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1984年6月発行の書籍

人気の作品

      ロウフィールド館の惨劇

      小尾芙佐 , Rendell, Ruth, 1930-

      角川グループパブリッシング
      3.3
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      • 「ユーニス・パーチマンがカヴァイデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである」
         
         このインパクトある、自信あふれる出だしの一行。
        さすが、ルース・レンデル。ルース・レンデルは、P.D.ジェイムスと並ぶ、イギリス女流サスペンス作家、と言われるのですが、調べてみたら、2000年以降、発表はしているものの、日本語訳は出版されていないとのこと。

         さて、P.D.ジェイムスと並んで語られるのは、人間の心理の奥深く、その襞まで一枚一枚丁寧にひろげていくような心理描写と、情景描写が積み重なって、重厚なミステリになっているところでしょうか。

         ですから、物語は派手ではない、軽くもない、スピーディでもありません。
        ルース・レンデルが描こうとしているのは、美しい謎ときではないのです。

         この物語で底辺にずっと重低音のように続いているのは、イギリスの階級制度です。

         ユーニスは、労働者階級の生まれで、戦争もあり、子ども時代に学校教育を満足に受けられませんでした。

         問題は、父親が、「読み書きができなくても、生きていける術を娘に教えてしまった」ことです。
        読み書きができないかわりに、ユーニスが身につけたもの、それは、すぐれた観察力、記憶力、一目見ただけでやり方を覚えてしまうという見取り能力でした。

         ユーニスは、いつも活字を恐れています。
        ちょっとしたメモが読めない。買い物のリストも読めない。

         「口数少ない、陰気な女」という不満がだんだん出てくるのは、「余計なことをしゃべると読み書きができないこと」がすぐわかってしまう・・・というユーニスの若いころからの自己防衛であり、その結果、人とのコミュニケーション能力は全く育たないまま、貧乏なまま、暮らしてきました。

         身分の差など結局、埋まらない・・・だから、変に立ちいらないで欲しい、とユーチスはだんだん、無愛想、無口になっていく。

         最初にぎゅっと締めあげておいて、ゆるめ、だんだん、締めあげる力を強くしていって、最後にとどめのぎゅ、という全体の流れの強弱のつけ方など、流れるようです。

          読み書きができても、書物が読めても、上流階級でも人間性というのは別問題・・・ということもこの物語でよくわかるのです。  
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        2018/07/01 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      殺人よ、こんにちは

      赤川次郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 【読了日不明】

        今日、パパが死んだ。昨日かも知れないけど、どっちでもいい。
        でも私は知っている。ママがパパを殺したことを。
        みにくい大人の世界を垣間見た十三歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影が。
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        2013/12/09 by books

    • 2人が本棚登録しています
      バリバリ伝説

      しげの 秀一

      講談社
      4.0
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      • バリバリ伝説 第5/全38巻

        鈴鹿4耐への出場を決める2チーム。その前に筑波でのサーキット走行の機会を得た彼らは高校生チームとは思えない速さを見せる。

        目的のためならプライドを捨てて、膝をついてチームへの加入を懇願する秀吉に本当のカッコよさを感じた。

        高校生チームでの鈴鹿4耐出場の準備を進める彼ら。

        美由紀、グン、比呂と3名までは揃ったものの、2チーム4名を揃えるため、残りの1名を探す。

        歩惟からの紹介で候補に上がる秀吉。
        その実力は誰もが認める彼だが、これまでの言動により、すんなり加入と言うわけにはいかない雰囲気になるが、プロレーサーを目指す彼としては、どうしても手にしたい機会なため、膝をついて懇願する。

        グンも気付いていたが、カッコ悪くても、本気で速さを目指す彼の振る舞いは男として非常にカッコイイ。

        大きな目標を持って、そこを目指している人間は、その過程において、人に頭を下げるなんて平気だし、そういう真摯な気持ちは絶対に周囲を動かすものだと改めて気付かされた。

        その後、ちょうど前哨戦とも言える筑波サーキットの走行機会を得た彼らだが、プロを相手に一歩も引かないグンの走り。
        秀吉もグンを上回るパフォーマンスを発揮し、鈴鹿4耐への期待感を抱かせる。

        おそらくは、グンと秀吉のドリームチームで本番を迎えるのではないかと思うが、今からもの凄い楽しみだ。

        もはや今からサーキットデビューも無いが、若い頃に一度はサーキット走行しておけば良かったと悔やむ...
        >> 続きを読む

        2013/05/13 by ice

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇 (新潮文庫)

      高柳 芳夫

      4.0
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      • 1963年、西ドイツのデュッセルドルフで、日本の商社の支店長が、毒殺された。

        現場は二重の密室状態。金庫に保管してあった二百万ドルも、行方不明になっており、しかも翌日には、ドイツ人秘書も絞殺死体となって発見される。

        折しも、ウィーン郊外のドナウ河畔に聳えるホテル『禿鷹城』では、四つの日本商社の代表たちが、大物代議士・伍東を囲んで、秘密会議を開き、利権をめぐって肚の探り合いをしていたが、その参加者のひとりが、密室状態の三階の自室で、何者かに殴打され、窓から突き落とされるという事件が起きた。

        この作品は、十三世紀創設の古城を改造したホテルという、雰囲気たっぷりの舞台で起こる連続殺人事件を描いた、重厚なタッチの本格ミステリだ。

        二重密室での毒殺と大金消失、地上十五メートルの密室での殺人、関係者が駆けつけるまでの僅かな時間に、現場から消えた犯人---と、立て続けに発生する三つの不可能犯罪に、いずれも凝った機械的なトリックが秘められているのみならず、一見完璧な謎解きが覆され、周到な犯罪計画が浮上する、二重底の真相が用意されているなど、私を含む本格ミステリファンを狂喜させずにはおかない趣向が、全篇に散りばめられていて、実に見事だ。

        >> 続きを読む

        2020/04/16 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      銃撃の宴

      船戸与一

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
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      • 何十ページかで、登場人物が魅力的で、物憂げでまだ未解決なところがあるまま話が終わっちゃう短編。
        はじめの方の何話かは、そんな感じで続きが読みたくなる。
        あとの方の何話かは魅力的ではなかった。
        >> 続きを読む

        2012/02/22 by bob

    • 1人が本棚登録しています

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