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1982年11月発行の書籍

人気の作品

      君たちはどう生きるか (岩波文庫)

      吉野 源三郎

      岩波書店
      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.2
      いいね! Moffy
      • 3月の課題図書。

        少年コペル君と、亡き父の代わりに彼を見守る叔父さんとの心あたたまるストーリー。
        とてもメッセージ性の強い作品です。
        ゆっくり、時間をかけて読みたい。こんな気持ちにさえてくれた本は久しぶりでした。

        私たちはどう生きるか、どのように生きていくか。
        自分が死ぬまで延々と考えさせられるテーマだと思います。
        柔軟で選択肢の広い幼いうちから、コペル君のように考えていくことができるのは、その後の人生にどれだけプラスとなるか。
        もしこれが一人では、自分の考える範囲内だけの成長となってしまいます。
        叔父さんのような誰かと、時には失敗しながら考えていくこと。
        これが大きいのだと思います。
        漫画も出ていますし、この本に出会うことは容易です。
        しかし、人との繋がりが希薄となっている現代において、どれだけの人が彼らのようになれるのでしょうか。
        コペル君と叔父さんの関係は、とても眩しく映りました。
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        2018/05/19 by あすか

      • コメント 7件
    • 他14人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      羆嵐

      吉村昭

      新潮社
      3.9
      いいね!
      • 日本獣害史上最悪の惨事となった大正15年の三毛別羆事件を描いたドキュメンタリー。

        北海道の開拓村を襲った惨劇、羆の襲撃により二日間で6人の命が奪われる。

        羆の恐ろしさは、それが喰らった人々の遺体の描写に表れている。
        淡々語られるその様子は、これが本当にあった事件であると言う事を考えると身の毛もよだつ恐ろしさを感じる。

        この事件で、後半中心となる人物は猟師の銀次郎であろう。
        彼は、普段の素行から村人より忌み嫌われる存在であるが、この事件のさなか、人々が恐怖から冷静な行動がとれなくなっている中で唯一冷戦沈着に行動し、熊を追跡し最後にはこれを仕留める。
        人間というものは、本当に一面だけで判断できないものであり、簡単なステレオタイプ的なものに置き換えれないものであると感じる。
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        2018/01/02 by くにやん

    • 他4人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      海軍めしたき物語

      高橋孟

      新潮社
      4.0
      いいね!
      • 軍隊の主計課って漠然と経理を管理するところだと思っていたのだが、
        軍艦などでの烹炊、いわゆる乗組員の食事を用意する部署でもあった
        のね。

        本書は昭和16年に徴兵で海軍主計課に配属され、戦艦「霧島」の
        「めしたき兵」だった著者の回顧録だ。

        真珠湾攻撃にもミッドウェイ海戦にも参加した「霧島」だが、めしたき
        兵だった著者は戦闘は一切知らず。ひたすら烹炊所で乗組員の食事作り
        に精を出す。

        それも事あるごとに先任のめしたき兵からしごかれながら。ビンタは
        日常茶飯事、同年兵の連帯責任で不意に行われる腕立て伏せ。完璧な
        いじめだが、添えられたイラストの雰囲気もあり文章もユーモラス
        なので陰惨さはあまり感じられなかったのが救いかな。

        戦艦に乗り組んでいながら海を見る機会もほとんどなく、艦がどこを
        目指して航行しているのかも分からない。

        もうひたすら飯炊き。野菜や魚を切って、味噌汁を作って、ご飯を炊い
        て、後片付けをしての繰り返し。

        夜食のお汁粉が甘くならないからとどんどん砂糖をぶちこんで、「塩を
        入れんか!」と怒られ、一握りの塩を入れたらめちゃくちゃ甘いお汁粉
        になって、甘さを薄める為に水を追加するなんて失敗もしている。もれ
        なくゲンコツが飛んでくるのだが。

        いや~、太平洋戦争時の回想録でまったく戦闘場面のない作品も珍しい。

        尚、戦艦が戦闘状態に入っている時の食事は、五目御飯のおにぎりなのだ
        そうだ。それも鶏肉ではなく牛肉を使うらしい。牛肉の五目御飯かぁ。
        作ってみようかな。

        著者は「霧島」乗艦時に経理学校の試験を受け、見事合格。艦を降りて
        のちのエピソードもあり、この人には運がついて回っていたのだなと
        思った。

        こんな戦争の思い出話もいいかも。

        >> 続きを読む

        2018/03/19 by sasha

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      紅の密使 グイン・サーガ - 12

      栗本薫

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • グインサーガ12巻!

        前半は知らないキャラクターばかりが登場し、会議シーンが続いてなかなか読むペースも上がらなかったが、後半はイシュトヴァーンが登場したり、レムスが登場したり、大きな動きがあってページを捲る手が止まらなかった。

        あと、今回は特にあとがきが興味深かった。

        ちょっと長いけど引用。

        --

        私には、どうも、グイン・サーガのキャラって、私がそう作った―というんでなく、はじめからもう決められてしまっていたように思えるのです。別の世界にホントにかれらが生きて動いていて、私はただ、それを中継してるだけなんじゃないか、と思うことがしばしばあります。まただからこそ、私がそのキャラを悲しい運命からよしんば助け出してやりたいと思っていても、勝手にかえることはできなくて、作者の私も悲しい思いをしたりするのです。ふしぎなもんですね、物語―動きはじめた物語というのは。

        --

        無理やりの展開や作者都合の設定を感じさせる物語も少なくない中、そういったことを全く感じさせずに、登場人物たちが物語を紡いでいっているような感覚。だからグイン・サーガの世界にどっぷり浸ることができるんだなぁ。

        重要人物っぽいカメロンの初登場もあって、今後ますます楽しみ♪
        >> 続きを読む

        2013/07/06 by chao

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      荘子

      荘子

      岩波書店
      カテゴリー:先秦思想、諸子百家
      5.0
      いいね!
      • 『荘子 第三冊』(金谷治訳注)<岩波文庫> 読了。

        第二冊から引き続き外篇の五篇と、雑篇の三篇が収録されている。

        もちろん意図したわけではなく、単に順番に適切な量を収録しているだけだろうが、第二冊と比べると比較的荘子の思想をそのまま述べたものが多いように感じられた。
        逆に言えば、今まで見てきたものがまた出てきたような印象も受ける。
        (ひとつ、自分の外部の事物に心を取られてしまう、という話が目立つのが特徴といえばいえるかもしれない)

        そういう意味であえてここから取り出さなければならないものも少なく、また、訴えるものが感じられてもその章全体として見ると受け取り難いものもあった。

        そんな中から、印象の強かった章を挙げてみたいと思う。

        ----------

        【田子方篇 四】孔子と老子の会話
        孔子が老子に会いに行くと、枯木のような様子で立っていた。
        老子は孔子に「とても言い表すことはできないが、試しに話してみよう」と、その境地を語る。

        「遊」という荘子の思想を表した章。
        内篇にはよく出てくるが、外篇や雑篇ではあまり見かけない話で、新鮮な感じがする。

        【知北遊篇 一】知と黄帝の問答
        道について「答える」ということすら知らなかった無為謂、答えようとしてそれを忘れてしまった狂屈、答えた黄帝のいずれが道を知っていたことになるのか。

        再三「言葉で言い表せない」と言われているが、書物という特性上、やはりどうしても言葉でしか伝えることができない。
        読んでいるとそういうことを忘れてしまうが、大事なのは言葉ではなく「それ」であることを思い出させてくれる。

        【徐無鬼篇 十一】子棊の子どもへの予言
        子棊の子どもの一人が「一国の王とおなじ料理を食べて一生を終える」と予言され、子棊は悲しむ。
        王と同じ待遇を受けるという予言なのにと訝しく思われるが、このような奇怪な予言は運命だろうと答える。
        果たして、その子どもは誘拐されて足を切られて売り飛ばされ、肉屋の親方の元で王と同じように肉を食って一生を終えた。

        好ましいように思える前兆も結果どうなるかはわからない。
        それを運命と受け取るしかない。

        【則陽篇 八】霊公という諡の所以
        孔子の「なぜ霊公は霊公という諡を受けたのか」との問いかけに、三人がぞれぞれに答える。
        一般世間に通じる答えを出すことはできるが、なぜ「そう」なのかは誰にもわからない。

        ----------

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        2019/08/03 by IKUNO

    • 1人が本棚登録しています
      カレンダー世界史―一日一史話 (岩波ジュニア新書 55)
      岩波書店
      カテゴリー:世界史、文化史
      3.0
      いいね!
      • 企画自体は面白いと思ったのだが、取り上げられている話がもうちょっと興味が惹かれると良かったかなぁ。日本史の方も読もうと思っていたのだが、とりあえず保留で。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

    • 1人が本棚登録しています
      日本の喜劇人

      小林信彦

      新潮社
      カテゴリー:演劇史、各国の演劇
      4.0
      いいね!
      • エノケン、ロッパから、森繁久弥・伴淳三郎・三木のり平・益田喜頓・トニー谷・フランキー堺・萩本欽一、たけし等など、多数の喜劇人たちの素顔を、具体的な記述の積み重ねで、鮮やかに描きだす、喜劇人たちによる昭和史の一面。 >> 続きを読む

        2018/05/23 by rikugyo33

    • 2人が本棚登録しています
      一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫)

      デイヴィッド・マレル

      4.0
      いいね!
      • デイヴィッド・マレルの「一人だけの軍隊」は、シルヴェスター・スタローン主演で大ヒットした映画「ランボー」の原作として有名な作品ですが、アメリカの田舎町を舞台に、放浪中の若者と、彼を追い出そうとする町の保安官が衝突し、凄絶な山狩りにエスカレートしていくさまを描いた小説なのです。

        映画化作品の「ランボー」は、原作をそのままなぞっただけで、もちろん、小説と映画とは全く別物だという事を承知の上で言えば、出来は小説の方が遥かに良かったと思います。

        いや、正直に言えば、抜群に面白かった映画「ランボー」より、小説「一人だけの軍隊」の方がもっと良かったという言い方が正しいのかも知れませんが。

        山に逃げ込んだ若者が途端に生き生きと甦り、様々なゲリラ戦のテクニックを駆使して闘うディテールが、圧倒的な迫力で描かれているのです。

        この小説が優れているのは、主人公のランボーの設定にあると思うのです。ランボーはナイフと知恵と体力のみで数十倍の敵を一人づつ倒していくのですが、彼はただの兵士ではないのです。

        ヴェトナムで特殊訓練を受けたグリーンベレーの最も優れた兵士だったのです。だから、山中でのゲリラ戦ならお手のもので、食糧も与えられず、ナイフ一つでジャングルの中に放り出され、数週間生き延びる----、そんな訓練を経て作り出された戦闘マシーンだったのです。

        この設定が「一人だけの軍隊」という小説のミソだと思うのです。つまり、見せかけだけの平和の中で、死んだようになって生きているランボーは、追われる事によって、その闘争本能を甦らせていきます。この血の噴出が我々を興奮させてくれるのです。

        しかし、戦闘マシーンといっても、そこにひとかけらの感情もないならば、単なる絵に描いたスーパーマン物語にすぎません。ランボーはゲリラ・テクニック、サバイバル・テクニックを駆使して闘い、生き延びながらも、実はこの点が非常に重要なのですが、"恐怖を常に引きずっている"という事なのです。

        この小説が冒険アクション的な衣装を身にまといながらも、人間というものの本質をシビアに描いた小説であると思うのは、ランボーの元上司のトラウトマン大尉のセリフに集約されていて、町の警察ではどうする事も出来ず、遂には軍隊まで山狩りに動員される程のランボーの闘いぶりに、保安官が、トラウトマン大尉に、一体どんな事をあなたは教えたのかと尋ねると、大尉はこう答えるのです。「ただ生き延びる方法を教えただけです」と----。

        ここから、この「一人だけの軍隊」が、一種のサバイバル小説である事も見えてくるのですが、つまりランボーが闘っているのは、表面上は警察であり、軍隊であっても、実は、"弱音を吐き、音をあげようとする、脆くて弱い自分自身"なのです。

        この"闘うべきは脆くて弱い自分自身"だというテーマが、この小説の底にしっかりと流れているからこそ、私はこの小説に魅せられてしまったのかも知れません。

        この小説の冒頭部が、ヴェトナムから還ったものの、アメリカ社会に容易に溶け込めず、更に精神を病んで入院していた病院から退院したばかりという設定である事を考えれば、ランボーの"苦悩も鬱屈"も理解出来るのです。

        この小説は、いわば、ヴェトナム戦争の後遺症ともいうべき、"アメリカの悲劇"を描いた小説でもあると思うのです。
        >> 続きを読む

        2016/10/03 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      そして、トンキーも死んだ

      たなべ まもる

      国土社
      5.0
      いいね!
      • 第2次世界大戦中の上野動物園でのおはなし。

        動物園が空襲に遭い、猛獣がおりから出てしまうことを想定し、上からの命令によって飼育員が殺さねばならない、というむごいことが、過去にあったそう。

        「かわいそうなぞう」を子どものころに学校の教科書で習いましたが、「そして、トンキーもしんだ」の方が、もっと詳しく書かれています。

        愛情を注いできた動物たちを殺さねばならなかった飼育員たちの心情、必死に生きようとするゾウにホロリとさせられました。

        戦争は、人だけではなく、動物たちにも悲しい思いをさせるのですね。
        >> 続きを読む

        2016/05/26 by taiaka45

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています

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