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1983年10月発行の書籍

人気の作品

      おとなになれなかった弟たちに…

      米倉斉加年

      偕成社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! kentoman
      • おとなになれなかった・・・戦争という時代。
        米倉斉加年さん自身の体験が描かれている
        辛い辛い記憶。
        後悔。
        いろいろなものがある。

        何よりも、そこからくる決して大げさではないが、深く、静かで、大きな思いがそこにある。

        戦争という時代でなければ、きっとおとなになれただろう弟。
        そんな時代は、今、この世界のいろいろなところで起きていることを、忘れてはいけない。
        そして、そんな時代へ向かわせようとしている人たちのいることも。
        >> 続きを読む

        2015/03/18 by けんとまん

      • コメント 2件
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      偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)

      ピーター・ラヴゼイ

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • ピーター・ラヴゼイの「偽のデュー警部」を読了した感想は、久々に良質のミステリを堪能させてもらったという、爽快感に満たされましたね。

        時は1921年。舞台は英国からアメリカに向かう大型旅客船。つまり、"船上ミステリ"なんですが、これが群を抜いて面白いんですね。

        主人公は、冴えない中年の歯科医ウォルター。どのくらい冴えないかというと、すべて妻リディアの言いなりになり、歯科医になったのも彼女に勧められたからで、何ひとつ自分で決めたことがないというぐらいなのです。

        この優柔不断な主人公の設定が、実はプロットを裏で支える仕組みになっているんですね。実に心憎い設定です。

        ウォルターが花屋の女店員に恋をして、妻殺しを決意するというのが発端。ミステリでは、よくある話です。ところが、ここから先が作者のピーター・ラヴゼイの腕のみせどころなんですね。

        ウォルターは船に乗る時に、昔の名警部の名前を何気なく名乗ってしまいます。そして、船上で本当に殺人事件が起き、偽の肩書を信じた船長に頼まれ、ウォルターは犯人探しに乗り出すというお話なのです。

        妻殺しのために名乗った偽名がもとで、探偵役になるという皮肉が効いているし、彼は本物の名警部も顔負けの推理で、事件を何と解決してしまうんですね。

        とにかく、このミステリは、プロットや語り口が実にうまいんですね。まず第一に、優れた小説がそうであるように、細部の描写が実にいいこと。例えば、マージョリーとリヴィングストーンの出会いのエピソードやボートマンという外洋航路船で稼ぐ職業的ギャンブラーの話など、多彩な登場人物のこまかなエピソードを積み重ねていくうちに、それぞれの個性が浮き彫りにされていくんですね。

        もう一つは、コミカルな味付けが、本来動きの少ないはずの話を、アップテンポにしていることだと思う。トニー・ケンリックの「リリアンと悪党ども」ほど喜劇仕立てではありませんが、ユーモラスな仕立てが辛気臭い船上の殺人話を、洒落た知的なミステリに変え、読後の印象を爽快なものにしているんですね。

        例えば、偽警部の前で「自分の女房を殺して海に投げこむ男がいると思いますか」と必死に言う男が登場するシーンがあります。

        彼は、そのロジックで自分の無実を訴えるのです。ところが、目の前の探偵は「自分の女房を殺して海に投げこむ」つもりで船に乗って来た男なので、このロジックは通用しない。少しも弁解にならないのです。このピーター・ラヴゼイという作家は、なかなかの役者だと思いますね。


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        2018/03/04 by dreamer

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      閃光の遺産 (文春文庫 (121‐8))

      三好 徹

      5.0
      いいね!

      • 私が敬愛してやまない作家の中のひとり、三好徹の「閃光の遺産」を読み終えました。

        三好徹という作家は、純文学作品から出発して、ミステリ作品も書くようになったのですが、彼の代表作「風塵地帯」等の"風三部作"や直木賞受賞作の「聖少女」、そして横浜支局の警察回りの新聞記者の"私"を主人公にした"天使シリーズ"等、どれも素晴らしい作品揃いで、いつも私を魅了してやまないんですね。

        彼のミステリを書く際の考え方として、「光と影」のあとがきの中で「謎を解くことよりも、むしろ探求することの方が大切」「極端なことを言うと、探求したからといって必ずしも謎が解けるとは限らず、時としては未解決のまま小説が終わってしまってもかまわない」と書いているように、彼の作品は、まさしく"探求の文学"だと、私は思っています。

        そんな、三好徹が本格ミステリに挑戦し、その実力をいかんなく発揮した傑作が、この「閃光の遺産」だと思う。

        新聞に掲載された人探しの広告。しかし、依頼主である筈の女は、そのような広告を頼んだ覚えはないという。
        一方、興信所の調査員・海野公一は、広島の実業界の大立て者・澄本菊平から、若き日の過ちで儲けた息子・大竹ミツオを見つけて欲しいと依頼された。

        ところが、ミツオらしき青年は三人も現われたのだ。
        彼らのうち誰が本物なのか決め手はなかったが、そのうちの一人が殺害され、事態は急展開することになる。

        太平洋戦争の混乱によって、多くの人間の身元を保証するものが失われたため、戦後に発表されたミステリでは、戦争が"人間の入れ替わりトリック"の背景として重用される傾向があったと思う。

        この作品の場合、広島への原爆投下という最大級の悲劇を、一見ありふれた遺産相続ものの設定に取り入れているが、それが本格ミステリとしての骨格と切り離せないものであることは、真相を知った時に明らかになるんですね。

        原爆投下の瞬間から、ちょうど20年後の8時15分に真相が暴かれるという構想はケレン味たっぷりだが、この物語が20年後を舞台にしている点にも、のっぴきならない必然性が用意されているのだ。

        アリバイ崩しの興味といい、意表を衝く動機といい、著者の本格ミステリへの意気込みが結実した傑作だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/12/05 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      「空気」の研究

      山本七平

      文藝春秋
      カテゴリー:社会学
      4.0
      いいね!
      • 「KY」空気を読むと日常でよく使われているので日本人にとって「空気」は身近な存在だと思う。
        その空気を研究対象とするなんて、目の付けどころが凄いと思った。

        少し難しい用語が色々出てくるが、なるほど確かにとはっとさせられるところが多々ある。

        「空気」の存在を認識できる本。
        これをどう活かすかは、自分次第と思った。
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        2018/09/30 by KOO

    • 6人が本棚登録しています
      ジュリアス・シーザー (白水Uブックス (20))

      ウィリアム・シェイクスピア

      3.0
      いいね!
      • 〈あらすじ〉
        共和制のローマにおいて、権力を強めていくシーザーが独裁者になるのではないかと懸念を抱く者たちがシーザー暗殺を決意する。シーザー暗殺を民衆に正当なものであると納得させるために、首謀者のキャシアスは民衆からの支持の厚いブルータスを仲間に引き入れる。そして3月15日シーザー暗殺を決行するのだった。

        〈感想〉
        ページの半分くらいまでは話の動きが少なくてやや退屈だったのだけれど、有名な「お前もか、ブルータス」のシーンからは怒涛の展開で見どころのシーンも多く楽しむことができた。ローマ史の知識があれば、より楽しむことができたかもしれない。

        一番の見どころはやはり暗殺後の演説の場面だろう。民衆たちはブルータスの演説によってシーザー暗殺を肯定する。だが、その後アントニーが演説をすると手のひらを返し「シーザーは高潔の士であり暗殺は不当である。ブルータスら謀反人らを許すな。殺せ、家に火を放て!」と暴徒と化す。大義名分に踊らされる民衆は餌に食いつく魚のようだ。400年も昔の作品であるが、政治家の言葉によって大衆が右往左往する姿は決して人事とは思えない。

        個人的にお気に入りなのがキャシアスとブルータスが口論をする場面だ。ブルータスがキャシアスを容赦なく罵倒するのだが、ここのセリフ回しが秀逸。シェークスピアの作品は罵倒をするセリフや口論する場面が一番面白いと思うのは僕だけだろうか。
        >> 続きを読む

        2016/09/05 by けやきー

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      木いちごつみ 子どものための詩と絵の本

      きしだ えりこ

      福音館書店
      4.0
      いいね!
      • くすっとしたり、そうそうと頷いたり、あるあると納得したり、そっか~そうだよなあ~と思ったりの連続。
        そんな感じと絵がマッチして、相乗効果がでていると思う。
        ちょっと、精神的にへばった時に読んでみるといいかもしれないな。
        >> 続きを読む

        2014/07/31 by けんとまん

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています

出版年月 - 1983年10月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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