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ParkerRobert B , 菊池光
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ロバート・B・パーカーやギャビン・ライアル、ジョン・ル・カレ、クライブ・カッスラーその他、ハードボイルド小説や冒険小説を私に教えてくれたのは、私の読書の師匠、故内藤陳さんです。内藤陳さんが会長の日本冒険小説協会、入っていましたから。 スペンサーシリーズ、大好きでねぇ、私は。は。と気がついたら随分と年月が経っていて、手元にある文庫が字が小さくて困る、と思ったら、新版が出ました。 私立探偵スペンサーと相棒、ホーク、スペンサーの恋人、スーザン。この3人が大人でいいです。 ただし、この物語は、私立探偵スペンサーが事件を追うというより、15歳のポールという少年と出会い、共同生活を通して少年が成長する成長物語。 今、読むと15歳の男の子にビール飲ませたりしてNGかもしれないけれど、でも15歳くらいの人に読んで欲しいと思います。 両親が離婚して板挟みになるポールはすねてしまっているのですがスペンサーはどちらにも頼らず自立せよ、と教えるのです。 そして家にこもっていないで身体を鍛え、外へ外へと出るように導く。ポールに必要だったのは、優しさよりも、甘えないで、自立せよと言い切る潔さだったのだと思います。 >> 続きを読む
2018/06/26 by 夕暮れ
江戸川 乱歩
珍しく直感的に犯人が分かってしまった…なんだか逆に悲しい。大げさに分かりやすい動機が転がっているときは、大体そこから少し捻れたり完全に異なる動機が潜んでいるものだけれど。被害者加害者その関係者にまともな人間が少ない物語はなんだかくさくさしてしまうが、現実はそんなものか。 >> 続きを読む
2019/01/14 by aki
北村太郎 , Trevanian
海外ミステリーは、翻訳の良し悪しにかかっている。冒頭から暫く、カナダ・モントリオールのザ・メインという「夢果つる街」の描写が続く。街だけでなく、本書の主人公ラポワント警部補の詳細も知ることになる。淡々と流れる中で、知らず知らずのうちに、このザ・メインという街に溶け込んでいき、80頁を過ぎたところで、殺人事件の一報がラポワントに届く。ここまでが長いと感じる読者なら、それ以降もゆったりと進むので、読了まで時間がかかるだろう。逆に、このゆったり感が何ともいえないという印象を持ったなら、トレヴェニアンの術中に嵌った人になり、私のように、この世界にどっぷりと浸り、ラポワントと、ザ・メインを愛しく思えてくるだろう。本書は警察小説なので、犯人は誰かという本格推理小説からは遠い存在だと思わせるのだが、それを逆手にとり、驚かせる手法は見事だ。翻訳の巧さにも参った。後半で、或る女性が、ラポワントに話す言葉があるが、これに参る。――違うわ、憎しみなんかじゃない。落胆を二つに割って、ひとつを恨みとまぜあわせ、もうひとつをぺしゃんこの虚栄心とまぜあわせて、何年分もの無関心で薄めたもの、それがわたしの感じていることよ。憎しみなんかじゃないわ。本書を読んで、トレヴェニアンの他の作品も何冊か読んだが、翻訳が巧いとは思わなかった。調べてみると、本書の翻訳の北村太郎氏ではなかったので、本書の良さは翻訳にかかっているのだろう。上司との折り合いが悪いという点では、シチュエーションも方向性も真逆な「フロスト警部」シリーズに似てなくもないが、「フロスト警部」も、これは北村太郎氏ではなかったが、翻訳が見事だった。 >> 続きを読む
2020/07/06 by UZUKI0410
水野良 , 安田均
うちの旦那サンが面白いよ!読んでみる?と出して来た本です。ドワーフのギムがレイリアの記憶を取り戻すために命を落とす場面は切なかった。そしてウッドはやはり皆を裏切るか。続きもあるようなのでそのうち読みたいと思います。 >> 続きを読む
2015/04/19 by すもも
大江健三郎
最初に読んだのは高校2年生の秋。「飼育」、「芽むしり仔撃ち」、「洪水は我が魂に及び」に感動した勢いで読み始めたものの、これは難物でした。冒頭の場面、庭に掘った穴に、尻を濡らし、病んだ犬を抱きかかえて座り、胡瓜を肛門に詰め頭を赤く塗って縊死した友人を追想している主人公のイメージからして高校1年生には手強すぎます。なんとか読了したものの、かなりの違和感と疲労感を遺したぼくは、このあとしばらく大江から遠ざることになりました。 再読したのは翌年の夏休みです。「我らの狂気を生き延びる道を教えよ」を熟読して大江の文体に対するトレーニングを積んだぼくに、この本は、乾いた土に水がしみ込むように入ってきました。大江文学にほんとうにはまったのはこの時です。その後、大江の作品を年代順に読んでいくのと並行して、大江が影響を受けた戦後文学者たちの代表作を読むことがぼくの生活の中心になりました。 大江健三郎の代表作であるだけでなく、日本文学史上、最大の作品の1つだと思います。 >> 続きを読む
2013/05/16 by 弁護士K
コリン フォーブス
このコリン・フォーブスの「ターミナル計画を潰せ」は、優れた化学兵器スリラーだと思います。この種のものは、陰謀の発火点が最初から明らかにされている求心型と、例えば、細菌兵器がバラ撒かれる恐怖を描くといった遠心型があると思っていますが、この作品は求心型になると思います。そして、この作品の原題「Terminal」とは、回復不能の患者、路線の接続部、執着駅といった意味で、実にうまいタイトルですね。邦題の「ターミナル計画を潰せ」は、少し露骨すぎる気がします。陰謀が中心で、追いつめる側の視点に立ちすぎると、ロビン・クックの"毎度どれを読んでも同じ"になってしまいます。この作品の場合、主人公の正義派のジャーナリスト、ニューマンだけ前面に出して、他の人物は灰色のモザイクに作っている。結末に到らなければ、それぞれ本当の役割があぶり出されてこないのです。そして、この作品は舞台をスイスにとったことで、かなり暗喩的なメッセージが込められているのかも知れません。医療水準の先進国が、医学兵器開発に突進していると暴露するわけではありません。銀行立国の本質を、少しばかり深刻に考えれば、国境線はすべて地続き。永世中立の"平和"は、つまり永続する臨戦体制なのです。存在そのものが、ヨーロッパ中の核シェルターのような国。ここが、国際テロの拠点とも成り得るという小説なのです。 >> 続きを読む
2018/01/22 by dreamer
荒木 飛呂彦
ジョジョの奇妙な冒険 第3/全63巻かなり時間が空いてしまったが、火事の中でディオを葬った前作に続く第3巻。火事の現場跡に石仮面が無いことを懸念するジョジョの前に現れたのは、シルクハットでちょっとトボけたツェペリ男爵。チベットで習得したと言う「仙道」の流れを汲んだ、石仮面のパワーに対抗することが出来る波紋エネルギーの使い手で、ジョジョの師匠としてスピードワゴンとともに旅をすることになる。ディオが潜んでいる町を目指す一行。そこに現れたディオからの先兵は、ロンドンを震撼させた切り裂きジャック。彼を題材に、ノルウェーに伝わることわざ「北風が勇者バイキングを作った」を例に引いてジョジョを試すツェペリ。そこでジョジョの口から放たれたのが、かの有名なセリフ「ふるえるぞハート、燃えつきるほどヒート」なんと言うか、独特の世界観が普通じゃ無い。きっとこれを才能と言うのだと思うが、プロットからストーリー作り、そしてキャラクターの発言内容までオリジナリティに溢れているのに驚かされる。 >> 続きを読む
2014/03/24 by ice
千葉 敦子
昭和63年の発行、今から27年前。日本人の不思議な癖、不思議な行動、不思議な態度。未だに続いていることばかり・・・・例えば買えばどんなものでも、すぐ袋に入れてくれる。食べる処では、それ二つと、すぐに人と同じものを注文し、初対面の人にすぐにトシを聞きたがり、男尊女卑なのか、すぐに、男が・・・・、男が・・・・、と。男ならやってみろ。男でござる。やっと男になれました。どうか男にして下さい。男がすたる。男子の本懐。ちょうど今、大阪では知事と市長の選挙の真っ最中。上の、フレーズよく聞きますな・・・。ただこの本で違うのは、お酒の飲み方とクレジットカード使用について。日本人にとっては、「お酒を飲むということは酌をし、されることなり。」と、自分の好きなペースで飲むことは許されず、水割りというのもせかされながらジャンジャン飲むという環境から生まれたものと・・・。でも、最近は、お銚子も瓶ビールも、生ビールや酎ハイなどに替って、客同士が、注いで回る事も少なくなり、マイペースで飲めるように。いい酒を少量のむ、それも字からして“飲む”から“呑む”に変わったようで・・・。また当時、三分の一のカード保有者が一年間に一度もカードを使った事がない、と、現代では、現金よりもカードで買った方が安いなんて、かつては不思議だったが、今や、当たり前の時代・・・・現金よりも、カードの方が信用があったりして・・・。逆に、カードの使えない店って、何、っていう感じ。時代に押されて、日本人が変わってきているのは、間違いありませんな。でも、未だに根底に流れている独自の日本人らしさもあることは事実でおます。 >> 続きを読む
2015/11/10 by ごまめ
吉村昭
江戸時代末期から明治にかけて福井で天然痘と戦った町医の話。現代の人間である私には想像できな事だが、天然痘の惨禍は凄まじいものであったらしい。感染した人間の1/3は死に、生き残った者にも生涯消えない痘痕を残す恐ろしい病で、種痘が広まるまでは対処方法がなかったという。西洋では広まりつつあり効果を上げ始めていた種痘を日本に導入することに尽力し、日本の天然痘の治療の先駆けとなった福井藩の医者笠原良策。人の命を救うために自分の財産もなげうって、それだけではなく命の危険すら冒す。そこまでの壮絶な努力をしてすら役人や医者たちの非協力的な態度、迷信に満ちた庶民たちの悪意によって思うように種痘が進まない。そこに至るまでの道のりは想像を絶する困難に満ちていたが、彼の志は最後に実を結ぶ。クライマックスのシーンはやはり種痘を施した子供とその親と共に雪中の山道を越えるシーンであろう。あと一歩で遭難してしまうところまで行きながら奇跡的に全員無事で生還する。これがフィクションでなく実際にあった事なのだと認識するたびに深い感動が沸き起こってくる。 >> 続きを読む
2018/05/04 by くにやん
池波正太郎
図書館本。上巻。隠密活動をしている浪人の目を通して描いた忠臣蔵外伝。柳生十兵衛の血をひき、将軍家から秘密の鑑札を与えられている浪人月森十兵衛は、浅野内匠頭が起こした刃傷沙汰以来、赤穂浪士たちの動きを探っている。大石内蔵助の江戸入りに際して初めてその姿を見るが、十兵衛にとって内蔵助は不可解な人物だった。剣の達人でもある十兵衛が格好よすぎて、わくわくしながら読んだ。赤穂浪士討入りに十兵衛がどう関わっていくのか、下巻が楽しみ。 >> 続きを読む
2021/01/21 by Kira
図書館本。下巻。喧嘩両成敗の掟を破った将軍の過ちを正すためには、赤穂浪士たちの討入りを成功させるよりほかにないと考えた月森十兵衛は、浪士たちと近づきになり、討入りの準備に手を貸す。場所を移された吉良邸の間取りを探り、吉良邸護衛の浪人たちをおびき出し怪我を負わせて戦力をそぐ。やがて討入りの日、十兵衛は赤穂浪士たちを見守る。忠臣蔵のことをよく知らないままに、家来が主人の恨みを晴らした美談だと勝手に思い込んでいたが、実は政治的な意図がはたらいた事件だったのだなと、本書を読んで思い直した。池波氏は、忠臣蔵の物語をもっと書きたいという願いを果たせないままに逝ってしまわれた。池波氏のご冥福を祈りながら、未読の作品を楽しんでいきたい。 >> 続きを読む
2021/01/28 by Kira
星野 之宣
ヤマタイカ 第2/全6巻沖縄で血脈を保っていた卑弥呼の末裔。能力増幅器としての機能を果たすオモイカネと呼ばれる巨大な銅鐸を探す。やはり圧倒的に知識が足りない。ルーツを知る上で最低限の考古学の知識も教養として必要だと気付かされた。卑弥呼の末裔である神子(みわこ)が、火の民の末裔達と呼応し、力を蓄えていく。前巻で興味を持った地名相似だが、更にもうひとつの事例を上げ、邪馬台国が時間をかけて九州から東へ移って行った可能性を示唆する。随所に差し込まれる戦艦大和的な艦影。日本古来の神々の神話当たっているとすると、ネタバレになってしまうかも知れないが、何となくオチが見えた気がする。卑弥呼の力を増幅するものとして銅鐸(オモイカネ)銅鐸がキーワードなのだが、どうもそれが一旦バラバラにされて紛失した様子。バラバラにされた大量の金属が何に姿を変えたのか?銅という点が使い物になるのかは知らないが、それだけの金属を必要とするものは、そんなに多くないはず。予備知識が足らな過ぎて、正直一部しか味わえていない気がしてならない。 >> 続きを読む
2013/01/17 by ice
伴田良輔
男女の性を画像をふんだんに盛り込んで考察する。恥ずかしくて電車の中では読めない。行ったことは無いのだが、熱海の秘宝館のイメージと重なった。画像が各所に盛り込まれてはいるものの、エロ本なのか?と問われれば、全般的には、博物学的アカデミックな匂いは感じると答える。しかし、同性愛やSM、更には自殺プレイなどと畳み掛けられると、さすがにゲンナリするのは否めない。何とも、感想がまとまらない作品である。休日で電車が空いていた時に、こそっと超高速で読んだ。 >> 続きを読む
2012/04/14 by ice
島田荘司
古事記(八岐大蛇)のエピソードになぞらえた殺人。最後の最後でホッとさせてくれるのが良い。おそらく被害者女性に対して感情移入させる意図が無いからなのだろうが、殺人→死体処理→謎解き→逮捕と、全てが淡々と流れていく印象が強い。とは言え、いただけないのは、殺人という結果を引き起こす怨恨の感情さえも、積もり積もったパッションの発露という感じではなく、不愉快だから殺したというような低体温を感じる点。そんな殺伐とした世界観の中、最後の1ページでホッとさせてくれるのは非常に心地よく、この仕掛けのために、著者が全編に渡って意図的に構築した世界観だったことを知った。各所で著者らしい斬新さが散りばめられ、光るところは有るのだが、島田氏作品に対する期待の大きさからすると、いまひとつ満足にはとどかなかった。女性からすると、やはり吉敷刑事は非常に魅力的なのだろうということは理解できる。 >> 続きを読む
2012/01/17 by ice
吉田 秀和
需要と供給がマッチングしなかった序論でセザンヌが好きな理由にシンパシーを感じただけに悲しい >> 続きを読む
2022/04/09 by kotori
稲田純子 , 福田庄助
仏教説話ジャータカの中のひとつの物語。ある鬼が住んでいる池があり、その鬼は池の近くにやってくる生きものを食べていた。ある時、猿の群れが池の近くにのどがカラカラになってやってきた。しかし、賢い猿の王様は、すぐに池の周りの足跡が、池に向かっていく足跡はあっても、帰ってくる足跡がないことに気付き、みんなに近づかないように注意して制止する。そして、真ん中が空洞の葦のストローをたくさんつくり、みんなに離れたところからストローで水を飲ませる。鬼はくやしがるが、猿たちは無事に水を飲んで帰ることができた。という御話。思慮深さや注意力、そしてその力を持ったリーダーの言うことによく聞き従うことが、身の安全につながることを教えてくれる物語だと思う。ジャータカの絵本を読んでいったら、賢い人間に、子どもも大人もなりそうである。 >> 続きを読む
2013/06/27 by atsushi
村上豊 , いどたより
ジャータカの中の物語の一つ。多くの学問を修め、なおかつ賢くなりたいと思い、魔法使いの弟子となった若者・サンジーバ。ついに、おじいさんから、命をよみがえらせる魔法を教えてもらうが、使い方にはよく注意するように言われる。はじめは、ひなが死んで悲しんでいた小鳥のために、ひなをよみがえらせてあげたり、善いことに慎み深く魔法を使う。しかし、人に自慢したいと思い、ある時、他の人々がいるところで、みんなが止めるにもかかわらず、道端で死んでいた虎をよみがえらせ、自分が襲われて死んでしまう。何か強力な力を得たとしても、それをコントロールするための自制や慎みがないと、かえって身を滅ぼしてしまうこともある。そのことをあらためて考えさせられる、仏教説話だった。 >> 続きを読む
中川 李枝子
「ぐりとぐら」の、中川李枝子さんと、山脇百合子さんのかわいらしい絵本です。図書館で、取り寄せして読んだのですが、取り寄せてみてびっくり。手のひらに収まってしまうくらいの、可愛らしい絵本だったのです。ページを開いてみると、右のページに、まるで詩のような、なぞなぞが一つ。左のページに、答えを連想させる、山脇百合子さんの、日常の中のあたたかな絵が描かれてあります。例えばゆったりとした午後に、子どもといっしょに開いて、「これなーんだ」「なにかなー」と会話が聞こえてきそうな、その姿が目に浮かんできそうな、可愛らしい絵本です。 >> 続きを読む
2014/01/23 by ヒカル
たかどの ほうこ
緑色のタネと一緒にメロンアメを植えたら...。読んでいてワクワクする魅力的なお話でした。何かを土に植えたくなります。 >> 続きを読む
2016/04/14 by terra
本信公久
1990年ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞作品。絵の発想やセンス、デザインが面白くて素敵だなぁと思いました。見ると一瞬簡単そうな気もするけど、やっぱりこんなアイデアって自分にはなかなかな浮かばないです。豊かな発想って羨ましい。。。 >> 続きを読む
2012/06/02 by kumahachi
出版年月 - 1988年4月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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