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栗本薫
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第19巻。1日で読めてしまった。面白かった~以下ネタバレバレなので未読の方、要注意!!イシュトバーンはモンゴールの王座を狙ってるのですね。アリさんと、虎視眈々、策略をめぐらして行くわけですね。出番はこれだけだったけど。この巻の主役はアルゴスの黒太子スカール。モンゴールを破ってあっという間に消えたのはグル=ヌーの秘密を知るためだったのですね。恐ろしいノスフェラスの地の奥にあるグル=ヌー。なつかしのあのノスフェラスでスカールたちはセム族と出会う。セム族がグインのことを話すと何だか自分のことのようにうれしくなります。グインがどれだけ偉大でどれだけ賢く、どれだけいい人か。セム族はグインを王と慕い、帰りを待っているのですスカールさんもいい人で、セム族と仲良くなって一緒にグル=ヌーを目指します。それは大変過酷な道のりでした。で、大変な困難を乗り越え、もうダメってところで北の賢者ロカンドラスに救われる。・・・この人、お釈迦様??グル=ヌーって、ニルヴァーナ???>「わしはただ、すべてを見る。世のことわりを黙って見ている。」>「わしは天然自然のことわりに添っておる。このことわりによりそったとき人は幸福なものとなり、そむくときことごとく不如意な一生をおくるものとなる。」>「わしは見者というたであろ。見者とは、《無知の知》を知るもの。つまり、わしは、何をわかり、何を知らぬかを知るゆえにこそ見者ロカンドラスと呼ばれるのだ」>「わしは、生あるもののいのちはとらぬ」>「わかるというているのではない。またわかったところでどうなるものでもない。ただ見るのだ。・・・・」次々とすごい能力を見せる賢者。でも、それは手品や魔法ではなく科学なんだな。>「危険とか、危険でないとは違う。あそこはーー《死》そのものだよ」>「人は、なぜ死なねばならぬのか?死すべき生命なら、何ゆえ生ずるか?人のわざがすべてむなしいなら、なぜ人はもとめるこころをそなえて生まれて来るのか?」 スカールはグル=ヌーを見るはじめての人間となる。何故か?>「他の、トーラスに集うた何ものに、この拳に出る勇気、しかも生還する生命力があったろう?しかもなお、そなただけが、それをまことに世界のために中立に保つことのできる存在であった。そなたは国々の勢力争いに関心がない。そなたは一国の権益という視座に縛られぬ。そなたは多くの罪から自由だ。」>「(百聞は一見にしかず)だよ」はたして、グル=ヌーは放射能汚染地域だった?他の星船…、大爆発…、謎の異形の赤ん坊・・・・・SF?(あ、ヒロイックファンタジーね)>「俺はいつも、生きていること、それがすべてだと思っていたさ。死んでしまえば、何もかもおわるだけだと」 (スカール)>「だがそうではない。ここには既にして、死後の世界がある。おぬしにこの声をきくすべがないのは、おぬしがそれらに耳をかたむけることなくすごしてきたからだ。わしにはいつでもこれらのくりひろげる物語がみえるのだよ」(ロ) 仏教的じゃないですか? お盆にもぴったり?(もう過ぎたけど) >> 続きを読む
2015/08/18 by バカボン
赤川次郎
火と善行の神・プロメテウス。その名を冠した処女軍団は独裁首相の私兵と化し、“正義”の名のもとに庶民を弾圧する殺人集団へと姿を変えてしまった。19××年、急速に軍国主義化する日本。反対派は体内に爆弾を埋め込んだ女性テロリストを派遣・・・。善行と信じつつ愚行へ走る乙女たちの姿が哀しみと共感を呼び起こす著者畢生の近未来サスペンス。昔から読み返す作品です。赤川次郎作品でも、毛色の違う作品の一つで(おそらく、著者ですら同じ系統の作品は書くことが出来ないだろうと思います)他の作家さんであれば、もっと軍国主義化していく部分にページを割きそうですが・・・割かないからこそ“プロメテウスの乙女”たちの変遷・結末が引き立つ気がします。そして同じように同じく爆弾という“火”を使う女性テロリストたち。彼女たちももう一つの“プロメテウスの乙女”といっても良いのかもしれません。プロメテウスという神が与えた火を人間たちはどう使ったのか。軍国主義の台頭に民衆はどう対応すべきなのか。人は何によって変えられていくのか。様々なことを考えさせられる作品です。淡々としたエピローグも気に入っています。 >> 続きを読む
2013/07/29 by きみやす
佐野洋
3億円事件をモチーフにした切り口の異なる推理短編5作収録の短編集。3億円事件を題材に選択した著者の意図に脱帽した。三億円事件そのものの推理だけではなく、事件の社会現象としての側面を上手く用いて著者が自由に発想した5作品が収録されている。一般に推理小説では発端となる事件の設定の描写にかなり多くの労力を割かねばならず、実際に著者が書き込みたい部分がぼやけてしまう場合が有る。そこで3億円事件のように、日本人なら誰でも概要は把握している事件を対象にすることで、事件の描写には枚数を割かず、本当に書きたい部分を凝縮して書ききることが出来る。どの作品も読み応え十分の密度を持っているのは、これら著者の深い意図が有ったからだと、あとがきを読んで初めて著者自身から明かされるのは小気味よかった。それぞれがレベルの高い短編で有りながら、全体で長編としても味わえる作品である。 >> 続きを読む
2011/03/28 by ice
開高健
渋い... もっぱら「男の世界!」という一冊だったので、女性読者にはなじみない部分が多いかもしれない。 肌身離さず使われてきた道具や小物について書かれてあり、品質の良し悪しはある程度影響するが、自分に合うかどうかがやはり一番の物選びの基準だと思った。 また、体の一部かのようになった道具との「情」があり、これはやはり飽きっぽい人は感じることがないものだろう。 道具は忠実に主人に仕えても、使用者である主人も道具に忠実でなければ、そのような絆は生まれない。 新製品がでるとポンポン買い替えたりする時代になり、ハイテクであるものの使い捨て感が半端ない。どこか物寂しい感じがする。 思えば、現代の人間関係もこのような傾向があるかもしれない。 >> 続きを読む
2018/01/03 by Moffy
まつもと泉
まだ恋したことが無かったときに、全巻揃えて読んでました。
2012/03/06 by yutaka
永井路子
"仏教の普及に殉じる鑑真の姿を通して、奈良王朝の複雑な政治状況の光と影を透徹した筆致で描き出した秀作 「氷輪」"歴史小説と言われるジャンルの小説が大好きで、とりわけ司馬遼太郎、海音寺潮五郎、永井路子の作品を好んで読んでいます。"歴史とは解釈である"という、海音寺潮五郎の有名な言葉がありますが、これらの作家の歴史解釈にはいつも新たな発見があり、"歴史の森への旅"という楽しみを倍加させてくれます。この昭和57年度の第21回女流文学賞を受賞した、永井路子原作の歴史小説「氷輪」は、井上靖原作の「天平の甍」の後日譚とも言うべき時代の、複雑な政治状況を、"永井史観"とも言われる彼女の透徹した眼で描いています。永井路子がこの小説で女流文学賞を受賞した際の受賞の言葉として、「一方の極に鑑真を、他方の極に辣腕の政治家藤原仲麻呂と孝謙女帝をおきましたが、主人公は個人ではなく、天平の歴史そのものでありたいと思いました」と語っていて、この小説で描きたかった事が、この言葉で全て言い尽くされているように思います。ある時代の歴史の全体像を捉えるためには、権力の中枢の内部にいる人間ばかりではなく、むしろ、その裏面に位置する人間を描かなければならず、鑑真以下の渡来僧の受難を奈良時代の複雑な権力抗争の中で捉えたこの作品で、作者が描こうとしているのは、単に仏教のみにはとどまらないと思います。確かに作者の永井路子がかつて、日本史の"真の変革の時代"と記した"鎌倉時代"のそれよりも以前の時代の、最も大きな価値観や道徳律であった"仏教"を描くことが、永井路子の長年の懸案であった事は間違いないだろうし、その証拠に作中には"仏教の教義"そのものに関する入念なアプローチが見られると思います。しかし、永井路子全集の付記に「宗教小説を書くつもりはもとよりなかった」と書いているように、作者が最も精魂込めて描いたのは、仏教の戒律というものが、日本国内に受容されていく過程ではなく、一つの文化の本質が政治という魑魅魍魎が跋扈する、様々な権力闘争の中で損なわれていく過程だったと思うのです。そしてそれは、日本における、ありとあらゆる渡来文化がたどった道筋なのではなかったかと思うのです。模倣から応用、利用には至っても、真の創造はなく、本質への理解がおろそかにされたのではないのか?そしてこのテーマに対する永井路子のアプローチとして、「まこと歴史とは語られた部分と同じくらいに、語られざる部分に大きな意味が込められている」と記しているように、歴史というものは、常に勝者によって都合のいいように作られたものであり、かつて「吾妻鏡」という鎌倉時代の正史と言われているものは、実はその時代の歴史の勝者である北条氏サイドに完全に偏った記録が多く、全く信用出来ないとして、「戦時中の『大本営発表』を経験している我々には、そのカラクリが透けて見えるのだ」と語っていた永井路子の"作家としての原点"の確認にも繋がっているのだと思います。 >> 続きを読む
2016/08/26 by dreamer
MoorcockMichael , 安田均
エルリック・サーガの第一巻。それを包含したエターナル・チャンピオンの一部ですがコナンに代表される肉体派のヒロイック・ファンタジーとは一線を画した哲学的な趣のある作風です。・・・その分、暗いですが。剣を頼りに突撃!というのではなく世界の中での自分の立ち位置に悩むような主人公が読みたければどうぞ。 >> 続きを読む
2011/06/23 by RZ350
広瀬仁紀
ベンチャー企業を巡る株式市場を舞台にした暗闘。知識の無いものが調子に乗ると痛い目を見る。社会の現実がリアルに描かれている。ベンチャービジネスの急先鋒として注目を集める若手経営者。当初は本業発展のための手段として関わった株式市場だったが、濡れ手に粟の経験を繰り返す内、自身のツキを盲信し破滅に突き進む。実業と虚業のバランスを誤ると、悔やみきれない失敗が待っているという怖さがドライかつリアルに表現されている。闇の紳士などと形容されそうな、様々な登場人物達も脇を固めているのだが、意図的と思われるほどにキャラクターのプライベートな部分が取り上げられていないため、小説としての面白さは低いと言わざるを得ない。あくまでもプライベートを描かないというのなら、それに変わる何かで奥行きを設けていただきたいもので有る。投資にはバクチと似た面を持つことを理解した上で冷静に取り組む必要が有る。 >> 続きを読む
2012/07/31 by ice
西村京太郎
たくさんある西村京太郎作品の中で、コレというものはこの作品のようだったので、読んでみました。なんとなく万人の憧れ感のあるブルートレインが舞台なので自分も現実から旅の世界に連れてってもらっている気分になりました。トリックのトリックに騙されっぱなしでした。 >> 続きを読む
2018/02/08 by mdoi
WilsonColin , 中村保男
道を挟んだ向い側に古本屋があって、日本語の本も少しある。1990年あたりまで、この街へのビジターが多かったこともあり、いまだにその当時の本が多い。バンコクの古書もそうだが、旅行のときにまで携えられてきた本なのだから、おもしろいものもあるかもしれないのだが、たいがいすごい状態だ。さて、右脳。左脳に支障が起き、右脳だけとなった状態を体験した人が、回復してからそのときのことを語ったのをYoutubeでみたことがある。少なからず、ショックを受けた。光明を得るとか、悟るということはつまり、右脳で世界に対峙するということとイコールなのか?? >> 続きを読む
2016/05/14 by まるち
池波正太郎
HanffHelene , 江藤淳
三浦綾子
筒井康隆
守屋洋
宮川 ひろ
斎藤澪
宮脇俊三
ディック・ブルーナ
赤川 次郎
出版年月 - 1984年10月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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