし♪ >> 続きを読む
2013/10/08 by tamo
寺村輝夫 , 岡本颯子
てるおか いつこ
山崎 圭次郎
タニス・リー
広松渉
イェーリング
斉藤 国治
西村寿行
氷室 冴子
出版年月 - 1982年10月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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