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1987年3月発行の書籍

人気の作品

      スタンド・バイ・ミ- 恐怖の四季秋冬編

      山田順子 , スティーヴン・キング

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
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      • 映画「スタンド・バイ・ミー」を私は観ていません。
        なので、あまりにも有名なこの作品を手に取るのは初めてのことになります。
        正直読んでいる間はあまりおもしろいとは思えませんでした。しかし読み終えてみると、4人の少年のひと夏の冒険に、切なさを感じたり、瑞々しい感性を感じたりと、とても爽やかな読後感を残しました。死体を探しに行っているのですけどね。不思議な感覚です。
        懐かしさを感じるのは、大人になったゴーディが過去を振り返っているからでしょうか。

        ゴーディ、クリス、バーン、テディ。家庭内に複雑な事情を持つ彼らが、十三歳になる年。
        同年代のレイ・ブラワー少年の事故死体が森の奥にあるという情報を掴み、死体を探しに行くという冒険に出ます。
        二日間の旅は空腹や疲労でとんでもない面もありましたが、この事件で得た宝は、それぞれの心に大きく残る出来事だったと思います。しかしその絆は、意外と長くは続かなかったのですが…。この冒険の彼らの行動が、後の人生を示唆しているように感じました。

        『友人というものは、レストランの皿洗いと同じく、ひとりの人間の一生に入りこんできたり、出ていったりする。
          (中略)
          しかし、水中の死人たちが無情にもわたしの足をひっぱっていた、あの夢のことを思うと、そうなるべくしてなったのだという気がする。ある者は溺れてしまう、それだけのことだ。』
        改めて読んでみると、すでにそれぞれの運命に向かって進んでいたのだと気がつきます。

        それでも目を閉じれば、今も鮮明に思い起こすことのできる、青春の輝きだと思います。
        とても良い作品でした。
        ホーガン少年のパイ食い大会の話は汚すぎて萎えましたけどね。

        冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」も良かったです。
        あの場面を想像するとかなりグロテスクなのですが、人間の生命力を感じる作品でした。母親は強い。いえ、強くならねば、と思います。
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        2021/05/26 by あすか

      • コメント 2件
    • 他7人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      檻

      北方謙三

      集英社
      4.5
      いいね!
      • 三たびの謙三です。
        32年前の作品で初期北方謙三の一里塚とも言える物語です。
        15年くらい前に読んだのであまり覚えてなかったのですが、こんなにもバイオレンスな話だったんですね。記憶なんてあてにならないものです。

        滝野は小さなスーパーを経営している。商売はそこそこ上手くいき、美しい妻もいる。ある日階上の妻の喫茶店へチンピラが因縁をつけてくる。滝野は小金をせびって来た男を完膚なきまでに叩きのめす。
        「あの日からあなた変わったわ」妻は言う。
        眠らせていた暴力的な血が目を覚まし始めるのであった。

        滝野は元ヤクザ。武闘派の弱小の組に居たのですが、兄貴分の桜井の死を切っ掛けに遺言通りに堅気の生活を手に入れます。堅気になって知り合った妻の家を継ぎ、ビルにしてスーパーを経営、かなりの手腕で店も安泰。誰から見ても上手くいっているようにしか見えません。でも彼は自分のいる場所はここではないという思いが強くなっていきます。そこで同じ組みの旧友 高安から強引に、ある人間の高跳びを手伝わせろと申し出ます。全く彼にとってメリットもなくリスクしかない仕事、しかし彼は荒ぶる血を鎮めるために無謀な行動を取り続けるのでありました。

        いやはや今読むとほんと自分勝手な男で、色々引っ掻き回して腕力で解決。札束で横っ面を叩きつけるようにして女を手に入れる。
        男達からは一目置かれ、刑事からも「好きになってきました」と言われる。女たちは彼の意を得ようと身を焦がす。
        まっことこんなやつおるか!と思いながらも惹かれてしまう。こんな破滅的なやつ迷惑だと思いながらも暗い憧れを抱いてしまう。そんな物語です。

        ちなみに老いぼれ犬こと高樹警部の癖は、風呂のたびに頭を洗ってしまうことらしいです。こう読むと北方先生は毎回洗わないという事なんでしょうか。
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        2015/05/11 by ありんこ

      • コメント 32件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      パロスの剣

      栗本 薫

      角川グループパブリッシング
      2.0
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      • パロスの剣 第2/全3巻

        グイン・サーガのパラレルワールド的少女マンガ第2巻。

        グイン・サーガファンはそれなりに楽しめる部分が有るが、このマンガ単体を読んだ場合にどう感じるのかが疑問で有る。

        王女で有りながら、男性を愛することが出来ないエルミニアだが、国王で有る父からの婿選びのプレッシャーは募るばかり。

        身分の低い女性フィオナを愛してしまうエルミニアだが、忠臣ユリアスの計らいで2人で祭りに繰り出し、つかの間の幸福な瞬間を過ごす。

        しかし、後継ぎ問題の解決は王族の使命のため、いつまでも婿選びを先延ばしにすることが許されるはずもない。

        そこでエルミニアが打ち出した策が、自分の伴侶(=次期国王)を決める武芸大会。

        「腕に覚えの有る自分よりも弱い男を次期国王には出来ない」というロジックは理解できるが、事実上、腕力だけを次期国王の資質として認定するような暴挙でしかないだろう。

        公募制とは言え、身分の低過ぎるものは除外するなど、一定のフィルタは設けるようだが、それでも一攫千金を夢見る男達によって活気付くパロスの町。

        いよいよ始まった武芸大会だが、その間隙を突いて、国境に表れた他国の軍隊...

        グイン・サーガを読んでいて、何となく少女マンガ風だと感じる機会が多かったが、こうして実際に少女マンガ化されるとその思いは深まるばかりである。

        パロスのカーニバルで出逢った東方から来た船乗り。
        認めたくないが、きっと彼はグイン・サーガの主人公級のキャラクターであるヴァラキアのイシュトヴァーンの原型なのだと思う。
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        2013/04/09 by ice

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      Cryingフリーマン - 参

      池上遼一

      小学館
      4.0
      いいね!
      • Cryingフリーマン 第3/全9巻

        絵霧を手に入れて表情に明るさが戻る窯。百八竜の長として動き始める。

        権力を集中にし、更に魅力を増す窯。

        気がついたら百八竜の長への道を爆進していたらしい。

        振りは確かに有ったものの、とくに説明もなく百八竜の長に就任するのはいかがなものかとは思うが、さすがはフリーマン。ボスとしても魅力あふれる男である。

        絵霧を娶り、権力を集中にした今、先の展開が読めなくなった状態だが、おそらくは他勢力の併合などに舵を取るのではないかと思う。

        印象的だったのは、百貫デブ女の白牙扇。
        登場時には、まさに化物と思ったが、フリーマンに諭されてからは、まさかのカワイイキャラに変貌。

        外見との落差に、確かにカワイイと思ってしまった。
        やはり女性の魅力は外見だけじゃないのだと、こんなことから再認識した。

        そして何と言っても、ずっと行動を共にして来た黄の最後。不覚にも泣けた。
        本気で仕事をしているヤツは仲間とハートで繋がっているのだと胸に響いた。

        百八竜は非合法組織なのに、潜水艦まで所持している。そんなこと可能なのか?とリアリティ認識に悩んでしまう。
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        2012/10/13 by ice

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      ブラザーズ 2 (ビッグコミックス)

      小池 一夫叶 精作

      4.0
      いいね!
      • ブラザーズ - ガンブルー編 第2/全9巻

        少年法に守られて未成年の間だけ、計画的に殺人を請負う少年たち。
        彼らの存在を問題視した権力から、秘密裏に殲滅を依頼されたHEM(電子機械人間)。

        人間に憧れ人間ではない彼らは、少年たちに人間の心が残っていた場合は履行しないと言う条件付きで依頼を受けるのだが、人間で有るが故に過度な自己中心的態度を取る少年達に幻滅させられる。

        ちょっとした軍隊かと思わせる火力で抵抗を続ける少年達だが、その火力ゆえにHEMの皮膚や筋肉を破壊することに成功する。

        言って見れば、人間のガワを脱ぎ捨てて、ロボットのようなコア部分を晒したターミネーターのような外観を見せるHEMだが、リアルにこんなものが向かって来たら、めっちゃホラーと言うものだろう。

        HEMの皮膚や筋肉の再生を描く部分で、HEMの肉体に人間の脳を移植すれば、その人物は不死とは言わないまでも、生身の肉体よりも圧倒的な若さと長命を手にすることができることが明かされる。

        HEMを開発したのはナチス。ナチスの最高権力者で永遠の生命を求めそうな人物と言えば...
        そう言うストーリーなのかと今更気付いた。

        「アドルフに告ぐ」と同時並行的に読むことになった点に偶然とは思えない何かを感じてしまう。
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        2015/02/26 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      ここ過ぎて―白秋と三人の妻〈上〉 (新潮文庫)

      瀬戸内 晴美

      2.0
      いいね!
      • 北原白秋の三人の妻の二番目、江口章子に関するお話のようだが、50ページあたりまで作者による調査の状況がつづく。読みにくい文体というわけではないが、今ひとつ入り込めずにドロップ。瀬戸内晴美は読んでみたいと思っていたので、伝記もの以外で再挑戦したい。
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        2019/07/22 by 和田久生

    • 1人が本棚登録しています
      ブラッド・ミュージック

      BearGreg , 小川隆

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • 遺伝子工学の天才ヴァージル・ウラムが作り上げた世界初の生体素子。
        それは世界を変容させる驚異的な潜在能力を秘めていた。

        だが、それに気づかぬウラムは、実験の違法性を見咎めた会社から、開発の中止を命じられ生体素子を自分の体内に隠して、研究所の外へと持ち出してしまう。

        やがて、暴走を始めた素子はウラムの身体を浸食し、さらには外の世界へと広がっていくのだった------。

        1985年に発表された、この「ブラッド・ミュージック」は、当時まだ専門家の間だけで可能性が論じられるに留まっていた微小工学ものと、後にエボラ熱などによって大きな話題となるバイオハザードものとを融合させた、パニック小説としての先見性を持っていたと思う。

        だが、この作品の真価は、そこから、アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」を思わせる新たな人類進化、さらには宇宙の構造そのものまでも一変させるという、気宇壮大なビジョンへと、物語を展開させてしまうSFならではの豪快さに溢れているところにあると思いますね。

        特に、極小の世界で起こった変化が、極大の世界である宇宙そのものの変化を引き起こすという、クライマックスにおけるスケールの飛躍は圧巻だ。

        >> 続きを読む

        2018/04/15 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      警察署長

      Woods, Stuart, 1938- , 真野明裕

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • これまでの海外のミステリーで、"警察小説"と言われるジャンルで最長のものは、エド・マクベインの八七分署シリーズだと思いますが、単発物での最長の作品は、恐らく今回、あまりの面白さに一気に読了したスチュアート・ウッズの「警察署長」ではないかと思います。

        何しろ、上下二巻という作品自体の長さもさることながら、この"大河警察小説"の中には、何と40年という長い歳月が流れているのです。

        この「警察署長」は、警察小説であると同時に、犯罪小説でもあり、町の発展を長い歴史の中で描き、深刻な人種問題を描き、アメリカの地方政治の実情を描き、といった具合に、あらゆる要素が重層的に詰め込まれている、"大河警察小説"なのです。

        アメリカ南部ジョージア州の小さな田舎町デラノが舞台。小説は三章に別れ、まずこの町が出来た1920年代を描いていきます。次に1946年、最後の章が1962年。つまり、この小説は40数年間の町の歴史がその背景に横たわっているのです。

        この大河小説の全体を貫いているのは、若者の行方不明事件です。40数年の歳月の流れの中で、三代の署長がひょんな事からこの事件の真相の手がかりをつかむか、真相に気付くのですが、最後まで犯人は捕まらないのです。この不気味なトーンがサスペンスの縦糸を、まず作っています。

        そして、もう一つの縦糸は、この小説に登場するビリー親子。一族の歴史で、1920年に登場するウィルは初代警察署長。1946年の頃では、息子のビリーが上院議員になり、最終章で州の副知事から副大統領を目指す地位にまで上り詰めます。

        そして、このビリー一族を取り巻く登場人物が実に膨大なのです。とにかく、この大長編小説を一気に読ませるのは、恐らく、ディテールがいいからだと言うしかなく、物語の舞台となるアメリカの南部へは行った事もないのに、いきなり黒人を殴りつける農園主や警察官など、まるで私の目の前に立っている人物であるかのように、"圧倒的な臨場感"を持って迫ってくるのです。

        特に、一番いいのは、二章以降の主要人物になるビリーをただの正義感として描くのではなく、その人物像に"微妙な陰影"を持たせていることだと思うのです。そのために、この物語の奥行きが随分と深まったと思うのです。

        1982年度のアメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)の最優秀新人賞を受賞した作品で、デビュー作でいきなりこのような小説を書いてしまうとは、スチュアート・ウッズという作家はただ者ではないなと感服してしまいました。

        背後に秘められた不気味な犯罪はあるものの、さしたる事件は起きず、いわばアメリカの南部の町を舞台にした"人間葛藤劇"であり、"アメリカ史の闇の部分"でもあるという壮大なドラマを、息もつがせぬテンポで一気に読ませてしまうのは、本当に凄いと思います。このスチュアート・ウッズという作家は、この小説の後も、「風に乗って」「潜行」「湖底の家」と一作ごとにジャンルと作風を変えた作品を発表していて、しばらくは目が離せない作家になりそうです。
        >> 続きを読む

        2016/09/14 by dreamer

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      夢うつつの記 書き下ろし遺作中篇

      円地文子

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Moffy
      • 本を開くと、最初のページに写真が一枚のっていた。
        睦ましい著者の家族写真だが、撮影日時は1915年8月。
        なんと100年前のものであった。

        そして本書はまさに、その100年前の生活について綴ったものだ。

        「100年前」というとひどく遠い昔というイメージだ。
        けど意外と今とそう変わらなくて、ほぼ一緒だと言っても過言ではない。
        違いといえば、パソコンやスマートフォンといった先端モノが無いぐらいだ。
        人の情も悩みも、昔と今は変わらない。
        似たようなことで喜び、悩み、そのように一生を終えていく。
        写真の家族達も、今もまだ日本のどこかで平和に暮らしているかのよう。

        人類の歴史は大層変わっているようで、実は結局同じことを繰り返し繰り返し続けていくだけなのだろう。
        >> 続きを読む

        2020/06/23 by Moffy

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      芥川竜之介全集

      芥川龍之介

      筑摩書房
      カテゴリー:作品集
      5.0
      いいね!
      • 『芥川龍之介全集6』(芥川龍之介) <ちくま文庫> 読了です。

        「ぼんやりした不安」を感じて自殺したのは有名な話ですが、「歯車」などを読むと、結構はっきりした不安のようにも思われます。

        全集6の前半では、どこか「死」を幻想的でメルヘンチックなとらえ方をしているように読めますが、「幻鶴山房」ではがらっと様相を変え、「たね子の憂鬱」からは不気味に描かれ出し、「歯車」からは死を前にただただ憂鬱ばかりが漂ってきます。

        しかし、それでも「歯車」は傑作です。
        おそらく、芥川龍之介の中で好きな作品は、と問われれば、「地獄変」派と「歯車」派に大別されるのではないでしょうか。

        「或シナリオ」と副題された「誘惑」「浅草公園」はシュルレアリスティックで一風変わった作品です。
        シュルレアリスムの好きな方はぜひ。

        これで私の「芥川龍之介全集」は終わりです。
        >> 続きを読む

        2016/06/14 by IKUNO

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      我は求め訴えたり

      デーモン小暮

      文藝春秋(文春ネスコ)
      カテゴリー:声楽
      3.0
      いいね!
      • 閣下は昔から面白くて大好き。絶版らしいんで図書館で借りて読むといい。そういや閣下のカバー曲集、エラい歌巧くて圧巻だったなぁ。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

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